スポット模様が美しい魚10選！個性的でかわいい熱帯魚を紹介します

世界中の様々な魚種を飼育できるのは、アクアリウムの楽しみの一つです。
目にも鮮やかな色とりどりの熱帯魚や、大きくて迫力のある肉食魚、色合いは地味でも顔立ちに愛嬌がある魚なので、様々な魚を組み合わせて水槽の世界を作り上げます。

そんな水槽を作るにあたり、目を引くポイントとしておすすめなのが、体の模様に特徴がある魚達。
スポット模様と呼ばれる斑点を体に持つ熱帯魚・海水魚は、水槽内でもよく目立つ上に個性的な魚種が多いので、マスコット的な存在としておすすめです。

今回のコラムでは、スポット模様が美しい熱帯魚を10種類ご紹介します。
個性的でかわいい熱帯魚をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに個性的でかわいいスポット模様が美しい魚10選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

淡水魚、海水魚に関わらずスポット模様を持つ魚は数多く存在します。
比較的シンプルな魚種でも体に一つ模様があるだけで華やかになるため、一目を引く少し変わった魚をお探しの時は、スポット模様にも着目してみましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、個性的でかわいいスポット模様が美しい魚10選を解説します。

スポット模様が美しい魚10選

自然界では、外的から身を守るための目くらましのような役割を果たすスポット模様ですが、背景の少ない水槽内では逆によく目立つため、アクアリウムのポイントとしておすすめです。

ここでは、スポット模様が美しいおすすめの熱帯魚10種を詳しくご紹介します。

スポット模様も魚種によって形や数、入り方、色合いが異なるため、水槽の雰囲気に合う魚を探してみてください。

ミドリフグ

イエローグリーンに黒いスポット模様が入る美しい海水魚です。ヒレをパタパタと一生懸命動かす泳ぎや少し気の抜けた表情が愛らしく、人気があります。

アクアリウムショップで販売されている個体は3cm程度の幼魚が多いですが、成長すると10cmを超えるサイズになるため、飼育には60cm以上の水槽を用意しましょう。
赤虫などの活餌を好むうえに、フグ独特の食べ方が飼育水を汚しやすいので、こまめに水換えをして水質を維持してください。

また、ミドリフグの幼魚は汽水を好む性質があるため、購入直後の水合わせは慎重に行います。成長すると海水で飼育できるようになるので、様子を見ながら水質を切り替えていきましょう。

コリドラスパンク

体や尾ビレ全体に細かくはっきりしたスポット模様が入る淡水魚です。

最大体長は5cmほどで、コリドラスの中では長生きで強健なことでも知られています。

色合い自体はシンプルですが、はっきりしたアイバンドと黒い背びれ、全体のスポット模様が渋い魅力を持つ熱帯魚です。
コリドラス・アトロペルソナータス2（カネイ）と似ていますが、コリドラスパンクの方がスポット模様がはっきりしており、よりワイルドな魅力が感じられます。

マンジュウイシモチ

最大8cm程まで成長するテンジクダイ科の海水魚です。
体の中央の黒いバンドを境に、イエローと赤のスポット模様がはっきり切り替わる、とてもポップな印象の魚で、『イチゴパンツ』や『パジャマカージナルフィッシュ』などの可愛らしい別称を持つことでも知られています。

海水魚の中ではかなり温和な性質なので混泳魚としておすすめで、群れを作って漂うように泳ぐ姿は癒しを感じさせてくれます。
価格的にも購入しやすく、丈夫で人工飼料もよく食べてくれるため、海水魚の入門種にもおすすめです。

レオパードダニオ

名前の通り、体全体にレオパード模様（ヒョウ柄）が広がる小型の淡水魚です。スポット模様が爽やかな印象で、水草水槽によく映えます。

コイ科の入門魚として知られるゼブラダニオの近縁種で、飼育方法も同様、丈夫で餌も何でもよく食べるので、初心者でも飼育がしやすいです。
ただ、水槽内を活発に泳ぐため、飛び出し防止に水槽には必ず蓋をして飼育をしましょう。

また、ゆっくり泳ぐ魚と混泳していると相手の分まで餌を食べてしまうことがあるため、混泳魚がしっかり餌を食べているか確認するようにしてください。

スポッテッドマンダリン

インドネシアやオーストラリアのサンゴ礁に生息する、マンダリンフィッシュ（ニシキテグリ）の仲間です。
緑がかった体色に、ネオンブルー、オレンジ、黒が重なるスポット模様がとてもサイケデリックで、一匹でも非常に目を引きます。

唯一無二の魅力を持ったとても美しい魚ですが、飼育面では人工飼料への餌付けがかなり難しく、ハードルは高め。

マンダリンフィッシュと同じくプランクトン食で、主な餌は冷凍ブラインシュリンプや冷凍クリーンコペポーダなどの活餌になりますが、これらの餌は水を汚しやすいので、こまめに水換えをして水質の維持を心がけましょう。
小型のエビ類やヤドカリ、貝類を同居させて残った餌を食べてもらうようにすると、水換え頻度を減らすのに効果的です。

体長は最大で7cm程度なので、十分なろ過能力を備えれば30cm小型水槽でも終生飼育できますが、水を汚しやすいことを考えると60cm程度の水槽を用意した方が安定しやすくなります。

ボララス・マキュラータ

体長約2cm程の小型のコイの仲間です。とても小さな熱帯魚ですが、体の中央・尻びれ・尾の3か所に特徴的なスポット模様が入るため、大きさ以上の存在感があります。

同じボララスの仲間であるボララス・メラーとは印象がよく似ていますが、マキュラ―タの方が体色が濃く色揚げもしやすいので、飼いこむことで燃えるような赤色と黒のスポット模様をしっかり堪能できるようになるでしょう。

小型水槽から飼育ができるのもポイントで、水草をレイアウトした水槽で群泳させると見応えのある水景を再現できます。

ルビースポット・マグナムプレコ

ホワイトやオレンジのスポットが入るプレコです。最大体長40cmまで成長する大型種ですが、水玉模様のような配色がカジュアルで可愛らしいので、大型水槽に花を添える存在として人気があります。

自然下では渓流に生息しており、特に強い水流を好む品種なのでパワフルなろ過フィルターを使用して、水流を再現しましょう。水質の悪化に弱い面があるので、さらにエアレーションも追加すると安定しやすくなります。

総合して飼育難易度は高めですが、苦労してでも飼育したくなるような迫力と美しさを備えた魅力的な熱帯魚です。

パールグラミー

パールスポットと呼ばれる白いスポット模様と鮮やかな色彩が、優雅な印象を与えるグラミーです。
最大12cmほどまで成長するため、小型水槽では1匹いるだけでもかなりインパクトがあります。

基本的には温和で混泳しやすい魚種ですが、自分よりも小型の魚や同種には気が強くなりやすいので、混泳には注意しましょう。
スポット模様を持つ熱帯魚としては、古くから親しまれているポピュラーな品種です。

フラワートーマン

別名オセレイトスネークヘッドとも呼ばれる、最大体長50cm程の大型淡水魚です。

体側に入る”眼状斑”と呼ばれる眼にそっくりなスポット模様は、成長とともにオレンジ色に縁取られて見応えが増していきます。
また、体全体もメタリックグリーンやブルーが混じり合う複雑な色彩となる、とても美しい品種です。

安価で流通しているうえに温和で、人工飼料もよく食べるので、スネークヘッドの中では飼育がしやすい部類でしょう。

遊泳性が高いので、水槽内で格好良い姿を堪能できるのもポイントです。ただし、他のスネークヘッドと同様に水槽から飛び出してしまう可能性がありますので、水位を減らすか蓋の上に重りを乗せるかなどの対策をしてください。

チンアナゴ

砂からひょっこり顔を出す姿がユーモラスだと、一躍人気となったチンアナゴもスポット模様が特徴的な海水魚です。

チンアナゴというとオレンジに縞模様の印象があるかもしれませんが、こちらは『ニシキアナゴ』という近縁種。
正式なチンアナゴは、別名スポテッドガーデンイールとも呼ばれ、蛇のようなにょろにょろとした体全体に大小の黒い班模様が入ります。

また、チンアナゴは水族館にいるイメージがありますが、環境さえ整えてあげれば自宅で飼育が可能です。

飼育する場合は、底の深い水槽に底砂を厚く敷いて、砂に潜れるスペースを用意してあげましょう。
臆病な性格なので、水槽は静かな場所に設置してあげることも大切です。足音やドアの開け閉めなど些細な音にも敏感なので、驚かさないように注意してください。

初めのうちは砂からなかなか出てこないかもしれませんが、根気よく飼育を続けていれば、自宅飼育でも砂から顔を出す可愛らしい姿が見られるようになります。

まとめ：スポット模様が美しい魚10選！個性的でかわいい熱帯魚を紹介します

スポット模様が特徴的な美しい熱帯魚を10種ご紹介しました。

アクアショップでは、淡水魚・海水魚ともにスポット模様の魚がたくさん販売されています。
どの品種も個性的で存在感がありますので、水槽の雰囲気に合わせた魚種を選ぶと全体のバランスが取りやすいでしょう。

また、スポット模様の魚達はじっくり飼い込むほど本来の魅力を発揮する魚種が多いため、環境を整えて大切に育ててみることをおすすめします。

今回紹介した10種の熱帯魚は、いずれも入手しやすく比較的飼育も始めやすい魚種ばかりです。特徴的なお魚をお探しの場合はぜひ、スポット模様のある魚種も候補に入れてみてください。