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飼育している魚たちが急に激しく泳いだり暴れたりしていると、何があったのかと驚いてしまいます。
すぐに落ち着くようならば、単に音や振動に驚いただけかもしれませんが、継続的に激しく暴れるときや普段と違う様子が見られるときは、何かほかに原因がある可能性が高いです。
魚の泳ぎに異変がみられる原因としては、魚同士の小競り合いや繁殖行動、病気や寄生虫への感染、水質異常など様々なものが考えられます。
どれも飼育を続けていく上で大きなトラブルになりかねないものばかりなので、しっかりその原因を突き止めて早急に対処をしましょう。
今回は、魚が激しく泳ぐ理由について解説します。
泳ぎに出る異変の多くは何らかのトラブルのサインです。いざという時のために、対処法を確認しておきましょう。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚が激しく泳ぐ・暴れる理由を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
熱帯魚や観賞魚が突然激しく泳ぐ、暴れるといった動きを見せるときは、病気や水質異常などの異変が起こっている可能性があります。
魚たちの健康に関わる重大なトラブルが潜んでいることも多いため、軽視せずしっかり原因を見極めましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚が激しく泳ぐ・暴れる理由を解説します。
魚が激しく泳ぐ理由5個
魚が激しく泳ぐ・暴れる原因は大きく分けて、
- ケンカ
- 繁殖行動
- 病気
- 寄生虫
- 水質の異常
の5つが考えられます。
ここでは、魚が激しく泳ぐ理由を細かく解説します。
魚の習性からくる行動から体調不良まで様々な可能性がありますので、一つ一つ紐解いていきましょう。
理由1:ケンカ
魚同士で小競り合いをしている、一匹を追いかけまわしている様子が見られるときは、ケンカやいじめの可能性が高いです。
自分のテリトリーから追い出す程度の動きであれば様子見しても良いですが、しつこくちょっかいをかけられていたり、被害を受けている個体が弱っていたりする場合は、隔離してパワーバランスを整えましょう。
基本的には弱い方の魚を隔離しますが、気の強い個体が次々とターゲットを変えて攻撃を仕掛けるようなときは強い側を隔離するのも方法です。
魚のケンカは縄張り意識からくる本能のようなものなので完全になくすのは難しいですが、レイアウトを工夫することで軽減ができます。
縄張り意識の強い魚種は、水草や流木などのレイアウトを目安にテリトリーを主張することがあるため一度レイアウトを崩してみると落ち着くことも多いです。また、気の弱い個体がいじめられているときは、レイアウトで隠れ家を作ってあげると負担を減らせます。
魚のケンカについては、こちらのコラムも参考にしてください。
理由2:繁殖行動
オスがメスに向かって突進するような動きは、追尾と呼ばれる繁殖行動です。
こちらも本能的なものなので、基本的には放っておいて問題ありません。
ただし、以下に当てはまる場合はメスがボロボロになってしまう危険があるため、隔離などして距離を取ってあげるのが良いでしょう。
- メスが若くて十分に成熟していない
- 必要以上に追い回されている
- メスが弱っている
繁殖を狙っているときでも、過剰につつかれたり追いかけられたりしていないかを観察し、相性が悪そうなときは無理せず隔離することを検討してください。
また、いざという時のためにメスが逃げ込める隠れ場所を用意しておくのも良い方法です。
魚種によっては水槽内の繁殖はリスクを伴うこともあります。特性や繁殖後の飼育計画をよく考えた上で繁殖に挑戦しましょう。
理由3:病気
病気の症状の一つとして、泳ぎ方に異常が現れることがあります。
病気による不快感で身体をこすりつけるような動きをみせたり、重症化して身体が思うように動かせなくなると、力を振り絞って動いた反動で、突進したり、水面からジャンプすることも少なくありません。
病気の場合はできるだけ初期の段階で治療を開始することで完治がしやすくなります。しっかり症状を確認して適切な対処をしましょう。
エラ病
カラムナリス菌や寄生虫に感染して起こるエラ病では、酸素を十分に取り込めない苦しさから暴れるような激しい動きを見せることが多いです。
ただこの状態はかなり末期の症状で、ここから治療をしても回復は難しいかもしれません。
エラ病の初期症状としては、泳ぎが鈍くなる、エラの動きが異常に速いまたは遅いといった異常のほか、バックするような不思議な泳ぎを見せることがありますので、これらの症状がみられたときは早急に治療を開始しましょう。
エラ病については、こちらのコラムも参考にしてください。
尾ぐされ病
尾ぐされ病は、尾ひれが裂けるようにボロボロになってしまうカラムナリス菌感染症の一つです。
尾ひれの不快感からくるくると回るように激しく泳いだり、ヒレを水槽やレイアウト素材にこすりつけたりするような動きを見せることがあります。
尾ぐされ病も病気が進行すると完治が難しい厄介な病気ですが、尾ひれが充血している程度の初期段階であれば、適切な治療で回復が可能です。
尾ぐされ病の症状はかなり痛々しく見ていて可哀そうなものなので、早期に発見して治療に繋げていきましょう。
尾ぐされ病については、こちらのコラムも参考にしてください。
理由4:寄生虫
寄生虫に寄生された魚は、違和感やかゆみを感じるらしく、不快感を解消しようと水槽やレイアウト素材に体をこすりつけるような仕草を見せることが多いです。
時には水面からジャンプして寄生虫を払い落そうとする個体もいます。
白点虫
ウオノカイセンチュウ(白点虫)に寄生されることで起こる白点病では、初期の段階から水槽壁面、水草、流木などさざまなまものに身体を擦るような特徴的な泳ぎを見せることが多いです。
また、白点虫がエラに寄生するとエラ病に似た症状を呈することも。
白点病はしっかり治療をすれば治る病気ですが、エラに寄生されてしまうと症状が悪化して危険な状態になる可能性があるため、油断せず早期治療を心がけましょう。
白点病については、こちらのコラムも参考にしてください。
ハダムシ
海水魚ならばハダムシの可能性があります。
ハダムシは体が透明で体表に付着していても肉眼では見つけにくいのですが、寄生された魚は体の不快感から激しく泳いだり突進するような動きを見せたりすることがあるため、心当たりがあるときは良く泳ぎを観察してみてください。
また、目に寄生すると白く濁って見えるためこれで発見できる場合もあります。
初期段階であれば、淡水浴で比較的簡単に駆除が可能です。
理由5:水質による原因
飼育水が原因で泳ぎに異変が出ることもあります。
水質が適切かどうかはそこに暮らす魚にとってとても重要な問題です。体に合わないと当然大きな負担がかかりますし、水質が急変してもダメージを受けます。
その苦しさから激しくのたうち回るような動きを見せることもあるため、明らかに様子がおかしいときは水質も確認してみましょう。
pHショック
水槽導入直後や水換えの後に魚が暴れるようなときは、pHショックを疑います。
pHショックはそれまでいた環境から大きく水質が変わってしまったときに起こるショック症状で、暴れる以外にもお腹を上にして浮いてしまったり、くるくると回転するような泳ぎを見せたりといった明確な異変がみられることが多いです。
しかもpHショックは回復させる対処法が無く、ただ収まるのを待つしかないのも厄介なところ。
そのため、とにかくpHショックを起こさないことが、何よりの対処法となります。
- 水換えは一度に大量に換水するのではなく1/3程度の量を守ってこまめに行う
- 水槽導入時には水合わせを行う
の2点を意識するだけでもpHショックの危険をかなり抑えられるので、ぜひ実践してみてください。
pHショックについては、こちらのコラムも参考にしてください。
アンモニア・亜硝酸中毒
魚のフンや餌の食べ残しから発生するアンモニアや亜硝酸は、生き物にとってかなり有害な物質ですが、生物ろ過がしっかり機能している水槽ならばバクテリアが分解してくれるため、大きな問題になることはありません。
しかし、水槽を立ち上げたばかりなどでバクテリアの働きが十分でない場合、アンモニア中毒や亜硝酸中毒を起こすことがあります。
水面付近で口をパクパクし、時折、きりもみのように激しく泳ぐときはアンモニア中毒、上下に激しく泳ぐのは亜硝酸中毒の可能性が高いです。
このような症状がみられた場合は、早急に大幅な水換えを行い水質を改善したうえで、注意深く魚の様子を見守ってください。
ただし上記で解説した通り、大量の水換えはpHショックを引き起こすこともあるので、魚の体調を確認しながら慎重に管理する必要があります。
塩分濃度が高すぎた
淡水魚の体調不良に効果が期待できる塩水浴ですが、塩分濃度が高すぎると逆に魚にダメージをあたえてしまうことがあります。
具体的には塩分の濃度0.5%以上で危険な水域とされており、魚の粘膜が剥離してしまうといった弊害が出ることも。
当然魚は暴れて抵抗しますので、塩水に入れた直後に激しく泳ぐときは濃度が合っていないと考えて、すぐに淡水に戻してあげてください。
また、このようなトラブルを防ぐため、塩水を作るときは水と塩の量をきっちり計って濃度を調整し、塩水に魚を入れた後の最初の数分間は問題が無いか注意深く見守ると安全に治療を進めることができます。
薬品の影響
防虫剤や殺虫剤の成分が飼育水に混入すると、神経症状を引き起こしてきりもみ状に泳ぐことがあります。
この状態になるとまず回復は見込めないので、防虫剤や殺虫剤の取り扱いにはくれぐれも注意してください。
基本的には水槽のある部屋では殺虫剤を使わないのが鉄則ですが、やむ負えず使用するときは殺虫成分が含まれていない冷凍殺虫剤を選ぶと良いでしょう。
また、見落としがちなのが衣類用の防虫剤です。衣類用防虫剤に含まれるピレスロイドは水に溶けやすい性質があり、例え水槽付近で使用していなくても、防虫剤を触った手で飼育水に触れるだけで水槽に混入してしまう危険があります。
そのため、もし水槽作業の前に殺虫剤や防虫剤に触れたならば必ず手を洗い、しばらく時間をおいてから作業を行うといった安全対策を怠らないようにしましょう。
魚が激しく泳いだら緊急事態のサイン
魚が激しく泳ぐ理由はいくつかありますが、中でもきりもみ状や狂ったように激しく暴れているようなときは、何らかの緊急事態が起こっているときです。しかもここまで激しい泳ぎを見せているとなると、すでに治療は困難な状態になっていると考えられます。
病気や寄生虫が原因の場合は、このような末期になるまでに何らかの異常が出ていることが多いので、日頃から魚の様子を観察し、できるだけ早い段階で治療を開始するようにしましょう。
ケンカや繁殖行動といった本能からくる行動の場合でも、度が過ぎると命に関わる危険がありますので、楽観視せずに状況を判断してください。
水質異常の場合は、水換えなどのメンテナンスを欠かさないこと、塩水や薬品の取り扱いに十分注意することで予防ができます。
魚の泳ぎに変化があったら異変のサインと考えて、一つ一つ可能性を慎重に確認することが大切です。
まとめ:魚が激しく泳ぐ理由!ケンカ・病気・水質など激しい泳ぎの原因を解説
魚が激しく泳ぐ理由を解説しました。
魚が激しく泳ぐ主な理由には、
- ケンカ
- 繁殖行動
- 病気
- 寄生虫
- 水質異常
などが挙げられます。
ケンカや繁殖行動など魚の本能的な理由もありますが、明らかに異常な泳ぎのときは何らかのトラブルが起きていると考えて間違いありません。
まずは泳ぎ方の特徴や体表などに異変が起きていないかよく観察して、原因を突き止めましょう。
病気などは初期に治療が開始できるほど完治の確立が高まります。
魚たちの健康を守るため、小さなサインも見逃さないことが大切です。
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