アナカリス(オオカナダモ)を育てよう!植え方、増やし方、溶ける対策も解説
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アナカリスは「オオカナダモ」の和名を持ち、マツモなどと一緒に「金魚藻」として扱われており、メダカや金魚のおやつとして、または水槽のレイアウトとして人気があります。
水温や水質への適応力が高くて非常に丈夫で育成しやすく、低光量やCO2添加なしの環境でも問題ないので、水草育成の入門としても最適な種類です。他の金魚藻と比較すると葉などが大きくて立体感があるため、水槽内のアクセントとしても存在感を発揮します。
ここではアナカリスの育成方法や植え方、溶けてしまう際の対処法などについてご紹介いたします。
目次
アナカリスのことを動画で知る
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アナカリスとはどのような水草か?
アナカリスはトチカガミ科に属する水草の1種で、「オオカナダモ」の和名を持ちます。マツモやカボンバとともに「金魚藻」として扱われており、非常に丈夫で育成しやすく増殖も容易であることから、メダカや金魚のおやつに加えて、熱帯魚水槽などのレイアウトとして人気がある水草です。
南米アルゼンチンが原産ですが、その生命力の強さから現在では世界各地に定着しており、日本国内でも河川や湖、池などに自生している様子が見られます。
アナカリスは、先端がとがった1.5~3cmほどの細長い葉を付ける沈水性の有茎水草で、葉の色は光量によってダークグリーンからライトグリーンにまで変化します。
高光量で育成するとダークグリーンに、低光量だとライトグリーンになることが知られており、それぞれ別の美しさを見出すことが可能です。アナカリスは水上葉は付けませんが、育成していると水上に白色の花を咲かせることがあります。
アナカリスの育成方法
水温・水質
アナカリスは水温への適応力が高く、13~30℃の範囲で生育できます。ビオトープや屋外飼育などの水草にアナカリスがよく採用される理由がこの適応水温の広さで、凍ってしまわなければ水槽用ヒーターを使わずに越冬も可能です。
水質に対しても適応範囲が広く、アナカリスはpH6.0~8.0の弱酸性から弱アルカリ性の範囲であれば生育できます。水の硬度を示すKHとGHはそれぞれ0~6°dH(ドイツ硬度)が適正範囲ですが、高めの硬度を好みます。
光量・CO2・底床材
アナカリスは低光量でも生育に必要な光合成が可能なので、照明は20WクラスのLEDライトが1灯あれば十分です。また、CO2の添加も必要なく、熱帯魚などの生体と一緒に育成すれば追肥もいりません。底床材に関しても、ソイルを使用せずとも大磯砂や田砂でも問題なく育成が可能です。
アナカリスの植え方について
下処理
ポット販売されているものは、まずはポットからアナカリスを取り出してロックウールを除去します。ロックウールが残っていると水槽内で腐食し、水質を悪化させてしまうので完全に取り除いてください。その際、草体の節の下部から丸ごと切り取ってしまっても問題ありません。
ロックウールを完全に除去できたら、下葉をカットして「水草その前に」などの薬剤を用いて、有害生物とその卵などを取り除くための下処理を行います。カット販売のアナカリスの場合は、そのまま同じように下処理を行ってください。
植え方
下処理が完了したら水槽内に植えていきます。植え方としては、1本ずつ草体の下部をピンセットなどでつまみ、底床材に対してやや斜めになるよう深めに植え込みます。アナカリスなどの有茎水草は節から根が出るので、節の部分を植え込むことを意識してください。
また、斜めに植えることで根付くまでの間に抜けにくくなります。斜めに植えても光をきちんと上から当ててあげれば、水草は自身で底面に対して垂直に伸びていきます。
ただ、アナカリスはしっかりと根付くタイプの水草ではありません。
植え付けるより水草用の重りを巻いたほうが手軽に安定することが多いです。
植える際の注意点
底床材の厚さが薄いと植えた水草が根付く前に抜けやすいので、3~5cm程度の厚さを確保するように敷いてください。
また、水草を植える間隔についてですが、品種によって異なります。アナカリスなどの成長が早くて枝分かれしやすい水草は、間を広めに取っておくと成長後にお互いの葉が影になって、成長を阻害することを防止できます。
アナカリスの増殖法とトリミング
増殖方法
アナカリスの増殖は容易です。草体の中央付近にある節の下部からカットし、カットした上部を底床材に植え込めば、節から根を出して成長していきます。茎節から根が出ている場所があれば、そこでカットして植えても良いです。
カットした下部も、残っている茎節から盛んに新しい枝を出して無性繁殖を行います。この方法は、「差し戻し」と呼ばれており、アナカリスをはじめ有茎水草において共通の増殖方法です。
トリミングについて
アナカリスは適した環境で育成するとかなり成長が早く、放っておくと育成スペースを圧迫して影や止水域を生じさせ、背が低い水草の成長を妨げたり、水質の悪化を早めるなどの弊害が発生します。トリミング耐性が強い品種なので、早めにトリミングを行って邪魔になる部分は除去しておくと良いでしょう。
アナカリスが溶ける(枯れる)際の対策
アナカリスは丈夫な水草ですが、それでも溶けたり枯れたりする症状が出るのであれば、育成環境の見直しが必要です。以下に考えられる主な原因と対策をご紹介します。
水温・水質が不適切
まずは、水温と水質について適正範囲にあるか見直してみてください。凍ってしまうような低温や30℃を超えるような高温には、さすがのアナカリスでも耐えられません。水温をコントロールするために、必要に応じて冷却ファンや水槽用ヒーターなどの温調機器を導入してください。
また、pHに関してはアルカリ性側に過度に傾いているようならば、中性から弱酸性に水質を調整することで改善する場合があります。
照明の点灯時間の過不足
また、照明の点灯時間が適切かどうかも重要です。時間が不足している場合は言わずもがな、光合成によって生育に必要な養分を十分に合成できずに弱ってしまいます。それから、24時間ずっと点灯している状態でも問題が生じます。
自然下では明るい時間と暗い時間が繰り返されることが普通なので、常に明るい状態だとアナカリスの「生物時計」が狂ってしまい、成長が阻害される可能性があるのです。照明はタイマーなどを用いて、点灯と消灯を定期的に切り替えるようにしてください。
栄養分の不足
飼育環境に問題がない場合は、水槽水中の栄養分が不足している可能性があります。特に、アナカリスを含む水草のみを飼育している場合は、生育に必要な栄養分が消費される一方なので、外部から供給しなければなりません。
また、生体とともに育成していても、水草の生育に必要な三大栄養素のカリウムは不足しがちです。栄養不足を解消するためには水草用の肥料を与えることが一般的で、肥料には固形タイプと液体タイプが存在し、総合肥料や特定の栄養分のみを添加できるタイプもあります。
これらを状況に応じて使い分けて、栄養不足を解消してください。
まとめ:アナカリス(オオカナダモ)を育てよう!植え方、増やし方、溶ける対策も解説
アナカリスは非常に丈夫で育成しやすいので、初心者にもおすすめの水草です。順調に成長すれば鮮やかな緑色が美しく、その草姿と相まって水槽内のアクセントとして抜群の存在感を発揮します。
成長が早くトリミング耐性も高いので、アクアリウムで理想の情景を作り出すのに貢献してくれること間違いなしです。水槽に入れる何かしらの水草をお探しの方は、ぜひアナカリスを育成してみてください。
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