琉金とは!特徴から飼育に必要な物、品種、消化不良と病気を解説
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金魚と聞くと思い浮かぶのは「赤く丸い体」「長いヒレ」「ゆったりとした泳ぎ」など優雅な姿です。
『琉金(リュウキン)』は、その特徴をもれなく持っています。
和金が突然変異した品種で、家庭での飼育から美しいシルエットから様々な展示イベントなどでも目にする人気を誇り、金魚の代表種と言えるほどです。
ここでは琉金の特徴、飼育ポイント、品種、病気や転覆症状についてを解説していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに琉金について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
琉金は、長いヒレと丸い体型が可愛らしい金魚です。
取り扱っているショップが多く、見かける機会も多いポピュラーな金魚で、鑑賞性が高く人気があります。
ここでは、琉金についてさまざまなことを解説します。
琉金(リュウキン)とは
江戸時代に中国から輸入されてきた金魚で、琉球を経由してやってきたことから「琉金」と呼ばれるようになりました。
琉金の特徴や、体型についてご紹介します。
琉金の特徴
丸く体高があり、鮮やかな体色と長いヒレを持つ鑑賞性の高い体型をしています。
泳ぎはゆっくりであるものの苦手ではなく、一般的な金魚飼育の環境で飼えるため、飼育難易度は高くありません。
朱赤一色の『素赤』、さらに赤が濃い『猩々(しょうじょう)』、紅白模様の『更紗(さらさ)』、赤・白・黒の3色模様を持つ『キャリコ』、尾ビレに特徴がある『ブロードテール』などの品種がおり、体色によってさまざまな表情を楽しめます。
和金タイプの金魚よりも低水温に弱く、理想としては年間を通して20~28度の水温で飼育することがおすすめです。
しかし、丸い体型の金魚としては低水温にも馴染みやすい品種なので、急激に水温低下するのでなければ屋外でも飼育できます。
琉金体型の注意点
丸い体型が特徴的な品種ですが、これは背骨が和金よりも短く改良されたためです。
ずんぐりとしたシルエットと尾ビレをフリフリとさせながら進む泳ぎ方は非常に可愛らしく、魅力的です。
しかし背骨が短いぶん、腸に不調を抱えやすく消化不良等を起こしやすいところがあります。
消化不良を防ぐため、前項目で触れたように水温の急変がおきないように管理しながら飼育しましょう。
高水温で育てると立派な体格に育ちやすくなるので、室内飼育では水槽用ヒーターを導入すると大きく成長します。
水槽内のレイアウトとしては、長いヒレがひっかかりそうな硬い人工水草や流木、アクセサリーなどは向きません。
琉金だけでも存在感のあるアクアリウムに仕上がりますので、シンプルな飼育環境を意識し、アクセサリーを配置する場合も角の丸いものを使用しましょう。
琉金の飼育に必要な物
琉金は下記の設備で飼育できます。
- ガラス水槽やトロ舟
- 上部フィルターや投げ込み式フィルター、またはスポンジフィルター
- 水槽用ヒーター
- 沈下性の餌
- カルキ抜き
金魚の基本的な飼育設備があれば飼えますが、水流と水温変化の少ない環境づくりが大切です。
上記のなかでも琉金の飼育に特に必要な水槽・ろ過フィルター・餌についてと、飼育ポイントや水槽用ヒーターの選び方についてを解説していきます。
琉金の飼育水槽、容器
琉金はガラス水槽で飼育することが多いですが、トロ舟でも飼育可能です。
丸い体型の金魚のなかでは泳ぎが上手なほうですので、普通の規格水槽で問題なく飼育できます。
体長は最大で約15cmほどに育つため、飼育水槽のサイズは45~60cm水槽以上が良いです。
餌を適切なペースで与えることで、20cm級に育つ個体もいます。
琉金は上からの見ても美しい体型とヒレを持つ品種なので、水槽ではなく『トロ舟』などでの屋外飼育もおすすめです。
しかし、低水温下では消化不良を起こしやすいので、餌の量は季節によって調整してあげましょう。
飼育水作りに使う『カルキ抜き剤』は淡水用ならどの製品でも問題ありません。
コスパの良い固型タイプもおすすめですし、屋外飼育なら天日にさらしてカルキを飛ばした水も使用できます。
ポイント:飼育匹数の目安
飼育目安は45cm水槽なら2匹、60cm水槽なら3匹ほどです。
これは体長が~10cmほどの琉金の飼育目安です。体長が大きいほど飼育水を汚しやすくなるので、1匹10cm以上の場合は余裕のある飼育匹数を考慮しましょう。
琉金に使えるろ過フィルター
琉金はらんちゅう程ではないにせよ、長いヒレを持つことから水流にはやや弱いです。
しかし、上部フィルターでも問題なく飼育できます。
金魚のろ過フィルターは、酸素供給が得意なタイプがおすすめです。
- 上部式フィルター
- 投げ込み式フィルター
- スポンジフィルター
など、金魚に向いたろ過装置ならどの方式でも使用できます。
金魚はフンが大きい生き物なのでろ過フィルターだけで水質を維持するのではなく、定期的な水換えと底床掃除で清潔な飼育環境を整えていきましょう。
ポイント:底床掃除のポイント
フンが目につくようなら、掃除回数を増やしましょう。
琉金は消化不良に弱い品種です。また、底床の砂利を突っつくことで、汚れを食べてしまい病気にかかりやすくなることがあります。
底床を清潔にすることは、そうしたトラブルを防ぐためでもあります。
琉金の餌について
琉金には沈下性の餌を与えましょう。
冷凍赤虫、ブラインシュリンプなど、金魚の餌ならば何でも食べますが、消化が良い餌で飼育しましょう。
消化不良は万病のもとであるため、気を付けるだけでも長生きに繋がります。
給餌自体は普通に、水槽内に適量を投入するだけです。2分で食べきれる量を目安にして、与えすぎには注意しましょう。
ポイント:給餌のタイミングとは
給餌は、朝~昼間に行います。
夕方以降ですと金魚の活性が落ち眠りに入る前ですので、消化をしやすい状態とは言えません。
餌は活動的な時間のなかで、毎日同じタイミングに与えるのがおすすめです。
金魚水槽で使う水槽用ヒーターの選び方
琉金のヒーターは金魚用の省エネヒーターでも問題ありません。
極端な低水温でなければ、普通に飼育できるからです。しかし、金魚用のオートヒーターはほとんどが18度設定です。
しかし、大きく育てたい場合は23℃以上で育てるのが良いので、18度以上に設定する場合は、適合水量で機種を選定しましょう。
ポイント:設定可能温度で選ぼう
白点病など、病気の治療に使用する場合は温度調節機能付きの水槽用ヒーターを購入しましょう。
15~35度まで調整できる機種なら、幅広く活用できます。
サーモスタットと別売りのタイプは高価に感じられますが、水槽用ヒーターが故障しても交換可能なので、長い目で見ればコスパが良いです。
琉金の仲間
琉金はポピュラーな金魚ですので、さまざまな改良品種がいます。
いずれもかわいらしく、鑑賞性の高い金魚たちです。
更紗琉金
紅白模様の琉金です。
白の体色が入ることで、全体的にはっきりとした印象になっています。
模様の入り具合による鑑賞性だけでなく、表情の可愛らしさも人気の要因です。
キャリコ琉金
朱色・白・黒の3色模様を持つ琉金です。
琉金と三色出目金を交配した品種で、アメリカ人の依頼で作出されました。
どことなく顔立ちが他の琉金とは異なる雰囲気を持っています。
ブロードテール、ショートテール
尾の切れ込みが浅く、長く広く伸びるのが『ブロードテール琉金』、伸びずに短いままの個体を『ショートテール琉金』と呼びます。
ブロードテールは琉金のヒレの長所をさらに伸ばした品種で、艶やかな印象です。
ショートテールは体が大きくなっても尾びれがあまり伸びず、丸い体に小さなヒレという、どこかユーモラスな姿が魅力的です。
どちらも普通の琉金と比べて泳ぎが苦手な品種ですので、飼育の際には水流に気を付けましょう。
だるま琉金
琉金をさらに丸い体型にした品種です。
尾びれも短く、ショートテール琉金に丸みが増したもの、といったイメージです。
そのため、泳ぎが苦手ですので、水深や水流に気を付けて飼育しましょう。
琉金の病気について
琉金は丸い体型の金魚のなかでは丈夫な品種ですが、消化不良になりやすくそこから病気をこじらせてしまうこともあります。
ここでは、琉金がかかりやすい病気について解説いたします。
琉金がかかりやすい病気
琉金が特にかかりやすい病気は下記の通りです。
- 尾ぐされ病
- 白点病
- エラ病
- 赤斑病(細菌感染症)
- 転覆病
- 松かさ病 など
消化不良のストレスから体力や免疫力が下がり、他の病気にかかってしまうことも珍しくありません。
水槽掃除や水換えが不足すると、金魚は病気にかかりやすくなります。
金魚の病気治療についてはこちらのコラムをご覧ください。
琉金の転覆病について
琉金タイプの金魚は、和金タイプよりも転覆病になりやすいです。
内臓に負担がかかりやすいため、病気や消化不良が進行すると、浮袋の機能にダメージを負うことがあります。
琉金に限らず金魚飼育では、消化不良を防ぐことが大切です。
金魚の消化不良を防ぐポイント
- 水温:20度以下では消化能力が下がるため、餌は控えめにする
- 餌:2分で食べきれる量を与えます。
- 掃除:底床の汚れを食べて細菌感染することもあります。掃除は徹底しましょう。
金魚は変温動物ですので、消化能力は水温に依存します。
そのため、20度以下では便秘や消化不良を起こしやすくなるので、室内飼育なら水槽用ヒーターで保温するのもおすすめです。
底砂利には様々な汚れが蓄積しやすいため、掃除を欠かさないようにしましょう。
あえて水槽に底砂利を敷かない『ベアタンク飼育』を行う飼育者もいます。
これは、底砂を無くすことで汚れが溜まらないようにして、清潔な環境を作る飼育方法です。
トロ舟で飼育する場合も、汚れは随時排出しましょう。
まとめ:琉金とは!特徴から飼育に必要な物、品種、消化不良と病気を解説
琉金は丸い体と長いヒレがかわいい金魚です。
その姿は江戸時代より夏の風物詩として親しまれているなど、日本人になじみ深い美しさと言えるでしょう。
丸い体型の品種のなかでは丈夫で水流にもあまり弱くないので、容易に飼育を楽しめます。
人懐っこさもあるので、ペットとしても人気の品種です。
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