水槽まわりの気温が下がったら!保温だけじゃない寒さ対策を解説します!

熱帯魚飼育メダカ飼育金魚飼育アクアリウムテクニック水槽用ヒーター
投稿日:2025.10.18|
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秋が深まり朝晩の冷え込みが感じられるようになってきたら、水槽の保温対策を始める季節。
この時期は一日の寒暖差が激しく、昼間の気温が20℃前後まで上がるような日でも、朝晩の冷え込みで魚が体調を崩してしまいやすいです。
「昨日まで元気だったのに、急に動きが鈍くなった」「急に餌を食べなくなった」などの症状は、まさに水温変化の影響による可能性が高く、放っておくとダメージが蓄積して命を落とすような事態になりかねません。
近年は残暑が長引く傾向があり、10月になっても暖かいことから対策を後回しにしがちですが、気温が下がり出したらあっという間に寒くなっていきますので、余裕を持って準備を始めましょう。
このコラムでは、水槽まわりの気温が下がりだしたときに行う対策をご紹介します。
寒さが本格化する前にぜひチェックしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに気温が下がり出したときの水槽の保温対策を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
冬が近づき気温が下がってきたら、水槽の保温対策を始めましょう。
特に昼夜の気温差で水温に影響が出てしまっているときは、注意が必要です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、気温が下がり出したときの水槽の保温対策を解説します。
水槽まわりの気温が下がったら!

秋から冬にかけては、一年の中でも昼夜の寒暖差が激しい季節です。人間が肌寒いと感じる頃には、すでに水槽の水温が下がり始めています。
変温動物である魚は自分で体温を調整できないため、飼育者が水温を調節して体温の低下を防いであげなければなりません。
ここでは、気温が下がったらまず確認しておきたい基本のポイントを解説します。
まずは水温をチェックしよう!
気温が低下してきたら真っ先に確認したいのが、水温の変化です。
熱帯魚や海水魚の場合は24〜26℃前後、金魚やメダカなら18~25℃程度が適温のため、基準の水温よりも低下していないかをチェックしましょう。
また、このとき気にかけおきたいのが1日の中での温度差で、±1~2℃以内に収まるように管理されているのが望ましいです。気温が高い日中は安定していても、夜間に水温が一気に下がるケースが多いため、最低でも昼と夜の2回は水温を確認してください。
水温が低い状態で安定していればまだよいのですが、1日の中で水温が急変していると魚たちには大きなストレスとなります。
最後に、水温計は水槽用ヒーターからできるだけ離して取り付けてください。
近すぎると、正確な水温が計れない場合があります。
生体たちの食欲・コンディションを確認

病気の症状がみられないにもかかわらず、食欲の低下やフンの出が悪いなどの異常があるときは、水温の低下による影響を疑います。
急激な水温の変化により、代謝が落ちて食欲不振や消化不良を起こすことがあるからです。
その他にも動きが鈍く底でジッとしている、体色がくすむなどのサインが出ていたら水温を確認し、適切な対策を行いましょう。
また、水温が低下すると免疫力が落ちて白点病やエラ病などの発症リスクが上がります。
毎日の観察で動き・体色・食欲の3点をチェックし、少しでも違和感を感じたら水温と水質を見直してみましょう。
この季節は、体調不良が出やすいため、異常を早期に発見することを念頭に観察することが大切です。
水槽用ヒーターの導入を検討しよう
メダカや金魚などを無加温で飼育している場合は、必要に応じて水槽用ヒーターの導入がおすすめです。
特に室内飼育の水槽では、活性は下がるが冬眠はできない中途半端な水温になってしまいやすいため、水槽用ヒーターで保温をした方が健康的に越冬できます。
水槽用ヒーターにはオートヒーターと温度調節式ヒーターの2種類があり、オートヒーターは難しい設定をせずに水槽に設置するだけで使える初心者向きです。
一方、温度調節式は季節や魚種ごとに微調整できるのが魅力でしょう。
時間をかけて少しずつ水温を上げていけるので、魚に負担を掛けたくないときは温度調節式が使いやすいです。
室内水槽はエアコンで水温低下を防げる

室内飼育では、エアコンを使って室温を管理することで水温の低下を予防できます。
室温の設定は、希望する水温+2〜3℃を目安にすると良いでしょう。例えば、熱帯魚を25℃で飼いたいなら室温は27〜28℃程度が理想です。
エアコン管理のメリットは、水槽だけでなく部屋全体の温度を一定に保てて結果的に節電になることでしょう。
室温が保たれれば、水温が大きく下がることがなく水槽用ヒーターの稼働率も下がるからです。
ただし、就寝後にエアコンを切ってしまうと室温が下がってしまいますので、そのまま稼働させ続けるか”弱運転”にして、室温の低下を抑える工夫を必ず行ってください。
屋外飼育は低水温時の飼育に切り替えよう

屋外で金魚やメダカを飼っている場合は、本格的な冬に向けて少しずつ越冬モードへ移行していきます。
屋外で越冬させる場合は水槽用ヒーターを入れる必要はなく、自然な水温の低下に慣らしていくことが大切です。
水温の変化とともに代謝が落ちるので、給餌量も少しずつ減らします。
大掛かりなメンテナンスは避けて、月に一回程度の少量の水換えと足し水で環境を維持しましょう。
新しい水と飼育水に水温差があると魚がショックを起こしてしまいますので、飼育容器の近くに汲み置きして、水温を合わせてから使用すると安心です。
凍結防止などの冬対策はまだ必要ないですが、この頃から準備だけは進めておくといざという時に慌てずに済みます。
保温以外の寒さ対策3選

寒さ対策というと水槽の保温に目が行きがちですが、それ以外にも魚たちが健康的に冬を越すために行っておきたい対策があります。
ここでは保温以外に寒さ対策を3つ、まとめてご紹介します。
餌の量を調整する
無加温飼育や気温の低下の影響を受けやすい水槽では、寒くなると魚の代謝が落ちて消化能力が下がります。
この時期に夏と同じ量を与えると、食べ残しが増えて水質悪化に繋がるため、餌をやや控えめにして様子を見ることが大切です。
目安として、水温が18℃を下回ったら1日おきに給餌するか、週に1〜2日の絶食日を設けると良いです。
また、餌はこってりしたタイプではなく消化の良いフードに切り替えると、消化不良を防ぎ健康を維持する効果が期待できます。
無加温飼育では新魚の追加を避ける
水温が下がって免疫力が低下している時期に新しい魚を導入すると、万が一病原菌を持ち込んでしまったときに、水槽内に蔓延するリスクが跳ね上がります。
また、新魚の方も持ち帰るまでのわずかな時間の気温差が大きなストレスになり、せっかく導入してもそのまま弱ってしまいやすいです。
これらの理由から、特に無加温飼育の環境では寒い季節の新魚の追加は避けたほうが良いでしょう。
どうしても導入する場合は保温バッグやカイロを活用し、できるだけストレスを掛けずに持ち帰ります。
その後、トリートメント水槽で1週間以上隔離し、状態を整えた上で導入をしてください。
晩秋生まれの個体は室内に隔離しよう

近年は残暑の影響で、屋外飼育のメダカなどが秋に産卵することも少なくありません。
長く繁殖を楽しめて嬉しい反面、生まれたばかりのメダカが体力を付ける間もなく厳しい冬を迎えてしまう危険も。
晩春産まれ個体は、越冬耐性が低くそのままでは冬を越せないため、室内に移動して育てることをおすすめします。この時、水槽用ヒーターを設置し、水温を23〜25℃程度に保つと安心です。
室内でしっかりエサを食べて育成すれば、春には屋外デビューさせることができます。
飼育水の蒸発や水位に注意!
空気が乾燥している冬は、思っている以上に水槽の水が蒸発します。
気づかないうちに水位が下がってしまうと水質の悪化が早まるため、フタを設置して週に1回は水位をチェックしましょう。
状況に応じて足し水をするのも有効です。
特に屋外飼育の場合、水位(水量)が減るとと水温が下がりやすくなり、真冬は凍結のリスクが上昇します。やや多めの水量をキープするように心がけるとよいでしょう。
まとめ:水槽まわりの気温が下がったら!保温だけじゃない寒さ対策を解説します!

気温が下がってきたときの水槽の寒さ対策をご紹介しました。
近年は残暑が長く続く傾向があり、暑さが和らぐとあっという間に気温が低下するということが増えています。
まだ暖かいからと対策を後回しにしていると、生体がストレスを受けてしまう危険がありますので、早めに準備を進めておきましょう。
まずは毎日の水温チェックを習慣化し、魚たちの動きや食欲を丁寧に観察することが大切です。
水槽用ヒーターやエアコンを使って保温はもちろん必要ですが、餌の調整、水量管理、新魚の導入タイミングなど、保温以外の対策にも気を配ります。
寒い季節を無事に乗り越えられれば、春には元気いっぱいの姿を見せてくれるはずです。小さな変化を見逃さず、快適な環境で魚たちと冬のアクアリウムを楽しみましょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。
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