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金魚の塩水浴とは!塩水浴の効果・濃度・期間・戻し方を徹底解説します

塩水浴とは、通常は淡水で飼育している金魚を、短期間だけ塩水で飼育することを指します。

濃度を調整した塩水には金魚の回復力を高める効果があり、塩水浴は病気や年齢により弱っている金魚の体力回復を図るために用いられています。しかし、適切な方法で塩水浴しないと効果がないどころか、弱らせてしまうようなトラブルが起こることもあります。

今回は金魚の塩水浴について詳しく解説します。

方法や塩水の濃度だけでなく、適切な期間、淡水への戻し方もご紹介しますので、塩水浴を試そうとしている、もしくは塩水浴について知りたい方は参考にしてください。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによる金魚の塩水浴について解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

15年以上アクアリウム業界に携わっておりますので、病気や体調不良を含む金魚の生体管理術を心得ています。

業務で培った経験と知識をもとに金魚の塩水浴について解説しますので、ご参考になさってください。

金魚の塩水浴はどんな時にするの?


塩水浴が有効な症状は『体調不良』『初期の病気』です。

■塩水浴が有効な症状

  • 体調不良
  • 感染初期のエラ病
  • 初期の赤斑病や尾ぐされ病
  • 輸送後の体力消耗

といった状況で金魚の塩水浴を検討します。

泳ぎ方に元気がなかったり、餌を食べなかったりなど、体調不良が疑われる場合には塩水浴が効果的です。

注意点としては、水温が低下することで活性が落ちて体調不良に見えてしまうこともありますので、塩水浴の前に水温を確認しましょう。水温が15℃以下の環境で金魚の動きが鈍くなるのは正常な反応です。逆に15℃以上あるのに活性が落ちている場合は、体調不良の可能性が考えられますので塩水浴をしてみるとよいでしょう。

金魚の病気は、ヒレを閉じる、元気がなくなる、食欲がなくなる、体の表面に異常が出るなど、原因によって様々な形で症状が現れます

病気の種類や進行具合によっては塩水浴の効果が得られないこともありますので、よく状況を見極めることが大切です。

金魚の病気と治療法はこちらの記事で解説しています。

金魚に塩水浴しないほうが良い時

金魚に塩水浴しないほうが良い時は次のとおりです。

  • 重度のエラ病や尾ぐされ病などの感染症
  • 重度の消化不良
  • 隔離ケースがない

重度の細菌感染症では、早急に薬浴を行ったほうが改善する可能性が高いです。また、消化不良が重度の場合は、消化機能を上げるために水温を高めた真水で管理するほうが効果が期待できます。

また、塩水浴中は水を頻繁に入れ替える必要があることから、隔離できるバケツや水槽で行うことが推奨されます。飼育水槽で行うと管理が大変ですし、水草やバクテリアなど他の環境に影響が出ることもありますので、隔離できる容器を用意してから行うと良いでしょう。

消化不良や薬浴についてはこちらの記事で解説しています。

金魚に塩水浴が効く理由


金魚に塩水浴が効く理由には、浸透圧と金魚の得意な水質が関係しています。

飼育水に塩を少量加えることで、金魚にとって負担の少ない水にすることが可能です。

ここでは、浸透圧と金魚の得意な水質をふまえて、塩水浴の効果を解説していきます。

■金魚と浸透圧の関係

金魚に塩水浴が効く大きな理由の1つに浸透圧が関係しています。

浸透圧とは、塩分濃度の低いほうから高いほうへ水分が移動する現象のことです。

たとえば、野菜を塩もみして水分を抜く調理法がありますが、これも浸透圧を利用しています。浸透圧によって水分が外に抜けていくということです。

浸透圧についてはコチラの記事も参考にしてください。

これを金魚に置き換えてみましょう。

金魚の体内の塩分濃度は約0.9%程度に保たれていますので、淡水である飼育水のほうが金魚自体よりも塩分濃度が低いことになります。そのため、飼育水は常に金魚の体内に侵入してこようとするのです。

健康な金魚は、水を通さない粘膜を体表に作って水の侵入を防いだり、不要な水分を尿として排出したりすることで、体内の水分と塩分のバランスを保っています

しかし、体調不良や病気で体力が落ちていると、この体内のコントロール(浸透圧調整)に体力を奪われてしまい、金魚にストレスを与えてしまうことになりかねません。

そこで、飼育水を金魚の体の塩分濃度に近い0.5%に調整してあげることで浸透圧の差がなくなり、金魚が自分で体内のコントロールをしなくても過ごせる環境になります。

体内の調整に使っていた負担を減らし、その分の力を体力の温存や自然治癒能力に割くことができる、というのが塩水浴の仕組みです。

金魚の粘膜についてはコチラの記事も参考にしてください。

■金魚は弱アルカリ性(pH7.0)が得意

金魚は中性~弱アルカリ性の水質を好みます

長期間飼育しているとどうしても酸性に偏りますので、定期的に水換えをして水質を保ちます。

塩はミネラルを含んでいるため水質をアルカリ性に傾ける効果が期待できるため、新しい水でも金魚の体力回復に最適な水質に整いやすくなります。
塩水浴は浸透圧の差をなくすだけでなく、水質の面でも金魚に適した環境を整えることが可能です。

水質をアルカリ性に調整することで有名な牡蠣殻もミネラルを豊富に含んでいます。
金魚の水質についてはコチラの記事も参考にしてください。

■金魚の飼育水は塩分があると良い?

浸透圧や水質の面で塩分が効果的であれば「普段から塩水にしたら良いのでは?」と考える人も少なくないでしょう。

たしかに、実際そのとおりで病気の治療によって体力が落ちたり、高齢だったりなど、体力面で心配がある金魚を飼育している方の中にはミネラル補給などを目的として、常時、少量の塩分を含んだ水で飼育している人もいます。

しかし、塩水の維持には手間がかかりますし、なにより塩水は金魚の体を守る粘膜を剥離させてしまうこともあるため、逆に病気にかかりやすくなるなどのデメリットも存在します。

粘膜の剥離は、少量の塩分(濃度0.05%程度)でもほんの少しですが起きますので、塩水浴で体力が回復しても長期間続け過ぎると金魚自身の持つ雑菌への抵抗力が弱まってしまうことがあります。

塩水浴は、必要に応じて行うものと考えたほうが無難です。

金魚の状態や塩水浴によるメリット・デメリットを考慮して、塩水浴を行うかどうかを判断するようにしましょう。

金魚に塩水浴を行う方法


塩水浴は、適切な方法と塩分濃度を守ることで初めて良い効果をもたらします。

塩水浴の対象となる金魚は基本的に体調を崩している状態ですので、方法を誤るととどめの一撃になりかねません。塩分濃度や塩水浴の方法を正しく理解してから、慎重に行いましょう。

ここでは塩水浴の方法とポイントについて解説します。

塩水浴の方法、塩分濃度と水質管理

塩水浴の方法としては、初めに通常飼育している水槽とは別に塩水浴用の水槽や容器を用意します。

通常飼育している水槽に大量の塩を入れてしまうと、水草や他の生体、バクテリアなどに悪影響を与えてしまう可能性があるからです。
塩水浴では水換えの際に9割~全量を換水する必要がありますので、容器を2つ用意しておくと便利です。

また、白点病などの昇温治療(水温を高めに保つ治療法)が必要な魚を塩水浴する場合は、熱に弱いバケツではヒーターが使えませんのでガラス水槽を用意しましょう。

以下は塩水浴の手順です。

  1. 塩水浴用の容器に水温調整した水を入れ金魚を移す
  2. 水に数回に分けて塩を入れる
  3. 数時間かけて塩分濃度を0.5%に調整する
  4. エアレーションは必ずつける
  5. 期間は1週間を目安に行う

用意した容器に水温調整を行った水を入れカルキ抜きして、塩水浴を行う金魚を移し入れましょう。そのままでは水質が急変してしまいますので、必ず水合わせをしてから金魚を移してください。

次に水を塩水にしていきますが、塩水の塩分濃度が0.5%になるように水量と塩の量を調節します。濃度0.5%の塩水は、水1Lに対して塩5gで作れる計算です。

■塩水浴の水について

塩水浴とは、塩を0.5%の濃度にした水で泳がせ、療養させることです。

カルキ抜きした水1Lでは塩5g、水10Lに対しては塩50gを溶かします。
基本的には隔離水槽やバケツで行いますので、エアレーション(ぶくぶく)は必ずつけて行いましょう。

一度に塩をすべて入れてしまうと金魚の負担となってしまいますので、数回に分けて少しずつ入れながら塩分濃度を上げていきましょう

1~数時間かけて濃度を上げていき、最終的に0.5%になるようにするのが理想です。

そして、塩水浴中はエアレーションを必ずつけましょう。金魚の酸欠を防ぐだけでなく、活性を上げるためには有効です。
また、少しだけ水流がおこるため、無ろ過状態で腐りやすい水の鮮度を保ちやすくします。

余談ですが、金魚のミネラル補給を目的として塩を入れる場合は、水槽内の塩分は0.05%までの濃度に調整します。

■塩水浴中の水換え

新しく用意した塩水では水を浄化してくれるバクテリアの働きがないため、最低でも1~2日に1回のペースで水換えを行います。

水の汚れを防止するために、一度の水換えで9割~全量を換水します。真水では濃度が下がってしまいますので、新しい水も塩分濃度を0.5%に調整した塩水を用意してください。

塩水浴中は、金魚から排出された古い粘膜などもたまっていくため、常に新しい塩水に保つのが理想です。

ただし、あまりに弱った魚だと水換えが負担になりますので、金魚の様子をみながら行いましょう。底で動かない状態でしたら、2/3程度の量を毎日換水したほうが体力を温存できます。

■塩水浴中の餌やり

塩水浴中は、基本的に餌を与える必要はありません

餌を与えて体力をつけさせたくなりますが、金魚は元々消化器官が未熟なため、体調を崩しているときに餌を食べると消化不良を起こしやすいです。

また、塩水浴では別の水槽や容器に移しますのでバクテリアがほぼいない状態となり、水中のアンモニアや亜硝酸の分解がうまくいきません。金魚が中毒症状を起こす可能性がある点からも、餌はあまり与えないほうがよいと考えられます。

金魚は1~2週間程度餌を食べなくても飢え死にするようなことはありませんので、安心して断食してください。
ただ、治療が長期にわたっている場合は、体力をつける意味でも1日1~2粒程度与えても良いです。

金魚の状態を確認して、適宜調整しましょう。

金魚に行う塩水浴の効果

金魚への塩水浴の効果は以下のとおりです。

■塩水浴の効果

  • 浸透圧の調整による体力の温存
  • ミネラルの補給
  • 殺菌効果

前述した通り、金魚は体内の水分と塩分の量を維持するために常に体力を消費しています。塩水浴を行うことで浸透圧による体の負担を軽くして、体力を温存することが可能です。

また、塩から得られるミネラルは生き物には必須の栄養素で、傷の回復や免疫力に関与します。

この2つの効果により自己治癒能力が向上するため、体調不良時に塩水浴を行うことは効果的とされています。

塩には殺菌効果があるという話を聞いたことがある方も多いと思いますが、金魚についた寄生虫や病原菌に対しても、塩が殺菌効果を発揮する可能性があるということも、塩水浴の効果といえるでしょう。

金魚の病気の対処法についてはコチラの記事も参考にしてください。

塩水浴期間と真水への戻し方

塩水浴の期間は1週間が目安です。

その間は状態を確認しつつ、病気の症状が悪化、もしくは長期化しそうな場合は薬浴への切り替えも検討します。前述のとおり、塩水浴中は金魚に餌を与えないという点からも、1週間という期間を1つの区切りとしたほうが良いでしょう。

1週間経過しても症状の改善が見込めない場合は薬浴、もしくは少量の餌を与えて塩水浴を続行します。塩水浴を続行する場合は、水換えを行いながら0.5%の塩分を維持するようにしましょう。

また、金魚の症状が改善して塩水浴から真水に戻す際には水換えするしかありません。いきなり新しい水にするのではなく、毎日少しずつ塩分濃度を薄めていくと金魚の負担がなくスムーズに移行できます。

例えば、毎日半量づつ水換えすれば、3~4日後にはほぼ影響ない程度の塩分濃度になります。そうすれば塩水浴は完了です。
塩水浴が終わって、飼育水槽に戻す前には、必ず水槽の水に慣れさせる『水合わせ』を行いましょう。

金魚の養生については、こちらの記事もご参考ください。

金魚飼育におすすめの塩3選


塩水浴では必ず、純粋な塩をご使用ください。

■塩水浴に使用できない塩

  • にがり入りの塩
  • 調味料入りの塩(あじ塩 など)

にがり入りの塩は、魚の健康にも良いイメージですが水のpHを大きく変えてしまうことがあるため、塩水浴では使用できません。

塩水浴に使う塩は、基本的に普通の食塩です。

しかし、金魚の健康を考えて開発された製品も最近では増えました。
アクアリウム専用の塩はゆっくり溶ける形状をしていたり、ミネラルが豊富だったりなど、金魚の健康維持や、塩水浴に適したものになっています。
ここでは、金魚飼育におすすめの塩を3つご紹介します。

■スドー 金魚の天然珠塩

塩水浴やミネラル補給に効果的な天然塩です。

1Lと容量も十分でビーズのような形状により少しずつ溶けるため、塩分が急激に上昇することがありません。また、1杯5gの計量スプーンが付属しているのも嬉しい点です。

■ビーブラスト 究極のあら塩

ミネラル豊富な3種類の塩をブレンドすることで塩水浴だけでなく、ミネラル補給を目的とした塩分調整にも効果的です。

その際は濃度が0.05%になるよう調整しましょう。こちらも計量スプーンが付属しています。

■水作 塩タブレット

天然塩をタブレット状にしたものです。

タブレットの数だけで濃度を調整できるため、計量する必要がありません。水量に応じたタブレット数(例:水量35L=3個)が明記されていますので、初めて塩水浴を試みる方にもおすすめです。

まとめ:金魚の塩水浴とは!塩水浴の効果・濃度・期間・戻し方を徹底解説します


金魚の塩水浴について解説しました。

塩水浴は金魚の体長不良や初期の病気に効果的で、長期間飼育するうえでは欠かせない技術です。

水1Lに対して塩5gと塩水を作る方法も簡単ですので、初めてでも実践しやすいです。塩水浴に使用する塩は普通の食塩でも問題ありませんが、ミネラル豊富で計量しやすいことから、専用の塩を使用するとなお良いでしょう。

塩水浴は回復力を高める効果が期待できるため、治療法としてだけでなく病気などの予防にも効果的です。

調子がおかしかったり、病気の可能性があったりなどする際に実践してみてください。

金魚の塩水浴について良くある質問

金魚の塩水浴とは?

金魚の塩水浴とは、0.5%の塩分濃度にした水で療養させることです。
体調不良になってしまった金魚の体力を回復する効果があります。
隔離水槽やバケツで、1週間程度の期間を目安として行います。
塩水浴期間中はろ過フィルターを付けないため、エアレーションは必須です。

塩水浴はどんな時に行いますか?

  • 体力回復(トリートメント)
  • 初期の病気治療
  • その他、体調不良時の経過観察 など

体力が回復することで、初期の病気なら治癒することがあります。
体調不良になったらまずは塩水浴で状態を確認し、治療が必要なら薬浴に移行するのもおすすめです。
薬のなかには、塩と併用可能なものもあります。

塩水浴で金魚の病気は治りますか?

病原菌を殺菌する力は弱いですが薬浴へのつなぎになります。
初期のエラ病や水カビ病、尾ぐされ病などには効果がありますし、白点病などの寄生虫を治療した後の経過観察時にもおすすめです。
症状が中期である場合や細菌感染症にかかった場合は、対応している魚病薬で薬浴を行いましょう。

塩水浴に使う塩はどんなものが良いですか?

通常の食塩で行います。
にがり入りのものや調味料や添加物の入っている塩は水質を傾ける可能性があるため、使用しないようにしましょう。
塩水浴では10Lで50gと、そこそこの分量を使用しますし、毎日水換えを行うため手に入れやすい塩で行うと良いです。

 

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アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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