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金魚すくいは、昔も今も子供たちに人気のイベントです。
ところが「金魚すくいの金魚は、すぐに死んでしまう」と言われることが多く、実際に翌日には死んでしまった、という悲しい思いをする方もいます。
しかし、ちょっとした工夫で金魚を長生きさせることは可能です。
今回は金魚すくいですくった金魚の持ち帰り方や、長生きさせるポイントなどについてお話していきます。
また、「金魚を連れて帰ったけど、飼育容器が無い!」場合の対処方法も紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚すくいの金魚のケア方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
金魚すくいの金魚は短命だ・・・とよく言われますが、実際には10年以上生きるポテンシャルを秘めています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚すくいの金魚の飼い方や長生きさせるケア方法を解説します。
金魚すくいですくった金魚がすぐに死にやすい理由とは?
一般的にお祭りの金魚すくいですくった金魚は、弱くてすぐに死んでしまうと昔からよくいわていますよね。
しかし、持ち帰った後の扱い方によっては、金魚は非常に長生きします。
「お祭りで掬った金魚が、すっかり大きくなって10年くらい長生きした」という体験談を聞くこともあるのはそのためです。
ここでは金魚の寿命やすぐに死んでしまう主な原因を解説します。
金魚すくいの金魚はストレスを感じている
一般的に金魚の寿命は10~13年です。この寿命は金魚すくいの金魚も同じです。
ではなぜ金魚すくいの金魚が短命なのかというと、まず「強烈なストレス」がかかっていることが挙げられます。
金魚すくいは金魚を追いかける遊びの一種です。
掬われる金魚からしたら、
- 追いかけられる
- 照明がまぶしい
- 隠れ場所が無い
- 過密に泳いでいる
という状況なので、どうしてもストレスフルな状況と言えます。
また、金魚の養魚場からお祭り場所までの移動でストレスを感じています。
家まで持ち帰るときには袋の中にいるので、揺れが止まらず金魚に負担がかかりやすいのです。
水質変化に弱い状態になっている
金魚が長時間強いストレスを受けると、金魚の体の中でコルチゾールというホルモンが増えていきその結果、血糖値が上がったり白血球が激減すると言われています。
つまり疲労困憊で弱っている状態です。
すると水質の変化に弱くなったり、病気にかかりやすくなったりします。
つまり、いきなり環境がかわると、より弱りやすくなっていると言えます。
■豆知識:弱っている金魚をすくわないようにしよう!
体力が落ち、弱ってきている金魚は大人しく、動きも緩やかなので狙いやすい状態になっています。
健康で元気な金魚は動きが早いので、金魚すくいに慣れていない人はなかなかうまくすくうことができません。
これらのことを考えると金魚すくいのときは、すくうのが大変でも動きの速い元気な金魚を狙うと体力のある、長生きしやすい金魚を確保できます。
金魚すくいですくった金魚の持ち帰り方
金魚すくいですくった金魚は、持ち帰りのときからなるべくストレスを減らすよう注意する必要があります。
持ち帰りの時の注意点をいくつかまとめてみました。
水は多めに入れてもらう
金魚すくいですくった金魚をもらうときは、水はなるべく多めに入れてもらいましょう。
これはなぜかというと、持ち帰り用の袋の中で金魚がフンをしてしまった場合、水質が悪化してしまうためです。
家に着くまでの間とはいえ、水質が悪化してしまうと金魚にストレスがかかってしまいます。
そこで水が多ければ水質悪化のスピードが遅くなりますし、極端な水温変化も防げるのです。
金魚をすくったらすぐに帰る
お祭りの最中に金魚すくいをする方は多いですが、金魚すくいで金魚をもらったときは、すぐに帰宅するようにしましょう。
ビニール袋に水を入れた状態では、外気温の影響を受けて水温の変化が激しくなります。
そして金魚は水中から酸素を得ているので、長時間少ない水の中にいることで酸欠になってしまうこともあるからです。
振動をあたえないようにする
金魚をもらってから帰宅までの間の振動は避けられないものです。
電車などの乗り物に乗っているときでも、金魚の入っている袋に振動は少なからず伝わります。
いくら水中に入っていて硬いものにぶつかることがないといっても、水中にいる金魚はきちんと振り回されている状態や振動を認識し、ストレスを感じてしまいます。
あまりに大きい揺れや長時間続く振動などは金魚にストレスを与え弱ってしまう原因になります。
金魚をやさしく水槽に導入する方法
金魚が今まで入っていた水の水温や水質は、新しい水槽のものとは異なります。すぐにドボンといれてしまうと、金魚に大きな負担がかかってしまうのです。
まずは水温合わせと『水合わせ』とよばれる作業を行い、やさしく導入してあげましょう。
金魚を水槽に導入する手順
- カルキ抜きした水を水槽にいれたら、袋のまま金魚を20分ほど浮かして、水温を合わせる。
- 金魚の袋の水を1/2ほど捨て、かわりに水槽の水を少しずつ注いでいく。7分間隔で3回ほど注ぐ。コップを使うと便利です。
- 袋の水をなるべく捨てて、金魚を水槽に放す。
この手順を経ることで、金魚は新しい水に無理なく馴染むことができます。
カルキ抜き剤が無い場合の対処法
「いきなりだからカルキ抜き剤が無い!」という場合には、水道水を鍋などで沸騰させるのがおすすめです。
良く冷めたらビニール袋などに空気と共に入れ、よくシェイクして酸素をふくませればカルキ抜きした水のできあがりです。
他には「ポッカレモン」などのビタミンCを1Lに2~3滴ほど加えてで中和する方法があります。
カルキ抜き剤は100均やホームセンターなどでも売っているため、帰りに立ち寄るのもおすすめです。
ろ過フィルターを入れたら完了じゃない!
ろ過フィルターを入れたら、金魚たちに酸素供給ができるし、ろ過もできるし一安心・・・ではありますが、しばらくはこまめな水換えが欠かせません。
というのも、水をきれいにしてくれる『バクテリア』が飼育容器内に棲みつくことで、金魚に良い水ができるのですが、そのバクテリアが定着するまで約4週間ほどかかるからです。
それまでは2~3日に1回1/2以上の水を換えて、金魚にとって悪い物質(フンなどから発生するアンモニアなど)が溜まらないようにしてあげましょう。
金魚を掬ったけど水槽が無い場合の対処法
金魚すくいは突発的に遊ぶケースがほとんどで、「すくったけど家に水槽が無い!」ということも良くあります。
そんな時は、以下の容器で急場をしのぐことができます。
- バケツ
- 発泡スチロール箱
- 虫かご(プラスチック製)
- 大きめのボウル、洗面器
- 大きめのボトル
- プラスチックケース など
バケツはサイズによりますが5~10L程度の水が入る頼もしい容器です。
これだけ水量があれば、ぶくぶく(ろ過フィルター)がなくても丸1日程度なら耐えることができます。
また、発泡スチロール箱は屋外飼育で使用されることもあるポピュラーな飼育容器として人気があります。
じつは金魚は、1匹あたり10L以上の水量とろ過フィルターがあれば、バケツや発泡スチロールでも終生飼育が可能な生き物です。
しかし、横から観賞できないので、よく観察したい・可愛がりたい場合にはやはりガラス製の水槽の購入をおすすめします。
とりいそぎ、金魚を大きめの容器にいれたら、なるべく早めにろ過フィルターを購入しましょう。
洗剤には金魚が苦手な「界面活性剤」などの成分が含まれているためです。
金魚すくいですくった金魚を長生きさせるコツとは
金魚すくいですくった金魚を長生きさせるコツは、やはりこまめなお世話です。
ここでは、金魚が長生きしやすくなるお世話のポイントをご紹介します。
すくってから3日は餌を与えない!
「お腹を空かしてしまうのではないか」と思われがちですが、金魚はなかなかに省エネな生き物ですので、数日間食べないことが原因で弱ることはほとんどありません。
新しく飼い始めてからすぐに餌を与えてしまうと、環境に慣れようとしている金魚の体力をさらに奪ってしまうので、落ち着いてくる2~3日後に与えるのがおすすめです。
また、餌を食べるとフンをします。フンをすると水中にアンモニアが溜まりやすくなる(=水が汚れてしまう)ので、飼育機材が揃っていないうちは1分で食べきれる量など、控えめに与えるようにしましょう。
こまめに水換えと掃除をする
金魚はとても大食漢な魚です。
餌を与え始めると実感すると思いますが、よく食べよくフンをします。
すると飼育水はあっという間に汚れてしまうので、餌を与えたらその分だけきれいに掃除をしてあげるようにしましょう。
『プロホース』などのクリーナーポンプを使用すると楽に汚れと水を吸い出せます。
また、ろ過フィルターを使用することで水換えやお掃除ペースを減らすことができます。
おすすめはろ過と水中の酸欠を防ぐためのエアーを兼ね備えた投入式のエアーポンプです。ろ過とエアーの機能を兼ね備えていますし、お手入れも比較的楽に行うことができます。
金魚水槽のお掃除方法についてはこちらの記事をご覧ください。
金魚の隠れ家を作ってあげる
ずっと見られているのがストレスとなることもあるので、水草や石などで金魚が隠れることのできる場所を作ると、金魚のストレスが軽減されやすくなります。
水草は飼育水をきれいにする効果もあるので一石二鳥です。
しかし、金魚は水草をおやつとして食べてしまうことがあるので、その場合は『人工水草』をレイアウトしてあげると良いでしょう。
また水槽を置く場所も人通りが激しい場所や、振動の多い場所だとストレスを感じてしまうことが多いです。
そのため飼育容器は静かな場所に置くことをおすすめします。
金魚水槽におすすめの水草についてはこちらの記事を参考にしてください。
金魚水槽に追加する場合はトリートメントをしよう!
「自宅にすでに、金魚の水槽があるんだよね」という場合には、追加して飼育することも可能です。
しかし、金魚すくいの金魚は上の項目で書いた通りに強いストレスを抱えて弱っています。
そこで既存の金魚水槽に追加すると、病気を発症してしまい、それが飼育している他の金魚に感染するケースもあります。
恐ろしいことですが、このケースで金魚を亡くしてしまう飼育者の方も多いです。
トリートメントのやり方
バケツなどの隔離容器で、1週間ほど薬浴を行い、その後、塩水浴などをして様子を見ます。
やり方はとても簡単で、バケツにカルキ抜きでカルキを抜いた水か、汲み置きした水、そして殺菌用の薬を入れます。
薬は幅広い病気に効果がある『グリーンFゴールド顆粒』がおすすめです。この時、エアレーションは必ずつけてあげましょう。
こうして5~7日したらほぼ殺菌は終わりです。次に塩水浴に移行して1週間ほど養生させます。
塩水浴は1Lに対して5gの塩を入れる計算です。
このトリートメント期間中に不調が見られなければ、ひとまず追加してもトラブルにならない可能性が高いです。
薬浴と塩水浴は同時に行うことも可能です。
こちらのコラムもご参照ください。
金魚すくいでゲットした金魚の扱い方とは?持ち帰りから飼育方法までまとめ
今回は金魚すくいですくった金魚の持ち帰り方や、長生きさせるポイントについてお話しました。
- 金魚を掬ったらすぐに家に帰る
- 袋は揺らさない
- 水合わせする
- 餌はすぐに与えない
- 水槽が無くてもバケツなどで代用可能
ということを知っていれば、突発的に金魚すくいを行っても、困らない・長生きさせることができる可能性がグンと上がります。
適切にケアをしてあげれば、金魚すくいの金魚は長生きしますので、ぜひ可愛がってあげてください。
金魚すくいについてはこちらの記事も併せて読んでくださいね。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
こんにちは!初めまして!
私は飼っている和金ちゃんたちがいてその子は金魚すくいでとってきた金魚なんですけど、白点病にかかってしまって初めて塩分浴をさせるんですけど5gの塩を専用容器に入れエアーも入れて1週間様子を見る感じの手順で塩分浴をさせようと思うんですけどそのあと1週間の対応はどうすればよいでしょうか。伝わりにくかった場合などがございましたらまたコメントをよろしくお願いします!
コメントありがとうございます。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
白点病は塩水浴だけでは治療できないため、薬浴を行うのが良いです。塩は1Lに5gですので、水量に合わせて増やしましょう。
アグテン、ヒコサンZ、メチレンブルー、グリーンFクリアーなどの魚病薬が効果あります。
その際に塩も併用することができます。
こちらのコラムもご参照ください。
・白点病の初期症状とは!体をこする・白い粒が付くなど前兆を解説
https://t-aquagarden.com/column/symptoms_whitespot_disease
よろしくお願いいたします。