淡水魚とは!分類からアクアリウムで飼育できる淡水魚と飼育ポイント
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ネオンテトラにグッピー、エンゼルフィッシュなど、アクアリウムの定番種とされる熱帯魚の多くは、淡水魚という世界の淡水域に生息する魚達です。
しかし、同じ淡水魚でも原産地が異なれば好む水質や水温が変わりますし、大きさも数㎝の小型種から1mを超えるような大きな魚まで様々。
そのため、自宅で淡水魚を飼育する際は、同じ淡水で飼える魚だからとまとめてしまわずに、似たような性質を持つ魚同士を組み合わせて飼育する必要があります。
今回のコラムでは、自宅で飼育できる淡水魚を、大きさや生息場所に分類してご紹介します。
淡水魚の飼育ポイントも解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにアクアリウムで飼育できる淡水魚の分類と飼育ポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
魚には海に住む海水魚と川や沼にいる淡水魚がおり、淡水魚の方が比較的飼育がしやすいと言われています。
しかし、淡水魚といってもかなり種類が多いので、それぞれの性質や大きさを把握した上で飼育することが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アクアリウムで飼育できる淡水魚の分類と飼育ポイントを解説します。
淡水魚とは
淡水魚とは、一生またはそのほとんどを湖や沼、川などの淡水域で過ごす魚のことです。
現在、約1万2000種以上の種類が確認されており、アクアリウムでよく飼育されるテトラ類などの熱帯魚、メダカやコイなどの観賞魚はすべて淡水魚に分類されます。
日本では水道水のカルキを抜けば、そのまま飼育することができるため管理がしやすく、アクアリウムの入門種としておすすめされることも多いです。
アクアリウムでは淡水だけで飼育できる魚
淡水魚として分類される魚には、
- 生まれた川でそのまま一生を過ごす魚(ネオンテトラ、メダカなど)
- 一度海に出た後、成長とともに川に戻ってくる魚(アユなど)
- 産卵のために海と川を行き来する魚(サケ、ウナギなど)
- 淡水域と海水域のどちらでも生きられる魚(ボラなど)
というように様々な習性を持つものがいます。
意外にも淡水と海水を行き来する魚は多く、厳密に淡水魚と海水魚を分類することは難しいのです。
しかし、自宅で魚を飼育する場合、海水域と淡水域の両方を水槽の中に再現することはできませんので、どちらかの環境に適応した種類を飼育する必要があります。
そのため、アクアリウムで淡水魚というと、基本的に淡水のみで飼育できる魚を指すのが一般的です。
淡水魚の特性
海水魚と淡水魚を比較してみると、淡水魚の特性が見えてきます。
この特性は、水槽内の環境を整えたり、魚種を選んだりする際の参考になりますので、頭の片隅に入れておきましょう。
淡水魚は生息する水域が狭い
淡水魚は生息する水域がかなり限定されます。
広い海を住処とする海水魚は時に数千km~数万kmもの距離を移動することもある、まさに世界中の海を旅する魚ですが、淡水魚は生まれた場所で一生を終えることがほとんどです。
そのため、淡水魚は生まれた場所の水質に馴染んでいる品種が多く、水槽でも原産地の水質を再現してあげると調子よく育てられるでしょう。基本的には水道水を使用し、調整が必要な部分は水質調整剤やろ材、底砂などで補うと良いです。
一方、海水魚は魚種による水質の違いはあまりありませんが、必ず人工海水を使用する必要があります。
淡水魚は個性豊か!
生息域が狭い淡水魚ですが、似たような魚ばかりということはありません。
海水魚にも負けないぐらい個性豊かな品種が揃っています。
体色はナチュラルなシルバーや薄い黄色のものから、青、赤、緑など様々で、例えばネオンテトラは名前の通り、ネオンのように輝くメタリックブルーが美しい品種です。
その他にも、底砂をつつく仕草が特徴的なコリドラス、キスをする魚キッシンググラミー、全身に微弱な電気をまとうブラックゴーストなど、仕草や特性に特徴を持つものも。
比較的穏やかで混泳できる品種が多いので、相性を見ながら自分だけの混泳水槽を作れるのも淡水魚ならではの楽しみです。
淡水魚の分類
淡水域のみで生活する魚たちは、純淡水魚と二次性淡水魚という2つのグループに分類することができます。
純淡水魚:沼や川で生活する魚
海水域に侵入することなく、一生を沼や湖、川で過ごすのが純淡水魚です。
コイ科やドジョウ科の魚を中心に、多くの淡水魚がこのグループに属します。アクアリウムショップで販売されている熱帯魚の多くも純淡水魚です。
二次性淡水魚:海水にも耐えられる魚
淡水魚でありながら、少しの間ならば海水で生きることができる魚を二次性淡水魚と言います。
メダカの仲間やティラピアなどがこのグループに属しており、大雨などの影響で偶発的に海まで流されてしまっても、短期間であれば海水で生活することができる器用さ備えた魚達です。
ただ、二次性淡水魚は好き好んで海水域に侵入するわけではないので、長期間海水に生息できるわけではありません。
飼育する際は純淡水魚と同様淡水で飼育しましょう。
アクアリウムで飼育できる淡水魚
ここからは、アクアリウムで飼育することを想定して、大きさ別に淡水魚を分類してみましょう。
まずは熱帯魚を小型魚、中型魚、大型魚に分けてそれぞれの代表種や飼育のポイントをご紹介します。
また、身近な魚ということで、日本に生息する淡水魚についても触れていきますので、川遊びなどで捕まえた魚を飼育したいと考えている方は、ぜひご覧になってみてください。
小型熱帯魚
小型熱帯魚は大半が体長~5cm程度、大きくても10cm以下の小さな魚達です。
有名どころではネオンテトラやアカヒレ、グッピーがあげられます。
比較的飼育がしやすい品種が多く、小型水槽で飼育できるためアクアリムの入門種として名が挙がる魚が多いです。
群れる習性があり複数匹で飼育すると見られる見事な群泳は、大型魚にも引けを取らない迫力を持ちます。
温和な性格の品種が多く、複数種の混泳にも最適です。
中型熱帯魚
おおよそ10~30cm前後の魚が中型熱帯魚です。代表的な品種はエンゼルフィッシュやグラミーの仲間など、どれも水槽のメインにおすすめの魚ばかり。
体長が大きくなるほど、ユニークな形状の種類が増えて、程よいサイズ感でちょっと変わったシルエットを楽しめるのが中型熱帯魚の魅力です。
中型熱帯魚を飼育する場合は、最低でも60cm以上の水槽を用意しましょう。魚種の最大体長によっては90cm水槽が必要になることもあります。
また、中型熱帯魚の中には縄張り意識や肉食性が強いものも多いです。
小さな魚やエビと一緒に飼育すると、それらを食べてしまう可能性があるため、混泳する際はよく習性を確認したうえで、注意深く種類を選びましょう。
大型熱帯魚
体長30cm以上になる大型熱帯魚は、一匹でも大満足の迫力ある品種ばかり。
アロワナやポリプテルスなどの大型種はアクアリストの憧れで、一度は飼育してみたいと考える方は多いです。
体が大きい上に肉食性が強く水を汚しやすいため、120cmクラスの大型水槽での飼育が推奨されます。それに伴いろ過器などもスペックの高い機種が必須です。
他の魚を食べてしまう可能性があるため、単独飼育が基本ですが、水槽の大きさや種類によっては、プレコの仲間などと混泳できることもあります。
総じて飼育難易度が高い種類が多いですが、大きな水槽や機材が用意できれば比較的容易に飼育できる品種もいます。
スペースに余裕のある方は、飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
日本淡水魚
日本に生息している在来種の淡水魚は、日本の水に慣れており、水道水の水質で比較的簡単に飼育が可能です。
モロコやモツゴ、ギンブナなどがアクアリウムでよく取り入れられる日本淡水魚で、ナチュラルな美しさを持った品種が多いのが特徴。オイカワやカワムツなどは体色が特に鮮やかで、観賞魚としてとても魅力的です。
水草や石組みで作る川辺を再現した自然なレイアウトに入れると、より力強さが際立ちます。
高水温や酸素不足に弱い傾向があるため、飼育する際はしっかりエアレーションをして、酸素を供給するようにしましょう。また、強い水流を好む品種が多いので、ろ過フィルターや水流ポンプで川の流れを再現してあげると良いです。
日本淡水魚は、お店で購入することもできますが、川に行って自分で魚を捕まえてくるのもおすすめです。ただし、必ず捕獲が許可された場所、期間であることを確認したうえで、飼育できる数だけを捕まえるようにしてください。
淡水魚の飼育ポイント
淡水魚の中には、ある程度水質に適応することができる品種もいますが、基本的には原産地に合わせた水温、水質で飼育するのが上手に育成するポイントです。
加えて混泳水槽の場合は、魚同士の相性を考えて、狭い水槽の中でどの魚を組み合わせたら良いかを考えることも必要となります。
得意な水質・水温を再現しよう
魚には原産地によって得意な水温や水質がありますので、水槽の中でも飼育水をできるだけその環境に近づけてあげるのがおすすめです。
特に熱帯魚の場合は一年を通して水温を一定に保つ必要がありますので、水槽用ヒーターが必須です。大体25~26℃の水温を得意とする魚種が多いので、加温して水温を維持しましょう。
水質については魚種により様々ですが、幸いなことに日本の水道水は綺麗で水質が中性付近で安定しているため、カルキを抜くだけで特に水質を調整しなくても飼育できることが多いです。
ただし、熱帯魚の種類によってはpHや硬度を調整する必要がありますので、飼育前によく確認しましょう。
水質を調整するアイテムには、水質調整剤やろ材、ソイルなどの底床材があげられます。
この中で、飼育し始めに役立つのが水質調整剤です。pH調整効果だけでなく、水槽に必要な栄養素やバクテリアが含まれているものもあるため、立ち上げ初期の不安定な水質を早く安定させるのに役立ちます。
混泳相性や過密飼育に注意
淡水魚は海水魚に比べると小型で穏やかな性格の魚が多く、複数種を混泳させやすいという特徴があります。
しかし、どの魚でも一緒に飼えるというわけではないため、混泳を考える際は以下の点を確認しながら、相性を見極めて魚種を選定していきましょう。
- 魚同士の体長
- 性格・食性
- 得意な水温・水質
- 飼育数
魚同士の体長
魚の混泳では体の大きさが同じくらいの品種同士を組み合わせるのが鉄則です。
あまりに体の大きさが違い過ぎる組み合わせは、肉食魚で無くても小さな魚が口に入ってしまう危険がありますし、小型魚が大きな魚に威圧されてストレスから体調を崩してしまうことも考えられますので、避けましょう。
性格・食性
縄張り意識が強い、気性が荒いなどの性質を持つ魚種は小競り合いに発展しやすいので、混泳には注意が必要です。
一見穏やかな魚でも、特定の魚種に対してのみ気が荒くなるなどの注意書きが付くこともありますので、よく性格を確認してください。
肉食性がある魚も他の魚を傷つける可能性があるため、混泳できない場合が多いです。
得意な水温・水質
得意な水温や水質がかけ離れている魚種同士を組み合わせるのも止めましょう。どちらかに合わせるともう一方が体調を崩してしまいますし、調度良いバランスを見極めるのがかなり難しいです。
原産地が同じ地域の魚同士を組み合わせると、管理がしやすくなります。
飼育数
小さな魚でも、あまりに数が多いと水槽の中が窮屈になって小競り合いにつながる可能性があります。また、水が汚れるスピードが速くなり病気や体調不良が多発することも。
水1Lにつき体長1cmを目安に過密飼育に気を付けましょう。
まとめ:淡水魚とは!分類からアクアリウムで飼育できる淡水魚と飼育ポイント
今回は淡水魚の分類や飼育のポイントについて解説しました。
日本ではカルキを抜いた水道水で飼育することができるため、初心者でも管理がしやすくアクアリウムの入門種にもおすすめの淡水魚。
基本的には塩分のない淡水でのみ生きる魚ですが、中には短時間であれば海水にも適応できる器用な品種もいるのは、意外な事実だったのではないでしょうか。
淡水魚を飼う時は、できるだけ原産地の水質・水温・水流などの環境を再現してあげると健康に飼育しやすくなります。
海水魚に比べて混泳しやすい品種が多いですが、魚種同士の相性がありますので、混泳前によく確認してください。
それぞれの淡水魚の特徴を理解して、得意な水質や水温を整えることで、小さなアクアリウムでも自然に近い発色や繁殖行動を観察できるようになります。
このコラムで、奥深い淡水魚の世界を垣間見ることができたなら幸いです。
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