メダカの飼い方
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メダカを大きな水槽・容器で飼育するとどうなる?管理のコツも紹介

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体が小さくて水質の変化にも強いメダカは、小型水槽やボトルアクアリウムなどの手軽な容器で、省スペースに飼育するのがベーシックな楽しみ方とされています。
繁殖で個体数が増えたり様々な品種の飼育に挑戦したりする場合も、小型容器の数を増やして対応することが多いです。

しかし最近は、あえて大きなトロ舟や60cm以上の中型水槽を使ってメダカを飼育するケースが増えてきています。
大きな水槽ではスペースを持て余してしまうのではないかと思われるかもしれませんが、しっかりレイアウトを施せば気になりません。
水草や流木を配置した自然な情景の中を群泳するメダカ本来の姿は、大きな飼育容器ならではの光景です。

今回のコラムでは、メダカを大きな水槽・容器で飼育する際のメリット・デメリットと管理のコツをご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカを大きな水槽で飼育するメリット・デメリットを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

小さな水槽で気軽に飼育できるのが魅力のメダカですが、実は大きめの飼育容器に導入しても見応えがあります
たくさんのメダカが仲良く一緒に泳ぐ姿はとても可愛らしく、大きな水槽でも人目を引くことでしょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカを大きな水槽で飼育するメリット・デメリットを解説します。

メダカを大きな水槽・容器で育てるとどうなる?

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今回のコラムで解説する”大きなメダカの飼育容器”は、

  • 水槽:45~60cm以上の中型水槽以上
  • トロ舟:30L以上

のものを想定しています。

一般的にメダカの飼育容器として販売されている製品は、容量が8〜10L程度の水量のものが大半ですので、45〜60cm水槽や30L以上のトロ舟はかなり大きく感じられるでしょう。

小さなメダカを大きな水槽で飼育する意味があるのかと疑問に思われるかもしれませんが、実は大きな飼育容器ならではのメリットがたくさんあります。
しかし、その一方で大きな容器特有の注意点もあるため、導入前にしっかり確認しておくことが重要です。

ここでは、メダカを大きな水槽で飼育するメリット、デメリットを解説します。

メリット1:メダカが群れやすくなる


大きな容器・水槽でメダカを飼育すると、群泳する様子が観察しやすくなります

メダカは野生では群れを作って生活をする習性がありますが、これは仲間同士で固まって周りを警戒しているがゆえの行動です。つまり「敵がいるかもしれない」という緊張感を持てれば、水槽でも群れを作ります

小さな容器だとそもそもメダカを数匹しか飼育できませんし、狭い空間では危機感が薄くなってしまうため群れることがないのですが、開口部が広く空いたトロ舟や死角が多い広い空間を用意すると、複数匹でまとまって警戒するメダカ本来の姿を見せてくれるでしょう。

ただ、屋外飼育の場合、開口部が無防備だと外敵に襲われてしまう危険がありますので、防獣ネットや蓋を使ってメダカを守りましょう。

メリット2:たくさんのメダカが飼える

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単純な話ではありますが、大きな飼育容器ならば小型容器よりもたくさんメダカを飼育できます
メダカを飼育するために必要な水量は、ろ過フィルターを設置しない場合1~2匹あたり2Lが目安ですので、水量約8Lの一般的なメダカ容器ならば5~8匹程度が適性です。

それに比べ、例えばW360×D497×H190mmほどのトロ舟であれば水量約38〜40Lなので、30~40匹程度のメダカを飼育できます。
ろ過フィルターを設置している60cm水槽ならば、100匹を超える大迫力の群れを作ることも夢ではありません。

実際には底砂や水草、貝やエビ類などそのほかの生体の有無によって数は増減しますが、それでもこれだけ多数のメダカを一度に飼育できるのは魅力的です。先ほどお話した群泳も数が多いほど迫力が出ます

メリット3:繁殖率が上がる

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たくさんのメダカを飼育できるということは、それだけペアが成り立つ確率が高くなるため、繁殖率も格段にアップします
とはいえ、品種改良や特徴を混ぜたくない改良メダカの繁殖は数が多すぎると形質の管理が煩雑になるため、小さな容器で個体数を絞って行うのが望ましいです。

一方、そこまで難しいことを考えずに単純に繁殖を楽しみたいときや、メダカの数を増やしたいときは大きな容器での繁殖が向いています。
また、開口部分を広く確保できる大きな水槽や容器なら水草や浮草をたくさん入れることができるので、卵や稚魚の生存率も上がりやすいです。

メリット4:水温を維持しやすい

水量が多いとそれだけ水温が維持しやすくなります
特に屋外飼育は外気温や天候の影響を受けやすいので、水量を増やすことで水温の変化を最小限に抑えて急変によるショックなどを防ぐことが可能です。

凍結の心配がある冬場も、水量が多くて水深が深ければ奥まで凍ってしまう心配がありません

また記録的な猛暑が続く近年は、室内飼育であっても状況によって水温が急上昇する危険があるため、こちらも水量が多い方が安心でしょう。
ちなみに、夏の高水温は水面に風を当てることで緩和できますが、開口部が広いほど風が当たる面積が増えて水温が下がりやすくなります

メリット5:水質管理が楽になる

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水量が多いと水が汚れるスピードが緩やかになるため、

  • 水質が安定しやすい
  • 水換えの頻度を減らせる

といったメリットが期待できます。

水質が安定した環境ではメダカ達も健康に生き生きと生活できますし、メンテナンスの頻度を減らせるので飼育者側の負担もかなり減るのではないでしょうか。

また、水カビ病やカラムナリス感染症、エロモナス感染症などの水質悪化によって発病しやすい病気の予防になるのもポイントです。

デメリット1:広い設置スペースが必要になる

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大きな水槽や容器でメダカを飼育するとたくさんのメリットを受けられますが、一方でデメリットとなる点にも目を向けなければなりません。

大きな水槽を使う上で一番の障害になるのが設置スペースの問題です。

気軽に設置できる小型容器に比べて、大きな水槽はそれなりに広いスペースがないと設置が困難で、例えばW60×D30×H36cmの60cm規格水槽の場合、水槽サイズ+四方に10~20cm程度の余白を空けられる程度の場所が必要となります。

ボトルや小型水槽ならば家にある棚やデスクにも設置することができますが、60cm水槽ともなると耐荷重の問題で専用の水槽台を用意しなければならない点にも注意しましょう。

デメリット2:繁殖時の形質や稚魚の管理がしづらい

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繁殖をメインに考えた場合、やはり小さな容器を複数設置した方が管理がしやすいです。

特に改良メダカの飼育では、大きな容器で複数の品種を飼育してしまうと他品種同士が交雑して形質が保てなくなってしまいます
他種との交雑を防ぎ美しい形質をキープするためにも、1つの容器に1つの品種基本です。

また、稚魚の育成に置いても本来は成魚とは水槽を分けて管理するのがベストで、卵→産まれたばかりの稚魚→少し大きくなった若魚→成魚というように、成長段階に応じて水槽を分けることで、その個体に合った適切な管理がしやすくなります。

成魚が泳ぐ水槽に卵や稚魚を入れっぱなしにしておくと、うっかり食べられてしまって育たないこともあるので、仮に大きな水槽で一緒に飼育する場合も、セパレーターサテライトを使って居住エリアを区切ってあげるのが良いでしょう。

デメリット3:メダカの病気や不調に気付きにくい

大きな飼育容器で飼育数が増えると、メダカ一匹一匹の様子をしっかり観察するのが難しくなり、病気や体調不良の発見が遅れることがあります。

特にメダカは不調が出ると、身を守るために水草などの影に隠れて出てこなくなってしまうため、気づいたときには手遅れになっていたということにもなりかねません。
水槽内で病気が移る白点病や、水質の悪化が原因で発症する病気だった場合、発見の遅れが病気の蔓延を招くため注意しましょう。

具体的には餌を与えたときに、反応が悪い個体がいないかを観察するのが体調不良の初期段階を見極める良い方法です。
また、水草や浮草の間でメダカが死んでしまっていることもあるため、時折かき分けて弱っているメダカがいないかチェックするようにしましょう。

大きなメダカ水槽・飼育容器を管理するコツ


メダカを大きな水槽や容器で上手に飼育するためには、小さな容器とはまた違った管理のコツがあります。

ここからは、大きな容器でメダカを飼育する際の押さえておきたい大切なポイントを2つ、解説します。

十分なろ過フィルターをつける

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室内飼育の水槽では、水槽サイズに合わせたろ過フィルターを使用しましょう

小型水槽やボトルアクアリウムでは、ろ過フィルターを設置せずにこまめな水換えで水質を維持することもありますが、大きな水槽だと水換えの回数が増えるのは負担が大きいです。

ろ過フィルターを使えば水をきれいに維持しやすくなりますし、程よい水流が生まれて水槽全体に新鮮な水が行き渡るので、細菌の温床となる淀みの発生を防ぐことができます。
水草やレイアウトの影になりやすそうな場所に水流を当てるように調整すると、より効果的です。

ただ、あまり水流の強いろ過フィルターだとメダカが泳ぎ疲れてしまいますので、投げ込み式フィルタースポンジフィルターなどの穏やかなフィルターか、水流を調整できる外部式フィルターなどを検討してみてください。

日陰と明るい場所をつくる

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屋外飼育では、容器内に日陰を作ることが大切です

先程ご紹介した通り大きな飼育容器は開口部分が広いため、水面に風を当てて水温の上昇の緩やかにできますが、日光が照りつけるような環境ではパワーが足りず、どんどん水温が上昇してしまう危険があります。
そこで、特に夏場はすだれを使って日よけを作ったり飼育容器を軒下に移動したりして、程よい日陰を作りましょう。

水面を覆ってくれる浮き草や水生植物を多く配置するのもおすすめで、日を遮ってくれるのでメダカの良い休憩場所になりますし、より自然な水景が再現できるので鑑賞性も上がります。

まとめ:メダカを大きな水槽・容器で飼育するとどうなる?管理のコツも紹介


ボトルアクアリウムや小型水槽で飼育されることが多いメダカですが、45cm以上の大きな水槽やトロ舟で飼育することしか得られないメリットがたくさんあります。
特に、メダカが群泳する野生本来の姿を観察したいときは、ぜひ大きな水槽で飼育してみてください。

またその他にも、水温や水質の変化が少ない安定した環境を維持できる、繁殖効率がアップするといった利点があります。

一方で、大きな容器は広いスペースを占有しますし、病魚や不調のメダカを見つけにくい点には注意が必要です。
ろ過フィルターを設置して水質を維持したり、餌やりなどのタイミングでメダカ一匹一匹の様子を観察することを意識しましょう。

メダカ飼育には無限の楽しみ方があります。
飼育容器を変えるだけでも新鮮な発見ができますので、ご自分に合ったメダカ飼育のスタイルを探してみてください。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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