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カクレクマノミと相性が悪い魚8種!混泳を避けたい海水魚種と理由

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オレンジのベースに黒のバンド模様、丸みを帯びた顔立ちからマスコット的人気を得ているカクレクマノミは、映画のキャラクターとしても知られている、可愛らしい海水魚です。

映画の世界では様々な海の生き物と仲良く暮らす姿が描かれていることから、自宅でも混泳に挑戦しようと考えている方もいるでしょう。

しかし、実はカクレクマノミは穏かそうな見た目に反して気性が荒い性質があり、混泳相手の選定には注意が必要なことをご存知でしょうか。
特に同種や近縁種相手にはかなり攻撃的な一面を見せるため、飼育を始める前に混泳できる品種と避けたほうが良い品種を確認しておくことが大切です。

今回のコラムでは、カクレクマノミと相性が悪い魚をご紹介します。混泳を避けた方が良い理由と、混泳を成功させる秘訣も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにカクレクマノミと相性が悪い魚8種を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

イソギンチャクの周りをフワフワと泳ぐ姿が印象的なカクレクマノミですが、性格は海水魚らしい攻撃的な一面を持ちます
水槽で混泳を試みる場合は、導入する魚種やレイアウトを工夫するとうまくいきやすいでしょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、カクレクマノミと相性が悪い魚8種を解説します。

カクレクマノミと相性が悪い魚8種


カクレクマノミと相性が悪い魚を8種類ご紹介します。

イソギンチャクと共生するカクレクマノミは、縄張り意識が強く自分のテリトリーに侵入してくる生き物を排除しようと激しく攻撃をする習性があります。
特にスペースが限られる水槽内では、生活圏が被る魚とは縄張り争いになりやすいため、魚種の選定には注意が必要です。

また肉食性の魚ヒレをかじるような魚とも相性は良くないでしょう。

カクレクマノミの多数飼育

【海水魚/観賞魚/スズメダイ】 カクレクマノミ ※国産ブリード ■サイズ:3cm± (1匹)

一番避けたほうが良いのが、同種混泳です。

縄張り意識が強いカクレクマノミを複数匹で飼育をすると、群れの中にヒエラルキーが生まれて弱い個体が追い回されるようになります
いじめられてしまった固体はストレスを受けたり餌が十分に食べられなくなったりして、弱ってしまうケースも少なくありません。

特に水槽が小さいと攻撃が激化しやすいため、基本的には単独オスメスの1ペアで飼育するのがおすすめです。
ペアで飼育する場合は、購入時点から番になっている個体を購入してくると、スムーズでしょう。

とはいえ、「レンタル水槽ではたくさんのカクレクマノミが泳いでいますよね?」と質問をいただくことがあります。

カクレクマノミの複数匹混泳には条件があり、まだ縄張り意識の低いブリード個体の若魚・十分な広さがある水槽であれば、成魚になるまでの間なら多めに飼育可能です。

しかし、相性が悪くなった時点で別水槽に移す必要があるため、基本的には2匹までにしましょう。

クマノミの近縁種

(海水魚)ハマクマノミ(ワイルド)(1匹) 北海道航空便要保温

ナミクマノミハマクマノミといった近縁種も、混泳には注意が必要です。
カクレクマノミと同じく縄張り意識が強い性格で生態も似ているため、同じ水槽で飼育すると同種と同じような争いになる可能性があります。

しかも、カクレクマノミはクマノミの仲間の中では体が小さくて性格が温和なため、どちらかといえば攻撃を受ける側になりやすいです。
気づいたときにはカクレクマノミが弱ってしまっていることも多いので、大型水槽でない限りはクマノミの近縁種とは避けた方が良いでしょう。


ルリスズメダイ

(海水魚)沖縄産 コバルトスズメダイ(3匹) 北海道航空便要保温

コバルトブルーの体色が美しいルリスズメダイは、体長8cm程度の小型の海水魚です。
小型水槽でも飼育がしやすい品種ですが、性格は攻撃的で縄張りを主張する傾向が強いことから、カクレクマノミと混泳させると小競り合いが起きやすいでしょう。

特に狭い水槽ではお互いを威嚇し合い、ダメージを受ける可能性が高まります。体格にもよりますが、どちらにも良い影響はないため混泳は避けた方が良いです。

スズメダイの仲間は気が強い品種が多い中、比較的穏やかなデバスズメダイとならば普通に混泳できます

とはいえ、ルリスズメダイでも120cm以上の大き目な水槽であれば混泳可能な場合もあります。

似た種類では、シリキルリスズメダイやロイヤルダムセルとなら、比較的混泳しやすいことが多いです。
しかし、十分な広さがある水槽で飼育することが前提なことは変わりありません。

チョウチョウウオ

【海水魚/観賞魚/チョウチョウウオ】 フウライチョウチョウウオ ■サイズ:5cm± (1匹)

鮮やかな体色に優雅な泳ぎが魅力的なチョウチョウウオですが、ライブロックやサンゴをついばむ習性があることから、カクレクマノミの縄張りを荒らして敵視されてしまう可能性があります。

一度敵と認識されてしまうと、執拗に攻撃を受けるケースが少なくなく、チョウチョウウオが弱ってしまうことも。
また、チョウチョウウオとカクレクマノミではエサの食性が大きく異なる点も混泳がしづらい理由です。

ただ、トゲチョウチョウウオなどの比較的穏やかな品種を選んだり、縄張りを作らせないようレイアウトを工夫したりすることで、混泳が成り立つケースもあります

ハリセンボン

【海水魚・観賞魚・フグ】 ハリセンボン ■サイズ:8cm± ※フィリピン産 (1匹)

笑っているような愛嬌のある顔立ちに人懐っこさが合わさって、まるでペットのような感覚で飼育を楽しめるハリセンボンですが、カクレクマノミを傷つけてしまう危険があるため混泳はできません

ハリセンボンは大きな口と強靭な歯を持っており、小型魚をかじってしまう可能性があるからです。
特にひらひらとしたものに食いつきやすく、体を波打たせるように泳ぐカクレクマノミも補食の対象になります。

そもそもハリセンボンは混泳向きではなく、単独飼育が推奨される魚種です。
成長すると体長は30cmを超えることがあるため、無理に混泳水槽で飼育するよりは90cm以上の水槽でじっくりと飼いこむことで魅力を感じることができます。

ハコフグ


おちょぼ口とカラフルな体色から人気の高いハコフグは、ストレスを感じたり驚いたりした時に毒素を放出します。
この毒は水槽内の生き物に致命的なダメージを与えるため、カクレクマノミとの混泳も避けたほうが良いです。

そもそも、ハコフグは基本的に単独飼育が推奨されています
極力ストレスを与えないように環境を整えれば混泳が成り立つ可能性もゼロではありませんが、かなりリスクが高いので無理に挑戦する必要はないでしょう。

ウツボの仲間

(海水魚)クモウツボ Mサイズ(1匹) 北海道航空便要保温

肉食性が強い生き物も、カクレクマノミとは混泳できません

ウツボドクウツボの仲間は肉食性が強く、小型魚を丸呑みにすることがあるので注意が必要です。
ウツボは生きた魚をとらえるのは苦手なため、大丈夫なのではないかと考える方もいますが、夜間に眠っている小型魚を狙って捕食することがあるため、カクレクマノミとの混泳も避けましょう。

ウツボを飼育する場合は同じサイズの肉食魚と組み合わせるか、単独での飼育がおすすめです。

タツノオトシゴ


独特の風貌がユニークなタツノオトシゴは、丈夫な反面餌付けが難しい魚がとして知られています。
遊泳力が低くて餌を食べのもゆっくりなため、泳ぎが活発なカクレクマノミなどと混泳するとタツノオトシゴが栄養を取れずに衰弱してしまう可能性が高いです。

また飼育環境の面でも、タツノオトシゴは強い水流を苦手とする一方、カクレクマノミはある程度の水流を好むなど合わない場面が多いでしょう。

このような様々な事情から、カクレクマノミとタツノオトシゴの混泳は難しいです。

カクレクマノミの混泳を成功させるポイント


縄張り意識の強さから混泳が難しいカクレクマノミですが、いくつかのポイントを押さえることで混泳を成功させやすくなります

そこで、ここからはカクレクマノミの混泳を成功させるポイントを2つご紹介します。
カクレクマノミの習性や性格を考慮した工夫をして、ストレスの少ない混泳水槽を実現しましょう。

縄張りを作らせない

カクレクマノミが他種ともめる一番の理由が縄張り争いです。
そのため、特定の個体が縄張りを作らないようにレイアウトを整えて、争いの種を作らないように工夫すると、混泳が成り立ちやすくなります。

縄張りを作らせないコツとして、

  • イソギンチャクを入れない
  • 定期的にレイアウトを変える
  • 個体数を多めにする

の3つを意識してみてください。

イソギンチャクを入れない

イソギンチャクと共生する習性があるカクレクマノミは、イソギンチャクがあるとその周辺を守ろうと攻撃的になります

イソギンチャクとカクレクマノミの組み合わせはアクアリストの憧れではありますが、混泳水槽ではイソギンチャクを入れずに飼育した方が環境を守りやすいでしょう。

定期的にレイアウトを変える

レイアウトを定期的に変えるのも縄張りを崩すのに効果的です。

カクレクマノミは環境に馴染むとライブロックの切れ目などで縄張りを主張しがちなので、たまにレイアウトを変えて領域を無くすと、特定の場所を独占するような行動をしなくなります

個体数を多めにする

一匹に攻撃を集中させないという意味では、水槽で飼育する魚の数を増やすのも効果的です。

隠れ場所を十分に用意した上で魚を増やせば、攻撃対象が分散されて結果的に全体が落ち着く可能性があります。
魚の数が多いと、序列ができにくくなるのもメリットです。
ただし、何かの拍子にパワーバランスが崩れると弱い個体が一気に攻撃を受けてしまうリスクもあるため、異変が無いかこまめに様子を観察しましょう。

また、小競り合いを減らすために個体数を増やす場合でも、過密飼育にはならないように注意してください
多すぎない程度に適度に余裕のある飼育数を守ることで、水質が維持できます。

大きめの水槽を用意する

ジェックス GEX AQUARIUM マリーナ幅60cm水槽 MR600BKST-N ガラス水槽 W60×D30×H36cm

魚同士の距離を十分に確保できる大きめの水槽を用意するのも、混泳を成功させるコツです。

小さな水槽では魚同士のテリトリーが重なりやすく、ストレスやケンカの原因になります。また攻撃を受けたときに隠れられる場所を十分に用意することが難しいため、弱い個体が衰弱してしまいやすいです。

カレクマノミと他の魚を混泳させるのであれば、最低でも60cm以上の水槽で、余裕を持って飼育してあげましょう

まとめ:カクレクマノミと相性が悪い魚8種!混泳を避けたい海水魚種と理由


カクレクマノミと相性の悪い魚種をご紹介しました。

カクレクマノミは可愛らしい見た目とは裏腹に、縄張り意識が強く思いのほか攻撃的です。
この生態を理解することが、混泳を成功させる第一歩と言えるでしょう。

カクレクマノミやクマノミの仲間、スズメダイの仲間は生活圏が被る上に、お互いに縄張りを主張するので、相性が悪いです。
一方、穏やかな魚種だとカクレクマノミから攻撃を受けて弱ってしまう可能性があります。
また、カクレクマノミよりも大きい魚や、肉食性ヒレをかじる魚種などはカクレクマノミが傷ついてしまう危険があるため、こちらも混泳は避けたほうが良いでしょう。

ただし、混泳が難しいとされる魚種でもレイアウトや飼育の仕方を工夫することでうまく成立するケースもあります

ご紹介した混泳を成功させるポイントを参考に、上手に飼育してみてください。

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執筆者 アクアガーデン

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