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ハリセンボンの飼い方!最適な水槽サイズから餌、病気や混泳を解説!

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ハリセンボンは、怒るとぷくっと膨れて体いっぱいに針を出す姿からその名が付いた海水魚です。
設備を整えれば自宅で飼育することができる魚で、通常時の大きな瞳と丸いシルエットが可愛らしいと大変人気があります。

また、人懐っこい魚としても知られており、慣れてくると餌をねだるような仕草を見せることも。
メディアでは膨れている姿ばかりクローズアップされるハリセンボンですが、実は可愛らしい一面が多い、魅力豊かな海水魚です。

今回は、そんなハリセンボンの飼育に必要な設備、餌、かかりやすい病気などについて解説いたします。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにハリセンボンの飼い方を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

  • ハリセンボンはフグの仲間!たくさんの針を持つ可愛い魚だよ人に懐きやすく、さまざまな年齢層に人気!
  • 最大体長は約30cm、寿命は約5年ほど!飼育には90cm水槽がおすすめ!W900×D450×H450mm以上の水槽での飼育がベスト
  • 餌はエビ、アサリ、イカの切り身など生餌が中心!硬いものを食べさせて、歯が伸びすぎるのを防ごう!
  • 単独飼育が基本!ハリセンボンの飼育方法!混泳は出来ないけれど、水槽の主役になる存在感!

フグの仲間であるハリセンボンは、印象的な名前と特徴的な見た目から高い認知度を誇ります。愛らしいルックスで女性人気も高いです。

このコラムではハリセンボンの飼育に必要な設備から、かかりやすい病気など、飼育のコツを解説します。

ハリセンボンとは

【海水魚・観賞魚・フグ】 ハリセンボン ■サイズ:8cm± ※フィリピン産 (1匹)

ハリセンボンは世界中の暖かい海に住む、フグの仲間です。

鱗が進化したトゲ(針)を持つユニークな姿で名が知られており、体を膨らませて針をとがらせ、威嚇する様子をメディアなどで一度は目にしたことがるのではないでしょうか。

そんなハリセンボンにはフグの仲間と同様に、以下のような特徴があります

  • 体が丸みを帯び、胸ビレをぱたぱた動してホバリングする
  • 目が大きく、独特の表情がある
  • 歯が鋭く、他の魚のヒレをかじることがある
  • 毒を持つ種類が多い
  • 動物性の餌を好む

愛らしいペットのような海水魚


丸い体に大きな目、微笑んでいるような表情はフグ類共通の特徴です。胸ビレを忙しなく動かして泳ぐ姿は一生懸命でとても愛らしく映ります。

しかし、可愛らしい外見とは裏腹に肉食性が強く甲殻類もバリバリかみ砕いてしまうほど丈夫な歯を持っていることには注意が必要です。

小さな魚だと食べてしまうことがあるため、他種との混泳は避けて単独での飼育が望ましいでしょう。

ただ、抜群の存在感を放つその姿から1匹だけでも不思議と寂しいという印象を受けることはありません。人懐っこさからペットとしての側面が強く、むしろ一匹に愛を注力できる魅力があります。

ハリセンボンは毒を持たない

フグ類といえば内臓や皮膚に毒を持っている種類が多いのですが、ハリセンボンには毒がありません

そのかわり、身に危険を感じると体表の針を広げて威嚇をします。人間でも不用意に触ると傷を負ってしまうことがあるため、水槽メンテナンスなどの時は十分に注意してください。

また、膨らんで威嚇する姿は確かに面白いですが、頻繁に刺激を与えるのはストレスになりますので、無暗に膨らませて遊ぶのは止めましょう。

成魚は大きくなる大型魚

販売されている個体は大体10cm前後のものが多いのですが、実はハリセンボンは最大30cm前後まで成長する大型魚です。
終生飼育を考えるならば90cm以上の水槽を用意しましょう。

寿命は3~5年と言われていますが、環境によってはそれ以上に長生きさせることも可能です。

ハリセンボンの飼育方法


ハリセンボンは、一般的なマリンアクアリウムで見かけることが少ないため飼育が難しそうと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
90cmサイズの大きな水槽を用意する必要はありますが、それ以外は一般的な海水魚水槽と同じ設備で飼育することができます

ここからは、ハリセンボンの具体的な飼育方法について解説していきます。

飼育水槽は90cm以上がおすすめ

寿工芸 寿工芸 コトブキ レグラスフラット F-900L

ハリセンボンは比較的よく泳ぎ回る魚種で、最大体長30cm程度まで成長するため、飼育するには最低でも横幅60cm奥行45cm以上のサイズの水槽を用意します。

ただ、ハリセンボンは肉食性で生餌などを好むため、水を汚しやすいです。
そのため余裕を持って飼育するならば、より水量が多くろ過能力が高い、90cmサイズのオーバーフロー水槽が最も理想的な環境です。

ろ過フィルターについて

ハリセンボンはオーバーフロー式ろ過か、外部式ろ過フィルターで飼育できます。

成魚のサイズを考慮するとやはり一番のおすすめは、ろ過能力の高いオーバーフロー式です。

次点で外部式フィルターも選択肢に入りますが、メンテナンスの手間や頻度があがることを考慮しなければなりません。

また、ハリセンボンは水中の配線をかじってしまうことがあるのですが、外部式フィルターだとどうしても水中にフィルターからのパイプやヒーターを設置しなければならず、常に危険と隣り合わせです。

その点オーバーフロー式ならば、全て水槽外のろ過槽に設置できるため、安全に水槽を運用していくことができます

以上のことから、ハリセンボンは工夫次第では外部式ろ過フィルターで飼育することもできますが、基本的にはオーバーフロー式ろ過での飼育が最適と言えるでしょう。

プロテインスキマーを活用しよう

ゼンスイ プロテインスキマー Genesis DC500 (300-500L)

ハリセンボンは生餌を好み、なおかつフンも多いので水を汚しやすい魚ですので、適切な水質を維持するならばプロテインスキマーの設置がおすすめです。

プロテインスキマーはサンゴ飼育などで用いられる海水専用のろ過機材ですが、ハリセンボンのような大きな魚の水質管理にも有効です。
必須アイテムというわけではありまんが、長期飼育を考えるならば設置しておきましょう。

底砂・レイアウトについて

ジュン (JUN) プラチナリーフサンド No.0 超極細タイプ 10キログラム (x 1)

ハリセンボンを飼育する上で、底砂は必須ではありません。掃除のしやすさを考えるならばむしろ、底砂を敷かないベアタンク式がベストです。
しかし見映えはあまりしませんので、見た目を良くしたい時にはサンゴ砂を敷いてあげましょう。

同様にレイアウトもシンプルな方が管理がしやすいです。

基本的に単独飼育で隠れ家なども必要ありませんし、あまり複雑なレイアウトを組んでしまうと隙間に汚れが溜まって水質悪化の原因になります。

アクセサリーの素材によってはかじられてしまう危険もありますので、レイアウトを施すならばシンプルにライブロックを組み合わせる程度がおすすめです。


こちらの事例では、横幅90×奥行45×高さ45cmのオーバーフロー水槽に、サンゴ砂と簡単なライブロックのレイアウトを施して鑑賞性を高めています。

最適な水温・水質について

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-200α

ハリセンボンの適水温は25度です。
通年で水温を維持するために、水槽用ヒーターと水槽用クーラーは必ず設置しましょう。

また、理想的な水質は他の海水魚と同様にpH8.2~8.4辺りですが、ハリセンボンは水質の変化にやや敏感で、pHが低下すると白点病などの病気を発病しやすくなってしまいます

水の汚れにも弱く体調を崩す原因になりますので、最低でも一週間に一度、水換えを行い水質を維持してください

特に水槽に導入した当初は何に対しても敏感ですので、こまめに様子を確認し、もしも異変を感じたら2日に一度くらいの水換えをして体調を整えてあげましょう。

ハリセンボンの餌

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肉食性のハリセンボンは、エビ類や貝類、イカの切り身などを好みます。
実際に東京アクアガーデンが管理している水槽のハリセンボンは、乾燥エビのクリルが好物です。

しかし、栄養バランスや餌の入手しやすさ、管理の容易さを考えると人工飼料・乾燥餌にも慣らしておいた方が飼育がしやすいでしょう。

なかなか人工飼料を口にしないという時は、絶食期間をもうけた後に、生餌と一緒に乾燥餌を与えることで食べてくれやすくなります。
慣れてくると「ちょーだい!」と餌を求めて近づいてくる、愛らしい姿を観察できるようになりますので、ぜひ挑戦してみてください。

また、ハリセンボンの食欲が落ちている、今まで食べていたものを食べなくなったと感じたら、ストレスが掛かっている可能性が高いです。
その場合は水質をチェックし、水換えを行いましょう。


定期的に硬い餌を与えよう

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詳しくは後述しますが、ハリセンボンは放っておくと歯が伸びすぎてしまうため、定期的に硬い餌を与えて歯を自然な形で削る必要があります。

硬い餌は、殻が付いたままのエビや貝類ですので、忘れずに与えてください。

ハリセンボンがかかりやすい病気


針に覆われた体を持つハリセンボンには、他の魚には当然備わっている鱗がありません
鱗は寄生虫や病原菌から魚を守る役割を果たしているため、これを持たないハリセンボンは他種よりも病気にかかりやすく、注意が必要です。

ここでは、ハリセンボンがかかりやすい病気について解説します。

白点病

ハリセンボンが最もかかりやすい病気が白点病です。

白点病は白点虫と呼ばれる寄生虫が原因で発症する病気で、白点虫に寄生された魚の体表には小さな白点が現れます。
放っておくと死に至ることもある恐ろしい病気ですが、白点病は初期症状の段階で治療を始めれば完治することが可能です。

白点病の治療法

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白点病の治療には『白点キラー』などを使った薬浴が有効です。

治療に際して、淡水魚でも同様の症状を表す白点病がありますが、海水魚と淡水魚では原因となる白点虫が異なるため、淡水魚用の治療薬及び治療法ではハリセンボンには効果がありません
必ず、海水魚用の薬を用意してください。

また、水槽で薬を使用する際にライブロックやサンゴへの影響が気になる場合は、サンゴ水槽用と謳われている薬を使用するのがおすすめです。

白点病の予防と殺菌灯の効果

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白点病の一番の予防は、ハリセンボンにストレスを与えない適正な環境を維持することです。

白点病は、何らかの理由で体力が落ちている個体が感染しますので、健康でいるのが一番の予防になります。
水温や水質をこまめにチェックしながら、水換えや掃除を怠らないようにしましょう

次に、殺菌灯を使用するのも白点病の予防に効果的です。値は張りますが、病気に感染しづらい環境づくりという観点から見るとやはり殺菌灯の効果は絶大で、健康を維持する非常に心強い味方となります。

ハリセンボンの目が白く濁ったときの対処法

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愛嬌のある顔立ちが特徴のハリセンボンですが、環境にはやや神経質でデリケートな一面も。以下のような環境では、目が白く濁ってしまうことがあります。

  • 水質が悪化している、最適でない
  • 底床・底砂が汚れている
  • 酸素が少ない
  • 細菌に感染した など

目が白濁りしたら、水槽の掃除を徹底し、細菌性症状の治療薬(グリーンFゴールド顆粒など)で薬浴しましょう
また、普段からこまめにメンテナンスを行うことで、こうした症状は予防できます。

ハリセンボンを飼育する注意点


最後にハリセンボンを飼育する上での注意点をご紹介します。

ハリセンボン特有のポイントもありますので確認してみてください。

ハリセンボンは歯が伸びる!

ハリセンボンを含むフグの仲間は『顎歯(がくし)』とよばれる鋭く強靭な歯を持っており、その歯でエビなどの餌をバリバリとかみ砕きます。
野性では、硬い餌を食べることで歯が削られて伸びすぎることはありませんが、柔らかい餌が多い飼育環境下では歯が伸びすぎてしまうことがあるのです。

歯が伸びると餌が上手く食べられなくなるため、以下のようなことをして歯の伸びすぎを予防しましょう

  • 普段からエビや貝などの硬い餌を与える
  • ライブロックを導入して表面の生き物などをかじらせる

あまりに伸びすぎてしまった場合はニッパーなどで切り取る『歯切り』という方法もありますが、経験がない人が行うのはかなり難しいです。
切り過ぎなどの危険がありますので、歯切りをしなくてすむよう、普段から歯を削ることを意識しましょう。

ハリセンボンの混泳は難しい


前述しましたが、ハリセンボンは

  • 肉食性が強いこと
  • 鋭い歯や針を持っていて怪我をさせる危険があること

から、他種との混泳は難しいです。

ハリセンボン同士ならば大型水槽で混泳できる可能性もありますが、水を汚しやすい魚ですから水槽のキャパシティ的に現実的ではありません

サンゴについても、ハリセンボンにサンゴがかじられてしまいますので、止めておきましょう

まとめ:ハリセンボンの飼い方!最適な水槽サイズから餌、病気や混泳を解説!


今回は、愛くるしい表情が魅力的なハリセンボンについて、飼育に必要な設備、餌、かかりやすい病気などを解説しました。

ハリセンボンは、フグの仲間のなかでも特に目が大きく、人に慣れるかわいらしい魚種です。

購入時は小さな丸いフグでも、最大体長は約30cmほどまで成長するため、90cm以上の水槽を目安に飼育設備を用意しましょう。

また、コード類をかじってしまったり水質に敏感な面があったりなどの理由から、オーバーフロー水槽での飼育がおすすめです。

アクアリウム初心者が飼育するには少しハードルが高い生き物ですが、苦労してでも飼育する価値のある魚です。
水槽の管理に慣れた際には是非、飼育にチャレンジしてみてください。

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執筆者 ぶっちー

トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
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