水槽には水を何割入れるのが良いか!目的や設備ごとの目安水量を紹介

アクアリウムテクニック水槽・飼育トラブル水槽の安全対策水槽導入
投稿日:2025.10.26|
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水槽に水を注いでいるとき、ふと、どのくらい水を入れたらよいのか迷うことがあります。
美しいネイチャーアクアリウム水槽は、水面近くまで水を張って美しいレイアウトを作り上げますし、そもそも水量は多い方が水質管理などの面でかなり有利です。
しかし一方で、水位が高過ぎると飼育する魚種によっては飛び出しや脱走が心配ですし、設備によっては水槽周辺への水撥ねが気になることもあるでしょう。
このように、水槽の水位は飼育する魚種やレイアウトのスタイル、使用している水槽設備などによって異なるため、一概に”この量”と決められるものではありません。
まずはご自分の水槽の状態を把握し、ベストな水位を見つけ出していくことが大切です。
今回のコラムでは、水槽の目的や設備に合わせた目安の水量をご紹介します。
記事の後半では、水量によって水槽の寿命がどのような影響を受けるのかについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽に入れる水量の目安をスタイル別に解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽の水位は飼育している生体や環境、使用している機材などの様々な要因により、ベストな水量が異なります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽に入れる水量の目安をスタイル別に解説します。
水槽の水量は8割以上が基本!

水槽に入れる水の量は、フレームレス水槽なら水槽のフチから3~5cm下、フレーム水槽なら内側リブの下端を目安に、水槽の8割程度というのが一つの基準です。
満水(フチぎりぎり)の状態よりも2割程度減らすことで、フタをした状態でもあふれずに水を循環させることができるので、水槽全体に酸素が行き渡りやすくなります。
また、振動や地震があった時に水漏れする心配がなくなりますし、水換えやメンテナンスで水槽に手を入れるときも、水量に余裕があった方が作業がしやすいです。
なお、水槽に水を張ってからレイアウトや機材を設置するとその分水位が上がってしまうため、必ずアイテムを設置してから最終的な水位まで水を張るようにしましょう。
目的や設備ごとの目安水量

水槽の水量は8割以上が基本とお話ししましたが、飼育生体の特性によってはそれよりもやや少なめ、または多めにした方が管理がしやすい場合があります。
また、設置場所や機材の種類、ポンプの流量などに応じて水位を変えなければならないこともあるでしょう。
そこでここでは、飼育生体や水槽スタイルごとに目安となる水量をご紹介しますので、ご自分の水槽に照らし合わせて確認してみてください。
魚を飼育している水槽

金魚やメダカ、熱帯魚、海水魚などの魚類を飼育している水槽は、フンや餌の食べ残しで水が汚れやすいことから、できるだけ水量を多めに確保するのが最適です。
水質をきれいに維持するため、最低でも8割を超えるように意識して水位を保ちましょう。
水量をできるだけたくさん確保しつつ、水面が少し波立っても問題ない程度の余裕があるとちょうど良いです。
こうした基本を抑えた上で、魚種に合わせた環境を構築します。
淡水熱帯魚水槽の場合
淡水熱帯魚を飼育している水槽では、8~8.5割程度の水位が目安です。
ベタやハチェットなど飛び出しやすい魚種がいるときは、水面が水槽のフチより5cm以上下になるよう水量を調整し、しっかりフタをすると飛び出し防止になります。
一方、CO2添加をしている水草水槽で水面が波打たないように調整している場合は、8.5~9割程度の高い水位でも運用可能です。
ただ、水量を増やし過ぎると夜間にエアレーションをしているときに水があふれてしまうため、水位の変化を確認しながら微調整をしてください。
海水魚水槽の場合
海水魚の場合は水槽周辺への塩だれを考慮して水量を8.5割程度に抑え、なおかつ隙間の無いようにフタを設置します。
オーバーフロー水槽の場合は自動的に本水槽の水位が決まるので、ろ過槽側の水位を調整します。ろ過槽の水位が大体7割程度ならば、塩だれをあまり気にせず運用できるでしょう。
海水水槽では水が蒸発すると塩分濃度が上がって比重が変化してしまうため、ろ過槽の水位確認を習慣化しておくのがおすすめです。
ライブロックなどのレイアウト素材を多く導入していると、その分本水槽内の水位が上がって蒸発に気づきにくいため、特に注意してください。
水位が下がったら足し水をして水質の変化を予防します。
金魚・メダカ水槽の場合
金魚やメダカといったろ過フィルターや保温器具を付けずに飼育されることが多い魚の場合は、魚種の特性に合わせて水位を調整する必要があります。
まず、金魚は大食漢で水を汚しやすく消費酸素量が多いという特徴があることから、開口部が広い飼育容器で飼育するのがベスト。その上で強めにエアレーションをかけるのが一般的です。
これらの事情を踏まえて、水位は少し低めに設定し水跳ねをできるだけ抑えると良いでしょう。
例えば、60cm規格水槽であれば、水位を8割弱に抑えて投げ込み式フィルターでろ過とエアレーションを強化するのがおすすめです。
一方メダカはどちらかと言えば低めの水位が得意で水もあまり汚さないため、プラ舟などの浅く広い容器で、水量を6~8割程度にして飼育すると長期管理に繋がりやすくなります。
エビ飼育

魚よりも体が小さく些細な変化でもダメージを受けてしまうエビ類をメインとした水槽では、水質の変動をできる限り抑え、安定した環境を維持することが優先されます。
このことから、水位は8.5〜9割程度に設定し、できるだけ水量を増やして水質を安定させましょう。
流木やソイルなどを入れ過ぎるとその分水量が減ってしまうため、状況に合わせてレイアウトの量を調整してください。
ろ過フィルターは、稚エビが吸い込まれる心配がないスポンジフィルターや底面式フィルター、吸水口をスポンジでカバーした外掛け式フィルターなど、水流の優しい安全なタイプが使いやすいです。
水棲カメ飼育

カメは種類によって水の中にいる時間の長さ(水棲・半水棲など)に違いがあることから、水位も飼育するカメの特性に合わせて決めるのが良いでしょう。
例えば定番のミドリガメは、陸地と水中を行き来する半水棲のカメなので、水深はそれほど必要なく、甲羅まで浸かれるぐらいの水位があれば問題なく飼育が可能です。
飼育を始めて長い時間が経過しており、飼育環境に慣れている個体なら甲長×1.5倍程度まで水位にも適応できますが、水位を高くすると脱走が心配ですし、UVランプへの水撥ねの危険もあるため、総合的に判断して水位を設定しましょう。
また、水棲傾向の強いミシシッピニオイガメならば甲長の1.5~2倍程度、生涯のほとんどを水中で過ごすスッポンモドキなら、水槽の7~8割以上の水量が最適です。
カニ・ザリガニ飼育

カニやザリガニは、水位が高いと石や流木、配管や機材の電源コードを伝って脱走してしまいやすいことから、水量は少なめにしておくのが基本です。
多くても水槽の3~5割の低めの水位にとどめ、メッシュのフタをして脱走を防止しましょう。
アクアテラリウム

一つの水槽に水中と陸地を作ってそれぞれにレイアウトを施していくアクアテラリウムでは、デザイン優先で水位を決定します。
水中と陸地どちらをメインに仕上げていくのかなどを考えながら、水位は3~7割程度の間で、全体のバランスをみながら調整していくのが良いでしょう。水量を決めたら落水したときのエア噛みや飛散具合をチェックし、水位に合わせて飼育する魚を選定します。
また、レイアウトの際は陸の安定性と水揚げ用ポンプなどの機材スペースを確保することも重要です。
メンテナンスの際に流木が浮くと水位が急に変化することがあるため、レイアウト素材の固定も忘れずに行いましょう。
水量によって水槽の寿命が変わる?!

実は、長い間満水で管理していた水槽は、8割程度に留められていた水槽に比べて寿命が短くなる傾向があります。
満水状態の水槽は内側から強い水圧がかかっており、長期間管理していくうちに壁面が膨らんできたり、シリコンの継ぎ目部分にひび割れたりといった破損に繋がることが多いです。
特にフレームレスで板厚が薄いガラス水槽を、常時満水で管理するのは避けたほうが良いでしょう。
水槽の寿命を延ばすには、できるだけ水槽に掛かる負担を和らげることが大切です。
水量に気を配るのはもちろん、設置台が水平である事や水槽マットで振動を抑えるなどのちょっとした工夫で、水槽を長く使い続けることができます。
まとめ:水槽には水を何割入れるのが良いか!目的や設備ごとの目安水量を紹介

水槽に入れる水量は、水槽の8割程度を基準に、飼育している生き物や飼育スタイルに合わせて決定します。
例えば魚の飼育がメインの水槽では水質を安定させるため、8.5~9割程度の水量が目安ですが、生体の飛び出しや水跳ねの不安があるときは少し水量を減らして、フタをして管理するのがおすすめです。
また、長い間満水状態で管理していた水槽は、ガラス面やシリコンの継ぎ目に大きな圧力がかかり、寿命が短くなってしまう傾向があります。
特に、薄いガラス製のフレームレス水槽はダメージが出やすいため、満水管理をするときは他の水槽を選ぶと良いでしょう。
水槽のベストな水量は設置の目的や飼育生体、設備ごとに異なります。まずは設置場所をよく検討し、飼育する生き物の性質を深く調べるところから始めてみてください。
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