メダカの飼い方
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メダカと貝の関係性!貝とメダカを混泳するメリット・おすすめの貝

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貝はメダカと相性が良く、水槽やビオトープなどの混泳相手としておすすめの生体です。
水槽に生えたコケを食べたり、水中の栄養を吸収したりなどお掃除生体になりますので、きれいな水質を維持しやすくなります。

ただ、貝の種類によって能力に差がありますし、繁殖力が高いものでは「数が増えすぎて困る」といった話も珍しくありません。

メダカとの混泳で失敗しないためには、貝の特徴や生態を理解したうえで、管理しているメダカ水槽や飼育容器に合った種類を選ぶことです。

ここでは、メダカと貝の関係性について、貝とメダカを混泳するメリットや混泳におすすめの貝の種類をご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカと貝を混泳するメリットやおすすめの貝を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

貝類はメダカの混泳相手としておすすめの生体で、水槽やビオトープの中を綺麗にしてくれる浄化作用が魅力です。
ただ、貝の種類によって処理をしてくれる汚れが異なるため、それぞれの特徴をよく理解したうえでぴったりな種類を選びましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカと貝を混泳するメリットやおすすめの貝を解説します。

メダカと貝は共生に近い関係!


メダカと貝類は、一緒にいることでお互いにメリットがある共生に近い関係です

簡単に説明すると、メダカを飼育していると発生する

  • 水の汚れにつながる養分(フンや餌の食べ残しなど)
  • デトリタス(魚やプランクトンの死骸)
  • コケや植物プランクトン

などは貝類の餌になります。
そして、これらのものを貝が食べてくれることで、水槽の中が綺麗になり、メダカは病気にかかりずらくなります

貝はメダカから餌となるものを提供してもらう、一方メダカは貝が水を浄化してくれることで健康に過ごすことができる、という共生関係が成り立っているのです。

ただし、この関係はメダカと貝の飼育数のバランスが保たれているからこそ成り立ちます

貝類が多すぎると水槽の中に自然発生する餌だけでは足りなくなりますし、そもそも植物プランクトンなどは適量ならばメダカの餌にもなるものですので、貝に全て食べつくされてしまうのは困りものです。
種類にもよりますが貝類は繁殖しやすい生体なので、気づいたら水槽の中が貝だらけになってメインのメダカが目立たなくなってしまった、などということにもなりかねません。

適切なバランスが守られるよう、貝類が必要以上に増えてしまうことを防ぐために、最初は少数から飼育をはじめることを意識しましょう。

貝類は適性な匹数なら、飼育環境の清浄化に役立つ心強い存在です

メダカと貝を混泳させるメリット


続いては、メダカと貝を混泳させるメリットについてです。

共生関係でも軽く触れた内容ですが、この2種を混泳するメリットは主に次の3つが挙げられます。

  • 水質の清浄化
  • コケ・汚れの抑制
  • 自然に近い環境を作れる

水質の悪化を遅らせたり、掃除の手間を減らせたりなど、貝を上手に導入することでメダカ飼育に役立てることが可能です。

水質の清浄化

貝を入れるメリットとして一番大きいのは、ろ過摂餌(ろかせつじ)による水質の浄化作用です。

ろ過摂餌は、水中の植物プランクトンや濁りの原因になる有機物を水ごと取り込み、ろ過するように食べる摂餌方法で、これをすることで結果的に水の汚れが取り除かれて、水質が浄化されます。

この能力はすべての貝が持っているわけではありませんが、メダカの混泳相手として有名な『ヒメタニシ』は、ろ過摂餌を行います。
ヒメタニシについては、後ほど詳しくご紹介します。

コケ・汚れの抑制


貝類は、水槽の壁面に付着したコケを食べてくれる頼もしい存在です。

水槽を使った室内飼育では鑑賞性が重視されますので、特に重宝されます。きれいにムラなく、とはいきませんがコケが生える面積は確実に少なくなるため、コケ掃除の手間を軽減することができるでしょう。
また、それだけにとどまらず、餌の食べ残しや水草の切れ端といった汚れの原因物質そのものを食べて減らしてくれるので、コケや汚れ自体が発生しづらくなります。

コケや汚れを抑制する貝としては、『イシマキガイ』などが有名です。
イシマキガイについては、後ほど詳しく解説します。

自然に近い環境を作れる


貝を水槽や飼育容器に入れることで、より自然に近い環境になります。

野生のメダカは貝と同じ環境で暮らしていますし、メダカが出した養分や汚れを貝が取り込み栄養にする流れは、自然の生態系に近い一面があります。

特にビオトープでは、庭やベランダなど身近な場所で自然を楽しむために作ることが多いため、自然の環境に近付けられる貝を混泳相手として選ぶ人も少なくありません。
貝だけでも十分ですが、一緒にエビや水草などを入れることで、自然の一部を切り取ったようなメダカのビオトープが作ることができます

メダカとの混泳におすすめな貝


ここからは、メダカとの混泳におすすめの貝として『ヒメタニシ』と『イシマキガイ』の2種類をご紹介します。
どちらもメダカと相性が良いですが、ろ過摂餌の可否やコケ取り能力、繁殖力などが異なりますので、解説を参考に目的に応じて選んでみてください

ヒメタニシ

(生体) ヒメタニシ 1匹+保障1匹 合計2匹

ヒメタニシは大きくとも3cm程度の貝で、日本の河川や湖沼にも生息しています。

寿命は2~4年ほどで、メダカと一緒に飼える貝のなかでは寿命が長い種類です。日本の気候に適応しているだけに低水温に強く、水温変化が大きい屋外飼育やビオトープでも年中飼育できます

ちなみに、メダカにおすすめの貝として”タニシ”と表記されていることがありますが、ほとんどがこのヒメタニシです。

植物プランクトンを食べる!

ヒメタニシはろ過摂餌によって植物プランクトンや濁りの原因になる有機物を取り込むため、青水が濃くなりすぎるのを防いだり、水の透明度を高めたりといった水質改善に役立ちます。
また、コケや食べ残しも処理してくれますので、屋外飼育やビオトープで鑑賞性を維持したい場合に最適な貝です。

飼育容器内で繁殖する

ヒメタニシを水槽に導入する際は、繁殖力の高さに注意しましょう。

ろ過摂食によって水を浄化してくれるとはいえ、ヒメタニシ自身もフンをしますので、数が多いと水が汚れやすくなります。また、好みにもよりますが、貝がたくさん付着することで見た目が悪くなることもありますので、適性数で飼育することが大切です。

飼育容器の大きさに合わせて最初は1~3匹程度に抑えて導入し、水が汚れやすかったり、青水になるペースが早かったりするようならば、少しずつ追加することをおすすめします。

イシマキガイ

(生体) 石巻貝 イシマキガイ 5匹+保障1匹 合計6匹

イシマキガイは2cmほどに成長するコケ取り生体として有名な貝です。
日本の淡水~汽水域にも生息している種類ですので、屋外でも越冬できます。メダカ水槽はもちろん、熱帯魚水槽のコケ取り役としても重宝されます。

コケを食べるお掃除生体!


イシマキガイはコケや餌の食べ残し・水草の切れ端など、水質悪化の原因になるものを食べてくれます

水槽の壁面に生えたコケ処理が得意ですので、横から鑑賞する室内飼育向きですが、ビオトープとの相性も悪くありません。ただ、ろ過摂餌はできないため、水質浄化が目的ならヒメタニシを採用しましょう。

繁殖しないが卵を産む

イシマキガイの繁殖には塩分が含まれる汽水が必要ですので、メダカ水槽で繁殖することはありません。ヒメタニシと違って増えてしまう心配がなく飼育数の管理がしやすいです。

ただ、孵化しなくても産卵はするため、水槽にこびりついた卵が気になることがあります。見た目が良いものではありませんので、必要に応じてヘラやスポンジ、手で擦って落としましょう。

また、弱酸性の環境では1年ほどで死んでしまうことと、淡水では卵が孵化しないことから、ヒメタニシのように殖やしながら長期飼育することはできません。
数が減ってきたら追加する必要があります

まとめ:メダカと貝の関係性!貝とメダカを混泳するメリット・おすすめの貝


今回は、メダカと貝の関係性について、貝とメダカを混泳するメリットや混泳におすすめの貝の種類をご紹介しました。

貝はメダカを攻撃する心配がないうえに、ろ過摂餌やコケ取りによってきれいな環境を維持しやすくしてくれるおすすめの混泳相手です。

メダカ飼育ではヒメタニシイシマキガイが有名で、どちらもコケや餌の食べ残しなどを処理してくれるだけでなく、

  • ヒメタニシ:ろ過摂餌によって水の透明度と水質を改善する能力がある
  • イシマキガイ:繁殖しないため飼育数を管理しやすい

といった特徴があるため、目的に合わせて選ぶと失敗しにくいです。
貝はお掃除生体として優秀で室内・屋外飼育問わず活躍しますので、メダカの混相手をお探しの方は水槽や飼育容器に迎え入れてみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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