オランダ獅子頭とは!飼育に必要な物、品種、大きく育てるポイント
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大きなヒレにモコモコした頭を持つオランダ獅子頭(オランダシシガシラ)は、大きく立派な体格が魅力の金魚です。
肉瘤が発達する品種で、丸い体型のタイプと長手体型のタイプが存在するなどバリエーションがあり、さまざまな派生品種も存在します。
また、可愛らしい顔立ちも人気の要因と言えるでしょう。
ここではオランダ獅子頭の特徴、飼育ポイント、品種、病気についてを解説していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに琉金について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
オランダ獅子頭は、肉瘤と大柄な体型が見ごたえがあります。
金魚のなかでも大型種なので、大きな飼育水槽が必要ですが、飼いこむ楽しみのある品種です。
ここでは、オランダ獅子頭についてを解説いたします。
オランダ獅子頭(オランダシシガシラ)とは
琉金と同じく、江戸時代に中国から輸入されてきた金魚で、当時は舶来物が珍しかったため、異国という意味合いで「オランダ」と呼ばれるようになりました。
さらに、発達した肉瘤から「獅子頭」の名前も付きました。
もとは琉金が突然変異して肉瘤が発達した個体を固定化したものです。
オランダ獅子頭の特徴や、体型のタイプについてご紹介します。
オランダ獅子頭の特徴
がっしりとした大きな体と、肉瘤と長いヒレが特徴です。
尾びれだけでなく各ヒレが伸びやすい傾向があり、横見だけでなく上からの鑑賞にも向いています。
丸形品種としては泳ぎが得意で、琉金よりも丈夫とされるほど強健です。ただし、大型に育つため終生飼育には90cm以上の水槽を使用します。
赤一色のものや、紅白の『更紗(さらさ)』、透明鱗を持つ『桜』、尾ビレが華やかな『ローズテール』、丸い体型の『バルーン』などの品種が流通しています。
さらに、『東錦』や『丹頂』など、オランダ獅子頭から派生した品種も根強い人気です。
オランダ獅子頭は丸形の金魚のなかでは、転覆病にかかりにくいといわれており、実際に琉金よりも消化不良になりにくいです。体型の丸い金魚は消化不良をこじらせて転覆症状が出ることが多いので、その点からも強健であるとされています。
体型と産地の違い
オランダ獅子頭の体型は、産地によって異なるのも特徴の一つです。
国産のオランダ獅子頭は背が長めの『長手体型』をしており、中国産の個体は体に丸みがある『丸手体型』をしています。
長い間、国産のオランダ獅子頭は数が少なく、非常に高価な金魚として愛好家たちに大切にされていました。
一方の中国産の丸いオランダ獅子頭は飼育用として比較的安価で流通しており、たくさんの方に育てられています。
このように、産地によって姿が異なるだけでなく立ち位置も異なる品種と言えるでしょう。
オランダ獅子頭の飼育に必要な物
オランダ獅子頭は下記の設備で飼育できます。
- 中型以上の水槽やトロ舟
- 上部フィルターや投げ込み式フィルター、またはスポンジフィルター
- 水槽用ヒーター
- 肉瘤が育つ専用の餌
- カルキ抜き
大きく育てる場合は、若魚の時点で60cm以上の水槽での飼育をおすすめしています。
水槽用ヒーターは室内飼育ではなくても問題ないですが、立派な体格に育てたい場合は使用すると成長を促せる設備です。
飼育に特に必要な水槽・ろ過フィルター・餌についてと、飼育ポイントや餌の選び方についてを解説していきます。
中型以上の水槽やトロ舟
室内飼育ではガラス水槽で飼育することが多いですが、屋外のトロ舟でも飼育できます。
体長は最大で約20cm以上に育つため、飼育水槽のサイズは60~90cm水槽以上がおすすめです。
ただ、餌のペースや水温などの要因で体長は前後しますので、中型水槽以上を用意しなければいけないほど大きく成長しないケースもあります。
そして、オランダ獅子頭は上部からの鑑賞性も高い品種なので、水槽ではなく『トロ舟』や『FRP水槽』などでの屋外飼育もおすすめです。
比較的低水温にも強いですが、凍結の心配がある寒い地域では高さのある飼育容器を準備して、水深を高く保つようにしましょう。
体が大きく育つため、水量もそこそこの量が必要です。飼育水作りに使う『カルキ抜き剤』は淡水用ならどの製品でも問題ありませんが、コスパを考えるなら固型タイプが良いです。
屋外飼育なら天日にさらしてカルキを飛ばした水も使用できます。
ポイント:飼育匹数の目安
飼育目安は体長7cmほどなら60cm水槽で3匹まで、体長13cm以上なら60cm水槽で1匹までです。
体長が大きいほどフンも大きくなり、飼育水を汚しやすくなるので、余裕のある飼育匹数を考慮しましょう。
ちなみに、たくさんの水量がある環境で少ない匹数を飼育したほうが、大きく育ちます。
オランダ獅子頭のろ過フィルター
オランダ獅子頭は上見から楽しめる金魚ですので、水槽の上部が解放できるようなろ過フィルターが向いています。
上記のような投げ込み式フィルターは、金魚飼育で多く採用されているろ過装置です。
エアーポンプと接続するため酸素供給が得意で、シンプルな構造ですが程よい水流を生み出しますので、丸い体型の金魚と相性抜群です。
金魚のろ過フィルターは、他に下記のようなろ過方式も一般的です。
- 上部式フィルター
- スポンジフィルター
いずれも、酸素供給力が高く、メンテナンスがしやすく清潔に保ちやすいという共通点があります。
金魚は極端な水質悪化を経験すると病気になりやすくなるため、飼育環境の清掃は定期的に行いましょう。
ポイント:底砂あり・なしは飼育方針による
底砂を敷くかしかないかは、飼育方針によって決めて良いでしょう。
- 底砂ありのメリット:底砂にバクテリアが定着するため水質安定効果が得られる。金魚が落ち着く。
- 底砂なしメリット:汚れを排出しやすく、清潔な環境を維持しやすい。
オランダ獅子頭は底砂利を敷かずにベアタンクで育てられます。水換えをどんどん行う飼育法では、敷かなても問題ありません。
しかし、バクテリアによるろ過能力を強化したい場合は底砂を敷き、バクテリアの定着面積を増やしましょう。
肉瘤を育てる餌について
オランダ獅子頭の魅力でもある『肉瘤(にくりゅう)』を育てる餌を与えることで、美しい姿に成長させることができます。
オランダ系専門の餌もありますが、『メディスーパーゴールド』など、肉瘤が発達する別の品種と兼用の餌でも問題ありません。
冷凍赤虫などの生餌も効果が高いですが、消化はあまり良くないので、人工飼料とローテーションしながら与えると良いです。
ポイント:給餌量とは
給餌量は2分で食べきれる量を目安にします。
1日2回など回数を増やして与えることで消化不良を防ぎながら大きな体格に育てられます。
オランダ獅子頭の仲間
琉金はポピュラーな金魚ですので、さまざまな改良品種がいます。
いずれもかわいらしく、鑑賞性の高い金魚たちです。
更紗オランダ獅子頭
紅白のオランダ獅子頭です。
モコモコとした肉瘤と紅白の体色が調和しており、オランダ系のなかでも可愛らしさと鑑賞性から、多く流通しています。
丹頂
白い体に赤い肉瘤が特徴的な品種です。
オランダ獅子頭から派生した金魚で、丸みのある体型をしています。
もとは中国で作出された品種ですが、日本人好みの趣から不動の人気を誇っています。
黒オランダ(ブラックオランダ)
海外から輸入されているオランダ系の金魚です。
ブラックではあるのですが、他の形質が混ざって現れることもあるため、純粋な黒に近い部分が多い個体ほど高グレードとして人気があります。
飯田オランダ獅子頭
長野県飯田市で養殖されている、国産ブランドのオランダ獅子頭です。
赤が強く発色することで有名で、日本の水質に良くなじみ飼育しやすい金魚のため、愛好者が多くいます。
東錦
オランダ獅子頭と三色出目金の交配で生まれた、キャリコ模様(赤・白・黒の3色模様)が美しい品種です。
体長は最大で20~25cm程度と、オランダ獅子頭ほど大型には育たないため、水槽飼育に向いています。
ローズテールオランダ
タイで多く養殖されている品種で、花のように広がる美しい尾びれと丸い体型が特徴です。
個体ごとに仕上げる高級金魚で、オランダのなかでも非常に高額な価格で流通しています。
タイガーオランダ
虎柄模様の品種です。
オレンジに近い朱色と墨の模様が美しいオランダで、海外から輸入されています。
ローズテールの特徴を持つ個体は、高額で流通している高級金魚です。
オランダ獅子頭を大きく育てる方法と病気について
オランダ獅子頭は特別な飼育を行わなくても、そこそこ大型に育つ金魚です。
しかし、餌の回数が少なかったりすると、それほど大きくならないことがあります。
より早く・大きく育てるポイントや、成長の妨げになる病気などを解説します。
大きく育てるにはこまめな管理を行おう
オランダ獅子頭だけでなく、金魚はこまめな管理で大きく育てることができます。
- 水換えを3日~5日に一度行う
- 餌を一日2~3回に分けて与える
- 水温を25度程度に固定する
- エアレーションを行う など
水換えは金魚の交感神経に刺激を与えられますので、適切な方法で行えば成長を促せます。
餌は少ない量を複数回に分けて与えるのがおすすめです。
金魚は消化不良を起こしやすいため、効率よく栄養を吸収させるには腸に負担がかからない少量が良いと言えます。
また、金魚は変温動物ですので、消化能力は水温によって変わります。
そのため、20度以下では便秘や消化不良を起こしやすくなるので、大きく育てる場合は水槽用ヒーターで保温しましょう。
オランダ獅子頭の病気について
金魚は長生きをする魚ですが、病気にかかってしまうことも少なくありません。
罹病すると、まったく病気をしたことが無い個体と比べて、成長に影響が出てしまうことがあります。
金魚全体として下記の病気にかかりやすいです。
- 尾ぐされ病
- 白点病(寄生虫)
- 水カビ病
- エラ病
- 赤斑病(細菌感染症)
- 転覆病
- 松かさ病 など
沢山あるように思えますが、寄生虫以外のほとんどの病気は、清潔な飼育環境を維持していれば防ぐことが可能です。
金魚飼育では日頃のメンテナンスが健康に育てるための、なによりのポイントです。
金魚の病気治療についてはこちらのコラムをご覧ください。
まとめ:琉金とは!特徴から飼育に必要な物、品種、消化不良と病気を解説
オランダ獅子頭は大型金魚ならではの見応えと、かわいらしい表情が魅力の品種です。
小型水槽で終生飼育は出来ませんが、手をかけただけ立派に育ってくれます。
肉瘤と長く美しいヒレ・鮮やかな体色を楽しめるため、観賞魚としてもペットとしても長く愛好されている金魚ですので、ぜひ飼育を楽しんでください。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
こんにちは、いつも頼りにしています。
4年目のオランダ系金魚です。鼻の突起から肉瘤が出来、今では直径1センチ以上になってしまい、鼻先に大きなボールがぶらぶらしている感じてす。取ってあげたいのですが、ハサミで切ることになるでしょうか?消毒も必要かと。なにかアドバイスが頂けるならお願いします。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
ポックス病の可能性があります。無理に切り取ると再発しやすいのでそのままが良いです。
ポックス病自体で金魚が死んでしまうことはなく、肉瘤は自然に取れることもあります。
こまめに水換えを行い清潔な環境を維持しつつ、様子を見てあげてください。
こちらのコラムもご参照ください。
・熱帯魚の病気を症状別に解説!魚の泳ぎ方・体表の変化と治療・対処法
https://t-aquagarden.com/column/tropical_fish_treatment
よろしくお願いいたします。
早速にお返事頂きありがとうございます。お返事画面を拝見したのが本日だったのでお礼が遅くなり申し訳ありません。切り取らないで良かったです。ほっとしました。自然に取れるのを待っていましたが、このまま待つことにします。本当にありがとうございました。