コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。
水槽の上部に設置する照明には、明るく照らすことの他に多くのメリットがあります。
- 魚のバイオリズムを整える
- 観賞性の向上
- 繁殖を促す
など、照明が水槽や魚に与える恩恵は少なくありません。
照明を上手く活用することで魚の体調によい影響を与えたり、アクアリウムの魅力を一段と引き出したりすることができます。照明は水槽に欠かせないものですが、長く点灯しすぎてもコケの発生につながるため、照明時間を適切に管理することが重要です。
ここでは、熱帯魚や水草、金魚・メダカに与えるメリットと最適な照明時間をふまえて、水槽に照明が必要な理由を解説します。
目次
プロアクアリストによる照明の必要性の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンは、アクアリウム業界に15年以上携わり水槽設置業務を行っております。水槽を設置する上で、照明は欠かせない機材の一つです。照明1つで水槽の見え方がガラッと変わることは少なくありません。
また、照明は水槽の中で飼育する生き物や水草にとっても大切な要素となります。生き物は『光』を浴びることでバイオリムを整えたり、体内で成長を促進するビタミンを生成したりなどするため、熱帯魚の体調を管理するうえで重要な役目を担います。水草の光合成にも照明は欠かせません。
この記事では実務経験から得た知識と経験をもとに、アクアリウムにおける照明の必要性を解説していきますので、ぜひ、ご覧ください。
水槽に照明は必要!
「照明は水槽を明るくきれいに見せてくれるだけのものだから、特に必要ないのでは?」
という疑問を抱かれる方がいらっしゃいますが、実は水槽には照明が必要です。
照明は水槽を明るく照らすだけでなく、
- 魚のバイオリズムを整える
- 観賞性を向上する
- 餌への反応を高める
- 繁殖を促す
など、熱帯魚の体調を整えたり、水槽の見栄えを良くしたりといった多くのメリットがあります。
光が必要ならば太陽光を利用すれば良いようにも思われますが、紫外線で劣化しやすい水槽は室内で使用することが多く、屋外のように十分な日光を取り込むことは難しいです。光が魚に与えるメリットを水槽に活かすためには、照明を使う方法が最適です。
ここからは、照明が水槽や魚に与える効果とメリットについて具体的に解説していきます。
魚のバイオリズムを整える
照明の光には、魚のバイオリズムを整える効果があります。
バイオリズムは活動の周期のことです。日中に起きて動いたり、夜に寝たりすることもバイオリズムの1つです。魚も生き物ですので、バイオリズムのとおりに活動しています。
昼行性(昼に活動する)の魚は光があるときに活動して、暗くなれば体を休めるため、昼がはっきりしていないと体調をくずしてしまうことも少なくありません。
人でも昼夜が曖昧な生活をしていると健康によくありませんが、魚にも同じことが起こります。照明を点灯することで昼夜が明確になりますので、魚のバイオリズムが整えられ体調が安定します。
ただし、日によって点灯時間にばらつきがあったり、点灯のし忘れ消し忘れがあったりすると意味がありませんので、毎日規則的に照明を点灯するのが難しい場合は、タイマーを使って照明のオンオフを管理すると良いでしょう。
照明の最適な点灯時間については、後ほど解説します。
熱帯魚や水景本来の美しさを引き出す
美しい水槽を鑑賞するのにも照明は欠かせません。
まず、水槽に照明を当てることで、水の中に浮遊する細かいゴミを光で飛ばして見え辛くしてくれます。水槽の水を透明でクリアに見せてくれるのです。
また、照明の色によって、熱帯魚の体色をより美しく際立たせてくれたり、水草を美しく見せてくれたりといった効果を得ることもできます。
光といえば太陽光ですが、太陽光は水槽には強すぎる側面があり、水槽のシリコンを劣化させてしまったりコケの繁殖を促してしまったりと、鑑賞の邪魔をしてしまう事も少なくありません。
また、自然の光は日照時間や光量が安定せず「水槽を眺めたいのに薄暗い」といった事態を招くことも考えられます。
いつ見ても美しい水景を眺めるならば、照明を上手に活用するのがおすすめです。
熱帯魚が餌を食べるには照明が必要
照明は熱帯魚が餌を食べるのにも必要です。
魚種によって視力はさまざまですが、薄暗いと餌がうまく発見できずに食べそこなってしまう事があります。また、明るい環境下の目が覚めた状態でなければ餌の食いつきが悪くなってしまうことも。
餌への反応がよくない状態で給餌すると食べ残しが増えて水質の悪化につながり、結果的に熱帯魚の健康を害してしまいます。
照明をつけて規則正しい環境を整えてあげることが、熱帯魚の健康につながります。
繁殖に影響する
観賞魚の中には「日照時間」が繁殖に影響するものがいます。
生き物には繁殖期があり、その時期になると繁殖を意識し始めます。種類にもよりますが、繁殖期と判断する要因の1つが日照時間で、光が供給されにくい環境ではなかなか繁殖しないことも珍しくありません。
観賞魚にも日照時間の影響を受けるものがいるため、もし、そのような魚種を室内で繁殖させたい場合は照明が必要不可欠です。
近年、品種改良が盛んに行われているメダカの繁殖も日照時間が大きく関係しています。照明がメダカの飼育や繁殖に与えるメリットについては、後ほど詳しく解説します。
水槽の照明時間は何時間?
水槽の照明を点灯する時間は、8~10時間程度が目安ですが、このとき気を付けていただきたいのが、照明をつけている時間ではなく「日照時間を含めて8~10時間」ということです。
例えば、朝の5時に点灯した場合は13時、もしくは15時で消灯します。日が射し始めたころから照明をつけることで、熱帯魚本来のバイオリズムに近付けることが可能です。
日中は明るいから照明を点灯しない、ということもあるでしょう。しかし、照明を点灯していないからといって明るければ魚は活動していますので、この「日中の点灯していない時間」を考慮せずに薄暗くなってきてから照明を8時間もつけてしまうと、熱帯魚の活動時間が大幅に長くなってしまい、バイオリズムが崩れてしまう可能性があります。
もし、「日中は仕事で人がいないため、帰宅してから水槽を眺めたい」という場合は、日中に雨戸やカーテンを閉め、水槽周りをできる限り暗くして魚が休める時間を作ってあげてください。
完全に遮光された部屋であれば、お好みの時間帯でもそれほど影響はありませんが、通常のリビングなど日光の射し込む部屋では日照時間も考慮して点灯時間を決めるようにしましょう。
水槽の照明時間が長すぎるとどうなる?
水槽の照明を点灯する時間が長すぎると魚のバイオリズムがくずれやすいだけでなく、コケの発生にもつながります。
コケは光が当たることで光合成して繁殖するため、照明時間が長ければ長いほど発生しやすくなります。水槽のコケでお困りの場合は、適切な照明時間を維持するようにしてみてください。
また、水草水槽では水草の光合成を意識して照明時間が長くなりがちですが、あまりに長時間点灯すると水草にコケが生えてしまうこともあります。コケにより遮光された水草は光合成できませんので、取り除いてあげましょう。
水草に生えたコケを除去する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
飼育水槽での照明のメリット
ここまでは、照明が水槽全般に与える影響やメリットをご紹介してきましたが、照明の光によるメリットは生体の種類によっても異なります。
体色がきれいになったり、繁殖が促されたりなど、生体に応じた照明のメリットを把握することはとても重要です。
ここからは、アクアリウムで代表的な、
- 淡水魚・水草水槽
- 海水・サンゴ水槽
- メダカ水槽
- 金魚水槽
この4種類の飼育水槽における照明のメリットを解説していきます。
淡水魚・水草水槽での照明
淡水魚・水草水槽での照明のメリットは下記のとおりです。
- 活性化を促す
- 水草育成
- 観賞性の向上
飼育目的の淡水魚の多くは昼行性ですので、照明があると盛んに活動するようになります。明るい環境では、餌をよく食べたり、泳ぎ回ったりするため、健康にもよいです。
たとえ体調不良の魚がいたとしても、明るく水槽の隅々まで観察できれば早期発見にもつながります。
淡水魚にとっても大切ですが水草を一緒に育成している場合は、特に照明が欠かせません。光量が必要な種類は照明がないと育成できませんので、水草水槽での照明のメリットはとても大きいといえるでしょう。
水草の育成に向いた赤や青の波長を放つ照明も多数あるため、水草の育成に力を入れたい方は活用してみてください。
また、色鮮やかな熱帯魚や美しい緑色の水草は明るい水槽で眺めてこそ、きれいに見えるものです。淡水魚・水草水槽の観賞性を向上させるのにも照明が一役買っています。
熱帯魚や水草の育成におすすめの照明は、こちらの記事で詳しく解説しています。
海水・サンゴ水槽での照明
海水・サンゴ水槽での照明のメリットとしては、下記が挙げられます。
- 海水魚やサンゴの色揚げ
- 好日性にかかわらずサンゴの育成に必須
- 観賞性の向上
- バイオリズムが整う
他の種類の水槽と同様に観賞性を向上したり、海水魚のバイオリズムを整えたりする効果があります。また、海水魚やサンゴは照明の光によって色が良くなりますので、きれいな姿を眺めるためにも設置するようにしましょう。
海水水槽に設置する照明ならば「青い照明」がおすすめです。
青い光が海水の雰囲気にマッチするというのもありますし、サンゴを育成している水槽では、特に青い光がとても大切な要素となります。サンゴの中には青い光を浴びて光合成することによって成長に必要なエネルギーを得る種類があり、サンゴを状態よく育成するためには青みのある照明を設置することが重要です。
サンゴ育成にはメタルハライドランプが主流でしたが、最近では軽量で設置しやすいLED(ORCA オプティマスリーフナノなど)も登場しています。
海水やサンゴ水槽におすすめの照明については、こちらの記事で詳しく解説しています。
金魚水槽での照明
金魚水槽での照明のメリットをご紹介します。
- バイオリズムを整えてストレス軽減
- 活動的になる
- 体色がきれいになる
金魚は昼行性ですので、照明の光によってバイオリズムが整えられストレスも軽減されます。明るい環境では活動的になることから、餌の食べがよくなり、よく食べることで、健康的な体作りにも効果的です。
また、金魚は観賞魚として美しさが評価される魚ですので、照明によるライトアップは金魚本来の魅力を引き出すためにも欠かすことはできません。
金魚がきれいに見える照明については、こちらのコラムをご覧ください。
メダカ水槽での照明
室内飼育のメダカ水槽にも照明を設置すると良いでしょう。
メダカ水槽に照明を設置するメリットは次のとおりです。
- ストレス軽減
- 活動的になり餌の食いつきがよくなる
- 水草の育成
- 繁殖を促す
ストレス軽減や餌の食べに関しては、金魚と同じ意味合いがあります。
また、メダカ水槽にはレイアウトとしてだけでなく、隠れ家や産卵床として水草を入れることも多いので、照明を使うことでメダカと一緒に水草を育成することができます。
照明がメダカに与えるメリットの中で、特に大きいのが『繁殖』です。メダカは、日照時間(光の当たる時間)が12~13時間を超えると繁殖を始めます。
屋外飼育で春ごろに繁殖を始めるのは、日照時間が長くなることが1つの要因です。
室内飼育のメダカを繁殖させたい場合は、照明を活用して日照時間を再現すると良いでしょう。しかし、点灯時間が長すぎるとバイオリズムが崩れたり、コケが生えやすくなったりするため、メダカの繁殖に最適な13~14時間にしっかり調節することをおすすめします。
ちなみに、室内飼育のメダカは照明時間と水温を20度以上に管理することで、季節を問わず冬でも繁殖させることが可能です。
まとめ:水槽に照明が必要な理由!熱帯魚、水草、金魚やメダカ水槽へのメリット
熱帯魚や水草、金魚・メダカに与えるメリットと最適な照明時間をふまえて、水槽に照明が必要な理由を解説しました。
照明は単に水槽を明るく照らすだけでなく、魚のバイオリズムを整えて体調を安定させたり、水槽を魅力的に照らして観賞性を向上したりなど、たくさんのメリットがあります。
照明のメリットを活かすためには照明時間も重要ですので、日照時間を考慮して適切に管理するようにしましょう。消し忘れや長期間の外出が多いようであれば、タイマーの使用が効果的です。
照明は、餌やろ過フィルターのように直接魚に触れるものではありませんが水槽に与える影響が大きく、なくてはならない存在です。
照明から得られるメリットを最大限活用して、アクアリウムに役立ててみてください。
水槽用照明について良くあるご質問
水槽に照明が必要な理由とは?
どの水槽にも同じ照明ではだめですか?
水草水槽には水草照明や植物育成用ライトがおすすめですが、例えば、金魚などをベアタンクで飼育する場合は、特別に水草が育つ機能を持った照明でなくても問題ないです。
飼育環境や生体の種類にあわせて選定しましょう。
海水魚やサンゴ水槽はなぜ青い照明なのですか?
海水用の青い照明にも色味の種類があり、飼育生体がもともと住んでいる水深にあわせて選べます。
特にサンゴは海の底に住んでいる生き物ですので、白みが強い光では明るすぎますので種類にあわせます。
照明で水温が上がることはありますか?
水温上昇が気になる場合は、水流やエアレーションを少し強めると解消できることがあります。
水温上昇は水量が少なく水流が穏やかな水槽で問題になりやすいため、水流などを確認しつつ管理すると良いです。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。
このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
プラ舟でらんちゅう飼育をしていますが、北側池のため光量不足によるマイナス影響を懸念していて、いろいろ調べたところ、中国の金魚養殖家がLEDランプを使用されている話を聞きました。主に青水化の促進が目的のようですが、当コラムを拝見しバイオリズムが魚の活性化に重要との事、大変に参考になりました。感謝申し上げます。2点質問させて頂きたいのですが、よろしくお願い申し上げます。
①光と魚(金魚、らんちゅう)の色の関係はありますか?
②光量と魚の成長の関係は?
コメントありがとうございます。
1と2を混ぜた回答になりますが、光は金魚に大きな影響を与えます。
青水化が進むのも大きな要因ですが、日光浴が十分ですと体色が濃くなりますし、免疫力も高まります。個人的にはツヤも良くなると考えています。
光量が高ければ活性が上がるので、結果として良い体型に育ちやすくなると言えるでしょう。
ただ、長時間明るすぎるとストレスになりますので、点灯は8時間程度にすると良いです。グリーンウォーターについては、こちらのコラムもご覧ください。
・グリーンウォーターでメダカや金魚を飼育する?メリットやデメリットとは
https://t-aquagarden.com/column/greenwater_merit
よろしくお願いいたします。
ご回答有難うございました。参考にさせて頂きます。
今年の10月に金魚を2匹お迎えしました。水槽に合うサイズの照明は持っているのですが、窓の近くに水槽を置いていて明るいので使っていませんでした。しかし、雨の日などは暗いので照明を使おうと考えています。現在、午前7時と午後7時に餌をあげているのでこのまま照明をつけると照明時間が12時間以上になってしまいます。1時間ほどなら餌をあげる時間は変更できるのですが、何時頃あげるのが最適ですか?餌をあげてから何時間ぐらいたってから照明を消せばよいのでしょうか?照明とは関係ないのですが、2匹のうちの1匹が餌をあげたあとに追いかけています。つつかれているのでとてもかわいそうです。対処法があれば教えて頂きたいです。長くなってしまいすみません、よろしくお願いします!!
照明は8時間以上つけるとコケが生えやすくなります。
また、金魚の餌は1日1回でも問題ないため、朝の給餌だけにして照明を管理するのが良いと考えています。
1日2回の給餌を続ける場合は、AM7時とPM13時頃が良いです。
突かれている金魚は餌を食べられているなら、緊急度は低く、次第に慣れていくことが多いです。
もし餌を横取りされてしまっている・いじめがひどい場合は、隠れ家をつくるかセパレーターを使用して隔離するのが良いです。
こちらのコラムもご参照ください。
・水槽用仕切り板の活用方法とおすすめ商品!代用できるアイテムも紹介
https://t-aquagarden.com/column/separator
よろしくお願いいたします。
熱帯魚が水槽の底にいつも群がってます。
どうして泳ぎ回らないのでしょうか?
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
水温が低い、水流が強すぎる、物音や振動に怯えている、ということが考えられます。
こうした要素を改善すると、泳ぎ始めることが多いです。
また、飼育を始めたての頃は、環境に慣れず敏感になっていることがあります。
まずは、様子を見て改善を行うのが良いです。
こちらはメダカの記事ですが、ご参考にしてみてください。
メダカが死んだ!よくある死因と底に沈む原因、対策方法を解説します
https://t-aquagarden.com/column/medaka_trouble
よろしくお願いします。