コリドラス・エレガンスとは！特徴や魅力、スマートな上品さを解説！

コリドラスには多様な種類がいますが、そのなかでもスリムで優雅な『エレガンス』タイプを解説します。
エレガンスという呼び名ですが、水槽のあちこちを泳ぐ活動的なコリドラスです。

どことなく上品な印象がありますが飼育難易度は比較的容易で、ビギナーから楽しめます。

このコラムでは、コリドラス・エレガンスの特徴や魅力、エレガンスの仲間、向いている飼育環境から繁殖についてをご紹介します。

プロアクアリストの意見をもとにコリドラス・エレガンスについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するプロアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

コリドラスにも金魚のように体型差があり、それによってグループ分けされています。
吻（ふん）の長さだけでも4種類あるなど、多種多様な熱帯魚と言えるでしょう。

ここでは、エレガンスについてをご紹介します。

熱帯魚の飼い方はこちらのページでも詳しく解説しています。

コリドラス・エレガンスとは！

他のコリドラスよりも、細身で上品な印象を持つ種類です。

コリドラス・エレガンスは、その名前の通り「エレガント」な雰囲気を持っており、水槽内でも目を惹きます。
体長は約5cm程度と小さいため、45cm程度の水槽でも飼育できます。

水温は22°C～27°C、pHは6.5～7.0を得意としており、通常の熱帯魚飼育の環境なら問題なく泳がせることができるでしょう。
寿命は約3～5年程です。

エレガンスの特徴・魅力

一番の特徴は、スレンダーな体型でしょう。
代表的なコリドラスと比べて、頭部がなだらかな直線状で体高が低いためスマートな印象ですが、お腹にはちゃんと丸みがあるなど可愛らしさも持っています。
また、スポット模様が美しい種類が多く、鑑賞性に拍車をかけています。

次に、底物でありながら上層～中層付近も泳ぐ遊泳性が特徴です。
活発に泳ぎ回る姿は、エレガントというよりアクティブですが鑑賞者の癒しになるでしょう。

そして、エレガンスは非常に温和で、他生体を攻撃するようなことはほぼありません。
そのため、さまざまな魚種との混泳が楽しめます。

エレガンスも、他のコリドラス同様に水槽の底を「モフモフ」（餌を探して底砂をつつき、吸い上げてエラから排出する行動）しながら餌を探す姿が可愛らしいです。
この姿は見ているだけで癒されると多くの愛好者の心をつかんでいます。

また、エレガンスは、群れを作ることを好む魚です。
複数匹を一緒に飼うと、一斉に泳ぐ姿や互いに近づき合う姿などがほっこりとした魅力を感じるでしょう。

ワイルド個体（野生採取個体）も多く流通していますが、比較的飼育しやすくビギナーにもおすすめです。
基本的な水質管理と適切な給餌を心がけることで、長く健康的に飼うことができます。

エレガンスタイプの仲間

コリドラス・エレガンスは主に原産地によって種類分けされています。

コリドラス・グァポレ

愛嬌のある顔立ちと可愛らしい模様の人気種です。
ブラジルのグァポレ川原産のコリドラスで、エレガンスのなかでも一番人気と言ってよいでしょう。

コリドラス・エレガンス・プルス

ブラジルにあるプルス川原産のエレガンスです。
グレーベースに落ち着いた体色とエレガンスの体型を持つ、スマートなコリドラスですが餌食いは良く、ワイルド個体も飼育しやすいでしょう。

コリドラス・ナポエンシス

ペルーのナポ川原産のエレガンスです。
黒っぽい体色ですが、かわいらしい顔つきと「ステルバイ」のような模様が魅力的なコリドラスです。

エレガンスに向いた飼育水槽

コリドラス・エレガンスを飼育する水槽サイズなどをご紹介します。

飼育水槽は45cm以上がおすすめ！

エレガンスは、活発に泳ぐことから45cm以上の水槽がおすすめです。
体長は約5cmですが、複数匹での飼育を行うために、60cm水槽ほどで飼育すると余裕をもってストレスなく泳がせることができます。

また、底砂はコリドラスにとって必須アイテムであり、「モフモフ」をさせることでストレス解消にもつながります。
さらに、流木や隠れ家を配置し、エレガンスが安心して遊泳できる環境を作りましょう。

エレガンスに向いたろ過フィルター

外掛け式、上部式、外部式などのろ過フィルターで問題ありません。
エレガンスはほどよい水流を好むため、上部フィルターでも十分に飼育できます。

水質管理においては、特に神経質ではありませんが、飼育水を定期的に交換し底床材をきれいに保つことが重要です。

また、熱帯魚なので、水槽用ヒーターは常時稼働させますが、高水温に弱いため夏場はエアコンや冷却ファン、外部フィルターなら水槽用クーラーを使用して水温が高くなりすぎないように調整しましょう。

エレガンスにおすすめの水槽レイアウト

通常、コリドラスのような底物は、底床の汚れの影響をダイレクトに受けてしまうため、底砂掃除はしっかりと隅々まで行いましょう。
そのため、水草は植えつけるよりも流木に活着させた方が扱いやすく、底床掃除もしやすくおすすめです。

エレガンスはコリドラスのなかでは活発に泳ぐものの、底砂を「モフモフ」するので、底砂はきれいに保ちましょう。

底砂は『ボトムサンド』や『アマゾン川の砂』『田砂』などさらさらした細かなパウダー状のタイプを採用すると「モフモフ」を観察することができます。
しかし、大磯砂細目でも飼育可能です。

大磯砂のメリットとしては、粒がボトムサンドよりも荒めなので、汚れをクリーナーポンプで吸い上げやすいということが挙げられます。
掃除の頻度などで、底砂は決めましょう。

エレガンスにおすすめな混泳生体

コリドラス・エレガンスは、温和な性格で様々な魚種と混泳可能です。
しかし、あまり体長差があるとトラブルが発生しがちなので、小型魚がおすすめでしょう。

カラシン

小型カラシンと相性が良いです。
エレガンスは温和なので、さまざまな魚種と混泳可能です。

ラスボラ

ラスボラとも相性が良いです。
ミクロラスボラのような超小型種でなければ混泳可能です。

グラミー

上層付近を泳ぐことが多いグラミーとも相性が良いです。
あまり体長が大きな品種はお勧めできませんが、ドワーフグラミーなどの小さめの品種がおすすめです。

コリドラス

コリドラスの仲間とも相性が良いです。
コリドラスは、他の種類でも一緒に群れをつくって生活することもある温和な魚です。

エレガンスの繁殖について

コリドラスは自宅で繁殖させることもできる魚種ですが、このエレガンスは難易度が高いです。

水温や水質を大幅な水換えなどで一時的に変えて、刺激を与えることで繁殖行動が起きやすくなるはずなのですが、エレガンスでは兆候が見られないことが多いです。

エレガンスは成熟まで時間がかかるという説があり、繁殖しない場合は無理をせず、様子を見るようにしましょう。

まとめ：コリドラス・エレガンスとは！特徴や魅力、スマートな上品さを解説！

コリドラス・エレガンスは、その美しい色合いや活発な遊泳性、飼育しやすさで人気のある熱帯魚です。
比較的丈夫なので、初心者でも楽しむことがでます。

飼育環境や底砂のお掃除頻度などに注意し、ぜひ繁殖にも挑戦してみてください。

また、エレガンスタイプにはさまざまなバリエーションがあり、コリドラスコレクションをさらに豊かにしてくれます。

コリドラス・エレガンスを飼育すれば、水槽内での美しい泳ぎや個性豊かな姿が楽しめ、アクアリウムライフがさらに充実するでしょう。