メダカを販売するには!初心者に必要な物、副業になるのかを解説
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メダカは繁殖しやすい魚で、初心者でも比較的簡単に繁殖させることができます。
そこで、増えたメダカを「販売できるのではないか?」と考えたことがある方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、個人でも販売することができますし、飼育環境を整えて繁殖効率を高めれば、副業として利益を出すことも不可能ではありません。
ただ、販売するのならば、目的の品種を産みやすい親魚の選定、配送する際の梱包、SNSを活用した宣伝や顧客との丁寧なコミュニケーションなど、売るためのノウハウが必要不可欠です。
そこで今回はメダカを販売する方法について、売るのに必要な物や業になるかどうかなどを解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにメダカ販売に必要な物と副業にできるかなどについて解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
自宅で繁殖したメダカを、SNSなどを活用して販売することは誰でもできますが、副業にしたいといった具体的な目標があるならば、繁殖効率を上げて売れるメダカを増やすのはもちろんのこと、顧客の信頼を得るために正確な情報を提供し、丁寧な梱包を意識するなど、細かな気配りが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカ販売に必要な物と副業にできるかなどについて解説します。
メダカを販売するには
繁殖したメダカの販売は、誰でも行うことが可能です。インターネットなどを使えば比較的簡単に販売することができます。
しかし、少しでも利益を得ようと思うならば、トレンドを押さえたメダカを取りそろえなければなりませんし、そこに金銭のやり取りが発生するからには、責任を持って取引する心構えが必要です。
ここでは、メダカを販売する上で、事前に知っておきたいポイントや注意事項を解説します。
ノウハウがあれば誰でも販売できる
メダカの販売に資格は必要ありませんので、次の3つのノウハウがあれば誰でも挑戦できます。
- 効率良く繁殖させる
- オンラインや現地の販売場に出品する
- 梱包して発送する
メダカは増えやすい魚ですので飼育に慣れれば、コンスタントに繁殖させることは難しくありませんが、出品・発送したり、自分のメダカを宣伝したり、といった販売に関しては、知識が無いと難しく感じてしまう部分ではないでしょうか。
しかし最近は、インターネットサービスの向上や、メダカ関連のイベントの増加などで、個人でもメダカを販売できる方法が確立されています。気軽に…とまでは言えませんが、その気になれば誰でもメダカを販売することが可能です。
ただ、副業にして利益を得たいと考えるのならば、固定費を抑えながら売れるメダカを繁殖し続けるノウハウを学ぶ、顧客の信頼を得るための情報発信を欠かさない、など時間をかけて努力する粘り強さが求められます。
具体的な販売方法や梱包の仕方については、後ほど詳しくご紹介します。
メダカの売れ筋を考える
メダカの販売で利益を得たいと考えるならば、売れる品種を選んで繁殖させることが重要です。
近年の主な売れ筋は次の3つがあげられます。
- 新品種などのレアな個体
- 新品種を生み出すためのベースになる良質な若魚
- 一般的な需要が多い定番種
新品種は流通量が少ないだけに高単価で販売できますが、特徴がはっきりと現れた個体を作出するためには、経験や技術が必要になります。
さらに、専門店や専業ブリーダーが競合相手になるため、ハードルは高いでしょう。
新品種を作出するためのベースになる個体も需要があるものの、こちらも体型や体色、ラメといった特徴を品種改良によって良質なものにする技術が欠かせません。
一方で一般的な需要が多いメダカ、例えば
- 幹之(みゆき)メダカ
- 三色メダカ
- 楊貴妃(ようきひ)
とった品種は、飼育・繁殖させやすいうえにメダカを初めて飼う方にも需要があるため、販売しやすいです。
最も手堅く販売できますが価格が安く利益は下がりますので、目標の収益に合わせて、新品種や品種改良のベースとなる若魚の販売にステップアップすることも検討してみましょう。
表示を適切にしよう!
品質の良いメダカを繁殖・作出するのも重要ですが、メダカやショップの情報を公開して適切に表示することも大切なポイントです。
商品(生体)の情報や状態などの表示が細かいほど信頼度が上がり、購入につながりやすくなります。
- 返品の可否
- 死着保証の有無
- 発送方法や送料
- ショップ情報や飼育環境
といった項目は詳細まで記載しましょう。また、メダカは周囲の環境によって体色が変わりますので、「商品の写真と体色が違う」といった事態を防ぐ目的で、撮影したときの飼育容器や機材の情報を載せる場合もあります。
これらの情報は利用者の安心につがなるだけでなく、購入後のトラブルを防ぐことにもなりますので必ず表示するようにしましょう。
メダカの販売場所と梱包の仕方
では、メダカを販売するのにはどのような方法があるのでしょうか。
ここからはメダカを個人で売るのに適した販売方法と、梱包や発送の仕方を具体的に解説していきます。
メダカの販売場所
個人でメダカを販売する方法は主に次の2つです。
- オンラインショップ
- 現地(販売所・イベント・道の駅など)
オンラインショップ
個人でメダカを販売するときに一番取っつきやすいのが、インターネットを使った通販やオークション。オンラインショップは実店舗をかまえる必要がなく、全国に向けて幅広く販売できるのが魅力です。
最近は個人で簡単にオンラインショップを立ち上げられるサービスがありますし、ネットオークションも登録するだけで出品できます。
購入者の信頼が得られれば、SNSでやり取りをして販売することも可能です。
実際、個人でメダカを販売している人の多くがオンライン販売を利用しています。
ただ、アプリやサイトによっては生き物の販売が禁止されている場合がありますので、出品前に規約を確認しましょう。また、現物を確認できないことを利用して悪質な取引をする販売者もいるため、差別化を図るためにも店舗・生体情報などの表示は徹底して行うことが大切です。
現地(販売所・イベント・道の駅など)
次に候補になるのが現地販売です。実際に販売所やイベント、道の駅などに出店してメダカを販売します。
現地販売は現物を見て判断できますので、信頼されやすいのがメリットです。
イベントや道の駅で販売する場合は手続きや許可が必要ですが、宣伝しなくても一定数のお客さんの目に必ず触れることができますので、売れる確率は上がります。
手続きが手間であれば、自宅の敷地内に飼育容器と説明書きを設置して販売所とするのも良いでしょう。路上販売のようなものですが、自分のペースで販売できるのは魅力的です。ただし、販売所を設置しているだけではなかなか購入者に巡り合うことができないので、SNSなどを用いて宣伝をする必要があります。
梱包や発送のやり方
続いて、メダカの梱包・発送のやり方についてです。
メダカの梱包は、
- メダカをパッキングする袋と発泡スチロールを用意する
- 袋にメダカを移して飼育水と酸素を入れる
- 季節によってカイロや保冷材で保温・保冷し、梱包する
という手順で行います。イメージが難しい場合は、実際に繁殖・販売したい品種を購入してみて、決済の方法や梱包状態を確認するのも1つの手です。
梱包の仕方が雑だと、運送中にメダカが死んでしまうなどのトラブルになりますので、発送まで丁寧に行いましょう。また、購入者の目に直接触れる梱包が綺麗だと印象が良いですし、こうしたささやかな部分が顧客の信頼につながります。
SNSを活用して宣伝や告知しよう
メダカを販売する際には、TwitterやInstagramといったSNSが強い武器になります。
SNSで告知や宣伝すれば集客になりますし、飼育環境や実績を発信することで信頼感を得られます。飼育者と交流をつづければファンになってくれることも。
フォロワーが増えてくると、SNS経由で注文が入ることも珍しくありません。
また、同じようにメダカをブリードしていたり、販売していたりする人の投稿を確認・交流すれば情報収集の場として機能します。本来であれば費用をかけて行う必要がある宣伝や集客、情報収集を無料で行えるのがSNSの強みです。
メダカの繁殖に必要な物
メダカを販売するためには、まず基本的な飼育方法をおさえた上で、繁殖環境を整えて効率良く数を増やしたり、品種改良したりする必要があります。
そこで、ここからはメダカを飼育・繁殖するのに必要なものをご紹介します。
メダカの飼育設備
メダカの繁殖で特に重要視される飼育設備や条件は次の3つです。
- 日光や照明と水温管理
- 飼育容器
- ろ過方式
メダカの繁殖には日光や照明などの光が必要不可欠です。また、効率よく飼育・繁殖するには、飼育容器やろ過方式も適切なものを選択する必要があります。
十分な日光・照明と水温管理
メダカは日照時間が13時間を超えないと繁殖が滞ります。屋外飼育では日光の程よく当たる場所に容器を設置する、室内飼育では照明を設置して光を当てましょう。
屋外飼育であれば日光が当たりますので問題ありませんが、室内飼育では光量を確保するために植物や水草育成用の強い照明を準備しましょう。
また、水温の管理も重要です。メダカは水温18度~28度の間であれば繁殖をし、25度前後が一番活発になりますので、室内、屋外問わず、25度前後を目安に水温を管理していきましょう。
屋外飼育ではすだれなどで日陰を作って、高くても28度程度になるように調節してください。水温が下がると繁殖しなくなるため、寒い時期はお休みすることになります。
室内飼育では、水槽用冷却ファンや水槽用ヒーターを使って25度前後に保ちましょう。
水槽用ヒーターを使えば、冬でも水温を維持することができるので、一年中繁殖させることも可能です。
スペースを効率よく使用できる容器を採用する
メダカの繁殖では、共食いやトラブルを避けて効率よく育成するために、稚魚・若魚・親魚で分けて飼育する必要があります。このことから、少なくとも3個以上の飼育容器が設置できる1m四方ほどのスペースを準備しましょう。
また、飼育スペースを無駄なく使える、ちょうど良い大きさの飼育容器を選択することも大切です。
ただし、隙間なくぎゅうぎゅうに飼育容器を設置してしまうと、飼育機材を置くスペースがなくなってしまいますし、容器の移動やお世話がしづらいなど、メンテナンス性が下がりますので、一定の空間を空けておきます。
例えば、飼育スペースが120cm程度のスペースならば30cm容器を3つ置く、ぐらいの間隔がベストです。
ろ過フィルターの必要性
繁殖効率を考えるとどうしても飼育容器が多くなるため、ろ過フィルターがあったほうが水質を維持しやすいです。
とはいえ、水換え主体で管理したり、水量の多い飼育容器を使ったりなど、飼育スタイルによっては導入しなくても問題ありません。
屋外飼育では、オーバーフロー式が人気です。オーバーフロー式というと「海水魚水槽でよく使われる高価な設備を搭載した水槽」というイメージがあるかもしれませんが、ここでいうオーバーフロー式はもっと簡易なものです。
一定の水位になると容器の上部にある配管から自然に排水されるよう、水槽に簡単な細工をします。プラスチック容器やトロ舟ならば、上部に穴を開けて配管を差し込むだけで作れますし、細工が難しかったり手間に感じたりするならば、新品の雑巾を飼育容器のフチに添わせるだけでも緩やかに排水できます。
排水しやすいうえに、雨が吹き込む場所でも水があふれる心配が無いのがオーバーフロー式の魅力です。
最近では、
- テトラ じょうろでキレイメダカ鉢シリーズ
- GEX メダカ元気 メダカのための飼育箱
など、メダカ飼育用のオーバーフロー式の飼育容器が市販されていますので、こちらを使用するのもおすすめです。
親魚の選定
続いて、繁殖の基本となる親魚の選定についてです。
繁殖のベースになる親魚には、グレードの高い個体を選びましょう。
グレードがあまり高くない、もしくは品種の特徴がはっきり現れていない個体から品種改良を重ねて品質を上げていくと時間がかかるためです。良い個体は高価ですが、品種改良の工程を大幅に短縮できますので、初期投資は惜しみなく行いましょう。
ただし、メダカの飼育に慣れていない状態で、高価な親魚を購入するのはリスクが高いため、飼いやすい品種で経験を積んでからグレードの高い品種に挑戦することをおすすめします。
水草・産卵床
繁殖場所を整えることも大切です。
繁殖する場所になる水草や産卵床は、飼育容器の数に合わせて用意します。
効率を考えると、卵が産み付けられた産卵床はそのまま取り出して隔離し、新しいものを入れるのが最適ですので、代えを用意しやすい人工産卵床をストックしておくか、水草ならば繁殖力の高いホテイソウやマツモ、アナカリスなどがおすすめです。
特にマツモやアナカリスは高い再生能力が魅力で、卵が産み付けられた部分だけをちぎりとっても、枯れることなく新たな葉を付けます。
ただ、水草は環境に左右されて枯れてしまうこともあるため、安定性を求めるならば人工産卵床を使いましょう。
人工産卵床は枯れることがありませんので一度入手したら長期間使えますし、浮くタイプは産卵後に移動させるのも簡単です。
餌やりは満腹が目安
普通メダカの成魚の餌は、やり過ぎ厳禁と言われますが、親魚として繁殖を目的に飼育しているメダカは、常に満腹を目標にします。
餌やりの回数を1日3~4回に増やして、繁殖や産卵に欠かせない体力を補うことが目的です。餌が足りていないと産卵数が減ってしまうため、食べ残しが出ない程度で給餌回数を増やしましょう。
また、餌やりの頻度を考えると管理しやすい人工飼料がメインになりますが、
- ミジンコ
- ブラインシュリンプ
- グリーンウォーター(クロレラ)
といった生餌を使うことで、より良い体型に育ちやすくなります。
生餌は一度与えるとしばらく生きているため、メダカが好きなタイミングで食べられたり、給餌回数を減らせたりなどメリットは少なくありません。
メダカの餌やりやおすすめの餌については、こちらの記事で詳しく解説しています。
メダカ販売は副業になるのか
最後に、メダカ販売を副業として利益を得ることはできるかについてお話します。
結論から言うと、副業にすることは可能ですが、飼育・運営コストと販売利益のバランスをとるのはとても難しいです。
養殖を行うのには資格はいりませんし、店舗を持たなくてもオークションや独自のサイトで販売することができます。最初は1ペアのメダカから始めても、時間と労力をかけて質の良いメダカをコンスタントに生み出すことができれば、一定の利益を得られる可能性がある、というのはとても夢のある話です。
しかし、本格的に副業を目指す場合は、有利な情報を常に仕入れ続けることが必要になります。流行りのメダカはなんなのか、売れ筋はどの品種か、効率の良い繁殖方法、より良い飼育環境…などメダカをめぐる環境はいちじるしく変化しており、常に最新の情報にアップデートしながら利益を出すのは並大抵のことではありません。
また、情報を得るための人脈を広める意味でも先述したイベントに参加することは大切です。休日返上でこれらのイベントに顔を出す労力がかかりますが、稀に情報を販売する詐欺のような手口もありますので、信頼できる人脈を作り上げるのも、副業の一環と言えるでしょう。
イベントに行くのが難しいのならば、SNSなどを使って情報を得る方法が良いですが、こちらも真偽不明の情報には注意しましょう。
YouTubeチャンネルや配信を通してコミュニティを作ることもできます。SNSのよりも労力は掛かりますが、地道に続けていけば効果を得ることができます。
これらのことをコツコツ続けていくことでやっと副業になるかどうか、というのがメダカ販売です。
本当にメダカが好きで、メダカに注力できる人にとってはとても魅力的な副業といえますので、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
まとめ:メダカを販売するには!初心者に必要な物、副業になるのかを解説
今回は、メダカを販売する方法をご紹介しました。
メダカは飼育・繁殖が簡単な魚ですので、梱包や出品するノウハウがあれば誰でも販売できます。もちろん、最初から上手くいかないこともありますが、近年のメダカブームと認知度を考えると他のブリーダー業と比べてもハードルは高くありません。
また、日照時間や水温といった繁殖条件をそろえたり、管理しやすい飼育容器や産卵床を使ったりなど、繁殖の効率化も重要です。
メダカの販売が軌道にのれば副業になることもありますので、メダカが好きで飼育や繁殖が苦にならない方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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