上部フィルターで楽しむ水草水槽!注意点と工夫・水草育成法を解説!
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上部フィルターを使用しての水草育成は、向いていないと言われています。
上部フィルターから水が循環する際に曝気されるため、水草の光合成に必要なCO2を水槽外に放出してしまうこと、そして上部フィルターの下は光が行き届かないため水草の生長があまりよくないからです。
しかし、決して水草育成ができないというわけではなく、しっかり水槽の仕様を理解しそれに適した水草を用意し植栽することで、美しい水草水槽を楽しむことはできます。
では、どこを気をつければ水草水槽を楽しむことができるのか。
ここでは、上部フィルターで楽しむ水草水槽についてを解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに上部フィルターでの水草育成法についてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
上部フィルターは手軽にメンテナンスや設置ができるうえ、ろ過能力も高い優れたフィルターですが、水草育成には向いていない、というのが定説になっています。
しかし、フレームレス水槽用の機種が登場するなど、そのポテンシャルは注目されており、実際に少しの工夫で水草を育成することが可能になります。
ここでは上部フィルターを使った水草育成のコツをご紹介します。
上部フィルターで育成できる水草5選と育成方法を動画で解説
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
上部フィルターで育てられるおすすめの水草5種と、具体的な育て方、注意点とその対策方法を動画で解説しています。
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上部フィルターのデメリットを対処する
上部フィルターで水草水槽を楽しむためには、2つのデメリットをクリアすることがコツです。
- CO2が放出されてしまう
- 照明が遮られてしまう
このデメリットを無くすためにはどうしたら良いのか?をそれぞれ解説します。
解決したいデメリット1:CO2が放出されてしまう
1つ目のデメリットは、CO2(二酸化炭素)の放出です。
上の図のように、上部フィルターは飼育水を空気にさらす構造のために、飼育水に溶け込んだCO2が逃げてしまいやすいです。
放出されることを考慮して過剰添加で調整することもできますが、非常に難しいですし、それなら最初から外部フィルターを使用すれば良いため、現実的ではありません。
筆者が上部フィルターで上手に長期管理できた水草は以下の種類です。
- ミクロソリウム プテロプス
- アヌビアス・ナナ
- アヌビアスバルテリー
- クリプトコリネ
- アマゾンソード
これらの水草は、上部フィルターで大磯砂、照明は一般的な水槽上部へ置く照明で育成できていました。
なかでも、ミクロソリウムとアヌビアス・ナナはCO2無しで育成できる水草として定番種です。
水草用の肥料なども必要無く、月に2回の水換えで維持管理できていますので、上部フィルターで育成する初めて水草としてもおすすめです。
解決したいデメリット2:照明が遮られてしまう
2つ目のデメリットは照明の効果を活かしにくいことです。
上部フィルターは水槽の後方に設置することになるため、水槽前面の照明が当たる場所のみ水草を植栽して楽しむことがポイントです。
例を出せば、奥行きが45センチの水槽の場合、奥行き寸法に対し後方半分は上部フィルターで取られてしまいます。
このことから、上部フィルターのかからない前面20cm程度でレイアウトを制作すれば良いのです。
一見ハリボテみたいなレイアウトに感じるかもしれませんが、いざレイアウトしてみると意外と良い水槽レイアウトが出来るものです。
上部フィルターで水草育成したい方は、水草の選び方と水草の植栽する場所を意識して水草水槽を楽しむと良いでしょう。
上部フィルターでの本格水草育成方法
上部フィルターでの水草育成の基本をお話したところで、「では本格的な水草水槽はできないのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
すこし難しく、アクアリウム初心者向きではないかもしれませんが、上部フィルターの本格的な水草育成方法についても解説します。
上部フィルターで本格水草水槽を楽しむための、さらなるデメリットの克服方法2つをポイントごとに解説します。
克服方法1:水槽の奥行きを広げる
上部フィルターのサイズは既製品の場合ですと、水槽の規格サイズに合わせておおよそ決まっています。
例えば、奥行き45cm水槽に対し、半分の約20cmほど埋まるサイズが一般的です。
既製品よりも奥行きが小さい上部フィルターを特注で制作すれば、照明が照射できる範囲を広げることができます。
するとレイアウト可能な幅は広がりますが、ろ過槽部分が小さくなるためにろ過能力が低下してしまい、得策ではありません。
では、上部フィルターの奥行きを縮めることができないのであれば、どうすればいいのか。
例えば、奥行30cmの規格水槽だったら、10~15cmほどしかレイアウトできる余裕がありません。
しかし、奥行60cmのワイド水槽だったら、仮に上部フィルターの奥行きが20cmあっても水槽照明を設置できるスペースが40cmほど取れるので、十分に厚みのある美しい水槽レイアウトを制作可能です。
奥行45cmの水槽でも、25cmほどとれるので水草の層が薄いと感じることは無くなります。
奥行60cmの水槽なら、水槽照明も1台ではなく2台設置することが可能なので、光量不足で困ることもないでしょう。
このように、ワイドタイプの水槽と上部フィルターの相性は非常に良いです。
克服方法2:上部フィルターの排水口を加工する
既製品でもできるものもありますが、上部フィルターから排水される排水口にエルボー加工などを施し、曝気しないようにします。
曝気しないように工夫できればCO2の放出を抑えることができます。
既存の製品でも水量によっては可能ですのが、特注で上部フィルターを制作すれば、お好みの水位にあわせてそのようにカスタマイズできるのでおすすめです。
ポンプからフィルターへ水が流れるところも、曝気しないようにすべてウェット濾過にすればさらにCO2の放出を抑えることができるでしょう。
その状態で照明を強化やCO2を添加を行えば、本格的な水草を育成しやすくなります。
上部フィルターで本格的な水草育成を考えている方におすすめの方法です。
まとめ:上部フィルターで楽しむ水草水槽!注意点と工夫・水草育成法を解説!
ここでは、上部フィルターで水草育成する基本の方法から、本格的な水草水槽を上部フィルターで育成するちょっと玄人の技を解説しました。
上部フィルターでの水草水槽はたしかに難儀な点はありますが、ここで解説した方法を実行することで、水草水槽を楽しみやすくなります。
最近では水草育成を前提としたフレームレス水槽用の上部フィルターが発売されるなど、上部フィルターの新たな魅力や活用方法に注目が集まっています。
上部フィルターで美しい水草水槽にチャレンジしたい方のお役に立てれば幸いです。
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