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美しい体色が魅力の『金魚』は水草の緑色とも相性抜群で、「水草の中を泳ぐ金魚を見ているだけで癒される」という愛好家は多いです。
しかし、金魚には「水草を食べる」という特徴があり、せっかくきれいにレイアウトした水草が餌のように食べられてしまうことも少なくありません。
植物性の栄養が豊富な水草は金魚の健康維持に役立ちますが、レイアウトとして維持するためには食べられにくい種類を選択する必要があります。
ここでは、「金魚のおやつになる水草」と「金魚水槽にレイアウトとして使える水草」この2つの観点から、金魚に最適な水草・浮き草をベスト10形式でご紹介します。
目次
プロアクアリストによる金魚に最適な水草を解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
水草をレイアウトした水槽の中に金魚を泳がせたいときには、金魚の食性を考慮しながら水草選びをすることが大切です。
東京アクアガーデンでは、金魚の健康と水草の維持を両立した水槽作りを行っております。
5000件を超す水槽設置の中で培った魚飼育のノウハウをふまえて解説していきますので、ぜひご覧になってください。
金魚と相性の良い水草を動画で見る!
金魚と相性の良い水草について、YouTube動画でもご覧いただけます。
金魚と一緒に育てられる水草を音声付きでわかりやすく解説しています。
東京アクアガーデンでは人気の記事やレイアウト法などを随時まとめ、YouTubeチャンネル「トロピカチャンネル」でご紹介しています。
水草水槽のレイアウト方法や熱帯魚飼育の疑問まで、続々アップしていきますので、ぜひご覧ください。
金魚は水草をよく食べます
金魚はもともと、強い草食性の遺伝子を持つフナ科の魚ですから、水草をよく食べます。
食欲旺盛ということもあって水草をみつけると積極的に口に入れてしまうため、「せっかく植えつけた水草が翌朝には水面に浮いていた」というのは金魚をはじめて飼育する場合によく見かける光景です。
人間には美しい水景を再現する素材の一つである水草も金魚にとっては『おやつ』にすぎませんが、植物性の栄養が豊富に含まれていて消化も良いことから、水草は金魚の健康維持に役立つ側面もあるといえます。
しかし、水草の成長速度が遅ければ食べきって水草がなくなってしまいますし、レイアウトとして入れた水草を毎回食べ散らかされてしまっては困りものです。
そんなときには、水草の特性を考慮しながら水槽に入れる水草を選ぶと良いでしょう。
金魚に好んで食べられる水草がある一方、葉が硬くなかなか食べられない水草もあります。レイアウトにはこちらの葉が硬いものを選ぶと食べられてしまう心配がなくなります。
金魚のおやつ用の水草と、レイアウト用の水草を分けて考えることで、美しいレイアウトを維持しつつ金魚の健康にも配慮した水槽を作ることができます。
金魚に最適な水草・浮草ベスト10
今回は「金魚のおやつになる水草」と「金魚水槽にレイアウトとして使える水草」、この2つの観点からおすすめの水草を10種類選抜してご紹介します。
ちなみに、金魚の健康状態はフンの状態で見極めることが可能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
■1位 マツモ
マツモは金魚藻とも呼ばれるほど、金魚と相性が良い水草です。
- 食べやすさ
- 成長速度
- 柔らかさ
- 金魚の隠れやすさ
など、どれを取っても金魚向きの万能な水草といえます。
成長力が高く、照明や水温の維持など少し手を加えるだけで簡単に増えますし、金魚に食べられてもすぐに再生します。もちろん、二酸化炭素の添加なども必要ありません。
また、マツモは葉から栄養を吸収しますので、茎から植え付ける必要もありません。レイアウト向きとは言えませんが、金魚水槽に入れられて育成がこれほど簡単な水草はないでしょう。
一方で、植え付けられるだけの根が生えてこないため、位置を固定したり、沈めたりする場合は水草専用のおもりやセラミックリングなどを付ける必要があります。位置を固定することで金魚も食べやすくなります。
成長力が高いことで水中の栄養素をよく消費するため、コケの発生原因である富栄養化を防ぐことも可能です。
そんな総合評価の高いマツモですが、実は水温の上下に弱いという弱点があります。「うっかりバケツに入れたままにしていたら、翌朝には葉がバラバラになっていた」ということも珍しくありませんので、水温の変化には注意してあげましょう。
以下の記事でマツモの育て方や増やし方、溶ける場合の対策などを解説しておりますので、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。
■2位 アナカリス
アナカリスは、別名・オオカナダモとも呼ばれる金魚水槽では一般的な水草です。
成長速度が速く、もし下の方を食べられてしまっても茎が残っていれば問題なく育ちます。食べられた部分をトリミングして水槽に戻すことも可能です。
マツモと同様、成長力が高いため、増えて水の富栄養化を防いでくれます。さらに、水温の変化にも比較的強く、丈夫さではマツモよりも数段上といえるでしょう。
茎がしっかりしているため、金魚にとって食べやすいタイプの水草です。
注意点はマツモと同じで根がほとんど生えませんので、レイアウトには重りが必要です。購入時についている鉛は金魚に悪影響を与えるため、そのまま使用しないようにしましょう。
水草専用のおもりなどに付け替えると安全です。また、葉が硬いためかコケが着く場合があります。
アナカリスの育て方については、以下の記事でご紹介しています。増やし方や植え方も解説しておりますので、ご覧になってください。
■3位 カボンバ
カボンバは、マツモやアナカリスと同じく金魚藻と呼ばれるグループの水草です。
入手しやすいこともあって、金魚の水草と言われて1番に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。柔らかくふさふさした葉と柔軟性のある茎は金魚との相性も抜群で、食べたり、隠れたりと存分に活用してくれます。
しかし、カボンバは光量にうるさく、光が足りないと枯れることがあります。馴染みやすいイメージとは裏腹に、金魚藻の中では1番育成しにくい水草です。
また、その柔らかさから意外と金魚が食べにくいこともあります。食べる際に千切れた葉は、腐敗して水の富栄養化をおこすだけでなく、フィルターの目詰まりの原因になるので網を使って取り除きましょう。
マツモやアナカリスと比べると難しい印象を持ちますが、水草の中では比較的簡単に育成できる部類です。
金魚水槽にカボンバを入れていて、うまく育たなかったり、増えなかったりする場合はこちらの記事をご覧ください。
■4位 アヌビアス・ナナ
金魚水槽を水草でレイアウトしたい場合は、アヌビアス・ナナがおすすめです。
丸い葉が可愛らしいサトイモ科の水草ですが葉が硬いため、金魚に食べられません。
金魚藻を入れると和風になりがちな金魚水槽も、アヌビアス・ナナを植えることで一気に熱帯魚水槽のような雰囲気のある水槽に変わります。底砂に植えることはもちろん、流木に活着させることで底砂を敷かないベアタンク水槽をレイアウトすることも可能です。
もともと陰性の水草ですので光量が少なくても順調に育ち、温度さえ合っていれば枯れてしまうことはまずありません。
その丈夫さから金魚水槽のレイアウトの維持という点では満点ですが、
- 冬場はヒーターがないと枯れることがある
- 葉が硬すぎて金魚のヒレが引っかかり破れる恐れがある
- 成長が遅く葉にコケが生えやすい
- 葉ではなく、根をかじられると弱い
といった難点があります。ヒレの長い琉金などの種類は特にヒレを引っ掛けやすいので、それらを飼育している水槽では、アヌビアス・ナナではなく後述する別の水草をレイアウトすると安心です。
葉に生えてしまうコケ対策は、熱帯魚飼育ではミナミヌマエビなどを導入するのですが、金魚はヌマエビを食べてしまいます。
コケが生えた場合は、スポンジで優しくおとしましょう。
30cm前後の小さな水槽には、プチタイプがおすすめです。
アヌビアス・ナナの育て方は、こちらの記事で解説しています。
■5位 ミクロソリウム
強い生命力が魅力のシダ科の水草で、金魚水槽でレイアウトをするなら、まず使っていただきたい種類です。
アヌビアス・ナナほどではありませんが葉が硬いため、金魚に食べられにくい(稀に先端を千切られることがある)だけではなく、程よい硬さでヒレが引っかかりにくいです。
鮮やかな緑は見た目も美しく、熱帯魚水槽のレイアウトで使われることも少なくありません。流木や岩に活着させることができるため、金魚が砂を掘り返してしまうのを防げます。
デメリットは、葉の硬い水草全体に言えることですが、成長が遅くコケが生えやすい点です。
水草を食べる金魚はコケを食べることもあります。しかし、口にしやすい部分しか食べませんので、きれいにはなりません。
コケが生えてしまった場合は、様子を見て定期的に指でこすって落とす必要があります。
こちらの記事では、ミクロソリウムの育て方を詳しく解説しています。金魚水槽をミクロソリウムで彩りたい場合に、ぜひご覧ください。
■6位 ウィローモス
ウィローモスは、流木などに活着させるとお洒落な苔の仲間ですが金魚にとってはおやつになります。
茎が細く、金魚にとってこれほど食べやすい(千切りやすい)水草もないでしょう。飼育している金魚の好みにもよりますが、食べつくされることも珍しくありません。
何度入れても食べてしまうため、金魚水槽では完全におやつとして割り切ったほうが良い水草です。低水温でも育つため、ヒーターなどを入れない無加温飼育に向いています。
食べやすさと低水温で育成できるメリットは、冬場など金魚の食欲がなく餌をあまり食べなくなったときの対策にもおすすめです。ただし、金魚が泳ぎづらくなってしまうため、ウィローモスの入れすぎには注意してください。
こちらの記事ではウィローモスの種類やトリミング、活着方法などを解説しています。金魚水槽に入れることを検討されている場合は、ぜひご覧ください。
■7位 アマゾンソード
アマゾンソードは葉が大ぶりで、レイアウトに使っても見応えのある水草です。
光量をあまり必要とせず、初心者の方でも育てやすい丈夫さが特徴といえます。根が強靭ですので、金魚水槽で使用頻度が高い大磯砂のような目の粗い砂利でも育てることができます。
その根張りの良さは水草を掘り返すことが多い金魚に好都合です。葉が硬く食べられてしまうこともありません。
熱帯魚水槽で目にする機会が多い水草ですが、金魚水槽にもよく合います。
ただ、植えつける際に肥料が必要です。その点では少し難易度が上がるといえるでしょう。
とはいえ、金魚との相性は悪くありません。金魚水槽で水草をレイアウトに使いたい場合に取り入れてほしい種類です。
こちらの記事では、アマゾンソードの育て方から枯らさないポイントまで幅広く解説しています。金魚水槽のレイアウトとして使いたい場合には、ご覧になってください。
■8位 ホテイアオイ
ホテイアオイはメダカのイメージが強い水草ですが、金魚にもおすすめです。
独特の丸い葉の風貌ときれいな緑は水槽や飼育容器を華やかに彩りますが、実はレイアウトよりもおやつ向きの種類です。水上に大きく広がる葉は食べられませんが、水中に長く垂れ下がった根をよく食べます。
根を食べられたホテイアオイはもちろん枯れてしまいますので、葉の色が変わったら取り除くしかありません。完全に食べつくされない限りは根が生えてくるため、一時的に隔離して回復させてから再び入れる方法もおすすめです。
ホテイアオイの大きな葉は金魚の隠れ家になるだけでなく、夏の日差しを遮る日除けになります。高水温対策にもなりますので、屋外飼育なら、ぜひ入れてあげたい水草です。
こちらの記事では、ホテイアオイの育成に最適な水温や光量などを解説しています。金魚の屋外飼育に合った水草をお探しの場合は、ぜひご覧ください。
■9位 ピグミーチェーンサジタリア
根張りが良いため、大磯砂など金魚と相性の良い粗目の底床でも育成が可能です。
肥料を使わない場合は色が多少薄くなるものの、添加しなくても十分育てられます。柔らかそうな見た目に反して細長い形状が金魚には食べづらいため、食べつくされてしまうことの少ない水草です。
背丈が低いこともあって、前景草としてレイアウトに使うことができますが、光量が少ない環境では上に伸長します。他の食べられないタイプの水草同様、コケが付着しやすいのが難点です。
■10位 アマゾンフロッグビット
円い葉の浮き草で、水中に根をたらし養分を吸収して成長します。
ホテイアオイ同様、金魚はその根をおやつとして食べますが、アマゾンフロッグビットは成長速度が速いので食べられても増え続けることがあります。
食べつくされる心配がある場合は、隔離して増えたものから入れると良いでしょう。見た目がかわいらしく、睡蓮鉢などで屋外飼育する場合に特におすすめです。
ホテイアオイとは違って背丈が高くならないだけでなく、蛍光灯やLEDでもしっかり育ってくれるのも嬉しい点です。
金魚水槽に水草を入れる注意点
■金魚におやつとして与える水草の注意点
金魚におやつ目的で水草を与えるのなら、無農薬水草を与えましょう。
金魚は比較的、農薬に強い魚ですが、たくさん食べさせるなら無農薬が安心です。
金魚が水草を食べるときには葉を引きちぎってしまう事も多く、どうしても葉の切れ端などのクズが出ます。ちぎれた水草は、水を汚すだけでなくろ過フィルターの目詰まりを引き起こしますので、網を使って掬うなど気づいたときに取り除くようにしましょう。
また、排水口をスポンジで覆うなどして、フィルターが目詰まりを起こさないように工夫することも重要です。
食べられてしまうという条件上、金魚水槽では熱帯魚水槽よりも水草の維持が難しいといえます。
しかし、水草を食べることができるというのは、金魚が健康な証です。また、水草が育たない環境は光量が足りていなかったり、水質が不安定だったり、水温の上下が激しかったりなど、金魚にとって良くない環境でもあります。
水草は金魚の体調や水槽の環境を測るバロメーターとしても活用できるので、ぜひ金魚水槽にも水草を取り入れてみると良いでしょう。
金魚が食べられる水草・食べられない水草 一覧表
この記事でご紹介した水草を、金魚が食べるもの・食べられないものに分けて一覧表にしました。
金魚水槽に水草を導入する際には、ぜひ参考にしてみてください。
水草の名称 |
説明 |
---|---|
マツモ |
柔らかく細かい葉で、金魚が食べやすい。成長が早いため、食べられてもすぐに伸びる |
アナカリス |
茎にはがしっかりとついており、金魚がつつきやすい。低水温に強く、室内飼育・屋外飼育ともに向いている。 |
カボンバ |
フサフサとした葉で金魚が隠れやすい。育成難易度がやや高め。 |
ウィローモス |
金魚がかじりやすい苔の仲間。金魚の性格によってはかじらないこともある。 |
ホテイアオイ |
金魚は根をかじる。日よけや隠れ家にもなるため、屋外飼育では必ず入れたい水草。 |
アマゾンフロッグビット |
浮草で、金魚は根をかじる。こちらも屋外飼育向き。 |
金魚が好んで食べる水草は、葉が柔らかくかじりやすい有茎草が多いです。
おやつとして与える場合は、マツモやアナカリスなどの成長が早く、かじられてもすぐに伸びる水草を選びましょう。
浮草の場合は、根をかじりますので、そのまま枯れてしまうことが多いです。
水草の名称 |
説明 |
---|---|
アヌビアス・ナナ |
葉が固く、金魚がかじることはない。成長が遅いためコケまみれになることも。流木などへの活着が可能。 |
ミクロソリウム |
葉が大きく硬く、金魚がかじりにくい形状。流木などへの活着が可能。 |
アマゾンソード |
葉が長く、金魚がかじりにくいロゼッタ型水草。葉にコケがつきやすい。 |
ピグミーチェーンサジタリア |
細長いテープ状の葉が金魚にはかじりにくく、金魚水槽でも長持ちしやすい。 |
金魚がたべられない水草は、どれも葉が固い・形状が長いものが多いです。
茎の短いタイプやロゼット型のタイプが多いですが、砂利をつつく習性のある金魚は掘り返してしまうことがあります。
種類によっては、流木に活着させるなど底砂利に植えつけない育成法もおすすめです。
ただ、ヒレの品種の金魚(リュウキン、出目金など)は、固い葉や流木でヒレをひっかけてしまうことがあります。
飼育している品種にあわせて、水草を導入しましょう。
まとめ:【金魚と一緒に入れる水草・浮き草】水槽プロのおすすめベスト10
「金魚のおやつになる水草」と「金魚水槽にレイアウトとして使える水草」この2つの観点から、金魚に最適な水草・浮き草をベスト10形式でご紹介しました。
水草や浮き草は金魚にとって、たくさんの役割があります。
- おやつ
- レイアウト素材
- 隠れ家や拠り所
- 産卵場所
といったように、メリットも少なくないため、食べられることを前提にさまざまな種類の水草を入れてあげてはいかがでしょうか。
水草を健康維持やレイアウトに役立て、より良い金魚水槽を作っていきましょう。
金魚、水草と極めていくうちに、「他の生き物にも興味がわいてきた」という方はこちらの記事もご覧ください。
金魚の水草ついて良くあるご質問
金魚飼育に水草は必要ですか?
しかし、水草があると金魚の隠れ場所やおやつになり、落ち着いた状態で飼育できます。
柔らかい水草は食べられてしまうことが多いため、水槽をきれいに保てるか、お掃除頻度で導入を検討しましょう。
金魚の水草を選ぶ基準とは?
金魚に水草を食べられない工夫とは?
金魚は砂利をつつく習性があるため、植えつけると掘り起こしてしまうことがあります。
育成には水槽用ヒーターが必要ですが、ミクロソリウムやアヌビアス・ナナなどは活着できるためおすすめです。
金魚に水草を与えるメリットとは?
苔などを食べることで黒い体色の発色が良くなるなど、植物性の餌にはメリットがあります。
しかし、より効果を上げるには植物の入った人工飼料がおすすめです。水草はおやつ程度と考えましょう。
お問い合わせ
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