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海水魚水槽のパイロットフィッシュ5選!なぜ必要なのかも解説します

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新しく立ち上げたばかりの水槽はろ過バクテリアの数が非常に少なく、魚の飼育を始めるのには少し勇気のいる環境です。
デリケートなお魚の場合、立ち上げたばかりの水槽に入れてしまうと水質の変化についていけず弱ってしまうことも少なくありません。

そのようなときに役立つのが、パイロットフィッシュの存在です。
パイロットフィッシュは水質を安定させるのに必要なバクテリアを増やし、水槽内の環境に問題が無いか確かめるといった大切な役目を担います。

そこで今回はパイロットフィッシュとしておすすめの海水魚を全部で5種類ご紹介していきますので、これから海水魚水槽の立ち上げを考えている方は是非参考にしてみてください。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに海水魚水槽のパイロットフィッシュを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

海水魚水槽も淡水魚水槽と同じく、水槽を立ち上げるのには「バクテリア」が十分に住み着くことが大切です。
そこで、安全にバクテリアを増やすためにパイロットフィッシュを使うことがあります。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、海水魚水槽のパイロットフィッシュを解説します。

パイロットフィッシュとは

アクアリウムでは、水槽内の環境を整えるために最初に入れるお魚のことをパイロットフィッシュ(またはテストフィッシュ)と呼んでいます。

まずはパイロットフィッシュを選ぶ際の条件や導入する目的、飼育するときの注意点について解説をしますので、しっかりと確認しておきましょう。

水槽を立ち上げるために導入する魚

パイロットフィッシュとは、水槽を立ち上げるために導入する魚のことを指します。

新しく立ち上げたばかりの水槽は生物ろ過をするためのバクテリアが非常に少ないため、アンモニアや亜硝酸塩などの有害物質を無毒化する能力が低く、その環境で生き物を飼うのにはかなりのリスクをともないます。
しかし、ろ過バクテリアは魚の糞や餌の食べ残しなどの汚れ(つまり、アンモニアや亜硝酸塩など)を食べて増える性質があるため、生き物の存在が必要不可欠です。

そこで登場するのがパイロットフィッシュです。

パイロットフィッシュはどんな魚でも良いというわけではなく、

  • 水質の変化に強い
  • 餌をしっかりと食べて排泄する(適度に水を汚す)
  • おとなしい性格であまり大きく育たない

といった条件に当てはまる魚を選びます。

メインとなる生体を安全に飼育するために水質を整えておくのが、パイロットフィッシュの目的です。

目的が終わっても飼育しよう

パイロットフィッシュたちのおかげで水槽が無事に立ち上がったら、いよいよメインで飼育する魚を導入します。

ここでポイントとなるのが、パイロットフィッシュと後から入れる魚の相性です。
先ほどもご説明したようにパイロットフィッシュはおとなしくあまり大きくならない魚を選ぶのが基本なのですが、逆に気性が荒く神経質なお魚をパイロットフィッシュに選んでしまうと、後から導入する魚とケンカする可能性が高くなってしまいます

そうなるとせっかく水槽が立ち上がったのに別の水槽へ隔離して飼育せざるを得なくなってしまうので、役目を終えてからも混泳に苦労しないお魚をパイロットフィッシュとして選びましょう。

性格のおとなしさはかなり重要です。

海水魚水槽にオススメのパイロットフィッシュ5選

それではさっそく、海水魚水槽におすすめのパイロットフィッシュをご紹介していきましょう。

  • デバスズメダイ
  • カクレクマノミ
  • ハタタテハゼ
  • ギンガハゼ
  • ヤエヤマギンポ

今回はこちらの5種類の魚を解説しますので、気になるお魚がいましたらチェックしてみてくださいね。

デバスズメダイ

(海水魚)デバスズメダイ Mサイズ(2匹) 北海道・九州航空便要保温

大人しい海水魚の代表種と言えるデバスズメダイ
他の海水魚におびえてしまうこともあるため、パイロットフィッシュとしてだけではなく普通に飼育する場合にも、最初に導入してあげるのが良いです。

その臆病さと水質変化にも比較的強いこと、そして安価なことから、パイロットフィッシュとしてもよく採用されます。
さまざまな魚種と混泳可能なので、まさにぴったりの魚と言えるでしょう。

サンゴとも相性が良く悪さをしないため、サンゴ水槽のパイロットフィッシュとしてもおすすめです。

群れる魚なので、飼育する場合には必ず複数匹で導入してあげましょう。

カクレクマノミ

【海水魚/観賞魚/スズメダイ】 カクレクマノミ ※国産ブリード ■サイズ:3cm± (2匹)

かわいい海水魚としても人気のカクレクマノミ
水槽飼育に向いたブリード個体が多く流通しており、飼育をはじめやすい魚種です。

販売されている個体はまだ小さい若魚が多いため、水槽サイズによりますが、水質悪化の速度もゆるやかなためパイロットフィッシュに向いています。

なにより、ブリード個体は餌付けや混泳に困らないので、最初の海水魚に最適でしょう。
カクレクマノミは縄張り意識が強くケンカをしやすいため、はじめから2匹で導入するのがおすすめです。


ハタタテハゼ

(海水魚)ハタタテハゼ(1匹)

白と赤のグラデーションが非常に美しいハタタテハゼ
最大でも7cm程度のため、海水魚としては小型の部類に入ります。
病気に強くある程度の水質変化には対応できる丈夫さはもちろん、人工飼料への餌付けも容易なことからとても飼いやすいことでも知られる人気のお魚です。

ハゼの仲間全般に言えることですが、ハタタテハゼは何か驚くようなことがあると飛び跳ねて水槽の外に出てしまうことがあるため、水槽のフタは必ず閉めておきましょう。

ギンガハゼ

(海水魚)ギンガハゼ イエロー(1匹) 北海道・九州航空便要保温

黄色い身体にネオンブルーの斑点模様がとても良く映えるギンガハゼ
共生ハゼの仲間の中では結構大きく、最大10cmにまで成長します。

この「共生ハゼ」という言葉ですが、ギンガハゼはニシキテッポウエビなどのエビの仲間と共同生活をすることでも知られています
このようにエビと共生するハゼの仲間を、まとめて「共生ハゼ」と呼んでいるのです。

ギンガハゼは病気に強く丈夫なお魚ですが、ニシキテッポウエビは水質の変化にあまり強くありません。
共生させるのであればギンガハゼを先に飼育して、水質が整ってからエビを導入するのがおすすめです。

ヤエヤマギンポ

(海水魚)ヤエヤマギンポ Mサイズ(1匹)

ヤエヤマギンポはブレニーの仲間で、全長8~12cmほどの小型海水魚です。
ある程度の水質・水温の変化に強く、比較的どんな種類とでも混泳ができることや、優秀なお掃除生体としても知られています。

大食漢で痩せやすいため、エサは多めに与えないといけないですが、水槽設置初期に発生しやすい茶ゴケなども食べてくれるので最初期に導入する魚種としても向いています。

体色は一見地味ですが、かわいらしい表情を持つ魚です。


パイロットフィッシュが不要という考え方

ここまで海水魚水槽におすすめのパイロットフィッシュをご紹介してきましたが、実は東京アクアガーデンでは「パイロットフィッシュは不要」という考えのもと、水槽を立ち上げています。

パイロットフィッシュの役割をおさらいすると、

  • バクテリアの活動を促進させ、水質環境を整える
  • 魚が住める環境かどうかチェックする

というのが一般的な考え方です。

また、バクテリアの活性化はとにかく生き物を飼育すればまかなうことができますし、環境のチェックは検査薬などを使えば判断できます。
実際のところ、東京アクアガーデンでは混泳時のパワーバランスを調整するために、大人しい生体から水槽に導入していく手法をとっていますが、結果としてそうした生体がパイロットフィッシュの立ち位置になるので、特別に用意しなくても水槽は立ち上がるのです。

単独飼育の場合には悩みがちで、バクテリアが少なく水質の安定しない水槽では、いきなりメインの魚を入れるのには勇気が要るかもしれません。
しかし、こまめに水質をチェックして適度に水換えを行なえば、硝化しきれなかったアンモニアや亜硝酸塩を排出し、硝酸塩も0に近い水質を維持することができるのです

すでに立ち上がっている水槽があれば、その飼育水やろ材の一部を新しい水槽に使用することで、更に早く水槽を立ち上げることができます。

水槽の容量に余裕があるのなら良いのですが、パイロットフィッシュを入れたおかげで魚たちが後々窮屈な思いをするのであれば、パイロットフィッシュを入れないという判断も必要となってきます。
水槽サイズや飼育したい魚を見直して、ベストな方法を選択しましょう。

まとめ:海水魚水槽のパイロットフィッシュ5選!なぜ必要なのかも解説します!

今回は海水水槽におすすめのパイロットフィッシュについて解説をしてきました。

バクテリアを増やし水質を安定させるのがパイロットフィッシュの目的ですが、こまめに水質をチェックして水換えができるのであれば、大抵のお魚は立ち上がる前の水槽でも飼育することができます。

水槽のサイズやメインで入れたいお魚、ご自身がどれだけこまめに水換えできるかなどを考え、パイロットフィッシュを導入するかどうかしっかりと判断することが大切です。

もちろんですが、パイロットフィッシュも生き物です。
導入するのであれば、メインのお魚と同等に愛情を注げるお魚を選びましょう。



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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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