水草の癒しとは！癒される理由とリラックスできる水槽の作り方

水草で彩られた水槽は、私たちに新鮮な印象を持たせてくれます。

水草は日々成長するので、時間と共に新しい姿を見せてくれますし、なにより緑の美しさや草姿が癒しを感じさせてくれるでしょう。

このコラムでは、『水草の癒し』について解説します。
なぜ水草に人は癒されるのか、癒される水槽作りのポイント、東京アクアガーデンで管理している水草水槽のレイアウト例を順番にご紹介します。

プロアクアリストの意見をもとに水草の癒しについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するプロアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

「癒しの水槽」というと水草が多くレイアウトされたアクアリウムを想像する方も多いでしょう。
実際に、水草は森林を楽しんでいるような気持ちにさせてくれます。

このコラムでは、水草育成で得られる癒しについてご紹介します。

水草の癒しとは

水草は水槽内に明るさや賑やかさを演出してくれる存在です。
しかし、それだけでなく、柔らかな緑色は観賞者の心に安らぎをもたらしてくれます。

まずは、水草の持つ癒しの種類をご紹介します。

美しさ・鑑賞性

水草には種類ごとに異なる、個性的な美しさがあります。

色合いだけでも、以下のように分けられるなど、多様性のある植物です。

• グリーン
• イエローグリーン
• レッド
• ホワイト
• 斑入り
• ディープグリーン　など

これらに加えて丸い葉や細長い葉など、草姿もさまざまで観賞性が豊かと言えるでしょう。
なかにはカボンバのように繊細な形状のものや、レースプラントのように不思議な形状の種類もあります。

しかしそれらは総じて美しく、心を癒してくれる存在感です。
熱帯魚と比べれば、動きは水流で揺らぐ程度ですので「生き物たちの背景」と考えられることもありますが、熱帯魚の可愛らしさと水草の緑の相乗効果で、アクアリウムはより素晴らしく仕上がっていきます。

お世話の楽しさ

水草は生き物です。

育成には養分の添加や、トリミングなどの「お世話」が必要になります。
しかしこれが、非常に奥深く、いつの間にか水草の状態チェックやお世話が習慣になり、結果的に熱中して、癒しを感じることがあるのです。

例えば、「水草が調子を崩したから液肥を変えてみたら状態が良くなった」「水草が増えてきて嬉しい」というように、自分の行動に対して充実感を感じることもあります。

カスタマイズできる楽しさ

水草を増やしたり、トリミングしたりすることで、水槽内を無限にカスタマイズできます。
世界に一つだけのオリジナルな水景を作れるのは、大きな魅力であり楽しみです。

また、飼育生体や水質、照明などの設備にあわせて、どんな水草を植えつけるかなどの計画をたてるのも、アクアリウムという趣味のなかで大変ワクワクする事柄の一つでしょう。

癒しのアクアリウムを作るには

癒されるアクアリウムとは、一般的に以下の条件が揃った状態の水槽のことを言います。

1. 目立つコケや汚れが無い
2. 元気に熱帯魚が泳いでいる
3. ボリュームのあるレイアウト　など

3番に関しては、余白を活かした美しい水槽レイアウトはいくらでもありますので一概には言えませんが、密度とボリュームのある水草レイアウトは、幅広い年齢層の方の目を惹くことは間違いないです。

この条件を踏まえて、水草を活かしながらより癒される水槽を目指す方法をご紹介します。

コケや目立つ汚れが無い水槽

美しい水槽を実現するためには、お掃除が欠かせません。
水槽の水質が良いことはもちろん、ガラスが透き通っており、水草や魚がくっきりと見えることが癒しの効果を高めます。

そうした水槽を実現するには、水槽の掃除が行き届いていることが大切です。
また、コケや餌の食べ残しを食べてくれる『お掃除生体』を導入することで、美しい状態をキープするのが楽になります。

• ヤマトヌマエビ
• ミナミヌマエビ
• オトシンクルス
• フネアマ貝　など

お掃除生体によってコケが完全にきれいになるわけではなく、あくまでもサポートではありますが、導入するのがおすすめです。

元気に泳ぐ熱帯魚

元気に泳ぐ熱帯魚の姿は、見ているだけで癒されるものです。

元気に長生きしてもらうためには、熱帯魚たちの好む得意な環境に整えることが大切と言えるでしょう。
水質や水槽のきれいさも大事ですが、それ以上に水流の強弱や、適量の餌が肝心です。

特に、餌は与えすぎてしまうケースが多いですが、控えめな給餌量のほうが熱帯魚たちは健康的に長生きします。
例えばアカヒレは餌を控えたほうが体色が濃くなることもあるほどです。

体型や太り具合をチェックし、給餌量を決めていきましょう。

ボリュームあるレイアウトの水槽

ボリュームあるレイアウトは、森や草原のような温かみがあります。

また、鑑賞者に本格的で凝った水槽という印象を強く与えるので、注目度が高く、さまざまな方から好反応をいただけるでしょう。

なにより、それほどまでにレイアウトにこだわり頑張った自分への自信とやりがいを感じることができます。
そして、アクアリウムをデザインすることで、部屋などの空間全体に癒しが広がっていくのです。

癒される水草水槽の事例

たっぷりの水草！大磯砂で管理している90cm水槽

ルドウィジアやアヌビアス・ナナなどの水草がたっぷりとレイアウトされた水槽です。
底砂は大磯砂ですが、固形肥料を埋め込むことでルドウィジアなどの丈夫な水草を植えつけて育成することが可能です。

大磯砂はソイルとは異なり崩れず、半永久的に使用可能なので、レイアウトを長期維持したい場合にはおすすめです。

水草をトリミング！120cm水槽

ソイルとCO2添加を使用している水草水槽です。パールグラスやロタラナンセアンなど密度が高くなる水草も植え付けており、トリミングを適切に行いながら管理しています。

レッドテトラやカージナルテトラなど赤みのある魚たちが導入されており、水草の柔らかい緑とコントラストを作り出している、鑑賞性と癒し度が高いアクアリウムです。

陰性水草でレイアウト！30cm小型水槽

アヌビアスナナやミクロソリウムなどの陰性水草を活着させた、流木をメインとした縦長の水草水槽です。
前景に植えつけられたクリプトコリネと、中景のアヌビアス、後景のテンプルプラントがそれぞれに個性を発揮し、スタイリッシュな水槽に仕上がっています。

大磯砂でレイアウトしていますが、流木と活着水草を中心にした、ボリュームある本格的な水草アクアリウムです。

まとめ：水草の癒しとは！癒される理由とリラックスできる水槽の作り方

水草が豊富なアクアリウムは、視覚的に心を癒してくれます。
しかしそれ以上に、水草は、飼育などを通じて新しい興味関心を刺激してくれる魅力的な存在と言えるでしょう。

アクアリウムのなかで水草は、さまざまな形や色の草姿や、水に揺らめく様子などが癒しをもたらしてくれる生き物です。

実際に癒されるアクアリウム事例も多くあり、鑑賞者のストレス解消やコミュニケーションを促すインテリアとしても活躍しています。
アクアリウムは自分だけの癒し空間を作るだけでなく、家族や友人、職場の仲間と共有することでさらに効果を高めていけるでしょう。