金魚のショートテールとは!琉金などの種類から、短尾の魅力と注意点
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品種改良が盛んな金魚は、個性的な体型、特徴を持った個体が多く流通しています。
その中で最近注目を集めているのが、ショートテールと呼ばれる短い尾びれを持った金魚です。
ショートテールは、琉金やオランダ獅子頭など、本来は長い尾びれが特徴の品種から稀に出現する短い尾を持つ個体の特徴を固定化したもの。
流通量が少なく高価な品種が多いですが、丸い体に短い尾びれのアンバランスさが可愛らしく、人気が高まっています。
今回はショートテールの金魚の品種と、ショートテール品種を飼育する際の注意点などをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚のショートテールの品種と短尾の魅力や注意点を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
豊かな尾びれを揺らして泳ぐ様が美しいとされる金魚ですが、最近は尾が短いショートテール品種の人気が高まっています。
しかし、短尾の金魚は通常の品種よりも転覆病にかかりやすいなどの注意点がありますので、飼育前によく確認しておきましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚のショートテールの品種と短尾の魅力や注意点を解説します。
金魚のショートテールとは!
金魚のショートテールとはどんな品種なのでしょうか。
日本では流通量が少なくあまり見かけたことがない、という方も多いことと思いますので、ここでまずは、ショートテールの成り立ちや魅力をご紹介します。
尾ビレが短い改良品種
ショートテールとは、名前の通り尾ビレが短い品種の金魚のことです。
金魚を繁殖していると長い尾が特徴の品種でもたまに、短い尾びれを持った個体が生まれることがあります。
日本では長い間、これらの個体は価値がない”ハネ物”として扱われており、流通することはありませんでしたが、中国を中心に短尾の人気が高まり、特徴として固定化されました。
最近は、日本でも丸っこく可愛らしい見た目から人気が高まっており、中国や東南アジアでブリードされた個体が多く流通しています。
しかし、日本で養殖されている金魚や一般的な個体と比べるとまだまだ数が少なく、品種によっては高値で取引されることもある高級金魚です。
丸い体型で泳ぎが可愛い
ショートテール品種の最大の魅力は、可愛らしいフォルムと泳ぎ方にあります。
ショートテール品種の多くは琉金やオランダ獅子頭など元々丸い体型を持った金魚なので、尾が短いことでより丸みが強調されて可愛らしいです。
ちなみに、ショートテール品種は体型の丸さが一つの評価基準となっているため、より丸みのある個体の方が価値が高いとされています。
また、泳ぎ方にも独特の魅力があり、尾びれが短いため体全体を使ってフリフリとお尻を振るようにして泳ぐ姿は、一生懸命でなんとも愛らしい印象を与えてくれるでしょう。
尾が短いと金魚特有の華やかさが失われてしまうのではないかと思われるかもしれませんが、長い尾びれとは違った花びらのような可憐さを備えているため、鑑賞性も高いです。
ショートテールの金魚品種
ショートテール品種は主に中国や東南アジアを中心に作出されていますが、中には副ダルマやちょうちんパールといった、日本国内で改良された品種もいます。
ここでは、ショートテールの金魚の代表的な品種を6種ご紹介します。
ショートテール琉金
ショートテールの金魚の中で一番見かける機会が多いのが、ショートテール琉金です。
琉金自体は日本で作出された金魚ですが、それが中国に渡り、繁殖を繰り返す中で生まれた短尾の特徴が固定化されました。最近は日本でのショートテールブームに乗って、中国から逆輸入されています。
ショートテール琉金は、大きなお腹とアンバランスにも思える短い尾びれが特徴で、体全体を使って器用に泳ぐ姿がとても可愛らしい品種です。
流通量が多く比較的安価なので、初めてショートテール品種を飼育する方にもおすすめできます。
琉金については、こちらのコラムも参考にしてください。
オランダ獅子頭ショートテール
オランダ獅子頭のショートテールであるオランダ獅子頭ショートテールは、通常のオランダ獅子頭より体が短く、体型もやや丸いのが特徴です。
尾びれももちろん短いのですが、それ以外はオランダ獅子頭の要素が色濃く残っており、頭の肉瘤も健在。大型に育ちやすいので、60cm以上の大きめの水槽を用意しましょう。
尾びれが短い分、肉瘤や胴体の丸さが際立つため、通常の品種よりもころっとした可愛らしい印象になります。カラーバリエーションが豊富で、好みの個体を探しやすいです。
また、ショートテール品種は泳ぎが苦手なものが多いのですが、本種は比較的泳ぎが上手で、混泳もしやすいので、初めてショートテールの飼育に挑戦する方でも、魅力を存分に楽しむことができるでしょう。
オランダ獅子頭については、こちらのコラムも参考にしてください。
ローズテールオランダ
ローズテールオランダは、タイで作出されたオランダ獅子頭のショートテール品種です。
ローズテールとは、まるでフリルのようにふんわりと広がる華やかな尾のこと。
ローズテールオランダは頭部の肉瘤が発達するので、ごつごつとしたワイルドな頭とゴージャスな尾びれのギャップが際立ち、独特の魅力を醸し出す品種です。
高級品種であるショートテールの中でも一際高価な個体が多く、中にはブリーダーの証明書付きの個体が流通することもあるほど、高い人気を誇ります。
出目金ショートテール
名前の通り、出目金のショートテール品種です。
出目金は飛び出た目が特徴ですが、ショートテールであることで出目部分がより際立ちます。飛び出た目と短い尻尾のアンバランス感がユーモラスです。
マニアの間では、出目が大きく、体がより丸く、尻尾が短い個体が特に人気があります。
流通量が少なく、体型の個体差が激しいので、気に入った個体を見つけたら迷わず購入することをおすすめします。
出目金についてはこちらのコラムも参考にしてください。
福ダルマ
福ダルマは、日本で作出された玉サバのショートテール品種です。
玉サバの特徴である丸みがより強く出るように改良した結果、尾ビレが短い個体が多く出現したため、そのような個体が福ダルマとして流通するようになりました。
玉サバは、元々錦鯉と一緒に泳げる金魚として作出された経緯があるため、泳ぎが得意なのですが、福ダルマもその性質をしっかり引継いでおり、短尾のわりにかなり泳ぎが早いです。そのため、ショートテール以外の品種とも混泳させやすく、金魚の混泳水槽にも向いています。
一方で泳ぎがゆったりした金魚や他のショートテール品種との混泳は難しいので、導入する水槽には注意してください。
玉サバについてはこちらのコラムも参考にしてください。
番外編:ちょうちんパール
ショートテール品種とは少し趣が変わりますが、ちょうちんパールも尾に特徴を持つ品種です。
ちょうちんパールはピンポンパールの変異種で、フナ尾と呼ばれるフナなどの川魚が持つシンプルな形の尾びれをしています。
通常のピンポンパールは三つ尾や四つ尾と呼ばれる大きく広がる尾を持っているため、泳ぐのがやや苦手。それに対してちょうちんパールはフナ尾なので泳ぐのが上手く飼育もしやすいです。
ピンポンパールは可愛らしいですが飼育が難しい金魚として知られていますので、飼育に自信がないという方は、まずはちょうちんパールから挑戦してみるのがおすすめです。
ちょうちんパールについてはこちらのコラムも参考にしてください。
ショートテール品種の注意点
独特の魅力があるショートテール品種ですが、全体的に丸みを帯びた体型を持つことから、飼育する際にはいくつか注意すべき点があります。
通常種と同じように飼育してしまうと、体調を崩してしまうことがありますので、ショートテール品種の特徴をよく理解したうえで、体型に合わせた飼育を心がけることが大切です。
転覆病にかかりやすい
通常の品種よりも体が丸いショートテールは、転覆病にかかりやすいです。
そもそも金魚は大食漢で消化不良を起こしやすいため、転覆病を患いやすいのですが、スマートなフナ型よりも丸い琉金型の方が罹患しやすい傾向にあります。
その中でも短尾の品種は、体のバランスが取りづらくひっくり返りやすいので、消化不良から転覆病に発展しやすいです。
転覆病の予防には、消化の良い餌を与えるのが一番ですので、たんぱく質が多いこってりとした餌は控えめを心がけましょう。
また水温は22~25℃とやや高めに維持するのがポイントです。
転覆病については、こちらのコラムも参考にしてください。
混泳に注意
尾が短いショートテール品種は、泳ぎが遅く苦手なものが多いです。そのため、泳ぎの速い和金タイプとの混泳は避けた方がよいでしょう。
泳ぎが得意な品種に餌を取られてしまったり、いじめられてしまう可能性があります。
混泳するならば同じショートテール品種同士が安全です。ただ、ショートテールに限らずこのような特徴的な金魚は、各個体に合わせた環境を整えて、しっかり手をかけてあげるほど、美しく健康に長生きしてくれる傾向があります。
ショートテールの魅力を存分に味わうためにも、可能であれば単独飼育がおすすめです。
まとめ:金魚のショートテールとは!琉金などの種類から、短尾の魅力と注意点
今回は、尾が短い金魚のショートテールについて、代表的な品種や飼育の際の注意点を解説しました。
金魚のショートテール品種は、通常種よりもころッとした印象の丸い体型と、可愛らしい泳ぎ方が最大の魅力です。
品種によっては混泳も可能ですが、一匹をじっくり飼いこむことでより美しく育てることができますし、長期飼育にもつながりやすくなります。
混泳や転覆病に気を付ければ、初心者でも飼育に挑戦することができますので、珍しい金魚をお探しの場合はぜひ、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
オランダ獅子頭のショートテールを飼おうと思っているのですが、ブクブクのおすすめの商品を教えてください。
ショートテールは泳ぎがあまり得意ではないので、投げ込み式フィルターかスポンジフィルターがおすすめです。
水槽のサイズによりますが、60cm水槽ならニューフラワーDXや懐古堂スポンジフィルターの60Sサイズなどの安定感のあるタイプが良いです。
こちらもご参照ください。
・金魚のろ過フィルター・ベスト7!エアレーション効果も重視して厳選
https://t-aquagarden.com/column/goldfish_filter_best
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