

水草水槽をやめて海水魚水槽にしたい!水槽の仕様変更をする時の注意点!
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長い間アクアリウムを続けていると、様々な飼育スタイルに興味が湧いてきます。
ある程度理想の形が出来上がって満足したり、現在の水槽に飽きてしまったりといった理由から、今ある水槽をリセットして新しいアクアリウムに挑戦したいと思うのは自然なことかもしれません。
そこで気になるのが、現在使っている機材を流用することはできるのかというところです。
熱帯魚水槽→水草水槽というように、同じ淡水であれば比較的そのまま流用できそうですが、淡水から海水に切り替えるとなると何が使えて何を新たに揃えなければならないのか悩んでしまうこともあるでしょう。
そこで今回のコラムでは、水草水槽から海水魚水槽に仕様を変更したい場合のポイントを解説します。
機材の揃え方や不要になったものの破棄方法についてご紹介しますので、ご一読ください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水草水槽から海水魚水槽に切り替えるポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
淡水水槽と海水水槽では仕様が大きく異なると思われがちですが、細かく見ていくと共通で使用できる機材はたくさんあります。
仕様変更をするときは使えるもの使えないものを選り分けていくと、初期費用を抑えながらスムーズに作業が進むでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水草水槽から海水魚水槽に切り替えるポイントを解説します。
水草水槽から海水魚水槽への仕様変更は可能?
結論から言うと、水草水槽から海水魚水槽へ切り替えることは可能です。
ただし、水草水槽と海水魚水槽では水質や飼育環境が大きく異なるため、一度水槽をリセットした上で、使用できるものを流用したり設備を追加したりしながら新たに水槽を立ち上げる必要があります。
手間としては一から水槽を始めるのとあまり変わりませんが、これまで培った経験を元に立ち上げ作業ができるので、初めてよりはかなりスムーズに作業ができるでしょう。
また、初期費用はある程度抑えることができるのもポイントです。
海水魚水槽に必要な基本的な設備
海水魚飼育を始めるのに必要な基本的な設備は以下です。
- 水槽、水槽台
- ろ過フィルター
- エアレーション
- 水槽用ヒーター
- 水槽用クーラー
- 海水魚用LED
どれも海水魚飼育に欠かせないアイテムのため、既存のもの新たにそろえるものをピックアップして飼育を開始しましょう。
水草水槽から流用できるアイテム
一般的な水草水槽の設備や消耗品の中で、海水魚水槽に流用できる可能性のあるアイテムをご紹介します。
水槽環境を構築する基本的な機材の多くは流用可能です。
ただし、ろ過フィルターや水槽用ヒーターなどのタイプによっては新たに買い直した方が良いものもありますので、使用できるかどうかをよく確認してみてください。
水槽、水槽台
水槽本体や水槽台は、海水魚水槽でもそのまま使用できることがほとんどです。
意外にも海水魚は30cmクラスの小型水槽から飼育ができるため、しっかり洗浄すれば買い直す必要はありません。
水槽台も基本的には変わらず使用可能ですが、塗装が剥げていたり錆が出ていたりすると、塩水の影響で腐食してしまうことがありますので、使用年数が経っている場合は安全性に注意してください。
ろ過フィルター
ろ過フィルターは、ろ過方式によって使用の可否が異なります。
- 外部フィルター
- 上部式フィルター
- 外掛け式フィルター
が海水魚水槽でも活用できるろ過フィルターです。
水槽用クーラーを接続できる外部フィルターは、海水魚飼育では定番のろ過方式です。ろ材を入れ替える必要はありますが、水草水槽で使用していたものをそのまま使用できます。
水槽の大きさや飼育生体によっては上部式フィルターや外掛け式フィルターも流用可能です。
ただし、水槽用クーラーが接続できない点やろ過能力がやや心もとないことから、別途外部フィルターやプロテインスキマーを用意する必要があります。
エアレーション
エアレーション設備も水草水槽と同じものを使えます。
海水魚水槽の管理では、水草水槽以上にろ過バクテリアの働きが重要となるため、エアレーションをしてバクテリアの活性を高めましょう。
エアレーションの水が跳ねることで起こる塩ダレが気になるときは、バブルストッパーを併用してみてください。
水槽用ヒーター
一般的な海水魚は水温23~27℃の範囲で飼育しますので、この水温に設定できる機種であれば水槽用ヒーターの流用が可能です。
ただし、海水魚は淡水魚よりも繊細な温度管理が求められることが多いため、温度固定型を使用している場合は調節できるタイプに変更することをおすすめします。
また、水槽用ヒーターは消耗品で1~2年程度で故障しやすくなるため、すでに耐久年数を超えている場合も新しいものに交換しましょう。
水槽用クーラー
水槽用クーラーもそのまま使用ができるアイテムです。
海水魚は比較的低めの水温を好む品種が多く、特にイソギンチャクやサンゴを飼育する場合は、高水温に注意が必要です。
飼育水を確実に冷却できる水槽用クーラーは必ず設置しましょう。
海水魚水槽用に新たに用意したいアイテム
基本的な機材が水草水槽からそのまま流用できる一方、ろ材や底砂などの消耗品は海水環境に合わせたものを用意する必要があります。
ここからは、海水魚用に買い替えが必要なものや新たに用意したいアイテムをご紹介します。
外部フィルター、オーバーフロー水槽
先程ご紹介したろ過方式以外を使用している場合は、ろ過フィルターの買い替えが必要です。
おすすめはやはり外部フィルターで、各アクアリウムメーカーから様々な価格帯の製品が販売されていますので、予算や水槽の大きさに合わせて選定できます。
また、買い替えのタイミングで思い切ってオーバーフロー水槽を導入するのもおすすめです。
オーバーフロー水槽はろ過能力がかなり高い上に、カルシウムリアクターやプロテインスキマーといった専門性の高い設備を導入することができるので、将来的にサンゴや難しい海水魚の飼育に挑戦したいと考えている場合は、検討してみましょう。
海水魚・サンゴ用LEDライト
水草と海水魚では飼育に必要な光量や波長が異なるため、海水魚用の照明に買い替えが必要です。特にサンゴを飼育するときは、必ずサンゴ育成用の照明を用意するようにしましょう。
ちなみに、様々な色や波長を調光できるマルチLEDならば、水草、海水魚、サンゴ問わずどの水槽でも使用できます。
ろ材
海水魚水槽では、pHをアルカリ性にコントロールしやすくなるサンゴ系のろ材がおすすめです。
底砂
海水水槽の底砂にはpH調整効果が高く、カルシウムなどのミネラル分を豊富に含む、サンゴ砂やアラゴナイトサンドを使用するのが一般的です。
目の細かい白いサンゴ砂は、敷くだけでマリンリゾートのようなリッチな雰囲気を演出できるので、鑑賞性も向上します。
ライブロック
ライブロックは、死んだサンゴにバクテリアや微生物が付着した多孔質な岩です。
水質の維持に効果的で水槽の立ち上げ時に重宝するため、海水魚水槽ではライブロックをメインにレイアウトを組んでいきます。
また、サンゴを育成する時の土台として使いやすいですし、鑑賞性が高い点もポイントです。
ライブロックは高額なのがネックでしたが、最近は質のよいレプリカのライブロックが登場しているので、予算に合わせて本物とレプリカを混ぜ合わせるといった使い方で取り入れやすくなっています。
不要になった水草水槽の処理方法
新たに立ち上げた海水魚水槽で使用しなかった不要品は、適当に捨てずに必ず自治体の指示に従って廃棄してください。
またアイテムによっては、別の形で再利用できる場合もあります。
主なアイテムの処分方法は以下の通りです。
アイテム |
処分方法 |
---|---|
ソイル |
良く洗って培養土と混ぜれば園芸用の土として再利用できる。処分する場合は不燃ゴミへ |
水草 |
状態の良いものはフリマアプリなどで販売可能。また小さなボトルアクアリウムとして再利用するのも良い。捨てる場合は燃えるゴミへ |
飼育水 |
流用できないので廃棄する |
生体 |
SNSやアクアリウムショップなどを利用して引き取り先を見つけて譲渡する |
特に生体は、必ず引き取り先を見つけてから新しいアクアリウムを立ちあげましょう。
たとえ日本に生息する魚であっても河川に放流するようなことは絶対にやめてください。
まとめ:水草水槽をやめて海水魚水槽にしたい!水槽の仕様変更をする時の注意点!
水草水槽から海水魚水槽へ仕様を変更するポイントや、流用できるアイテムをご紹介しました。
水草水槽と海水魚水槽では飼育環境が大きく異なるため、仕様を変更するときは一度水槽をリセットして新たに立ち上げ直す必要があります。
ただ、ろ過フィルターや水槽用ヒーター、クーラーなど一部の機材はそのまま流用ができるので、海水水槽を一式買い揃えるよりは、コストや手間を削減できるでしょう。
一方、ろ材や底砂などの消耗品は買い替えが必要です。
海水水槽は水草水槽とは趣や管理方法が全く異なるため、仕様変更によって新鮮な気持ちでアクアリウムに向き合えるようになるのではないでしょうか。
水草水槽をやり切ったと感じたときは、ぜひ海水水槽にもチャレンジしてみてください。
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