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石や流木に根付き、底床に植えなくても育つ水草を『活着水草』と呼びます。
自分の手で石や流木などに活着させる(根付かせる)こともできますし、アクアショップではすでに活着された状態のものを入手することが可能です。活着水草は、植え込まなくても設置するだけでレイアウトとして活用できます。
土台となる石や流木は水草との親和性が高く、演出効果も申し分ありません。活着性を持つ水草は育成しやすい種類が多いこともあり、初心者から上級者までおすすめできるレイアウト用品といえます。
一方で、台座となる石や流木の隙間にゴミや汚れが溜まることがあるため、長持ちさせるには定期的なメンテナンスが必要です。
ここでは、活着水草の主な種類やメリット・デメリット、長持ちさせるためのポイントを解説します。
目次
プロアクアリストによる活着水草の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
活着水草は入れるだけで水槽をレイアウトできますので、東京アクアガーデンでも水槽を設置する際によく活用しているアイテムの一つです。底床に植え込む必要がないため、ベアタンク水槽(底床のない水槽)に設置できたり、移動して簡単にレイアウトを変更できたりなど、扱いやすく初心者の方にもおすすめです。
とはいえ、すべての水草が活着できるわけではありませんし、長持ちさせるためにはメンテナンスが必要です。
15年以上アクアリウム業界に携わってきた経験をもとに、活着水草の特徴や主な種類、長持ちさせるコツを解説していきますので、ぜひご覧ください。
活着水草とは
活着水草とは、石や流木に水草が根付いたものを指します。
水槽に水草を入れるときは底床に根を張らせる方法が一般的ですが、水草を植え付けるのは手間がかかるうえに抜けて浮いてきてしまうなど、維持するのにも手がかかります。
一方、活着水草は水草を根付かせた石や流木を置くだけでなので、誰でも簡単に水草をレイアウトすることが可能です。活着した水草は抜けづらく維持にもそこまで手間がかかりません。
水草を活着させるのにも難しい技術は必要なく、活着させたいもの(石や流木など)にビニールタイやタコ糸などで水草を固定したまま育成すると、伸びた根が石などに絡んで固定・自立するようになります。それでも不安があるときは、アクアリウムショップや通信販売で活着済みの水草も販売されていますのでこちらを活用しても良いでしょう。
水草を活着させるものには観賞性が高く活着もさせやすい石や流木が選ばれますが、ウィローモスやミクロソリウムのような活着性に優れる水草の場合は、特殊な形状のブロックが使用されることも珍しくありません。
主な活着水草の種類
活着させるためには根の張りやすさが大きく関係します。
活着できる水草と不向きなものがあるため、自分の手で活着させる場合には根張りのよい種類を選ぶことが重要です。
ここでは、主な活着水草の種類をご紹介しますので、水槽に導入する際に参考にしてみてください。活着させやすいだけでなく育てやすい種類ですので、初心者の方でも安心して育成したり、レイアウトに使ったりすることができます。
ウィローモス
ウィローモスは活着水草の定番種です。
水草として販売されていますが正確にはコケの仲間で、ハイゴケ科に分類されています。活着性に優れ対象物を覆うように繁茂するため、石や流木はもちろん、
- 特殊な形状のブロック
- 素焼きのアイテム
- 備長炭
などにも活着させることが可能です。
光量の少ない環境でも問題なく育つことから、初心者の方にもおすすめの水草です。
アヌビアス・ナナ
アヌビアス・ナナは水草育成の入門種として代表的な水草で、活着性を持っています。
丈夫な種類で二酸化炭素(CO2)の添加や強い光が必要なく、育成もしやすいです。
小型水槽に入れる場合は改良品種である『アヌビアスナナ・プチ』がおすすめです。一般的なアヌビアス・ナナよりも小型ですので、背丈が高くなり水槽内を圧迫することもありません。
流木の他に石に活着させることもできます。
ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
ハイグロフィラはアヌビアス・ナナと並ぶ代表的な入門種で、根張りがよいのが特徴です。
ピンナティフィダは活着して維持できるため、活着レイアウトの素材として活用できます。ライトグリーンの柔らかい葉が美しく、強い光やCO2の添加がなくとも十分に成長します。
育成しやすいため、レイアウトに少し背が高い水草がほしい場合におすすめの種類です。
ボルビティス
ボルビティスは水生シダの1種で、透明感のある緑色の葉が印象的です。
成長が遅いため活着するまでに少々時間が必要ですが、その独特な見た目から一風変わったおしゃれなレイアウトを演出できます。水中葉が水面まで達すると自然と水上葉を展開しますので、アクアテラリウムなどにもおすすめです。
ミクロソリウム
水生シダの1種であるミクロソリウムは、アクアリウムでは有名な水草です。
活着性が強いため石や流木などの他に素焼きのアイテムなど、さまざまな物に活着させられます。背が高くなる陰性水草ですので、水槽の中景~後景のレイアウトとして重宝します。
ただし、成長が遅く葉にコケが生えやすいため、コケ取り生体を飼育するなどのコケ対策を行いましょう。
活着水草のメリット・デメリット
様々な魅力のある活着水草ですが、あえて活着水草を使うメリットにはどんなものがあるでしょうか。また設置するのであればデメリットも把握しておきましょう。
ここでは、活着水草のメリット・デメリットを具体的に記していきます。
設置するだけ!活着水草のメリット
活着水草のメリットとしてまず挙げられるのが、設置の手軽さです。自分で活着することもできますし、すでに水草が活着されたレイアウト物を購入してくれば、まさに置くだけで素敵なレイアウト水槽が出来上がります。
レイアウトを変更したいときに、簡単に移動できるのも魅力といえるでしょう。
また、底床を使わないベアタンク水槽でも導入できるなど、水槽の形態を選ばずに使用することができるのも大きなメリットです。
活着水草は鑑賞性も高く、石や流木と水草を合わせた自然味溢れる癒しのレイアウトを実現できます。演出効果に優れているため初心者から上級者まで、幅広い層に愛され様々な水槽レイアウトに活用されています。
外すのが大変?!活着水草のデメリット
一方デメリットとして、活着水草は一度活着してしまうと台座から外すのが困難な場合があります。
状態によっては、うまく外して石や流木と水草を別々のレイアウトとして活用することも可能ですが、台座に水草がしっかり根付いてしまっていると難しいでしょう。
特に活着性に優れるウィローモスやミクロソリウムはその傾向が強く、無理に外そうとすると根などを傷つけ弱らせてしまいます。強く活着している場合は、株分けや差し戻しなどをして新しく株を増やしたものをレイアウトした方よいでしょう。
もし活着するかどうか決めかねている場合は、流木などにビニールタイで固定しただけの活着前の商品もあるため、そのような商品を購入することをおすすめします。
また、活着済の水草を通販などで購入する場合は、石や流木は天然物ですので、イメージ画像と異なる可能性がある点にも注意が必要です。
活着水草を長持ちさせるポイント
手軽に設置することのできる活着水草ですが、長持ちさせるためにはトリミングやコケ対策、汚れの除去といったメンテナンスが大切です。
活着水草は観賞性を高めるレイアウト素材として入れることが多いですが、手入れしないとかえって景観をくずしてしまいます。ここでは、長持ちさせるポイントを解説しますので、参考にしてみてください。
ちなみにご紹介する方法は、底床に植え込む水草にも応用することができます。
伸びたらトリミング・株分けしよう
水草は成長すると伸びてレイアウトをくずしてしまうことがあります。
活着水草は底床に植えこむよりも高さが出やすいため、伸びて余分となった部分はトリミングして整えましょう。トリミングは見た目を良くするだけでなく、通水性を確保したり、伸びた葉によって下部が陰にならないようにしたりするのにも欠かせません。
ウィローモスなどは、伸びた葉によって根元の方に光が当たらなくなると、その部位から枯れてしまうこともありますので注意してください。アヌビアス・ナナなどは、成長してきたら株分けしてしまってもよいです。
水草のトリミングについては、こちらの記事をご覧ください。
コケ(藻類)はしっかり対策しよう
アヌビアス・ナナやボルビティスに代表される陰性水草は成長が遅く、放っておくと葉がコケに覆われてしまうことがあります。
見た目が悪くなるだけでなく、枯れてしまうこともありますのでコケ対策は必須です。
主な対策法としてはコケを食べてくれる、
- ヤマトヌマエビ
- ミナミヌマエビ
- オトシン類
などのお掃除生体を入れておくことが挙げられます。コケは活着土台にも生えやすいため、こちらも合わせてメンテナンスを行いましょう。
汚れがたまらないようにしよう
活着水草は、土台である石や流木の隙間にゴミや汚れが溜まりやすい傾向にありますので、汚れを取り除く対策をしましょう。
これに対してもお掃除生体が効果的で、とくに小さなハサミでコケなどを摘まんで食べるエビ類は細かいところまで器用に取り除いてくれます。
ただ、お掃除生体だけでは不十分なこともありますので、定期的にゆすったり、ブラシでこすったりなどのメンテナンスも合わせて行うことをおすすめします。
水草活着用の糸素材について
自分で水草を活着させたい場合は、目的や水草の種類に合わせて活着用の糸素材を選ぶことが重要です。
- 活着用のナイロン糸:水槽内で目立たずアクアショップや通販で入手しやすい
- ビニタイ:丈夫で成長が遅い水草向きで活着後に外す必要がある
- 木綿糸:自然に溶けて外す手間がかからないが水槽環境によっては分解が速すぎることも
おすすめは水草の成長速度に合わせて種類を選ぶ方法です。成長が速い水草であれば、細めのナイロン糸でも十分に活着できます。
また、ウィローモスのような細かい水草の場合にも、細い糸の方が巻きやすいといったメリットがあります。
一方で、成長が遅い水草は長期間固定できる丈夫なビニタイなどがおすすめです。活着が終わったら外す必要があるものの、安定感があります。
木綿糸は天然由来の素材で水の中で自然に溶けますので、外す手間がかかりません。ただし、水槽の環境によっては活着する前に糸が分解されてしまい、活着が不十分になることもあります。
水草の活着方法については、こちらのコラムをご覧ください。
まとめ:活着水草のすすめ!メリット・デメリットから長持ちさせるポイントとは!
今回は活着水草の主な種類やメリット・デメリット、長持ちさせるためのポイントを解説しました。
活着水草は石や流木に根付く種類の水草で、活着された状態でも市販されています。水草を底床に植えなくとも設置するだけで水槽をレイアウトできるうえに、台座となる石や流木は演出効果も高いです。
活着性を持つ水草は丈夫で育成しやすい種類も多いため、初心者の方でも安心して活用することができます。
ただし、活着水草は台座部分にゴミや汚れが溜まりやすかったり、活着水草に多い陰性水草はコケが生えやすかったりしますので定期的にメンテナンスするようにしましょう。
ぜひ、活着水草を上手に取り入れて、レイアウト作りに役立ててみてください。
水草の活着について良くある質問
水草の活着とは?
活着に向いている水草とは?
活着水草のメリットとは?
なにより、水槽に1つ入れるだけで雰囲気を大きく変えることができます。
価格も、ポット販売のものとそれほど変わりませんし、手軽に導入しやすいです。
活着水草のデメリットとは?
そして、『巻き立て』表記がある活着水草は、まだ根付いていないことがあります。
固定しているバンドや糸を外してしまうと水草がずれてしまいますので、多く触るのは控えましょう。
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