水換えのタイミングを水質検査で判断してみよう!飼育水の成分と検査薬について

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投稿日:2022.01.26|
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水槽内を美しく、そして生き物の健康を保つために欠かせない作業が「水換え」です。
しかし、水換えはどのタイミングで行なうのがベストなのか、わかりにくいのも事実です。
水換えを定期的に行っているけれど、それほどの頻度が必要なのか?と疑問を抱くこともあります。
東京アクアガーデンでは水の汚れを可視化するために『水質検査薬』や『pH測定器』を使用して水中の成分を確認しています。
水質検査薬で数値を確認すれば、水換えが必要かどうか・頻度が足りているのかが、一目瞭然です。
このコラムでは、水換えの目安となる、水中の成分基準と水質検査薬について詳しく解説いたします。
目次
水質検査薬でどんなことがわかるのか

水質検査薬では、飼育水を構成している成分の数値を知ることができます。数値を把握できれば、水質を管理する上で大きな目安になります。
各成分の適正値は飼育している生体によって変わってきますが、基本的に淡水水槽では酸性傾向に傾くほど汚れている状態です。
水質変化に特に弱いエビ類の飼育を念頭に置いて、各成分の適正目安を解説します。
pH:酸性・中性・アルカリ性
水の酸性・中性・アルカリ性を示す数値です。ペーハーと記述されていることが多いですが、現在理科業界では「ピーエイチ」と英語読みされています。
中性が7.0で、数値が小さくなるほど酸性が強く、数値が大きくなるほどアルカリ性が強いことを示します。
魚種によって好みのpHは異なります。
■pH傾向別の魚種例
- 弱酸性傾向:ネオンテトラ、エンゼルフィッシュ、ディスカスなど
- 中性~弱アルカリ性傾向:グッピー、プラティ、金魚、メダカなど
- アルカリ性傾向:カクレクマノミ、ハタタテハゼ、ウズマキヤッコなど
淡水水槽では、pHが5.0を下回っているか、8.5を上回っている場合は傾きすぎているため、早めの水換えが必要です。
海水はもともとアルカリ性なため、淡水水槽とは違いpH8.1を下回らないようにしましょう。
ただし、いきなりpHが変化しすぎると魚がショック症状を起こします。
3日間に分けるなど、少しずつ水を換え水質に慣らしてい行きましょう。
個人的な見解ですが、ビーシュリンプなどのエビは日本で供給されている水道水のpHで十分に生きていけます。
KH:炭酸塩硬度
KHは水の酸性化を緩衝する働きがあります。
つまり、水が酸性に傾きそうなとき、それを弱めてくれるということです。
水槽内のKHは、3°dKHを上回っているのが理想です。
特に水質変化に弱いエビなどを飼育している場合、pHが急激に変化することを和らげてくれるKHは、維持しておきたい数値です。
水道水のKHが2~3°dKHですので、KHが2°dKHに満たない場合は水換えをするのがおすすめです。
GH:総硬度
いわゆる、軟水・硬水と呼ばれる、水の硬さを示す数値です。水に含まれるミネラルの量によって変わり、ミネラルが多いほど硬いと表現されます。
GHは4~16°dHが適正と言われています。
この数値から大きくかけ離れている場合は、水換えを行なうのが良いです。
NH4:アンモニアイオン濃度
アンモニア濃度が0.25mg/Lを超えた状態で長期間飼育すると、魚やエビがダメージを受けます。
魚の排泄物に含まれているアンモニアは猛毒です。アンモニアの濃度が上昇しすぎると、生体は死に至ることもあるほど、恐ろしい物質です。本来であれば、水槽内に住むバクテリアがこれを分解してくれるのですが、水槽の立ち上げ直後などはバクテリアの状態が安定していないため、一時的にアンモニア濃度が上昇する場合があります。
その場合は速やかに水換えを実施しましょう。
NO2:亜硝酸イオン濃度
アンモニアに比べれば毒性が低い物質ですが、魚が中毒をおこすには十分な毒性があるため、亜硝酸の数値が高いときは水換えが必要です。
理想的な亜硝酸のレベルは0.8mg/L以下です。
魚の排泄物には、猛毒であるアンモニアが含まれています。そのアンモニアをバクテリアが分解して、亜硝酸に変えてくれます。
この亜硝酸塩が全く検出されないのが安全な水槽、といえます。
NO3:硝酸イオン濃度
上記の亜硝酸が、さらに分解された物質です。こちらは毒性が低いため、魚への悪影響は少ないのですが、放っておくとどんどん水槽内に蓄積してしまう物質です。
50mg/L(=ppm)以上の濃度になったら水を換えましょう。
植物にとっては栄養分なので、コケが繁茂する原因にもなりますから、数値が高いときは水換えしないと、コケが大繁殖する要因になりかねません。
自然界であればとどまることのない物質ですので、すぐにダメージが無くても、生き物には悪影響です。
水換えは主に、この硝酸塩を排出することが目的です。
Cl2:塩素濃度
一般的に「カルキ」と呼ばれている物質です。
正確には『次亜塩素酸ナトリウム』という物質が現在では使用されています。
カルキは魚のエラにダメージを与えるため、水道水は必ずカルキを中和しましょう。
カルキ抜きの必要性については、以下のページを参考にしてください。
PO4:リン酸濃度
淡水では1.0mg以下が標準です。
植物にとっては栄養になる物質ですが、数値が高すぎるとコケが繁茂する原因になりますので、水換えなどを行ない対処します。
なお、海水水槽ではほとんど0であることが理想です。
コケが繁茂して手に負えない場合は下のページが参考になります。
どんな種類の検査薬があるか
では実際に水質検査を行なうための検査薬の種類と、使い方などをご紹介します。
試験紙タイプ
こちらは、ろ紙に試験薬がしみこませてあり、水槽の水をろ紙につけるだけで様々な数値が測定できるというものです。水槽の水に入っている成分に反応してろ紙の色が変化しますので、セットについてくる見本色と見比べて、水質を知るという方法です。
- ろ紙を取り出す
- ろ紙に水槽の水を1滴たらす
- 1分ほど待つとろ紙の色が変化。ケースについている色見本と比較し、数値を読み取る
おおよそ検査1回60円ほどのコストです。
昔、理科の実験で使っていた「リトマス試験紙」に使い勝手は似ています。飼育水につけるだけなので検査が非常に手軽に出来るのが特徴です。
ただ、開封して放置しすぎると、湿気等で正しい検査結果が得られなくなる場合もありますので、できるだけ早めに使うのがおすすめです。
液体タイプ
液体の試薬を使うタイプです。
- 付属の注射器を用い、ガラス管に水槽の水を取る
- 試薬Aをすりきり一杯加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
- 試薬Bを5滴加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
- 試薬Cを5滴加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
- ガラス管内の色が安定するまで15分待つ
- 付属の色見本と比較し、数値を読み取る
試薬のほうが検査紙タイプよりも細かい数値がわかります。しかし結果が出るまでに15分ほどかかりますし、試薬が3つもありますので、試験紙タイプのものより難し印象を受けます。
それでも、使用可能回数が多くコストパフォーマンスに優れているなど、メリットが多いです。
こちらは、試薬は一種類ずつアンプル状に分かれており、水槽の水を入れるだけで結果が出ます。
待ち時間は、アンモニアが5分、亜硝酸は2分、硝酸は3分ほどで検査できます。
3回分×3本ですから、1本178円ほどです。
コスパの面では最も高価ですが、「水槽立ち上げ時だけ使いたい」という場合におすすめです。
デジタル機器
デジタルでpHを測定してくれる機器(ペーハーチェッカー)は、複数の水槽を管理している場合におすすめの機材です。
消耗品ではないので繰り返し使用できますし、精度の高い結果を得ることが出来ます。
検査方法は、水槽の水を容器にとり、電極を差し込んで数値を読み取るだけと、手軽です。
難点は、機器が高額なこと、メンテナンスに若干手間が必要なことです。
水換えのタイミングを水質検査で判断してみよう!飼育水の成分と検査薬について

水質を検査することで、一見透明に視える水でも様々な成分から成り立っていることが解ります。
それぞれの成分に毒性・悪影響はありますが、完全に不要というものはありません。
アンモニアが無ければ硝化バクテリアは増えませんし、バクテリアがいなければ、魚の長期飼育に向いた環境に整えることは出来ないでしょう。
リン酸もコケの原因になりますが、適正値ならば水草を美しく成長させます。
発生する成分には、必ず役割とつながりがあるのです。
それぞれの成分と付き合いながら、生体にとって居心地の良い水作りを目指しましょう。
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投稿されたコメントやご相談と回答
御担当者様
MKと申します。
水質について実は、大変困ってまして問い合わせしてしまいました。お忙しい中、すみません。
下記、3つがわかりません。
①エアレーションをする事によってアルカリ性に傾きますか?
私の認識では、エアレーションをする事によりバクテリアが増えて逆に弱酸性に傾くと思ってましたが、水質が弱アルカリ性になってしまって混乱してしまってます。因みに水草は植えてますが、底床の15%くらいで、co2は添加しておりません。
②水槽立ち上げ初期は特にエアレーションはした方が良いと聞きましたが、アルカリ性に傾くのであればと思い、躊躇しており、必要か悩んでます。
③これは、投込みフィルターでも同じことが言えますか?
長文ですみませんでした。
何卒、宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。実際に拝見しておりませんので、正確な回答ではないことをご了承ください。
水中のCO2が減ればアルカリ性に傾きますが、アクアリウム用のエアレーション装置でそれほど強力に作用することは、あまり考えられません。投げ込み式フィルターも同様です。
バクテリアが増えるから弱酸性傾向になるというより、魚たちのフン(アンモニア)が分解されることで酸性傾向になっていきます。
ここで考えられる原因は、生体数が少なめで岩や大磯砂をレイアウトしている という可能性です。
大磯砂や岩などをレイアウトしていると、設置当初はカルシウムが溶け出してアルカリ性に傾くことがあります。
これは、水換えを繰り返すうちに落ち着いていきますので、焦らずお手入れを行っていくのが良いです。
飼育生体が流木に適している種類でしたら配置してみるのもおすすめです。
・流木を水槽レイアウトで使うには!種類やあく抜き方法、浮くときの対処法!
https://t-aquagarden.com/column/driftwood_lye
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました!
お世話になります。MSと申します。いろいろと大変貴重な情報をありがとう御座います。
御多忙中のところ大変恐縮ではございますが、リセット(2週間前)後の水槽の水質についてご教授願います。
新規購入した魚が次々と星になって行くため、テトラの6in1を使用したところ、亜硝酸塩と硝酸塩数値が非常に高い結果となりました。そこで、ソネケミファEBPSというバクテリアとテトラ・ナイトレイトマイナスを併用していますが、亜硝酸塩と硝酸塩濃度があまり下がりません。EBPSは硝化菌ということで亜硝酸塩を硝酸塩に分解するので、その前のアンモニアを亜硝酸塩に分解する別のバクテリアが必要、という理解でよろしいでしょうか?
換水は3日に1回、1/2程度で行っております。
水槽は90x30x36のスリム、フィルターは上部フィルターで、エアレーションは2ストーンです。
魚はディスカスx1、コリドラスx6、プラティx3、グラミーx6、プレコx2です。水草はアナカリス、アヌビアスナナ、ミクロソリウムです。お手数をお掛けしてしまい大変申し訳御座いませんが、ご回答の程、宜しくお願い申し上げます。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
バクテリア剤を使用しても、完全に定着するには約1カ月ほどの時間が必要ですので、その間は水換えで有害物質の濃度を下げて管理します。
亜硝酸濃度が高い場合は、毎日~1日おきに水換えを行うことで危険な期間を乗り切れます。
硝酸塩が検出されているので、硝化サイクルが出来上がりつつある状態と考えられます。一定ペースで水換えを行えば、もう1~2週間ほどで安定すると存じます。
こちらのコラムもご参照ください。
・水槽用バクテリア剤の必要性・メリットやデメリットを解説します
https://t-aquagarden.com/column/bacterial_liquid
何卒、宜しくお願いいたします。
ご回答誠にありがとうございました。
大変お手数をお掛け致しました。
アドバイス頂きました内容を参考に換水を頻度を上げて行ったところ、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩ともに濃度が低下致しました。引き続き換水をこまめに行い、且つ定着したバクテリアを効率よく活かしていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
これからも末永く参考にさせて頂きます。
お世話になります。度々の質問で大変恐縮では御座いますが、よろしかったらご教授願います。
90cmの水槽にグラミーx6、プラティーx6、トランスルーセントx4、コリドラスx5(赤、ステルバイ、パンダ)、ミニブッシープレコx2を飼育して来ました。EBPSバクテリアとTetraのアクアセイフ、ナイトレイトマイナス、パーフェクトウォーター等を使用し、アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩も安全なレベルに落ち着いて来ていました。pHも6.4くらいで安定しておりました。
水草は、アナカリス、カボンバ、アヌビアス・ナナ、ミクロソリウムを入れております。換水も週1程度1/3程度ですが、水質の大きな悪化は、試験紙によれば問題ありませんでした。
ですが、次々と魚たちが星になって行き、今では、グラミーとプラティーとトランスルーセントが各1匹づつと、コリドラス、プレコのみとなってしまいました。
エサは、テトラミンとキョーリンの冷凍赤虫を交互に与えておりました。最初はどちらも大食漢気味に食べてくれていたのですが、その内どちらも食べなくなり、結果星になって行きました。水質、水替え、蚊取り線香(夏場)、周囲でのタバコ、といろいろと気を付けて来たのですが、いまだに星になって行きます。水槽を変え、別の場所に移しても星になって行きます。
いろいろと考えて気になったのですが、先ず底面は砂です。購入名は川砂ですが、形態は海岸にある様な非常に細粒の砂です。アヌビアス・ナナが枯れた時に匂いを嗅いだら、ヘドロの様な匂いがしました。底面への砂敷きはよくないのでしょうか?見つけた文献では、密度が高すぎて酸素が行き渡らないためバクテリアも育たず、水流もないため良くない旨記載されておりました。あとは、上部フィルターのマットに虫の死骸が多数あり、しらべたらチョウバエの幼虫でした。また、稀にカメムシも居ました。これらの虫の影響もありますでしょうか?
ご多忙中誠に申し訳御座いませんが、ご回答の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
長文、大変失礼致しました。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
状況から、水槽内に汚れが蓄積していると考えております。虫が発生する場合はろ材が目詰まりしているため、洗浄・交換を行いましょう。
また、目の細かい底砂は、おっしゃる通りに嫌気層(酸素がいきわたらない層)ができやすいです。そのため、念入りにプロホースなどのクリーナーで汚れを吸い出します。
枯れた水草はすぐに取り除くのが良いです。
ヘドロのようなにおいは水槽の危険サインですので、まずは掃除を行い様子を見ましょう。
その後、3日に1回1/5ほどの水換えを臭いがしなくなるまで続けると安定しやすいです。
こちらは金魚のコラムですが、ご参照ください。
・金魚の水槽が臭い!匂いの出る原因と対策を完全解説!
https://t-aquagarden.com/column/goldfish_smell
何卒、よろしくお願いいたします。
水槽立ち上げて役一年が経過してます、苔が生えなくなってから半年になり水草も順調に育って頻繁にドラミングしている状態です、PH7.KH5その他も基準値内ですが偶々測定したTDS数値が400ppmでした、問題があるでしょうか?
TDS値が高くても、生体や水草が安定して育っているなら大丈夫です。
岩などのレイアウトアイテムによって値が上昇することがありますので、気になる場合は水換え頻度を増やしたりレイアウト物を調整すると良いと考えています。
こちらのコラムもご参照ください。
・熱帯魚水槽にレイアウトする石・岩特集!おすすめの石10選と配置の注意点を解説
https://t-aquagarden.com/column/layout_stone
よろしくお願いいたします。