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魚は冬眠をする生き物です。
低水温下では魚たちの活性がにぶり、仮眠状態になります。
冬眠中は代謝がほとんどなく、餌も食べなくなり、じっと動かずに暖かい季節を待ちます。
自然の中で暮らしている魚は水温が低くなると冬眠しますが、金魚や錦鯉、メダカなど飼育されている魚も冬眠するのです。
この記事では、魚の冬眠についてや、飼育魚を冬眠させる場合のメリットとデメリット、冬眠させる基準についてご紹介しています。
魚の冬眠についての正しい知識を身につけ、より素敵なアクアリウムライフにお役立てください。
目次
魚の冬眠とは
魚は変温動物です。
そのため、5度以下などの極端な低水温下では活性が著しく下がり、動かなくなります。
それは活動をせずに体力を温存している状態で、こうした様子を『冬眠』と呼びます。この期間は餌を食辺ず排泄もほとんどしません。
正確には仮眠しているようなもので、気温の低い冬場は川の底などで、水温が上昇するのを待っています。
熱帯魚など、温帯に住む魚は冬眠することは出来ませんが、四季のある日本の環境に適応しているメダカ、金魚、鯉などの魚種は、飼育されている観賞魚であっても冬眠できます。
まずは、水温・時期・魚の種類・餌やりと水換えの必要性など、魚の冬眠について説明していきます。
魚が冬眠に入る水温
魚は変温動物のため、自分の体温を調整することができません。そのため、周りの環境(水温)に合わせて以下のように行動が変化し、冬眠状態に入ります。
- 10度以下で、急激に動きが鈍くなる
- 5度以下になると、じっとして動かなくなる
室内で魚を飼育している場合は、水温が下がりきらないため冬眠状態に入ることはありません。魚が冬眠状態に入るのは、外気温の影響で水温が下がる屋外飼育のみです。
魚が冬眠する時期
魚が冬眠に入る時期は11月下旬頃から3月中旬あたりまでです。
水温が低下するにつれ魚の活動量が減っていき、水温が上昇してくると少しずつ活動するようになります。
冬眠する魚の種類
自然で暮らすコイやフナなどの魚は、流れが緩やかな深場に集まり底の方でじっとして越冬します。
自宅で飼育できる魚の中で冬眠できるのは、金魚やメダカ、錦鯉、タナゴなどの川魚です。
温かい地域が原産の熱帯魚全般、海水魚も冬眠は出来ません。
すべての魚が冬眠するわけではなく、冬眠できる種類は限られていることを考慮して、魚種にとって適切な環境で飼育しましょう。
餌やりや水換えの必要性
飼育魚が冬眠状態に入ったら、餌やりや水換えは行わず、そっとしておきます。
冬眠中は代謝がほとんどなくなるため、魚は餌を食べなくても生きていけるのです。
また、餌を与えないことで水がほとんど汚れないため、水換えの必要ありません。
冬眠中は、魚たちをそっと見守るようにしましょう。
冬眠のメリット
飼育している魚を冬眠させると、以下のようなメリットがあると言われています。
- 長生きする
- 繁殖しやすくなる
これらの冬眠のメリットについて、詳しく解説していきます。
長生きする
冬眠には、飼育している魚が長生きするというメリットがあります。
冬眠している間は、魚にとっては休んでいる期間にあたります。
一年を通して産卵している個体や、常に活動している個体に比べると、冬眠すると魚の消耗が少なくなり、長生きしやすくなるのです。
繁殖しやすくなる
魚を冬眠させるもう一つのメリットとして、繁殖しやすくなることがあげられます。
魚に冬眠を経験させることで翌シーズンの繁殖率がアップしたり、良い体型の稚魚が生まれやすくなったりすると言われています。
そのため、飼育している金魚やメダカなどを繁殖させたいと考えている人は、魚を冬眠させることがおすすめです。
冬眠のデメリット
飼育している魚を冬眠させることで、以下のようなデメリットもあると言われています。
- 準備不足だと失敗してしまう
- 凍結すると死んでしまう
飼育している魚を冬眠させるデメリットについて、詳しく解説していきます。
準備不足だと失敗してしまう
デメリットの1つとしては、冬眠に向けて準備不足だと飼育環境が崩れ、魚が死んでしまう可能性があることです。
野生動物は冬眠に向け、数か月かけて準備を行います。飼育している魚も同じように、秋口である9月下旬~10月初めにかけて冬眠に向けて準備し、冬眠に耐えられるようにしておく必要があります。
具体的には、飼育している魚のために隠れ家の準備をしてやり、11月中旬までには給餌を一旦終わらせ、冬眠に向けて備えていきましょう。
低水温の季節に餌を与えると消化不良になりますし、活性が落ちることで排便が減って腸に残り、冬眠に悪影響を与えることがあります。
隠れ家は、下記のアイテムが良く活用されています。
- 土管
- 流木、木の枝
- 枯葉
もし準備不足で冬を向かえると、冬眠に失敗してしまう可能性が高まりますので、細心の注意を払いましょう。
凍結すると死んでしまう
もう1つののデメリットが、飼育水がすべて凍結してしまうと魚が死んでしまうことです。
そのため屋外飼育で冬眠させるときは、飼育水の凍結を防ぐために、以下のような対策をする必要があります。
- 飼育容器の水深を深めにする
- 飼育水の凍結対策を行う
底が浅い容器では、水分の蒸発などで飼育水が凍結しやすくなり、失敗の確率が高まります。
水深の深い飼育容器にすれば、凍結も表面だけですみ水温も安定し、魚が冬を乗り越えるやすくなるでしょう。
また、凍結対策には発泡スチロール箱や、スタイロフォームがおすすめです。
これらの素材は断熱効果に優れており、使用することで水温を一定の温度に保ちやすくなり、飼育水が凍結しにくくなります。
飼育魚に冬眠をさせる・させられない判断基準
冬眠させることができるかどうかには基準があり、飼育環境や飼育魚の種類によって判断する必要があります。
もし冬眠させることができない環境や種類だった場合は、魚が死んでしまうので注意しましょう。
冬眠させられる基準
飼育魚を冬眠させられる基準は、以下の2つです。
- 屋外飼育をしている
- 飼育魚が良い体型をしている
どちらも冬眠して越冬するには必要な条件であり、詳しく解説していきます。
1:屋外飼育をしている
冬眠は、魚を屋外飼育している場合のみ行います。その理由は、室内飼育だと魚が冬眠に入る水温まで下がりきらないためです。
屋外飼育では、春~秋口にかけて飼育水は『グリーンウォーター』という植物プランクトンが多く発生した状態を保ちやすいです。
温かい季節にグリーンウォーターや動物プランクトンで栄養を蓄えた個体は、冬眠に強いです。
しかし、室内飼育では直射日光があまり供給できないため、プランクトンが増えにくく冬眠に耐えうる体を作りにくいと言えるでしょう。
ちなみに、魚が冬眠しきるまではあまり掃除をしないほうが、デトリタス(微生物)が多めに存在しているため、死亡確率が下がるとされています。
2:良い体型をしている
冬眠の間は絶食になるので、飼育している魚も秋口までに栄養を蓄えた、良い体型になっていることが重要です。
冬眠中の魚はあまり動かず代謝がほとんどない状態ですが、冬眠前に栄養を蓄えていないと体力が持たず、死んでしまう確率が高まります。
そのため、小さかったり体が細かったりする個体は、大きな個体に比べると体力がなく、生存確率が下がってしまうのです。
冬眠させられない基準
飼育魚を冬眠させられない判断基準は、以下の2つです。
- 秋口までに冬眠の準備をしていない
- ユニークな体型の改良品種を飼育している
これらを満たしていないと、魚が死んでしまう可能性が高まるので注意しましょう。
ここからは冬眠させられない基準について、詳しく解説していきます。
秋口までに準備をしていない
前述のとおりに、飼育魚を冬眠させる前提として、秋口までに栄養分を蓄え良い体型になっていることや、隠れ場所を用意する必要があります。
そのうえで以下のような設備を用意することで、厳しい冬の環境から魚を守れます。
- 発泡スチロールなどの断熱材で保温する
- 玄関に移動させる
- 屋根やすだれ・波板を付ける
- 専用のビニールハウスで防寒をする
こうした対策をとれば極端な環境にさらすことが無くなるため、越冬できる可能性が高まるでしょう。
とはいえ、寒さが厳しい地域でない場合は、発泡スチロールや波板だけでも十分に越冬できます。
ユニークな体型の改良品種である
冬眠できるメダカや金魚の仲間でも、改良を重ねた品種は低水温に耐えられないことが多いです。
例えば、ダルマメダカやピンポンパールなどの温水を好む改良品種にとって、冬眠は致命的になりかねません。
冬眠は普通体型のメダカや、和金などが向いています。
飼育魚を冬眠させるかどうか考えている人は、まず始めに飼育している魚種の特性を確認しましょう。
まとめ:魚の冬眠とは!冬眠のメリット・デメリット、冬眠させる判断基準
今回は魚の冬眠についてや、飼育魚を冬眠させる場合のメリットとデメリット、冬眠させる基準についてお伝えしてきました。
冬眠する魚の種類は限られており、長生きや繁殖しやすくなるメリットだけでなく、失敗すると魚が死んでしまうというデメリットもあります。
また、冬眠をさせる・させないという判断を誤ってしまうと、こちらも魚の命にかかわる可能性があります。
飼育魚を冬眠させたい場合は、記事を参考に秋口には準備をはじめ、安全に越冬できるように環境を整えてあげましょう。
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