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120cm水槽はアクアリウムでは大型水槽と呼ばれます。
広々とした飼育スペースと水量を確保できることから、アロワナや淡水エイといった大型魚でも十分飼育できる水槽です。飼育できる魚の数を増やしたかったり、魚が成長して手狭になったりした際に、120cm水槽へのサイズアップを検討する人も珍しくありません。
とはいえ、水槽が大きくなると飼育・育成できる魚や水草の種類が増える一方で、飼育スペースに合った生体を選ぶ必要があります。終生飼育できる魚はもちろん、大型魚と混泳できるお掃除生体やレイアウトで存在感を出せる水草など、120cm水槽ならではの生体選びのコツがあります。
今回は、大型水槽におすすめの魚や水草、レイアウト事例をふまえて、120cm水槽についてご紹介します。
目次
プロアクアリストによる120cm水槽の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
5000件を超える水槽設置業務では、120cm水槽を含む大型水槽を数多く扱っています。
実体験から得た知識と経験をもとに120cmで飼育できる魚やおすすめの水草、レイアウト事例を解説していきますので、ご参考になさってください。
120cm水槽とは?
120cm水槽は横幅120cmの水槽を指します。
一般的に120cm水槽には次の2つの大きさがあります。
- W120×D45×H45cm(規格水槽)
- W120×D60×H45cm
W:幅 D:奥行き H:高さ
120cm(奥行き45cm)水槽は、120cm規格水槽とも呼ばれる流通量が多い水槽です。ろ過フィルターや照明といった飼育機材の種類も豊富なおすすめの大きさです。
120cm(奥行き60cm)水槽は、より大型の魚を飼育したい場合におすすめします。また、アロワナのような体の硬い水槽内で回遊しにくい魚を飼育する際にも、奥行きがある水槽が最適です。
120cm水槽を導入する場合は、魚の最大サイズと体の特徴(柔軟性や遊泳力など)を考慮して奥行き45cm・60cmを選ぶようにしましょう。
120cm水槽で飼える魚は?
飼育下で成長する大きさと水槽との相性を考慮して、120cmで飼育できる魚をご紹介します。
120cm規格(奥行き45cm)と奥行き60cm水槽に分けておすすめの魚を選抜しました。120cm水槽の主役、もしくは混泳相相手選びの参考にしてください。
120cm水槽(奥行き45cm)で飼えるおすすめの魚
120cm水槽(奥行き45cm)で飼育できるおすすめの魚は次の3種類です。
- カラープロキロダス
- オスカー
- フラワーホーン
どれも丈夫で飼育しやすいため、初めて大型水槽で魚の飼育に挑戦する方にもおすすめです。
■カラープロキロダス
カラープロキロダスはアマゾンに生息するカラシン系の魚で、飼育下では体長20cm~30cm程度に成長します。
丈夫で比較的飼育しやすいのことはもちろん、成長すると尾ビレの赤と黒の縞模様が鮮やかになり見応えのある淡水魚です。鋭いやすりのような歯が特徴で、水槽内に生えたコケを削り取るようにして食べたり、底に沈んだ餌の食べ残しを食べたりなど、大型水槽のお掃除生体として人気があります。
食欲旺盛ですので、お掃除役として飼育する場合でも餌はしっかりあげるようにしてください。攻撃性が強い魚ではありませんが、ポリプテルスや淡水エイなど遊泳力が低い魚は体表を舐められる(かじられる)可能性があるため、混泳は避けましょう。
■オスカー
南米原産の淡水魚であるオスカーは、学名「アストロノータス」とも呼ばれるシクリッドの仲間です。
体長は40cm程度に成長します。黒や灰色の体に鮮やかなオレンジ色の縞・斑模様と尾ビレの付け根にある目玉模様が特徴です。観賞魚として昔から人気があり、今では品種改良によってアルビノやロングフィンなど多種多様なオスカーが流通しています。
体色や模様に個性があるため、お気に入りの個体を見つける楽しさもあります。飼育方法も特別なことは不要で、水温25度前後、水質は弱酸性から中性を保てば飼育は難しくありません。
ただし、オスカーは肉食性で餌をよく食べるため水が汚れやすく、水換えの頻度は高くなりがちです。メンテナンスの面では少し手間がかかる魚ともいえるでしょう。
また、オスカーは人に懐きやすく目と頭が良いことから、慣れてくると飼い主を見分けて反応を示すようになります。120cm水槽でしたらオスカーを入れても余裕がありますので、捕食対象にならないような中・大型魚とならば混泳も可能です。
■フラワーホーン
フラワーホーンは、フラミンゴシクリッドとトリマクラートゥスを交配して生まれた改良品種です。
人工的に交配して作られた品種ですので、自然界には存在していません。フラミンゴシクリッドにあるオデコのコブが特徴で、身体には斑点模様がみられます。
鮮やかな赤色が美しく、一部では「幸運を呼ぶ魚」と呼ばれることもある人気の高い熱帯魚です。なんでもよく食べ、丈夫なことから、飼育も容易です。
餌の種類を工夫することで発色がよくなり、より美しいフラワーホーンに育てることができます。
色揚げについてはこちらの記事を参考にしてください。
注意点として、フラワーホーンはとても気性が荒いため、単独での飼育が無難です。特に同族では激しい縄張り争いによりボロボロになってしまう可能性がありますので、混泳は避けたほうがよいでしょう。
120cm水槽(奥行き60cm)で飼えるおすすめの魚
120cm水槽(奥行き60cm)で飼えるおすすめの魚として、アジアアロワナと淡水エイをご紹介します。
どちらもに人気が高く、熱心な愛好家も少なくありません。アジアアロワナには、最低でもこの大きさの水槽が必要です。
淡水エイも大きく成長する種類が多いことから、大型水槽ならではの魚といえます。
■アジアアロワナ
アジアアロワナは、インドネシアやマレーシアなど東南アジアに広く分布する淡水魚です。
種類にもよりますが、体長は50cm~70cm程度に成長します。
アジアアロワナは、生息地よって色や見た目に違いがあるため大きく分けると、
- 赤系
- 金系
- グリーン
- バンジャール
これら4種類が存在します。大きなうろこが特徴で、優雅に泳ぐその姿は見るものを引き付ける魅力があります。
1匹で飼育しても迫力があり美しいことから、熱帯魚の王様と称されることもあるほどです。
アジアアロワナを飼育するうえで大切なのが、水槽の大きさです。身体が硬く大きいことから、自由に泳ぐためには最低でも120cm以上奥行き60cm以上の水槽が必要になります。
ただし、幼魚のころから大きな水槽に入れてしまうと餌を見つけられず餓死してしまうことがあるため、成長に合わせて水槽をサイズアップしていくことが大切です。
アロワナについては、下記の記事も参考にしてください。
アロワナ飼育に最適な飼育水槽と設備・費用について解説します。アロワナは神経質な一面を持つ大型肉食魚です。専用仕様の水槽なら、トラブルを防いで快適な長期飼育を行えます。おすすめの仕様とその理由について、事例もご紹介します。
■淡水エイ
エイは海水魚のイメージが強いですが、淡水のエイも存在します。
主にアマゾン川に生息するエイで、体長は種類によって異なり30cm程度から100cm近い大きさになるものもいます。
淡水エイは水質や環境の変化に弱い面があり場合によっては突然死してしまうこともありますので、飼育しやすい魚とはいえません。どちらかといえば玄人向きです。
とはいえ、水質さえ正しく維持できれば性格は大人しく育てることは難しくありません。遊泳層に気を付ければ混泳することもできますので、水槽のアクセントとしてもおすすめです。
淡水エイについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
120cm水槽に入れるおすすめの水草
120cm水槽は、小さな水槽では育てられないような背丈が高くなる水草を植えることができます。
存在感のある水草を後景草として配置して中景、前景とバランスよく植えた大型水槽には目をひく美しさがあります。ここでは、120cm水槽におすすすめの水草をご紹介しますので、水草を使ったレイアウトをする際に参考にしてください。
大型水草については、以下の記事でも詳しく解説しています。
■アヌビアス バルテリー
アヌビアスバルテリーはサトイモ科の植物で、卵型の大きな葉が特徴の水草です。
アクアリウムでは一般的なアヌビアスナナよりも大型化する種類で、背丈が30cmを超えることもあります。丈夫で光量や肥料が少ない環境でも大きく育つうえに、CO2添加も不要な育成しやすい種類です。
成長が遅くコケが生えやすいため、コケを食べてくれるお掃除生体と一緒に水槽に入れるとよいでしょう。葉が硬くしっかりしていますので、コケと一緒に葉が食べられてしまう心配もありません。
流木や石に活着させることで、底砂を敷かないベアタンク水槽に入れることもできます。幅広の葉と高い背丈が大型水槽で活きる水草です。
■アマゾンソード
アマゾンソードは水質や水温の適応範囲が広い丈夫な水草です。
強い光量も必要ないうえに、CO2を添加しなくても十分育ちます。成長速度を速めたり、発色を良くしたりする場合にはCO2を添加しましょう。
20~30cmに成長することから、中景~後景草として植えると水槽内を鮮やかな緑で彩ることができます。大型水草のなかでも育成しやすいため、初心者の方にもおすすめです。
アマゾンソードの育成方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
■スクリューバリスネリア
スクリューという名のとおり、テープのようにねじれながら縦に伸びる葉が特徴の水草です。
ねじれている葉の部分に気泡が付く姿がとても美しく、水槽のよいアクセントになります。強い光量・CO2の添加がなくても育つとても丈夫な種類で、多くの環境に適応できることもあって初心者の方にもおすすめです。
ねじれを強くしたり、色鮮やかにしたりしたいときにはCO2を添加すると良いでしょう。背丈が40~60cmほどに成長しますので、後景草向きの水草です。
バリスネリアの育成については、こちらの記事をご覧ください。
■エキノドルス・ルビン
種類の豊富なエキノドルスのなかでもルビンは大きく、70cmほどに成長する大型種です。
葉が赤く染まるタイプの水草で、他の水草と一緒に植えると良いアクセントになります。やや強めの光量が必要ですので、育成するなら水草用の照明がおすすめです。
CO2がなくても育ちますが、添加することでより美しい赤色に発色します。
120cm水槽のレイアウト例
120cm水槽では、個性的な熱帯魚を主役にした大胆なレイアウトから、水草をたくさん植えた繊細なものまで、幅広いレイアウトが可能です。
ここでは120cm水槽を使用したレイアウトの実例をご紹介します。大型水槽のレイアウトでお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
大きな流木がダイナミックな淡水魚水槽
大きな流木を使用した120cmアクアリウムです。
小型魚の群れと水草の緑とのコントラストが美しく、見ごたえがあります。
生き物のなかでは青い魚の『コバルトブルーラミレジィ』がポイントです。
小型の熱帯魚をたくさん入れた癒しの水槽
流木と背の高い水草を両端に配置した凹型構図で、大型水槽であってもバランスが取りやすいレイアウトになっています。
ネオンテトラやラスボラをはじめとした小型熱帯魚が左右のレイアウトを行き来する姿は、見ていて飽きることがありません。また、凹型構図の中心にエアーカーテンを作ることで良いアクセントになっています。
サンゴが美しい海水魚の水槽
個人宅に実際に設置されている水槽で、120cm水槽(奥行き60cm)の大きさを活かした迫力のあるレイアウトです。
多様なサンゴとイソギンチャクを配置した凹型構図で、色鮮やかな熱帯魚と相まって華やかレイアウトになっています。海の中をそのまま切り取ったような美しさがあります。
さまざまなサンゴが楽しめるオフィスの水槽
こちらはオフィスでサンゴが楽しめる120cm水槽です。
サンゴ同士が干渉しあわないように配置を調整しており、飼育されている生き物たちが健やかに育つように管理しています。
日本の川をイメージした淡水魚水槽
個人宅に設置・メンテナンス管理している120cm水槽(奥行き45cm)の淡水魚水槽です。
流木と背の高いバリスネリアを片側に配置することで、三角構図のレイアウトを作っています。三角構図はバランスが取りやすく1番作りやすいため、初心者の方にもおすすめです。
熱帯魚はもちろん、このような日本淡水魚や金魚でも120cm水槽をきれいにレイアウトすることができます。
120cm水槽を使ったレイアウトについては、以下の記事でご紹介しています。
120cm水槽レンタルサービス、リースサービスをご紹介します。横幅120cmの水槽に熱帯魚、機材や水槽台などアクアリウムに必要なものを一式貸し出し、定期メンテナンスもおこなう便利なサービスです。導入実績とご利用料金をご案内しています。
120cm水槽を使用する上での注意点
120cm水槽を設置するときの注意点は、水槽の重量です。
水槽本体だけではなく水や水槽周りの機器などすべて合わせると、300kg近い重さになることもあります。
一般的な住宅の床の耐荷重は最低180kgと決められているため、120cm水槽を置くと大抵の場合重量オーバーになり床が耐えられません。水槽の下に鉄板を敷いて荷重を分散させるなどの工夫をすることで水槽を設置することができるようになりますので、設置する前に必ず対策するようにしましょう。
熱帯魚水槽の重さについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:120cm水槽とは!大型水槽で飼える魚・水草・レイアウトをご紹介
120cm水槽で飼育できる熱帯魚や水草、レイアウト事例についてご紹介しました。
120cm水槽はその大きさを活かして、小型・中型水槽では難しい魚や水草を飼育することができます。レイアウトの幅もグッと広がりますので、床の耐荷重や安全性を確保したうえで120cm水槽に挑戦してみてください。
大型水槽の設置でお困りの方は、東京アクアガーデンで120cm水槽の設置・メンテナンスも承っております。
重量がありますので、専門のスタッフが運搬や設置場所の耐荷重確認などを行い安全に水槽を設置します。
120cm水槽はもちろん、より大型の水槽の導入を検討でしたらお気軽にお問合せください。
お手持ちの水槽を掃除・水換え・レイアウト変更・機材調整する単発の水槽メンテナンスサービスです。水槽にコケが生える、魚が死んでしまう等のトラブルでお困りの方は東京アクアガーデンにご相談ください。このページではサービス詳細や料金をご案内します。
120cm水槽について良くあるご質問
120cm水槽とはどんな水槽ですか?
奥行45×高さ45cmが規格水槽として流通していますが、奥行60×高さ60cmなどのより水量を容れられるサイズもあります。
奥行や高さを調節すれば、大型魚も飼育可能です。本格的な飼育水槽やレイアウト水槽として活用できます。
120cm水槽を設置する際の注意とは?
120cm水槽には、規格サイズでも約243Lの水が入ります(満水時)。ガラス製の場合、水槽本体の重量約40kgを足すと約283kgほどになります。
アクリル製なら水槽本体は約半分ほどの重量ですので、水槽の素材も検討しましょう。
120cm水槽のメリットとは?
- 大型魚も飼育できる
- 水槽内のレイアウトを行いやすい
- 動きの速い生体にも向いている
大きなメリットは、プレコやフラワーホーンなどの大型魚を飼育できることです。
開口部分も大きく面積も広いので、レイアウトが行いやすいく、広がりのあるアクアリウムを作れます。
泳ぎの速い日本淡水魚などにも向いている水槽サイズです。
120cm水槽で飼育できる生き物は?
- 淡水魚(小型~大型魚)
- 海水魚(小型~大型魚)
- その他(エイ、古代魚)など
大きなサイズの魚種も飼育できますし、こだわりのレイアウトに、小型魚を群泳させることも可能です。
ポリプテルスなどの古代魚飼育にもおすすめです。
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