金魚の飼い方
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金魚藻とは!水草の種類と特徴、金魚・メダカ・エビとの相性を解説!

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金魚藻は金魚水槽に入れられることの多い、マツモ、アナカリス、カボンバの3種の水草の総称です。

金魚藻とまとめられているからには金魚の育成環境に合わせていれば順調に育つと思われがちですが、実はそれぞれ適切な環境が異なっており、知らずに金魚水槽や淡水魚水槽に入れると枯れてしまうことがあります。
どれも育てやすく初心者向けの水草ではありますが、きれいに育てるためには、適した水温や水質、光量、相性が良い生き物などを知っておくことがとても重要です。

そこで今回は、金魚藻ことマツモ、アナカリス、カボンバの3種の水草について、特徴や育て方、金魚・メダカ・エビとの相性をご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに金魚藻の種類と特徴、生き物との相性を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

  • 『金魚藻(きんぎょも)』とは、金魚に似合う水草のこと!主にマツモ、アナカリス、カボンバのことを指すよ!
  • 金魚藻は比較的低水温に強く、様々な生き物の水槽で育成できる!メダカやエビなど、金魚以外の生き物とも好相性!
  • 丈夫で初心者にもおすすめな水草だが、カボンバだけは育成難易度が高めカボンバは熱帯魚水槽にもおすすめの水草だよ
  • 金魚は水草をよく食べる!おやつ感覚で導入しよう草食性が強いので食べられることに気付くとかじってしまうよ!

初心者でも育てやすい金魚藻は、金魚やメダカ、エビなどを飼育する淡水水槽におすすめです。
ただ、適切な環境や相性の良い生き物がそれぞれ異なりますので、より相性の良い環境で育成すると、美しい姿が鑑賞できるでしょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚藻の種類と特徴、生き物との相性を解説します。

金魚藻とは

金魚藻とは水草のマツモ、アナカリス、カボンバを指す言葉です。

この3種は金魚水槽で見かける機会が非常に多いことから、まとめて金魚藻という名が定着しました。

そもそも、なぜこの3種が金魚水槽によく取り入れられているかというと、それには金魚の飼育環境が大きく関係しています。

金魚は大食漢で水を汚しやすいこと、低水温に強いため、無加温飼育が多いことなどから、金魚水槽は水質や水温が変化しやすいです。
また、今のような優秀なろ過フィルターが無かった時代には、水草の水質浄化効果が水槽内の環境維持にとても大きな役割を果たしていたと考えられます。

水質や水温の変化に負けず、高い水質浄化能力を持った水草、この条件に当てはまる身近な水草がマツモやアナカリスでした。
カボンバは見た目が美しく、金魚を華やかに引き立てることから、金魚藻の仲間入りを果たしたと考えられます。

このことから、自然と金魚飼育に取り入れられる機会が増えていったのです。

金魚藻は丈夫で初心者におすすめの水草!

金魚藻と呼ばれるマツモ、アナカリス、カボンバはどれもとても丈夫で、初心者も育てやすい水草です。

水質変化や低水温に強く、安価でホームセンターなどの身近な場所でも入手できることから、近年では金魚だけでなくメダカや熱帯魚、エビなど幅広い水槽で見かけるようになりました。

活用の仕方も幅広く、鑑賞性を高めるために水槽を入れるのはもちろんのこと、金魚やメダカ、熱帯魚水槽の産卵床としても優秀ですし、水温が変化しやすいビオトープへの導入もおすすめです。
エビ水槽の隠れ家としても重宝するでしょう。

あまり気を使わなくても育てられるのが金魚藻の魅力ですが、長持ちさせるためには、それぞれにあった環境で育成する必要があります。
適した環境を整備してあげるとより美しい姿を見ることができるので、おすすめです。

マツモについて

(水草)国産 無農薬マツモ(10本) 北海道航空便要保温

ここからは、金魚藻についてそれぞれの特徴や育て方、混泳におすすめの生物をご紹介していきます。

まずは、マツモについてです。
金魚藻と言われればマツモの姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

柔らかい細い葉がいくつも広がる美しい種類で、日本にも分布している身近な水草です。和風な見た目と育てやすさから金魚藻として古くから知られています。

さまざまな使い道!マルチな水草

松の葉のような細い葉が特徴のマツモは、実は根付くことが無い水上に浮く浮き草に分類されます。

しかし、水槽の中では重りを付ければ底に沈めてレイアウトすることもできるので、水上に水中にとマルチに活用できる使い勝手の良い水草です。

水上に浮かべておくだけでも、生き物が身を隠す隠れ家になりますし、底に沈めて使えば優秀な産卵床として活躍します。繁殖力が高く、水中の余分な栄養を吸収しながらどんどん増えて成長するため、水質浄化能力も高いです。

豊かに茂るようになったら、脇芽を切って水に浮かべておくだけで新しい株として成長していくので、増やしてストックしておくこともできます。

マツモの育て方

マツモはとても簡単に育てられる水草です。

水温:18~28度
光量:一般的な観賞魚用照明や日光

もっとも良く育つ適正環境ですが、これから多少外れていても枯れることはありません。室内、屋外問わず育成できますし、上手に育てれば屋外で越冬することも可能です。

ただ、水温の急変には弱い面があり、葉が落ちてしまうことがあります。水温の急変は、他の生き物にも負担になりますので、水換えの時に水温を合わせたり、水槽を保温したりなど、あまり水温を変化させない工夫をしましょう。

根を張らない浮き草の性質を持つため、水面に浮かべておくだけでも問題なく成長しますが、鑑賞性を高めるために、水槽にレイアウトしたい時には重りを巻いて沈めれば、好きなところに配置できます。

マツモの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

マツモと生き物の相性


どんな環境にも適応できる丈夫さを備えるマツモは、淡水であれば大抵の水槽に入れることができます。寒さに強いので屋外のビオトープにも最適で、ビオトープでよく飼育されるメダカやエビとも相性が良いです。

もちろん金魚との相性も良いのですが、金魚は水草の葉を食べてしまうため、マツモも例外なくオヤツにされてしまうことがあります。ただ、マツモは茎がしっかりしているので、全てを食べつくされてしまうことはありませんし、葉を食べられてしまっても高い繁殖能力で再生するのであまり問題になることはないでしょう。

どうしてもマツモが減っていくのが気になるときは、脇芽切り取ってを水を張ったバケツなどにストックしておくのがおすすめです。

アナカリスについて

(水草)メダカ・金魚藻 国産 無農薬アナカリス(10本) 北海道航空便要保温

アナカリスは“オオカナダモ”とも呼ばれる水草で、アクアリウムでも定番種として広く知られています。

南米原産ですが、適応力が高いことから日本の水辺でも見かける身近な水草です。

丈夫さ抜群!育てやすい水草

アナカリスは、他の金魚藻に比べてやや幅広の艶やかな葉が特徴です。水に浮かべておくだけでも育ちますが、底砂に植えれば、根を延ばして根付きますので、レイアウトとしても重宝します。

金魚藻のなかでも特に丈夫で育てやすい種類で、水質や水温変化に強く、繁殖力も高いです。

室内、屋外問わず、初心者の方でも簡単に育てられますので、「水槽に水草を入れてみたい」という方には、まずアナカリスをおすすめします。

アナカリスの育て方

アナカリスが育ちやすい環境は次のとおりです。

水温:13~28度
光量:一般的な観賞魚用照明や日光

こちらも適正環境ですので、ここから外れても枯れることは滅多にありません
特に生存できる水温の幅の広さには目を見張るものがあり、水面が凍ってしまうような低水温にも、30度近い高水温にも耐えられます。

成長が早く、環境が合えばどんどん増えていきますが、その一方で古い葉にコケが付きやすいです。コケの付いた葉を放っておくと傷んでしまいますので、定期的にトリミングをして整えましょう。

アナカリスは根が生える水草なので、底砂に植え付けて育成することができます。
ただ、根張りはあまり強くないので、しっかりと根が張るまでそっとしておくか、重りを付けて沈めておくのがおすすめです。

ただし、水面に浮かべておくだけでも成長しますので、無理に水中に入れる必要はありません。植え付けていなくても根が生えてきますが、無くても問題なく育ちますので、邪魔であれば切ってしまっても良いです。

アナカリスの育て方は、以下の記事で詳しく解説しています。

アナカリスと生き物の相性


アカナリスも魚達の隠れ家や産卵床になりますし、水質を浄化する効果も期待できるため、幅広い生き物と相性が良いです。

金魚には葉が食べられてしまいますが、繁殖力が高いため、食べつくされて枯れてしまうようなことは滅多にないでしょう。
心配ならば、アナカリスもトリミングした部分を水に浮かべておけば、増やすことができますので、ストックしておくといざという時に買い足しをせずに済みます。

金魚以外だと、メダカやエビ、小~中型熱帯魚の隠れ家や産卵床としても最適です。
植え付けることができるので後景草として、水槽の中にレイアウトすることができますし、水質浄化能力の高さを活かしてビオトープや小型水槽でも活躍します。

カボンバについて

(水草)カボンバ 金魚藻<10本>メダカ カモンバ emuwai

もさもさとした豊かな葉が特徴のカボンバは、金魚藻のなかでも特に鑑賞性が高い種類です。

しかし育成はもっとも難しく、高水温が得意ではなかったり、光量が必要だったりしますので、適切な環境を把握してから水槽に入れるようにしましょう。

鑑賞性が高い!美しい水草

カボンバは、細くフワッとした葉が何層にも連なって広がる美しい水草です。

その鑑賞性の高さから、金魚水槽以外にも熱帯魚・水草水槽などの様々なアクアリウムで導入されています。

北米原産ですが、環境が整っていれば日本で自生することもあります

基本はきれいな緑色ですが、赤や黄色に色づく種類もあるため、好みの色を選べるのが魅力です。ただし、どの色もきれいに色づかせるには、水温や水質、光量などの条件を合わせる必要があるため、育成難易度は他の金魚藻に比べるとやや高くなります。

カボンバの育て方

カボンバはマツモやアナカリスよりも育成が難しく、きれいに育てるには次のような環境を整える必要があります。

水温:15~28度
光量:水草用水槽用照明や日光がおすすめ
底砂:ソイルや大磯砂(細目)など

幅広い水温に適応できますが、高水温は得意ではありません。安定して育成するためには、水槽用冷却ファンや水槽用クーラーで水温を調節した水槽で管理するほうが良いです。
強い光量も必要ですので、室内飼育なら水草用照明、屋外飼育なら日光が十分に当たるように調整しましょう。

またカボンバは根を張って育つことから、上手に育成するには根を張りやすいソイルや細目の大磯砂といった底砂が必要です。
必須ではありませんが、CO2が添加されている水槽ではより美しく育ちます。

カボンバの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

カボンバと生き物の相性


カボンバは他の金魚藻に比べて育成環境がシビアなため、どんな水槽にも導入できるというわけではありません。

本来は、強い水草用照明とCO2添加を備えた水草水槽での育成が向いている水草で、環境が合わないと葉が取れてしまうことがあります。

そのため、金魚藻という名ではありますが、普通の金魚水槽で育成するのはかなり難しいでしょう。どうしても金魚と一緒に育成したいならば、カボンバに合わせた水槽に金魚を入れる方向で環境を調整すれば、共存は可能です。

カボンバの育成環境はどちらかといえば、エビやメダカ、熱帯魚の方が適合します。
ボリュームがあるカボンバの葉は、生き物の隠れ家に最適ですし、鑑賞性の高さを強みにレイアウトすれば、ボリュームのあるアクアリウムに仕上げることができます。

まとめ:金魚藻とは!水草の種類と特徴、金魚・メダカ・エビとの相性を解説!


今回はマツモ、アナカリス、カボンバの3種類の金魚藻について解説しました。

どれも金魚藻として有名な水草ですが、細かく見ていくと特徴や育成環境が異なります。

マツモやアナカリスは丈夫で幅広い水質や水温に適応できますので、金魚水槽を含む多くの淡水魚やエビ水槽に入れられます。
一方でカボンバは水温や光量に敏感な面があるため、金魚水槽よりも環境が近い淡水熱帯魚やエビ水槽のほうが育成しやすいです。

水草は隠れ家産卵床になったり、水質改善やレイアウトにも役立ったりしますので、マツモ、アナカリス、カボンバの3種類の金魚藻を飼育に活用してみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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