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金魚が浮く・沈む?!転覆病と便秘・消化不良の関係と対処法とは!

金魚を飼育していると、うまく潜れずに浮いてしまう状態を目にすることがあります。

その状態を『転覆病』と言います。呼吸はしっかりしているのに、泳ぎにくそうに水面に浮いてしまう症状です。
転覆病は難治性の病気ですが、軽度ならば治ることがあります

金魚の体が水面に浮いてしまったり、または沈んでしまったりする病気『転覆病』原因と対処法について解説いたします。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにご紹介

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるアクアリストの意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンが15年以上アクアリウムにかかわり培ってきたノウハウで、金魚がかかる転覆病の対処法や予防法をまとめました。

金魚は水を汚しやすく消化機能が弱いことから、一部の熱帯魚よりも飼育が難しいとするアクアリストもいます。
このコラムでは、金魚を健康に長生きさせるために大切なことをご紹介していきます。

金魚の転覆病を動画で解説!

転覆病についてはこちらの動画でも解説しています。
発症原因から、転覆病のタイプをわかりやすくまとめました。

東京アクアガーデンではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
金魚やメダカなどの観賞魚、熱帯魚、エビ飼育のコツやポイントを動画で解説しています。

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金魚の転覆病とは

転覆病(てんぷくびょう)とは、『金魚が自分の浮力と平衡感覚をコントロールできなくなる病気』です

転覆病の症状には、水面に浮くタイプと、底に沈むタイプがあります。
どちらも、和金型よりも琉金型(丸い金魚)の金魚の方がかかりやすいです。

体の浮力を調節する器官である浮袋がうまく機能できなくなることが主な原因で、ほとんどの場合は難治性で、先天的性と後天的性があります。

■転覆病の性質

  • 先天性:浮袋の機能が未発達。沈むことが多い
  • 後天性:消化不良をこじらせると罹りやすい。浮くことが多い

先天性の場合、発症してしまうと治すことはほぼ不可能と言われていますが、後天性の転覆病なら、消化の良い餌を与えるなどの治療を行えば軽快できることがあります

いかし、転覆病の原因は現在もはっきりと解っておらず、上記以外の原因も存在する可能性が高いため、症状が見られたら十分な観察と管理を行います。

金魚が浮いてしまう転覆病

転覆病の代表的な症状として「金魚の体が浮いてしまい、潜れない」というものがあります。
どのようにして対処したらよいのかを原因と共に解説します。

金魚が浮いてしまう転覆病:症状

金魚が体を斜め、または真横にして浮いてしまいます。

水中に潜るのが困難で、潜ってもすぐにフワーッと水面に浮かんでしまう場合は、浮くタイプの転覆病です。
軽症の場合は、餌を与えてから少し時間が経ち消化が始まったころに、症状が多く見られます。

このことから、消化機能が大きくかかわっているといえます。

■金魚が浮いてしまう転覆病:原因

浮いてしまうタイプの転覆病の原因は、主に『消化不良による内臓疾患』です。

金魚が消化不良を起こすと、腸の中に発生したガスが排便を阻害することがあります。
すると排出できないガスによって体の浮力が増してしまい、泳ぎに力が必要になっていきます
その状態が続き、ガスが多く溜まると金魚の体は浮き気味になっていくのです。

消化不良は金魚の消化能力にあわないエサや、古くなったエサを与えると罹りやすくなります

軽い消化不良ならば、フンと共にガスを排出できるため実際に浮いてしまうことは少ないです。
上手くガスを排出して元の体勢に戻れるのなら、転覆病としてはごく軽度であり、治る見込みがあります。

もちろん、原因はエサによるのもだけとは限らず、最近では平衡感覚の障害により起こる転覆病もあると言われています。
エロモナス菌の腸内感染が原因になることもあると考えられるため、予防のために、ろ過フィルターや底砂の清掃は徹底しておきたいです。

消化不良についてはこちらの記事もご参考ください。

■先天性の転覆病とは

金魚は身体の浮力を調整する器官として『浮袋』を持っています。

浮袋の中は気体で満たされており、その気体を腸に送り込むことで浮袋のサイズを調整し、金魚は潜ったり水面の方へ泳いだりすることができます。

その際に使用する、浮袋を調節する筋肉に何らかの異常をきたすとガスの調節(浮袋のサイズ調節)がうまくいかず、転覆病になることがあるようです。

浮袋は通常、前室・後室の2部屋に分かれているのですが、先天性の場合は、それらが十分に形成されておらず転覆病を患うケースが多いです。
ただし、形成が十分でないせいで必ず転覆するわけではないようで、まだまだ解明には時間がかかりそうです。

なんにせよ、体調不良から筋肉の動きがうまくいかなくなるのでは、と考えられます。

■金魚が浮いてしまう転覆病:対処法

消化不良が原因の場合は、金魚の腸を整える調整を行います。
下記のようなフンをしている場合は、消化不良状態です。

■金魚が消化不良を起こしているときのフン

  • 透明なゼリー状のフン
  • 白いフン
  • ガスが混ざっているフン
  • 3cm以上の長いフン
  • 色が薄いフン

※導入直後や餌を何日も与えておらず、腸に何も入っていないときも透明な細いフンをすることがあります。

下痢の場合は消化の良い餌に変更したり、便秘の場合は植物性の餌をあたえたりと、餌を工夫してやることで、症状は良くなります

整腸作用のある菌が添加された餌やフレークタイプの餌がおすすめです。
その他に、クロレラやスピルリナなどの植物性の餌が高い効果を発揮します。

こちらの餌はかなり消化が良いです。

平衡感覚に障害がでた場合の治療は難しいです。しかし、それに至るまでには消化不良などの内臓疾患をおこしている可能性がとても高いです。
詳しい原因はいまだ解明されていませんが、体調不良(病気)がストレスとなり神経に影響を与えているのでは、と考えられています。

転覆病の予防には、底砂の清掃や水換え、餌を与えすぎないなどの日々のケアが大切です

下記の記事は熱帯魚水槽についてですが、水槽掃除の基本が紹介されています。

水温で金魚の消化機能は変わる

金魚の消化を良くするには、水温も大切な要素です。

金魚は変温動物ですから、身体の機能を外的な温度(水温)に頼っています。ですので、水温が低いと金魚の消化機能は落ちます

消化機能を高めるには、18~25度程度を目安に、水温を調整してやると良いです。

冬などの寒い季節や、気温が不安定な時期には、水槽用ヒーターで加温してやると消化機能を維持できます。

水槽用ヒーターは金魚用のもの以外の機種も使用できます。温度調節機能がついているものは病気の治療時などにも使用できて便利です。
水槽用ヒーターについてはこちらの記事もご参考ください。

金魚が体調を崩す要因とは?

金魚は観賞魚の中でも、病気にかかりやすいと言われています。

水槽には必ず菌類が存在しており、病気の原因であるエロモナスやカラムナリスも常在菌で、金魚の体やお腹の中にも少なからず棲んでいます
しかし同時に、金魚に悪さをしない他の菌も棲んでいるため病原菌だけが増えることはなく、すぐに病気になるわけではありません。

しかし、病原菌に適した環境が揃ってしまうと勢力を増し、他の菌をおしのけて優先的に増え始めます。すると金魚はふとしたことで感染症にかかりやすくなってしまいます。

■金魚が病気にかかりやすくなる要因

  • 消化不良
  • レイアウト物や他の金魚との接触によるスレ傷
  • 水質悪化・掃除不足
  • 砂利の汚れ
  • ろ過フィルターの汚れ
  • 過密飼育 などのストレス

魚はストレスで免疫力に影響を受けやすいように思えます。
ストレス→抵抗力低下→感染症、というように進んでいき、それがさらなるストレスになり…というように、負の連鎖へ陥ることがあります。

転覆病になる前・なった後に他の疾病を併発するケースが多く、平衡感覚の障害も、体調不良が原因で起こりやすいのではと考えています。

エロモナスやカラムナリスなど、良くない常在菌たちが特に活発になる水温が、だいたい26度前後です。つまり、金魚が活発になる温度とほぼ同じです。

微妙なところではありますが、水温は26度ではなく23~25度にしたほうが病気になり難い、といえます。
実際、26℃から23℃に水温を下げたら尾ぐされ症状が回復したこともあります。

魚類は変温動物ですので、水温によって体のパフォーマンスが大きく変わってきます
なぜか病気になりやすい、消化不良を起こしやすいと感じたら水温に注目することで改善できることがあります。

ただし、転覆病になってしまったら、体調の急変を避けるために急な温度調整は避け、1日1度の変化に留めましょう
また、あきらかに体表やヒレに異変を感じた場合は、薬浴を行い治療しましょう。

浮いてしまったら、体が乾燥しないように応急処置

金魚が水面に浮いてしまった場合、体の一部が空気に触れることになります。

多少の時間ならば平気ですが長い期間、空気にさらされると金魚の体は乾燥し、ただれたり、雑菌に感染してしまいます。金魚の体を守っているのは、体を覆う粘膜(ぬめり)です。乾燥してしまうとその効果がなくなってしまうからです。

それを防ぐためは、なんとか体を水に浸さなければなりません。応急処置ですが、通水性の良い網やネット、プラスチック製のカゴなどで、体を沈めてやります。

少し乱暴なようですが、このようなネットを逆さまにして、浮いてしまった金魚に被せるようにして水中で固定します。

体を空気に触れさせるよりは…といったところではありますが、空気に触れる面積が多い場合には有効です。

金魚が浮いてしまう場合の具体的な対処法

金魚が転覆病にかかってしまったら、環境を適切に揃えてやることが大切です。
特に水温は金魚の消化機能を左右する大切な要素ですので、急変は避けながら調整しましょう。

■金魚が浮いたときの対処法5つ

  1. 餌を変更する:新しいものや消化しやすいものに変える
  2. 水温を調整する:消化を助けるため水温は~25度に設定する
  3. 水温の維持:水温は1日1度ずつ程度の変化に抑え、急変を避ける
  4. 水換えを増やす:金魚の代謝を促してやる
  5. 水槽を清掃する:底砂やろ過フィルターの掃除を徹底する

このように、金魚の消化機能が上がりやすい水温に整えつつ、水槽内を清浄に保つことが理想です。

実例:浮くタイプの転覆病の治療

著者の家の金魚も、軽い転覆病にかかっていました。

普通は転覆病にならないという和金型の金魚ですが、ガス入りのフンをするようになり、気づいたときには斜めに浮いていました。

原因は消化不良をこじらせたことでした。良いと考えて与えていたエサが、実はこの金魚の消化能力にあっていなかったのです。
金魚は種類や腸の状態によって、ぴったりとくる餌が違います。

転覆病が軽快するという沈降性の餌に切り替え、同時に観賞魚用クロレラも食べさせました。

軽度の転覆病だったので、今では元気に水中を泳いでいます。
この経験から、消化不良のフンは出し切らなくてはならないことを痛感しました。

もし、エロモナス菌の腸内感染があったとしても、人間と同じですが腸の中の病原菌をできる限り押し出すことが良いです。
原因菌の勢力を抑えることで、はじめて患部は回復していきます

金魚の消化不良を解消する民間療法として、純ココアを与える方法があります。
純ココアもクロレラもは植物性の餌ですので、便通を改善する効果が得られるのだと考えられます。

この和金は、現在でもガス交じりのフンをしやすい体質なので、無理をさせないようにしっかりとケアしています。
幸運な一例かもしれませんが、このように適切な処置を行えば快方に向かう場合もあります。

金魚の餌についてはこちらの記事もご参考ください。

金魚が沈んでしまう転覆病

金魚が底に沈んで満足に泳げなくなることも、転覆病と呼びます。
原因は浮いてしまう症状よりもさまざまで、現時点では確実な治療法はありません。

金魚が沈んでしまう転覆病の症状

底に沈んだまま、水中を泳ぐことができなくなります。
底に倒れた状態となり、餌を食べるのも困難になることが多いです。

しかし、体表が空気に触れてしまうリスクはないため、乾燥した部分が炎症し菌に感染することはなく、浮くよりも長生きの傾向があります。

複数の病気に感染した金魚は、治療がとても困難です。
沈んでしまった・浮いてしまった、どちらの場合でも金魚に負担をかけずに清浄な環境を保つことが大切です。

■金魚が沈んでしまう転覆病:原因

金魚の体内の浮袋の損傷・障害が原因です。

浮いてしまうタイプの転覆病が悪化しても最終的には沈んでしまうことがあります。
それは、排出がうまくいかなくなったガスが、浮袋を圧迫してしまうからです。

それだけでなく、先天的に浮袋の調節が不完全な場合もあります。
また、水槽の水深がありすぎると、水圧でつぶれてしまう場合があります。浮袋がつぶれてしまうと、金魚は泳ぐことができなくなります。

複数の要因が重なって症状が起こることもあり、詳しくは解明されていません。

■金魚が沈んでしまう転覆病:予防法

沈むタイプ、浮くタイプどちらにも言えることですが、転覆病はとにかく『予防すること』が重要です。

なぜなら、現時点では完治方法がないからです。

予防方法としては、消化不良を起こさないために餌を与えすぎず、水温を一定に保つ、水換えも適切にするといったことが挙げられます。

これは、ごく普通の飼育法とも思えますが、安定した環境で飼育することこそ、ストレスに弱い金魚にとっては何よりの病気予防となるのです。

金魚が沈んでしまう場合の具体的な対処法

  • 金魚にやさしい飼育環境』にすること
  • 水流は弱く、水深はなるべく浅くする
  • 消化不良を予防する

下記のような、ランチュウ飼育にも向いているような水槽が、もっとも水圧がかかりにくく金魚にやさしいです。

ランチュウは金魚のなかでもデリケートなため、開口部が広く浅い水槽で飼育されます。
丸形の金魚は泳ぎが苦手なので、深すぎる水深や、激しい水流は控えてあげましょう。

和金型の金魚も、あまりに水流が強すぎると疲弊してしまいます。
金魚飼育には、下記のような水流が強すぎずメンテナンスが簡単なろ過フィルターが向いています。

  • 投げ込み式フィルター
  • 上部式フィルター
  • スポンジフィルター

水槽の高さは、金魚のサイズにもよりますが30~36cm程度で十分です
しかし金魚は飼育水を汚しやすいので、理想としては横幅がそれなりにあり水量の確保できる水槽が良いです。

まとめ:金魚の転覆病と便秘・消化不良の関係と対処法とは!

「金魚はフンの観察が大事」いわれるように、消化不良は金魚の体に多大な悪影響を及ぼします。
フンが浮いている、空気が入っている場合などは注意深く観察し、餌などを見直すことが良いです。

ストレスで消化不良を起こす場合もあるので、水質が悪化していないか・必要以上の照明が当たっていないかなど確認しつつ、飼育環境を整えてあげてください。
飼育環境の乱れが転覆病へとつながることがあります。金魚は大切に育てれば10年以上生きる、長生きな魚です。

病気になった場合は、清掃などを徹底しましょう。

【関連記事】

金魚の転覆病について良くある質問

金魚の転覆病とはどんな症状ですか?

金魚が浮いてしまう症状を『転覆病』と呼びます。
原因は1つではありませんが、消化不良でガスがたまり浮袋を圧迫するケースが多いです。古い餌や与えすぎに気を付けましょう。
消化不良はすすむと様々な病気を引き起こしますので、3日間絶食するなどの早期対処が大切です。

金魚は消化不良から転覆病になるのですか?

転覆病は消化不良以外にも様々な原因がありますが、病魚は健康なフンができていないことが多いです。

  • フンが浮く・空気が入っている
  • フンが長い・出ない
  • 白い・透明なフンをしている

まずは3日ほど絶食させて、腸を休めます。
水温を25度前後にすると回復しやすいです。

金魚の転覆病を防ぐ消化不良の治し方とは?

3日程度の絶食で治りますが、慢性なら1ヶ月以上の調整期間を必要とすることがあります。
絶食後はすぐにいつもの餌の量に戻すのではなく、1粒から始める徐々に増やすと消化機能を調整しやすいです。
フンを観察しつつ、調子がよさそうなら餌を増やしていきましょう。

金魚が転覆病になりにくい水温とは?

水温23~25度程度です。
18度以上なら十分に餌を消化できますが、もっとも活性が上がるのは25度付近です。
金魚は水槽用ヒーターを使わなくても通年飼育できますが、消化不良が長引いている・転覆気味の場合は保温が望ましいです。

 

金魚に愛を注いでいるWeb担当。
かわいい金魚の為なら腰痛も何のその。金魚のテンションがMAXになる魔法の餌・アカムシを与えることに喜びを感じています!アクアリウムに親しめる、良い情報をお届けできるように勉強&実践中です。文章づくりも頑張ります!

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