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塩水浴ができない熱帯魚・生き物とは!ダメな理由とおすすめの治療方法

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塩水浴は、塩の持つ浸透圧を利用して体力の消費を抑え、自己治癒力を高めて回復を促す、魚の病気では一般的な治療方法です。

体調不良になったらまずは塩水浴をして様子見というのが、魚の治療のセオリーですが、実は、塩水浴が向いていない生物がいることはご存知でしょうか。

これらの生物に塩水浴をしてしまうと、逆に体力を消耗して調子を崩してしまうこともあるため、治療を行う前に塩水浴ができる生き物かどうか、しっかりと確認しておくことが大切です。

今回は、塩水浴ができない魚や生き物と、塩水浴ができない場合の治療方法を解説します。
いざという時に慌てないためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに塩水浴ができない熱帯魚とおすすめの治療方法を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

病魚の治療によく行われる塩水浴は薬を使わないため、初心者でも安心して行える治療の一つです。
しかし、実は塩水浴を苦手としている水生生物がいることはあまり知られていません。

治療の前に、塩水浴をしても大丈夫かどうか確認し、だめだった場合の代替法を知っておくと良いでしょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、塩水浴ができない熱帯魚とおすすめの治療方法を解説します。

塩水浴に向かない熱帯魚・生き物とは


塩水浴に向かない熱帯魚や生き物は、塩分に耐性がない、または弱い種類です

これはその種が元来持っている性質なので、薄い濃度から徐々に慣らしていけば塩水浴ができるようになる、というようなレベルの話ではありません。

体力や耐性に多少の差があるので、一概に死んでしまったり、失敗してしまったりするわけではありませんが、塩水浴が苦手な生き物が塩水に慣れることはなく、無理に行えば逆に体力を消耗して症状が悪化する恐れもあるということを覚えておきましょう。

ここでは、塩水浴に向かない魚や生き物を紹介しますので、参考にしてみてください。

ネオンテトラ

(熱帯魚)ネオンテトラ(20匹) 北海道・九州航空便要保温

ネオンテトラはアクアリウム初心者でも飼いやすいポピュラーな熱帯魚です。
基本的に丈夫で水質にもうるさくないのですが、塩に対する耐性が弱く、実は塩水浴にはあまり向かない魚とされています。

もし塩水浴をしたい場合は、一般的な塩分濃度0.5%ではなく、0.3%でおこないましょう。体が小さい分、体力も少ないのでちょっとしたことが致命傷になりやすいです。低濃度で塩水浴を行う場合でも、慎重に様子を見ながら行ってください。

カラシンは塩分に弱い

ネオンテトラを含むカラシンの仲間は、塩分に弱いものが多いので注意しましょう。

これは、原産地に理由があります。カラシンの仲間は南米のアマゾン川に多く生息しているのですが、アマゾン川には塩分がほとんど含まれていません。そのため、この地域を原産とする熱帯魚は、元々塩分への耐性があまり強くないのです。

中でもカラシン類は小型で、体力的にも弱いので、塩水浴によるデメリットが強く出てしまいがち。
カラシン類が病気になった時は、塩水浴はせずに他の方法で治療を試みるのが賢明です

ミナミヌマエビ

(エビ)ミナミヌマエビ(20匹)+(2匹おまけつき) 北海道・九州・沖縄航空便要保温

ミナミヌマエビは水質に敏感な生き物で、塩分に対する耐性も多少の個体差はあるものの、決して強くはありません。塩水浴をすると、ショック死してしまう可能性がありますので、注意してください。

病気になって弱っている個体であれば、なおさら刺激を与えずにそっとしておいた方が良いでしょう。

また、水質変化という面から薬にも弱いです。ミナミヌマエビが病気になった場合は、塩水浴、薬浴以外の方法で様子を見る必要があります。

淡水エビに塩水浴は厳禁!

ミナミヌマエビに限らず、淡水のエビは基本的に水質変化に弱く、塩分に対する耐性も強くはないので、塩水浴はしないようにしましょう

ヤマトヌマエビだけは汽水域で繁殖することや、体が大きくて比較的体力があるので、多少耐えられる可能性がありますが、おすすめはできません。

混泳する他の魚や生き物の治療のために塩水浴をする場合は、治療する魚を別の容器に移動させて塩水浴するようにしてください

ビーシュリンプ

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改良品種であるビーシュリンプも塩分への耐性があまりないため、塩水浴には向かない生き物です。

改良品種であっても、淡水のエビの水質の変化や塩分に弱い面は変わりません。さらに淡水エビの中でも特に体が小さくて体力も弱いので、わずかな塩分でも大きな影響を受けてしまう可能性があります。

塩水浴、薬浴ともにおすすめできないので、日ごろからこまめに観察し、少しでも異常が見られたら段階で早めに対策をすることが大切です。

改良品種でも塩分に弱い!

改良品種やブリードの個体は、原種やワイルド個体に比べて多少耐塩性が強い場合があります

しかしネオンテトラのように原産地の環境に起因して耐塩性がないものは、改良品種やブリードの個体でも、塩分が苦手なままのことが多いです。
ブリード個体は丈夫と思われがちですが、あくまで原種やワイルド個体と比較した場合ですので、全てが強くなるというわけではありません。

その魚本来の生息環境や特性を考えて、塩水浴が可能かどうかを判断することが大切です

もしやむ負えず事情で塩水浴を試みるのであれば、0.3%程度の通常より薄い塩分濃度で行ってみてください。

水草

(水草)Sサイズ アマゾンソード(草丈15~20cm前後)(2株)

生き物ではありませんが、淡水魚水槽に良くレイアウトされる水草も塩分には弱いです。塩水浴をするとほとんどの場合、枯れてしまいます

そのため、同じ水槽内で飼育している魚を塩水浴させる場合は、別の容器に移して塩水浴してください。塩水浴した魚を本水槽に戻す際も、塩水を本水槽になるべく入れないように注意しましょう。

植物なので塩分に弱い!

水草は植物なので生き物以上に耐塩性が弱く、例え塩分濃度が薄くても葉が枯れてしまいます
また、魚と同じく、アマゾン川流域の水草は特に耐塩性が弱い傾向にありますので、注意してください。

枯れた水草は見映えが悪いだけでなく、水質悪化を引き起こすこともあります。
せっかく塩水浴をして熱帯魚が元気になったのに、水質が悪化してしまっては意味がありません。

塩水浴をするときには、本水槽とは別に容器を用意して病魚を隔離し、そちらで行うようにしましょう。

塩水浴以外のおすすめの治療法・対処法


調子を崩した魚や生き物がが塩水浴に向かない種類であった場合は、塩水浴以外の方法で治療、対処が必要です。

ここでは、塩水浴が行えないときにおすすめの治療法、対処法をご紹介します。塩水浴以外の方法を知っておけば、さまざまな場面で応用できるので、ぜひ覚えておいてください。

病気は薬浴で治療する

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塩水浴は魚の自然治癒力を高めたり、寄生虫を弱らせたりする効果がありますが、病気そのものを治す効果はありません。明らかになんの病気か判別できるときは、薬浴で治療しましょう。

魚の自然治癒力に頼るより、薬で根本の病原菌にアプローチしたほうが回復が早い場合も多いです。

当然ながら薬浴する場合は、それぞれの病気にあった薬剤を使用する必要があります。間違った治療は余計に病気を悪化させる場合もあるので注意しましょう。

詳しい薬浴の方法については、こちらのコラムを参考にしてください。

昇温とこまめな水換え、掃除

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塩水浴にも魚病薬にも弱い魚は、昇温とこまめな水換えで自然癒力を高めて、病気を治しましょう。

種類にもよりますが、水温を28~30℃に上げて水換えをすると代謝があがり、自然治癒力が高まります。 金魚やメダカなどの水温変化に強い魚でも、一時的に水槽用ヒーターを使用して水温を一定に保つと良いでしょう。

また水温を上げることで、寄生虫を弱らせる効果も期待できます。水温を上げるだけでは駆除することはできませんが、魚の活性が上がったうえで、寄生虫が弱まれば、病気に打ち勝つこともできます。

最終手段は水槽のリセット

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水槽内に寄生虫や病気が蔓延して治療が追い付かないと感じたときは、水槽をリセットすることも検討しましょう

このような場合のリセットは単に水槽の水や装飾物を入れ替えるだけではなく、しっかりと消毒殺菌が必要になります。水を入れ替えただけ、器具類を水洗いしただけでは病原菌が残り、再び発症する可能性が高いので注意しましょう。

水槽リセット時の殺菌消毒の方法には、界面活性剤の入っていないクエン酸や塩素系の漂白剤を使用する方法と、熱湯を使用する方法があります。どちらにもメリット、デメリットがありますが、器具や装飾品についた病原菌まで殺菌消毒すること大切です。病原菌が居ない環境で飼育を再開することで、病気がよくなる可能性が高まります。

水槽のリセットについては、こちらのコラムの参考にしてください。

まとめ:塩水浴ができない熱帯魚・生き物とは!ダメな理由とおすすめの治療方法


今回は塩水浴ができない熱帯魚、生き物と、塩水浴以外の治療方法をご紹介しました。

魚の調子が悪いからとむやみに塩水浴をすると、かえって弱らせてしまうこともあります。

いざという時にしっかりと対処できるように、自分が飼育している魚が塩水浴できるのかを把握しておきましょう。

もし、塩水が苦手な生き物がいる場合は、病気にかかった時どの様に対処したらよいか、事前にシミュレーションをしておくいざという時に慌てずにすみます。
スムーズに治療ができるよう、日ごろから意識しておきましょう。

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