
「メダカ飼育は簡単」とよく言われ、アクアリウム初心者にもおすすめされることが多いです。
メダカは日本の風土に馴染んだ魚ですし、気温変化にもある程度強いからです。
そんなメダカたちですが、水槽や飼育容器を置く場所で、育成ポイントが変わってきます。
- 温度管理
- ネコや鳥などの外敵トラブル
- 日光の採り入れ
- 観察のしやすさ・飼育コスト
繁殖させる場合にも飼育場所によって差が出てきます。
メダカの飼育場所によるメリットやデメリットについてもご紹介します。
目次
メダカを普通に飼うなら!室内飼育のメリット
熱帯魚や観賞魚を飼育するのと同じように、メダカをメインとしたアクアリウムを室内楽しむ方は多いです。
たとえば、何気なくはじめた室内飼育でも、メダカにはさまざまなメリットがあります。
まずはメダカの室内飼育に、どういったメリットがあるのかをご紹介します。
温度変化が少ない
室内に水槽を置く場合、屋外と比べて直射日光や外気温の影響を受けにくいですし、雨や風などが影響を及ぼすこともありませんから温度変化が少ないメリットがあります。
また、水温を保温するための水槽用ヒーターや冷却ファンといった、水温を管理するアイテムも室内なら使用できるので、メダカが活発になる水温で飼育可能です。
これは、室内ならではの強みといえるでしょう。
メダカを飼育するアクアリストの中には繁殖を考える方も少なくありません。
メダカの繁殖に適した水温は約20~25度前後。水槽用ヒーターを使えば、季節関係なく繁殖させるために大切な水温問題をクリアできるので、冬場でも安定してメダカを繁殖させられます。
そして、寒い季節の消化不良を防ぐこともできます。
もともとメダカは、季節ごとの水温に順応して暮らしているため、餌の量を季節で調整すれば、消化不良にはなりにくいです。
しかし、水温変化の少ない屋外では、微妙な水温低下・上昇でトラブルになりがちです。
メダカに季節を感じさせることはできませんが、一定の水温に保つことはメリットと言えるでしょう。
ネコなどの外敵トラブルを減らせる
屋外でメダカを飼育していると、しばしばネコや鳥といった動物に襲われることがあります。
室内飼育では、こういったトラブルが起きる可能性を限りなく減らせます。
とはいえ、室内飼育でもネコなどを飼っている場合は、メダカを飼育している部屋にネコを入れさせないなどの防止策が必要です。
もちろん他にペットを飼っていなければ、こういったトラブルを警戒することもないので、メダカものんびり成長できます。
じっくり観察できる
メダカを室内で飼育する場合は、水槽を水槽台の上などある程度の高さの場所に置くことがほとんどです。
正面はもちろん、横からなどさまざまな角度からメダカをじっくり観察できるのは室内飼育ならではのメリットです。
屋外飼育では、上から観賞するかたちになりますし、夜など暗くなると観察しにくいなどもあります。
子供たちとメダカが泳ぐ姿をじっくり観察したい・メダカの様子をしっかり把握したいという方は、室内飼育をおすすめします。
メダカの繁殖を目指すなら!屋外飼育のメリット
メダカの飼育では一般的とされている室内飼育のメリットを見てきましたが、メダカの体色を濃くしたい場合やメダカを健康に育てたい場合はやはり自然の環境に近い屋外飼育がおすすめです。
ここではどういったメリットがあるのかをお話ししていきます。
日光を採り入れられる
メダカを飼育する上で最も大切な要素が、『日光浴』です。屋外飼育では室内よりもふんだんに日光を採り入れるので、健康的なメダカに育ちやすいです。
メダカに有用な植物プランクトンも繁殖するため、最適な飼育環境を作り上げることができます。
メダカを繁殖させるには20℃以上の水温と13時間の日照時間が必要です。
また、昼と夜をハッキリさせられるのもメリットのひとつです。
このほか、日光に含まれる紫外線をメダカが浴びると、人間と同じようにビタミンDやビタミンAなどを作れます。骨の形成が促されますし、メダカの育成スピードも室内飼育より早くなる、といった効果があります。
水草が育成しやすく、繁殖に良い
メダカ飼育には水草が不可欠です。屋内でも屋外でも、水草は必ず一緒に育成します。
屋外飼育であれば太陽光を浴びることができるので、メダカに最適な水草が育ちやすくなります。
水草がしっかり育ってくれると、水中の硝酸塩を減らしてくれるので水質の安定を図ることもできますし、メダカの産卵場所にもできる、といった効果もメリットを得られます。
メダカの品種改良については、こちらの記事でもご紹介しています。
体色が濃くなる
人間が日光に当たると日焼けをするように、どんな動物でも日光に当たることで体色が濃くなる傾向があります。
メダカも程よい日光浴をすることで、鮮やかに色揚げすることができます。
室内飼育でも、水草育成用照明を使用することである程度は太陽光を再現できますが、自然の太陽光のほうが、メダカの色揚げ効果は高いです。
メダカの色と環境についてはこちらの記事でも解説しているので参考にしてください。
室内飼育のデメリット
ここまでは室内飼育・屋外飼育それぞれのメリットをご紹介してきましたが、やはりデメリットもあります。
まずは室内飼育のデメリットはどのようなものなのかを挙げていきます。
水草が育ちにくい
室内飼育では光合成をおこなうのに必要な光が不足てしまいます。
水草をよりよく育てるためには、水槽サイズにあった水草育成用照明で補う必要が出てきます。
そのため、水草の育成は屋外飼育よりも大変になりがちです。
また、ろ過フィルターを設置してメダカを育てる場合は、ろ過フィルターに浮草類が巻き込まれてしまうことがあります。
屋内飼育が初めての場合は、マツモやアナカリスのような水草をおもりで固定しながら育成すると管理しやすいです。
メダカ水槽で使うフィルターのおすすめはこちらの記事も参考にしてください。
発育が普通のラインを超えない
飼育環境により違いはありますが、屋外飼育のように色揚げすることは難しいです。光不足を感じることも多いでしょう。
育成スピードも屋外に比べて遅くなりますし、水換えや底砂掃除などの水槽掃除の頻度も高いので、屋外飼育よりやや手間がかかると言えます。
飼育コストがかかる
室内飼育をする場合はヒーターやLEDライトなど、屋外飼育では使わないアイテムを用意するので設備コストがかかってきます。
メダカは寒さにも強いから水槽用ヒーターはいらない、というアクアリストもいますが、食が細くなりますし動きもかなり鈍くなるので、量を少なくするなど、餌やりの難易度が少しだけ上がります。
また、水槽がある部屋に暖房があると昼夜で寒暖差が激しくなりがちです。寒暖差が激しい飼育場所では、水槽用ヒーターを導入しましょう。
そして基本的に、屋外だとメダカを冬眠させられますが、室内飼育で冬眠させることはできません。
これは、ほかの冬眠する動物と同様に、メダカを冬眠させるには事前に増体させておきます。
これには豊富な植物プランクトン(グリーンウォーター)などが必要です。
室内ではグリーンウォーター飼育は向かないため、必然的に冬眠させない飼育方法をとらざる得ません。
メダカの冬眠についてもっと知りたい人はこちらのページをご覧ください。
屋外飼育のデメリット
まずはメダカの室内飼育においてのデメリットをご紹介しましたが、屋外飼育する場合はまた違った問題が出てくるんです。どういったデメリットがあるのかしっかり把握しておきましょう。
ネコや鳥に狙われやすい
動物が立ち入れない室内と異なり、屋外飼育の場合はネコや鳥などに狙われることが多いため、防獣ネットなどの対策が必須です。
また最近はメダカや金魚などが窃盗被害に遭ったニュースも増えているため、高級メダカを屋外飼育する場合は、防犯対策も必要になるのが欠点です。
水温が管理しにくい
屋外飼育をする場合は、水槽用ヒーターなど保温器具は使用できません。
そのため猛暑や台風、大雪など気象条件により水温の変動が激しくなるので、都度、事前に対策を行います。
荒天が予想される場合は、軒下や玄関などに移動する、ビニールシートや波板を固定するなどを行いましょう。
少し臭う
屋外飼育ではコケが生えやすい、グリーンウォーター化しやすいといった理由から室内飼育よりも、飼育容器が臭いやすくなります。
飼育するメダカの数が増えるほど顕著になりやすいので、複数の容器で飼育している場合は要注意です。
特に夏は室内飼育でも臭いが気になることがあるくらいなので、コケ取りや水換え・足し水などは、気が付いたらこまめに行いましょう。
室内飼育と屋外飼育は目指すイメージで決めよう!
室内飼育と屋外飼育のメリットやデメリットをご紹介しましたが、大事なのは「どういったメダカを育てたいか」ということです。
餌を食べたり卵を産む様子を見たい、といった場合は室内が向いています。
メダカの色を濃くしたい・たくさん繁殖させたい場合は屋外飼育が向いています。
飼育環境は、育て方を決める重要なポイントなので、事前に計画すると良いでしょう。
まとめ:メダカは室内飼育と屋外飼育どちらが良い?繁殖は?メリット、デメリット
メダカの飼育は、じっくり観察を楽しめる室内飼育と、美しく健康に育てられる屋外飼育に分かれます。
それぞれにメリットもデメリットはあります。肝心なのは、飼育者自身のイメージに合った飼育ができる環境か、ということです。
お悩みの際はこの記事を参考に、自分が目指すイメージに合った方法で、メダカをお迎えしてあげてください。
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