メダカの飼い方

魚はなぜ正面顔をみせるのか?正面顔の理由と信頼度を上げるポイント

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水槽を眺めていると、ふと魚が真正面からこちらを見つめてくることがあります。

小さな瞳でじっと向き合われると、「もしかして自分を認識しているのでは?」と感じることもあるでしょう。その姿はまるで会話をしているようで、アクアリストとしては思わず嬉しくなる瞬間もありますよね。

実は、この正面顔には、魚なりの理由や行動の意味が隠れているのです。
飼育者を信頼しているサインである一方、威嚇行動の場合もあるので、一概には喜べません。

このコラムでは、魚がなぜ正面顔を見せるのかを解説し、飼育者と魚の信頼関係を築くためのコツや、美しい正面顔を撮影するためのポイントも紹介します。

魚との距離を近づけたい方は、ぜひ参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに魚が正面顔を見せる理由と信頼度を上げるポイントについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

魚が水槽前面にスッと向き直る正面顔は、行動学的には、期待・学習・警戒のどれかであることが多いです。

また、近づき方・明るさ・作業手順・給餌量をできるだけ一定にし、「この人が来る=良いことが起きる」という学習を促すのが、信頼を獲得するうえで重要になってきます。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚が正面顔を見せる理由と信頼度を上げるポイントを解説します。

魚はなぜ正面顔を見せるのか

まず、「魚はなぜ正面顔を見せるのか」という理由から解説していきます。

魚が正面顔を見せる理由を理解しておけば、その時々の魚の気持ちや心情がわかりやすくなり、魚との距離も自然と縮まりやすくなるでしょう。

餌が欲しいから

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多くの魚は、餌を期待しているときに正面顔を見せます。
魚は学習能力が高く、「人がやってきた=餌が食べられる」と覚えるのです。

金魚やベタなどは人影を察知すると前面ガラスまで寄ってきて、じっと正面から見つめるような行動を見せることも。この行動は、いわゆる「餌くれダンス」と呼ばれています。

学習のスピードは魚種によって異なりますが、シクリッドのように知能が高い種類ではとても早く覚えて、飼育者を見分けるようになるケースも多いです。

飼育者としては「餌が欲しいんだな」と一目で理解でき、空腹サインを見逃さないメリットがあります。
ただし、ねだり行動に合わせて餌を都度与えていると、過剰な給餌になりやすかったり、水質悪化を招いたり、といったデメリットもあるのです。

餌は1〜2分で食べ切れる量を守り、欲しがるからといって過剰に与えないようにしましょう。


安心しているから

正面顔は「安心」の表れでもあります。

水槽に慣れていない魚は、人が近づくとすぐに隠れてしまうものです。
環境が安定し、魚が人影やメンテ作業に慣れてくると、逃げ隠れせずに正面顔で滞在する時間が伸びてきます。

例えば、十分な隠れ家が設けられていて同居魚とのトラブルが少ない場合、魚は余裕を持って前に出てくるようになるでしょう。照明や給餌のタイミングが毎日同じだと、より安心します。

なお、ネオンテトラのように群れで泳ぐ魚は一瞬しか正面顔を見せませんが、ベタやシクリッドなどはじっと向き合ってくれることも多いですよ。

攻撃態勢に入っていることも

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安心や信頼といったものだけでなく、人間と「対峙」していることもあります。
縄張り意識が強い魚にとって、正面から相手を見据えるのは威嚇や攻撃態勢の表れでもあるのです。

エラ蓋を広げる・体を震わせる・口を開閉する・体色が濃くなるなどのサインがある場合は、テリトリーを主張して攻撃態勢に入っています。
シクリッドやベタ、海水のスズメダイ・ハギ類は、このような威嚇行動を取りやすいです。

また、水槽のガラスに映る自分の姿を「敵」と勘違いし、突進することもあります。こうした場合は、背景の色を変えたり照明の角度を工夫したりして、映り込みを減らすと落ち着きやすくなるでしょう。


魚からの信頼度を上げるポイント

威嚇を除いて、魚が正面顔を見せてくれるのは信頼の証です。

ここでは、魚からの信頼度を上げるポイントについてご紹介します。

驚かさない

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魚は音や影、急な動きにとても敏感です。
水槽の上から覆いかぶさるように手を入れたり、照明を突然切り替えたりすると驚き、強いストレスになります。水槽に近づくときは正面からゆっくり、低い姿勢で接するのがコツです。

また、クリーナポンプやスポンジなど、メンテナンス時に掃除道具を入れる場合も注意しましょう。いきなり投入するのではなく、あらかじめ魚の前で見せてから入れると恐怖心が和らぐといわれています。

日常的に「この人の行動=危険ではない」と学習させることが、信頼につながるでしょう。

餌を決まった時間に与える

時間を決めて与えることは、魚に安心感を与える大切な習慣です。毎日同じ時間、同じ動線で近づくことが「餌の予告」になり、魚が正面顔で待つようになります。

特に金魚やベタなどの観賞魚は、飼育者の姿を見るだけで水面に集まるようになり、「餌くれダンス」で飼育者の目を惹くことも。

餌を要求する姿はとても可愛く、ついつい本来の餌の時間以外でも与えたくなってしまいますが、餌の量は1〜2分で食べ切れる程度を守りましょう。おねだりに対して、餌を追加しないことが健康維持の基本です。

水槽環境を一定に維持する

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水温やpH、流量、比重(海水)が大きく変化すると魚は落ち着かず、前面に出てこなくなります。

熱帯魚であればヒーターやクーラーを使用し、常に一定の水温を保つことが重要です。金魚やメダカなど低水温に強い魚種の場合は、自然なままでも大丈夫でしょう。

また、大規模な水換えやレイアウト変更などを、給餌直後や消灯直前に行うとストレスを強く感じます。普段の餌や照明時間から計算し、計画的にタイミングをずらすことも大切です。

水槽環境を一定に維持することで、魚からの信頼がアップするでしょう。

生体を増やし過ぎない

過密飼育になると、餌・隠れ家・縄張りの競合を生み、威嚇が多くなるケースもあります。そのため、群泳魚は適正数を守ることが大切です。

また、カクレクマノミなど縄張り意識の強い魚は、レイアウトで視界を遮ってあげたり、1~2匹のみの導入にしたり、と工夫しましょう。

新しい個体を導入する場合は、隔離ケースで馴染ませてから、消灯後に合流させるとトラブルを減らせます。

飼育個体数については、こちらのコラムも参考にしてください。

正面顔を撮影するには

正面顔の撮影をしたいときは、まず「正面顔を撮らせてもらえる関係」を作ることが大切です。撮影前に少量の餌で誘導すると、魚が前面に留まってくれやすくなります。

カメラは水槽ガラスに対して垂直に構え、レンズ先端を数ミリまで寄せて反射を最小化しましょう。シャッタースピードはなるべく速めに設定し、連写モード+AF-Cを活用すると成功率が上がります。

また、水流を一時的に止めると魚が留まりやすくなり、よりシャッターチャンスを逃しにくくなるでしょう。

ただし、フラッシュは魚を驚かせるためNGです。照明や自然光を工夫して、魚本来の美しさを引き出せるよう、意識してみてくださいね。

魚の撮影については、こちらのコラムも参考にしてください。

魚飼育は距離感が大切

魚の飼育は「近づきすぎない」姿勢も大切です。

可愛いからと追い回したり、レイアウトを頻繁に動かしたりすると、魚が落ち着かなくなります。
また、信頼度が高くなってきたかも?と魚をかまいすぎると、かえって警戒されることにもなるので注意してください。

正面顔を撮影したい場合は、魚が自発的に前面へ来たときだけ、かつ短時間で撮影するようにしましょう。この「干渉しすぎない距離感」が、正面顔の回数もシャッターチャンスも自然に増やすコツです。

観察や撮影をしたいからといって色々やりすぎてしまうと、魚にとってはストレスになるので注意しましょう。



まとめ:魚はなぜ正面顔をみせるのか?正面顔の理由と信頼度を上げるポイント

魚が見せる正面顔について解説しました。

魚が正面顔を見せる理由は「餌を求めている」「安心している」「攻撃態勢に入っている」という3つに大別できます。これらを正しく見極めることで、魚の気持ちを理解しやすくなるでしょう。

また、魚からの信頼度を高めるためには「驚かさない」「決まった時間に餌を与える」「環境を一定に保つ」「過密にしない」といった基本を守ることが大切です。

正面顔は、魚との関係性を映し出すサインともいえます。適度な距離感を保ちながら大切に接していけば、魚はあなたに心を開き、より豊かな表情を見せてくれるでしょう。

ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひこちらもご覧ください。



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執筆者 のべじ

幼少の頃より生き物が大好きです。身近な川魚から熱帯魚、両生・爬虫類までさまざまな生き物を飼育してきました。大学で海洋生物学を学び、水族館で働いた経験も併せて、アクアリウムが楽しくなるようなコラムを紹介していきます

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