水草を入れすぎると良くないのか?水槽に入れる水草の適量とは
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素敵なアクアリムに欠かせないレイアウトといえば水草です。
たくさんの水草がそよぐ水槽はとても美しく、見る人を楽しませてくれます。
また、水草は水の汚れを養分として吸収してくれたり、光合成をして水中に酸素を供給してくれたりと、その働きも役立つものばかり。水槽管理の観点から導入する方の多いです。
しかし、有用だからと言ってとにかく無暗に増やしてしまうのは良くありません。
水草にも適量があり量が多すぎると、逆に酸欠や遊泳スペースの圧迫などを招く恐れがあるのです。
水草をうまくレイアウトするという意味でも、適量を守るようにしましょう。
ここでは、水草の適量を見極める判断基準と、増え過ぎたときの対処法をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水草の適量と増え過ぎたときの対処法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
たくさんの水草を配置した水草水槽はとても美しいものですが、何事もやり過ぎは良くありません。
それが水槽に良い効果があるとされる水草だとしても、量が多いと水槽全体のバランスが崩れてしまいますので、適量を見極めることが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水草の適量と増え過ぎたときの対処法解説します。
水草が多すぎると何が起こる?
水草は、鑑賞性を高めてくれるのはもちろんのこと水を浄化してくれたり、酸素を生み出してくれたりなど様々な良い効果を生み出します。
しかし、実は量が多すぎると以下のような不調の原因になることもあるのです。
- 夜間酸欠
- 遊泳スペースの圧迫・水草の育成不良
- 淀みの発生
まずは、水草が多すぎることで起こる可能性がある弊害について解説します。
夜間に酸欠が起きる
日中、太陽や照明の光が当たる間は水草は光合成をして酸素を生み出しますが、光が当たらない夜の間は、水草も酸素を消費して呼吸をします。
そのため、水草が多すぎると夜間に酸素が過剰に消費されて、水槽全体が酸欠になってしまう可能性があるのです。
飼育している熱帯魚が夜間~朝にかけて元気がない、というのが夜間酸欠のサインですので、心当たりがある場合は水草の量を見直してみましょう。
遊泳スペースの圧迫・水草の生育不良
水草が多すぎると、遊泳スペースが圧迫されて魚の行動を制限してしまうことになります。
遊泳できなくなるとストレスや肥満の原因になりますので、泳ぐスペースは確保できるよう量を調整しましょう。
また、背の低い水草に光が当たらず枯れてしまうなどの症状が出るのも、水草が多すぎる目安です。
水槽全体に水草をレイアウトしたくなる気持ちはわかりますが、多すぎると熱帯魚や水草の成育に支障が出ますので、程よくスペースを空けるのが水槽全体の健康を保つ秘訣と言えます。
淀みが発生する
水草が多すぎると、水の流れをせき止めてしまい、水流が届かない場所が生まれます。
すると、そのような場所にゴミや汚れが溜まり、病気の菌の温床になったり、水質の悪化を招いたりなどの悪影響が出ることも。
このような淀みも水草が多すぎることが原因で起こる不調の一つです。
水草の適量の見極め方
ここからは、水槽の中の水草が適量かどうかの見極め方を解説します。
水草や生き物の成長具合や、水質などポイントを分けてご紹介しますので、水槽の状態を確認してみてください。
熱帯魚が健康に成長しているか
熱帯魚が健康に成長しているならば、水草の量は概ね適量と考えることができます。
先述した水草が過剰の場合に起こる、酸欠は熱帯魚の成長を阻害する可能性があるからです。
生き物が健康に過ごしているかどうかは、水草の量だけでなく水槽全体が適切な環境になっているかどうかの指標となりますので、異変がないかどうかを観察してみましょう。
水槽全体に光が行き届いているか
水槽全体に光が行き届いているかも、確認するポイントです。
水草が多すぎると、水草同士が重なって陰ができて、背の低い水草や下の方の葉に光が行き届かなくなってしまいます。
水草の成長を妨げることになるため、水草の量を確認するときは光の行き渡り方もチェックしましょう。
水質に異変は無いか
水草が多すぎることで酸欠が起こると、水質の急変や異臭、油膜などの異変がみられることがあります。
水質の異変は水槽全体の不調につながるため、定期的に確認しましょう。
水流が妨げられていないか
水草で水流が妨げられていないかも確認しましょう。
- 一部分にコケやカビが生えやすい
- ゴミが溜まりやすい場所がある
などは、淀みができているときに起こりやすい現象です。
水草の周辺などでこのようなことが起こっている場合は、水草の量や配置を調整しましょう。
水草が多すぎたときの対処法
水槽に水草が多すぎた場合は、トリミングをするか間引きをして量を減らしましょう。
トリミングをする
最初は適切な間を空けてちょうど良い量の水草を植え付けていても、成長するうちに葉が増えて全体が窮屈になってしまうことがあります。
水草が茂り過ぎていると感じるときは、トリミングをして全体のバランスを整えるのが良いでしょう。
トリミングは古い葉や傷んだ葉を中心に切り落とすのが基本です。古い葉を落とすことで新しい株が出てきて成長が促進されるので、水草の健康を保つためにも定期的にトリミングをすることをおすすめします。
また、トリミングをした葉は捨ててしまっても良いのですが、品種によっては底砂に植え付けておくと根を出して新しい株として成長することがありますので、捨てずにストックしておくのもおすすめです。
最近は増やした水草をフリマアプリなどで販売する方も増えていますので、有効に活用しましょう。
間引きした水草は水上葉として保管する
株自体が増え過ぎているときは、水草を引き抜いて間引きをします。
健康な株であれば別水槽にストックしておくのが良いですが、水槽の容量などの問題で水中で管理するのが難しいときは、水上葉として育てるのがおすすめです。
大半の水草は水の外でも育てることが可能で、水上葉という水中とは別の形の葉を出して元気に成長します。
水中葉を水上葉に変える方法は以下の通りです。
- 深さのある容器に土やソイルを敷き、水草を植え付ける
- 土の上3cm程の高さまで水を張る
- 日光や植物用ライトの下に容器を設置する(湿度の管理が難しくなるため、直射日光は避けてください)
- 植物用液肥を与えながら、新芽が出るのを待つ
- 新芽が出てきたら徐々に水量を減らしていく
水上葉が出てくるまでは、水量を減らさないように注意しながら管理するのがポイントです。
水上葉が展開したら水を減らし、霧吹きで湿度を管理しましょう。
水上葉にした水草を再び水中葉に変えることもできますので、必要に応じて使い分けるとストックしやすくなります。
ただし、沈水植物といわれるバリスネリアやマツモ、アナカリス、ウィローモスなどは水上葉にならないため、品種の特徴を確認したうえで実践してみてください。
まとめ:水草を入れすぎると良くないのか?水槽に入れる水草の適量とは
今回は、水草の適量の見極め方と、多すぎたときの対処法について解説しました。
水草は鑑賞性を高めたり、水を浄化してくれたりと水槽に良い効果をもたらしくれる、大切な存在です。
しかし多すぎると、水槽全体に悪影響が出てしまう可能性がありますので、適量を守るようにしましょう。
酸欠の症状や水草、熱帯魚の成育に異常がある場合は、水草の量を確認してみてください。
水草が茂り過ぎている、多すぎる場合はトリミングや間引きをしてバランスを整えます。
水草が茂る水槽はとても美しいものですので、適量を守りながらぜひ水草水槽を管理してみてください。
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