金魚の飼い方
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魚の目が飛び出た!ポップアイとは!厄介な病気の原因と対処法を考えます

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魚の中には出目金や出目メダカなど、生まれつき大きな目が飛び出しているように見える魚種もいますが、元々は飛び出していなかったはずの目が、いつの間にか大きくなってくるときは、ポップアイという病気の可能性が高いです。

ポップアイはその名の通り目が飛び出す症状で、水中の常在菌や外傷、水質の悪化など様々な事柄が原因で発症します。
病気が進行すると完治が難しいばかりか、目が取れてとても痛々しい姿になってしまうため、早期に治療を開始することが大切です。

今回のコラムでは観賞魚がかかる厄介な病気の一つ、ポップアイの原因と対処法について考えていきます。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに魚のポップアイについて解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

魚の目が飛び出している、充血しているといった症状がみられるときはポップアイという病気を患っている可能性があります。
ポップアイは初期段階ならば治療ができますが、症状が進むと完治が難しい命にも関わる病気ですので、病気の兆候を見逃がさないようにしましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚のポップアイについて解説します。

ポップアイの主な症状


金魚などの観賞魚が患うポップアイは、何らかの原因により眼球が飛び出てしまう痛々しい病気です。
細菌感染や外傷、水質の悪化など様々な事象が原因で発症すると考えられており、原因によって症状の出方やその他の身体症状に違いがあります

ポップアイが疑われる魚を見つけたら、落ち着いて症状を確認し、状態を把握しましょう。

眼球が飛び出す

ポップアイの最も特徴的な症状が眼球が飛び出すというものです。

初期段階では目の周囲が腫れたように膨らみ、次第に眼球が持ち上がって突出していきます。
症状が進行すると、腫れた部分に滲出液がたまって風船のように大きく膨らんだり、目の周りが壊死して眼球が取れてしまったりすることもある恐ろしい病気です。

軽度だと「少し目つきが変わったかな?」程度ですが、そこから進行することも多いので、目に異変が見られたらポップアイを疑いましょう

目に充血や白濁がみられる

ポップアイと合わせて目に充血白濁がみられることがあります。

目の中に血が溜まったような独特の充血は、低酸素が原因のポップアイに多い症状です。
一方眼球の透明感が失われて白濁しているときは、水質の悪化や細菌感染からポップアイを発症したと考えられます。

感染症の場合は他の身体症状にも注意

細菌感染症の症状の一つとしてポップアイが現れることがあります

この場合は、目以外の部分にも何らかの異変が出ていることが多いので、体やヒレの状態を見て総合的に病気を特定しましょう。

松かさ病

松かさ病は、松ぼっくりのように鱗が逆立つ病気です。
初期段階では鱗の一部が少し開いている程度で、体に内出血のような斑がみられます。

症状が進行するとポップアイを併発することが多いです。

ポップアイの原因


魚がポップアイを発症する原因は一つではありません
細菌感染や水質によるものなど様々な事象が考えられますので、一つ一つ確認しながら原因を特定しましょう。

ここではポップアイの原因に多い、

  • エロモナス菌感染症
  • 水質の悪化
  • 外傷
  • 低酸素症

4つの事象について解説します。

エロモナス菌感染症

ポップアイの原因として最も多いのがエロモナス菌感染症です。
エロモナス菌は淡水ならばどこにでもいる常在菌、健康な魚であれば病気を発症することはありません
しかし、ストレスや体調不良で免疫力が落ちているとエロモナス菌に感染して、重篤な症状を引き起こすことがあります。

エロモナス菌感染症ではポップアイ以外にも、体に赤い斑点が出る赤斑病や先ほど触れた松かさ病、体表に穴が空いたように筋肉が露出する穴あき病といった、治療が難しい症状を併発するため、該当の症状が見られる場合はエロモナス菌感染症を疑って治療を開始してください。

ちなみに金魚を飼育している際に経験した症例では、

消化不良→エロモナスの体内感染(松かさ、膿など)→ポップアイ

の順で症状が進行するパターンが多いです。

水質の悪化

水質の悪化もポップアイの原因になると考えられています。

水換えの不足や過密飼育が続くと水質が悪化して魚にストレスが掛かり、ポップアイのような症状を呈することがあるのです。
この場合、体表にその他の症状がみられず目に異変が起きているだけならば、水換えをして水質を改善すると回復する可能性があります

水質の悪化は先ほどのエロモナス菌を始めとした菌の増殖や活性化を促し、様々な病気を誘発します。ポップアイとの関係も深いと考えられるでしょう。

外傷

怪我をした場所から菌が感染してポップアイを発症することがあります。

また、直接の原因ではないとしても外傷によって体力や免疫力が低下すると、病気にかかりやすくなるためそこからポップアイに発展することも少なくありません。

低酸素症

魚が極度の酸欠状態になると、目が飛び出すポップアイと同様の症状を患うことがあります。

酸欠が原因の場合は、目の中に出血したような充血や、鼻上げなどの酸欠特有の行動を見せることがほとんどです。

低酸素症によるポップアイは塩水浴などで改善すると言われています。
また、治療と並行して水槽内にエアレーションをしたり、飼育数を見直したりして慢性的な酸欠を改善しましょう。

ポップアイの治療方法


ポップアイを発症したら、塩水浴や薬浴、薬餌で治療をします。

ここではポップアイの治療法を状況や段階に分けて解説します。

ごく初期の段階ならば塩水浴と水換えが有効

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体表にポップアイ以外の症状がみられず、水質悪化、低酸素症などの細菌感染以外が原因と考えられる場合は、病魚を隔離して塩水浴を行います

塩水の浸透圧により体力の消耗を抑えて、自然治癒を目指します。
また、ポップアイを発症する水槽は総じて水質が悪化している場合が多いので、水換えやエアレーションをして環境を改善してください。

外傷が疑われる場合は薬浴をする

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外傷からポップアイを発症した場合は薬浴が有効です。

グリーンFゴールド顆粒』などを用いて傷口を殺菌し、その他の病気を併発するのを予防します。

『グリーンFゴールド顆粒』はエロモナス菌感染症にも効果が期待できる薬ですが、エロモナス菌が原因でポップアイを発症したときは、すでにかなり病気が進行している可能性が高いです。
この場合は、薬浴では十分な効果が得られないため、次項の薬餌で治療を行ってください。

中期以降は薬餌で治療しよう

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ポップアイの症状が進行している場合や、体表にその他の病気の症状が出ているときは薬餌が効果的です。

グリーンFゴールド顆粒』や『観パラD』に浸した餌を食べさせて、体内に直接薬効を届けます
薬浴よりも効果が高く即効性もありますが、一方で餌を食べてくれないことには効果が無いため、ある程度食欲がある段階で薬餌に切り替える必要がある点には注意してください。

また、症状が進行した細菌性のポップアイは完治がとても難しいです。薬餌により一度は改善したように見えても、すぐに再発してしまうケースも多いので、できるだけ早い段階で治療を始めることをおすすめします。

ポップアイは予防が大切


魚のポップアイは、一度患うと治療が困難なことも少なくない重篤な病気です。
魚の健康を守るためには、ポップアイにしないことが何より大切ですので、日頃のメンテナンスや観察を徹底して予防に努めましょう。

ここでは、ポップアイを予防する飼育のコツをご紹介します。

定期的な水換えやメンテナンスを徹底する

水質の悪化は万病のもとともいわれる通り、ポップアイの予防にも、定期的なメンテナンスや水換えが非常に効果的です。

特に金魚などの大食漢の魚は底砂が汚れやすく、そこから水質の悪化や細菌の繁殖を招くため、クリーナーポンプを使って清潔に保つと病気を予防できます。

また、ろ過フィルターエアレーションを使って水槽全体に新鮮な酸素を行き渡らせるのも良い方法です。
酸素が豊富な環境を好む好気性バクテリアを十分に繁殖させることで、病気の原因となるほかの雑菌の勢力を弱めて、健全な環境を維持しやすくなります。

水深を浅めにして水圧を下げる

水深が深過ぎると水圧で目が押し出されやすくなるという意見があります。
ポップアイの直接の原因となるわけではありませんが、目への負担を減らすという意味では、水深を浅めにするのも一つの方法です。

また、すでにポップアイの兆候が出ている水槽では、水深を浅くすることで症状の進行を抑える手助けになります。

まとめ:魚の目が飛び出た!ポップアイとは!厄介な病気の原因と対処法を考えます


今回は、魚の目に現れる異変ポップアイについて解説しました。

ポップアイは、魚の目が腫れて眼球が飛び出してしまう痛々しい病気です。
エロモナス菌感染症の症状の一つとして現れるほか、水質悪化外傷低酸素症など様々な事象が原因で発症します。

ポップアイの症状が見られたら、まずは体表などに他の症状が出ていないかを確認して原因を特定してください。
次に原因や段階に合わせた治療を行います。

また、日頃から水換えやメンテナンスを怠らず、清潔な環境を保つことがポップアイの一番の予防です。

状態によっては完治が難しいこともあります。早期発見・早期治療を心がけ、大切な魚の健康を守りましょう。

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執筆者 アクアガーデン

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