水草水槽におすすめの熱帯魚10選！混泳向きで水草に映える魚種

大きさや色味の違う様々な水草を組み合わせて一つの世界を作り上げる水草水槽。
水草だけを使ってレイアウトする場合もありますが、一緒に熱帯魚を飼育すると、水草にはない色彩や動きが加わり、より美しい水景を演出することができます。

しかし、水草水槽ではどんな魚でも飼育できるというわけではありません。

熱帯魚の中にはせっかくの水草をかじってしまったり、掘り返してしまったりするものがいますし、水草が好む弱酸性の水質やCO2を添加している環境では飼育できない魚もいます。気性が荒い熱帯魚も要注意です。

今回は、水草水槽におすすめの熱帯魚を10種類ご紹介します。飼育しやすく水草を傷つけない魚種を厳選しましたので、ぜひご覧ください。

プロアクアリストたちの意見をもとに水草水槽におすすめの熱帯魚10選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水草水槽で熱帯魚を飼育するなば、水草育成環境に適応できる熱帯魚であること、そして水草を傷つけない品種であることを意識して魚種を選びましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水草水槽におすすめの熱帯魚10選を解説します。

水草水槽におすすめの熱帯魚10選！

水草水槽で飼育する熱帯魚を選ぶときは、

の2点をクリアできるかどうかをまず確認してください。
そのうえで、水草の美しさを引き立てる容姿の魚種を選ぶのが望ましいです。

また、熱帯魚によって飼育できる水槽の大きさや群泳の可否などの習性が異なりますので、飼育前に飼育予定の熱帯魚の特徴をよく確認し、目的に合った魚種を入れることが失敗しないコツです。

これらの注意点を踏まえて、水草水槽におすすめの熱帯魚10選をご紹介します。

ネオンテトラ

アクアリウムの定番種で初心者でも飼育がしやすいネオンテトラは、水草水槽にも一番におすすめしたい熱帯魚です。
体長は4cmほどですが、青と赤のメタリックな輝きを持つ体色は水草の中でよく映えますし、水草の緑を一層引き立ててくれます。

水草の育成に重きを置いた環境にも問題なく適応できる丈夫さを持っていますし、複数匹で飼育すれば見事な群泳を見せてくれることも。穏やかな性格なので他種との混泳も可能です。
ただ、臆病な性格なので、飼育するならば複数匹で導入してあげましょう。

プラティ

水草水槽のポイントとなるような、存在感のある小型魚をお探しの場合におすすめなのがプラティです。

体長6cmほどまで成長する少し大きめの魚で、活発に泳ぐ習性があるため水草水槽でもよく目立つでしょう。
また、カラーバリエーションが豊富なことでも知られており、赤やオレンジ、青に白と水槽のイメージに合わせたお好みの品種を選べるのも嬉しいポイントです。

丈夫で水質の変化に強い魚ですので、水草に合わせた環境でも問題ありません。

プラティは繁殖力の高い魚で、水槽の中でも比較的容易に繁殖できます。水草水槽は稚魚の育成にも最適なため、繁殖に挑戦したい場合にもおすすめの熱帯魚です。

レモンテトラ

レモンテトラは4cm程度の小型熱帯魚で、淡い黄色い体色と赤く染まる目のフチが特徴です。

水草に良くなじむうえに丈夫で温和な性格のため、水草水槽のお供として人気があります。
飼いこむことで体色や目元の赤色が鮮やかになっていくので、長期飼育を考えている方にもおすすめです。

群泳する習性を活かして、レモンテトラの群れを泳がせた水草水槽は涼し気で、高い癒し効果をもたらしてくれるでしょう。

ラスボラ・エスペイ

体長は3.5cm程度のラスボラ・エスペイも丈夫で飼いやすい熱帯魚で、水草水槽とも相性が良いです。

シルバーとオレンジの体色を、体の中心から尾に向かってはいる黒のラインが引き締めます。
派手な熱帯魚ではありませんが、だからこそ水草の美しさを邪魔することなくしっかり引き立ててくれる調和性が魅力です。

ホワイトフィンロージーテトラ

ホワイトフィンロージーテトラは、体長5cm程度のやや大きめのカラシン類です。

うっすらピンク色の体色に、先端にかけて赤～白に変化していくヒレが特徴的で、背びれにはさらに黒斑が入ります。
通常のロージーテトラよりも白が際立ちますので、ヒレの赤が水草水槽で浮くことなく色彩のバランスが取りやすいです。

体高があるため、少数でも存在感は抜群。小型水槽ならば数を絞って飼育しましょう。
中～大型水槽では温和な性格を活かして、同種での群泳や他種との混泳を楽しむことができます。

マーブルグラミー

青いマーブル模様が美しいマーブルグラミーは、体長10cm程度の中型熱帯魚です。

体は大きめですが飼いやすい品種で、単独ならば小型水槽から導入できます。複数匹飼育するならば60cm以上の水槽を用意しましょう。

グラミー特有のアンテナと呼ばれる細長い腹びれで周囲を探りながら泳ぐ姿は、愛嬌があり見ていて飽きることがありません。
青い体色は水草と相性抜群で鑑賞性も問題ありません。マーブルグラミーは強い水流が苦手なのですが、水草があれば流れが緩やかな場所を作りやすいため、飼育面でも水草水槽が向いています。

エンゼルフィッシュ

中～大型水槽におすすめなのがエンゼルフィッシュです。体長は15cm程度ですが、ひし形の体型にヒレも長く伸長するため、体長以上の存在感があります。

水草水槽では、この特徴的なシルエットが葉の大きな水草に良く合い、エキゾチックな水槽に仕上がります。
ただし、エンゼルフィッシュは肉食性があるため、小さな魚やエビ類との混泳には注意してください。水草水槽ではたくさんの水草が隠れ家になるため、飼育数に余裕を持てば、通常の熱帯魚水槽よりも混泳が成り立ちやすいです。

エンゼルフィッシュは改良品種が多いため、ゴールドやプラチナ、バンド模様にマーブル模様など、好みの色柄を選べるのも嬉しい点です。

ラミーノーズテトラ

赤い顔と尾びれの縞模様が水草の緑に映える小型熱帯魚です。

体長は5cm程度で素早く泳ぎまわるため、明るい活発なイメージの水草水槽にしたい場合に重宝します。
思った以上に存在感のある魚ですので、数匹入れて水槽のポイントにしたり、赤が際立つよう群泳させて華やかにしたりなど目的に応じて飼育数を調節しましょう。

オレンジグリッターダニオ

オレンジの体色とシルバーの光沢、淡い縞模様がかわいらしく、水草水槽でよく映えます。

4cm前後と小さい熱帯魚ですが非常に群れやすいため、魚が群泳する水草水槽に挑戦したい方におすすめです。

丈夫で他の魚を攻撃することもありませんので、オレンジグリッターダニオを食べない魚であれば混泳できます。

カージナルアカヒレ ロングフィン

丈夫で飼いやすいアカヒレのヒレが伸長するタイプで、普通のアカヒレよりも鑑賞性が高い品種です。

伸びたヒレにアカヒレ特有の深い赤色が乗りますので、水草の緑とのコントラストが楽しめます。

アカヒレは適応できる水質・水温の幅が大きいことから、小～大型水草水槽はもちろん、水草を使ったボトルアクアリウムにもおすすめです。

番外編：メダカ

日本でおなじみのメダカも水草水槽と相性抜群です。

熱帯魚ではありませんが、適応できる水温の幅が広いため、水温が26度以上の環境でも問題なく飼育できます。温和なので小型熱帯魚と混泳することも可能です。
ただグッピーやアカヒレなど水槽の上層を泳ぐ魚が多い場合は、餌が行き渡らないことがありますので、遊泳層が重なる魚種の飼育数は抑えるようにしましょう。

メダカというと少し地味な魚をイメージされるかもしれませんが、最近はカラフルな改良品種が出回っており、赤みが強い楊貴妃（ようきひ）や、淡い青色が美しい深海、背中に光沢が乗る幹之（みゆき）メダカなど、水草水槽でも存在感を放つ品種が豊富です。

もちろん、原種に近い黒メダカもナチュラルな風合いが水草に良くマッチします。

まとめ：水草水槽におすすめの熱帯魚10選！混泳向きで水草に映える魚種

今回は水草水槽におすすめの熱帯魚10選を、それぞれの品種の特徴と共にご紹介しました。

水草の美しさを存分に引き出すのが水草水槽の醍醐味ですが、カラフルな熱帯魚を加えることで、色彩が豊かになり水草の色が引き立ちます。
また、水草だけでは表現しづらい動きを熱帯魚が補うことで、飽きのこない美しい水景を再現できるでしょう。

今回ご紹介した魚種は水草との相性はもちろん、飼育しやすさと観賞性も兼ね備えた品種を厳選しました。
水草水槽に自信を持っておすすめできる熱帯魚ばかりですので、ぜひ、この記事を参考に熱帯魚を選んでみてください。