メダカの飼い方
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ヒメタニシの飼い方を徹底解説!混泳向きでも注意が必要?濾過摂食とは

アクアリウムではお掃除生体として人気のヒメタニシは、在来種の淡水貝で比較的低水温に強いため、室内の水槽はもちろん、変化の多い屋外のビオトープでも飼育することができます。

また、コケを食べてきれいにしてくれるだけでなく、水中の余分な養分を吸収するろ過摂食という能力を持っており、水質維持にも効果的です。

そんなヒメタニシですが、予想異常に繁殖してしまったり、高水温で弱ったりすることがあるため、飼育する前に特徴をよく確認しておきましょう。
ここでは、ヒメタニシの特徴や生体、飼育の仕方や注意点を解説していきます。お掃除生体にヒメタニシの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにヒメタニシの飼い方や注意点を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

アクアリウムではお掃除生体として親しまれているヒメタニシは、コケを食べてくれたり、水を綺麗にしてくれたりと、水槽の維持に欠かせない存在です。
大人しい性格なので、どんな水槽でも導入することができます。しかし淡水環境で繁殖するため、気づいたら水槽の中が貝だらけになっていた、というような事態になることも。
飼育する前に注意点を確認しておくと、うまくいきやすいです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ヒメタニシの飼い方や注意点を解説します。

ヒメタニシとは


まずは、ヒメタニシがどのような生き物なのか、特徴と生態を解説します。

生体情報は、導入予定のビオトープや水槽で無理なく飼育できるかどうか、もしくは適切な飼育環境を整える際の目安になりますので、確認しておきましょう。

ヒメタニシの特徴

(生体) ヒメタニシ 5匹+保障1匹 合計6匹

ヒメタニシは、アクアリウムでタニシといえばヒメタニシを指すといっても過言ではないほど、ポピュラーな生き物です。
日本に幅広く生息する淡水性の巻貝で、田んぼや用水路、沼など水流が緩やかな場所を好み、身近な水辺でもよく見かけます。

大きさは成長しても3cmほどで、水槽やビオトープに入れてもそこまで主張しない、導入しやすいサイズが人気の理由の1つです。

体色や殻の色は茶褐色~灰色ですが、コケが生えて緑色に見えることも少なくありません。寿命は、2~4年程度です。

ヒメタニシについては、こちらでも詳しく解説しています。

ヒメタニシの生態

ヒメタニシは夜に活動する夜行性で、昼間はあまり動かず砂に潜ってじっとしていることが多いです。暗くなると活動を始め、もそもそと動きながらコケや藻などを食べる姿を観察することができるでしょう。

また、卵ではなく稚貝を産む“卵胎生”の貝で、淡水環境で繁殖するのも特徴です。
1回の出産で3匹ほどの稚貝が産まれます。卵を産む種類よりも生存率が高いため、水槽の中で増やすことができますが、増やし過ぎには注意してください。

ヒメタニシは雑食性ですので、

  • コケ
  • 枯れた水草
  • 魚が食べ残した餌

など、植物性のものから肉食性の餌まで口にします。さらに、水中の余分な養分や植物プランクトンを取り込んで吸収する『ろ過摂食』という能力も持ち合わせていて、水質浄化能力も高いです。

このろ過摂食は餌が不足しがちな環境下で盛んに行うことが知られています。

アクアリウム 設置 管理 水槽メンテナンス

ヒメタニシの飼い方


ここからは、ヒメタニシの飼い方を解説していきます。

おすすめの飼育環境や、適水温、飼育に向いている底砂などをご紹介しますので、ヒメタニシの飼育や導入を検討中の方はご覧になってみてください。

飼育環境について

ヒメタニシは幅広い水質や水温に適応できる貝ですので、屋外のビオトープ、室内水槽のどちらの環境でも飼育が可能です。

ただ、飼育環境によって飼育難易度がやや異なりますので、環境ごとの特徴を把握しておくと、導入しやすくなります。

ビオトープ、水槽どちらの環境でも飼育が可能

環境の変化に強く大抵の環境で飼育ができるヒメタニシは、室内屋外問わず導入できますが、どちらかといえばビオトープの方が状態良く飼育しやすいです。

これはヒメタニシが得意とする水質が関係しています。
ビオトープはバクテリアが豊富で水草なども育成しやすいため、水質を酸性に傾ける硝酸塩が蓄積しづらく飼育水の硬度が下がりにくいのが特徴です。
この飼育水の硬度は、貝類の健康維持や殻の形成しやすさに関わるため、硬度を保てるビオトープの方がヒメタニシの調子が上がり、繁殖もしやすい傾向にあるというわけです。

しかし、硬度が高い飼育水でなければ飼育できないというわけではないため、室内の水槽でも問題なく飼育できます
室内飼育の場合は、水質があまりに酸性に傾き硬度が下がると体調をくずすことがありますので、定期的に水換えをして弱酸性から中性(pH6.0~7.0)に保てるよう心がけましょう

低水温に強く高水温に弱い

天津すだれ 小窓用 74×80cm

日本の水辺にも生息しているヒメタニシは、低水温に強く5度程度まで水温が下がっても死んでしまうことはありません
水温が17度を下回ると活性が下がり、10度以下になると殻に閉じこもり冬を越します。

一方で高水温には弱いため、水温が28度以上にならないよう対策をしましょう。ビオトープでは、すだれや葉の大きな浮草などを活用することで水温の上昇を抑えられます。
室内の水槽飼育では、水槽用冷却ファンを活用したり、エアコンで室内の温度を管理したりして、水温の上昇を抑えます。

コケ取り生体のヒメタニシのために高水温対策することは手間に感じるかもしれませんが、30度を超えるような水温は、他の魚やエビなどの生体にも負担になりますので、対策をしておいて損はありません

ヒメタニシに向いている底砂

田砂 (たずな) 1kg

ヒメタニシは底砂に潜って休む性質があるため、飼育するならば底砂を入れてあげましょう。
使用する砂には、目の細かい種類が向いています。

  • ケト土
  • 田砂
  • 赤玉土
  • ソイル

などはヒメタニシが休みやすいおすすめの底砂ですが、その他の底砂でも問題なく飼育できますので、混泳している生体との相性も考慮しながら選んでみてください

ちなみに、混泳相手がメダカの場合は上記のどの底砂とも相性が良いですし、熱帯魚や日本淡水魚であればソイルや田砂がおすすめです。

ヒメタニシのコケ取り能力


コケ取り生体として導入されることが多いだけに、ヒメタニシのコケ取り能力は高いです。

茶ゴケや斑点状コケはもちろん、掃除しにくい藍藻やアオミドロまで食べてくれます。さらに、ろ過摂食によってアオコまで薄めてくれる嬉しい存在です。

コケ取り生体としてはイシマキガイの名前もよく挙がりますが、比べてみるとヒメタニシの方が食意旺盛な印象を受けます。その上ろ過摂食を行うのはヒメタニシだけなので、貝類の中でも特に高いコケ取り・水質浄化能力を持つ頼もしい存在です。

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ヒメタニシを飼育する際の注意点


最後に、ヒメタニシを飼育する上での注意点についてです。

基本的にあまり神経質になる必要のない飼いやすい生き物ですが、

  • 繁殖しやすい
  • コケがない環境では餓死することがある
  • グリーンウォーターを薄める

など、飼育環境によっては不向きなことがあるため、導入する前に確認しておくことが大切です。

ヒメタニシは殖えやすい!

ヒメタニシを状態良く飼育するには、硬度の高い飼育水が最適とお話ししましたが、このような最適な環境では盛んに繁殖して、増え過ぎてしまうことがあります。

飼育数を管理するためには、導入する時点で入れ過ぎないことが重要です。水槽の大きさにもよりますが、1~3匹程度から飼育を始めましょう。

1匹ならば基本的に繁殖することはありませんが、まれに最初から稚貝を持っていて、水槽の中で産むことがあるので油断はできません。

増え過ぎると水槽の景観を損なったり、餌が不足して餓死してしまったりすることがあるため、素手で取り除いて数を減らします。少し可哀そうですが、金魚など貝類を食べる生体の餌にするのも1つの手です。

また、増え過ぎて飼いきれなくなったからといって湖沼や河川など自然の水辺に放すことは控えてください
日本に生息している在来種ですが、生態系をくずす可能性があります。

「貝類をあまり増やしたくない」「飼育数を管理したい」というようなときは、淡水では繁殖しないイシマキガイも選択肢に入れることをおすすめします。
ろ過摂食は行いませんが、イシマキガイも優秀なコケ取り生体なので、ヒメタニシと同様に水槽の環境維持に一役買ってくれるでしょう。

コケがなくなると餓死することがある

コケ取りやろ過摂食目的でヒメタニシを入れているからには、あまり餌をやりたくない気持ちはわかりますが、水槽の中に常にコケやプランクトンが豊富にあるわけではありません。

食べつくしてしまうとヒメタニシが餓死してしまうので、餌があるかどうか気を配りましょう

とはいえ、わざわざコケを残しておくのは水槽の鑑賞性に関わりますので、コケが無いときには、他の生体に与えている餌を少し増やしてヒメタニシにも餌が届くよう対処します

ただし、餌を増やしすぎると水質が悪化して水槽内の生体に悪影響を与えかねないため、定期的な水換えをして水質を維持しましょう。

グリーンウォーターが薄くなる

ヒメタニシを飼育する上で注意しなければならないのが、グリーンウォーターです。
グリーンウォーターは植物プランクトンが豊富な水で、メダカ・金魚などの稚魚を育てる際に重宝しますが、そこにヒメタニシを入れてしまうと植物プランクトンが食べつくされて、透明な水になってしまいます

グリーンウォーターを維持するという観点から見ると、ヒメタニシとの相性は悪いといえます。

ヒメタニシは、通常の飼育水で餌やりをしている飼育環境ならば、存分に水質浄化能力を活かすことができますので、飼育スタイルに応じて導入を検討してみてください

まとめ:ヒメタニシの飼い方を徹底解説!混泳向きだけど注意が必要!?


今回はヒメタニシの特徴や生体、飼育の仕方や注意点をご紹介しました。

ヒメタニシは、コケ取り能力の高さとろ過摂食による水質浄化能力を持ち合わせているため、ビオトープ・水槽飼育問わず重宝されるお掃除生体です。
丈夫で飼いやすいですが、

  • 水温が28度以上になる場合は対策が必要
  • 水の硬度が高いと大繫殖することがある
  • コケがなくなるとが餓死する可能性がある
  • グリーンウォーターを薄める

とった注意点もあります。

基本的にはどんな水槽でも飼育できて、コケ対策にとても重宝する生き物ですので、飼育スタイルや注意点を考慮しながら導入を検討してみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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