上部フィルターの使い方!正しい設置方法と注意したいポイント
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価格、ろ過能力、メンテナンス性のバランスが取れた上部フィルターは、多くのアクアリストに愛される定番のろ過フィルターです。
水槽セットに付属していたり、ホームセンターで販売されていたりといったことから初心者向けのフィルターというイメージが強いですが、外部フィルターと組み合わせれば大型水槽のろ過フィルターとしても十分使える、高いろ過能力を備えています。
シンプルな構造ながら酸素供給量や汎用性の高さで、プロのアクアリストからの信頼も厚いです。
しかしいくら使いやすい上部フィルターでも、間違った使い方では効果が半減してしまう可能性がありますし、使用の際に注意すべきこともあります。
そこで、今回は上部フィルターの使い方や設置方法について解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに上部フィルターの使い方と正しい設置方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ろ過能力が高くて使いやすい上部フィルターは、初心者からベテランのアクアリストまで幅広い層に親しまれています。
水槽の上に載せるだけなので設置も簡単ですが、設置方法や使い方が間違っていると正しく動作しない可能性がありますので、今一度確認してみてください。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、上部フィルターの使い方と正しい設置方法を解説します。
上部フィルターの特徴と使い方
上部フィルターは名前の通り、水槽の上に乗せて使用するろ過フィルターです。
ポンプでくみ上げた飼育水を水槽上部に設置したろ過槽でろ過して水槽に戻す、という構造自体はとてもシンプルなものですが、ろ過槽に入れるろ材の組み合わせ次第でろ過能力をカスタマイズできるため、様々な水槽で活躍します。
ウールマットを使った物理ろ過をメインに、活性炭を組み合わせれば飼育水の黄ばみや臭いの改善に効果的ですし、リングろ材を入れれば生物ろ過の能力向上に役立つでしょう。
また、構造上ろ過した水を上から落水させて水槽に戻すので、酸素を多く取り込むことができるのもポイント。金魚や肉食魚などの酸欠になりやすい生き物の飼育では、上部フィルターが重宝されています。
水槽の上部に取り付けるので、ろ材の状態が確認しやすくメンテナンスが簡単なのも魅力です。
上部フィルターの正しい設置方法
上部フィルターを設置するのに確認したいポイントは以下の4点です。
- 水槽の奥にぴったり設置する
- 細かい底砂の場合はスポンジストレーナーを使用する
- ポンプが浸るくらいの水量で稼働させる
- ストレーナーは1cm以上底面から離そう
上部フィルターの設置に複雑な配管などは必要なく、基本的には製品の取り扱い説明書に従っていけば、初めての方でも問題なく設置できます。
ただ、上記の4つのポイントはしっかり押さえておかないと、思わぬ事故が起こる可能性があるため、注意してください。
ここでは、上部フィルターの正しい設置方法をご紹介します。
水槽の奥にぴったり設置する
上部フィルターを正しく設置するポイント一つ目は、水槽の奥側にぴったりと合わせることです。
上部フィルターは水槽のどこに乗せても良いわけではありません。奥側に合わせておかないと水槽の奥まで水流が行き届かなくなり、淀みができやすくなってしまいます。
また、同じく水槽の上部に設置するライトや蓋は、上部フィルターが奥側に設置してある事を前提として設計されているものが多いので、干渉しないように配置を考えて設置しましょう。
細かい底砂の場合はスポンジストレーナーを使用する
底砂にきめの細かいボトムサンドなどを使用している場合は、吸い込みを防止するためにストレーナー(吸い込み口)にスポンジを装着すると、ろ材の目詰まりや故障の予防になります。
ストレーナースポンジは底砂だけでなく、大きなゴミや稚魚、稚エビの吸い込み防止にもなるので、水槽の状況に応じて装着しましょう。
ただし、スポンジに汚れが溜まるとそれも目詰まりや流量の低下を招くため、こまめに洗浄してきれいな状態を保つことが大切です。
ポンプが浸るくらいの水量で稼働させる
水面近くにあるポンプが水から露出しないよう注意しましょう。
上部フィルターは、ポンプがしっかり水に浸かっていないと十分なパワーを発揮できず、水流が弱くなったり水槽内に淀みが出来たりする原因になります。
また、中途半端な水位ではポンプが故障してしまう可能性もあるため、必ず決められた水位を守るよう意識してください。
このような理由から、上部フィルターは、アクアテラリウムや水位を下げた水槽での運用には不向きです。
ストレーナーは1cm以上底面から離そう
上部フィルターのストレーナーは、底砂から最低でも1cm以上、可能ならば3~4cmほど離して設置してください。
底砂すれすれだと、吸い込む力が弱まって、水がしっかり循環しなくなってしまうからです。また、細かい砂やゴミを吸い込んでしまう可能性も高まります。
ストレーナーを接続するパイプの長さは商品によって異なるため、長すぎる場合は切るなどして調整しましょう。
上部フィルターの注意したいポイント
最後に、上部フィルターを使用する上で注意したいポイントを解説します。
作りがシンプルで扱いやすい上部フィルターですが、安全に使用を続けていくためにはいくつか注意したい点がありますので、確認しておきましょう。
フレームレス水槽での使用は要注意
上部フィルターは、基本的にフレーム付きの水槽での使用が想定されています。
フレームレス水槽では、水の伝い漏れやガラスの破損の恐れがあるので注意しましょう。
とはいえ、フレームレス水槽では上部フィルターが使用できないというわけではなく、ガラスの板厚が十分な水槽ならば問題なく運用が可能です。
実際、東京アクアガーデンにいただいたご依頼の中にも、オーダーメイドのフレームレス水槽で上部フィルターを使用した例があります。
市販品に多い5mm以下の水槽だと難しいかもしれませんので、フレームレス水槽で上部フィルターを使用したいときは一度お店の人に相談してみるのがおすすめです。
また最近では、GEXの『Ga GLASS CUSTOM 600』や、寿工芸のフレームレス水槽用アタッチメントが付属した上部フィルター水槽セットなど、フレームレス水槽で使用できる上部フィルターが相次いで登場しています。
『Ga GLASS CUSTOM 600』はプロフェッショナル限定品のため通販で購入することはできませんが、需要に合わせた商品とあってどちらも注目を集めています。
稼働したまま水槽内に手を入れてはいけない
上部フィルターに限った話ではないのですが、水槽内に手を入れる場合は、必ず電源を切りましょう。
電源が入ったまま作業をしていて、ふとした拍子に濡れた手がコンセントに触れてしまったら非常に危険です。
また、メンテナンス中は気を付けていても水が飛び散りやすく、気が付かないうちに飼育水がコードを伝って感電する恐れもあります。
こうしたトラブルを避けるため、上部フィルターを稼働したまま水槽に手を入れることは避けてください。
必ず水を入れてから稼働しよう
上部フィルターを含めたすべてのろ過フィルターは、水が入っていない状態で空回しすることができません。
空回しは故障の原因となりますので、必ず十分な水位になったことを確認してから電源を入れるようにしましょう。
多いのが、水換えの時に電源を切り忘れて水を抜いてしまう、という失敗です。これも故障に繋がりますので、確認は怠らないようにしてください。
吐出口の向きはストレーナーの位置を意識しよう
吐き出し口の向きを変えられる場合は、水が効率よく上部フィルターを循環するような水流を意識してみてください。
ろ過能力を高めるには、水を吸い込むストレーナーに向かって流れができるのが理想なので、基本的にはストレーナーに向けて吐き出し口を設置します。
ただ、レイアウトの仕方によっては上手く流れができない場合がありますので、状態を確認しながら向きを調整しましょう。
また、水流の当たり方が強すぎると、飼育している熱帯魚のストレスになったり、落水音が気になるようになったりといった弊害が出ることがあります。この場合も、適宜調度良い水流になるように調整してください。
水槽内の水流については、こちらのコラムも参考にしてください。
エアストーンのそばにストレーナーを設置しない
これはろ過フィルター全般に言えることですが、ストレーナーの近くにエアストーンを設置しないようにしましょう。
ストレーナーが水と一緒にエアーを吸い込んでしまい、トラブルにつながることがあるからです。
具体的には、異音がしたり、給水量やろ過能力、水流が低下したりといった異変が起こる可能性があり、特にろ過能力の低下は水槽内の水質に直結する問題になりかねません。
生き物の健康を守るため、エアストーンはストレーナーと吐出口の中間付近に設置するのがおすすめです。
まとめ:上部フィルターを設置しよう!正しい設置方法と危険な置きかた
上部フィルターの正しい使い方について解説しました。
上部フィルターは使い勝手がよく、ろ過能力も高いので、初心者からプロのアクアリストまで幅広い層に人気があります。
しかし、シンプルな構造で簡単だからこそ、ついつい自己流で設置してしまっているという方もいるのではないでしょうか。
上部フィルターは正しく設置すれば、大型水槽でも使用できるほどのパワーを秘めています。安全に使用を続けられるのはもちろん、ストレーナーの位置や吐き出し口の向きなど、ちょっとしたことを工夫するだけでもろ過能力が変わりますので、ぜひ、正しい方法で上部フィルターを使用してみてください。
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