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大型水槽を設置する際に多くの方が悩むのが、ろ過フィルターの選定です。
ろ過フィルターは水槽のサイズや生体数に応じたパワーのものが必要ですが、150cmを超えるような大型水槽の場合、市販されているろ過フィルター1台ではろ過が不十分になる可能性があります。
飼育する魚種や環境によっても必要なろ過フィルターや設備が変わってきますので、まずは大型水槽に向いたろ過フィルターの種類や選ぶ基準などを、事前にしっかりと把握しておきましょう。
このコラムでは大型水槽に適したろ過フィルターとおすすめの設備を、プロの目線から解説していきます。
目次
アクアリウムのプロが監修、大型水槽におすすめのろ過フィルター・設備
このコラムは、東京アクアガーデンのスタッフであるアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンでは、150cmクラスの大型水槽も数多く手掛けてきました。
大型水槽を設置していく中で、東京アクアガーデンが特に採用することの多いおすすめのろ過フィルターや設備についてご紹介していきます。
ろ過フィルターを選ぶ基準についても解説しますので、ぜひ参考になさってください。
大型水槽用ろ過フィルターを選ぶ基準
大型水槽用のろ過フィルターを選ぶ基準は、
- 水草水槽
- 淡水魚水槽
- 海水魚水槽
この3つのうちのどの飼育スタイルなのかによって、若干変わってきます。
まずはそれぞれの飼育環境別に、ろ過フィルターの選定ポイントを解説していきます。
大型水草水槽の場合
水草をメインとした水槽の場合、150cm水槽でも外部フィルター1台でろ過は間に合います。
ただし、ろ過フィルターの流量が低下すると水質を維持する余裕がすぐになくなってしまいますので、安心を得る意味で複数台のろ過フィルターを設置しておくのがおすすめです。
大型水槽はリセットやリニューアルといった大きなメンテナンスが、簡単にはできません。
そのため、日々の水槽管理ではリスクを最小限にとどめておくことが重要となります。
リスクを最小限にするためには、水槽管理の肝であるろ過フィルターに余裕を持たせることが大切です。
もしろ過フィルターが突然故障してしまったとしても、複数台設置していれば応急的管理が可能です。もしものことを考えて、ろ過フィルターには余裕を持たせておくと安心です。
大型淡水魚飼育の場合
淡水魚をメインとした水槽の場合は、外部フィルターまたはオーバーフローシステムをおすすめします。
特にアロワナなどの肉食魚飼育においては、ろ過能力が高くメンテナンス性も良いオーバーフローシステムを選定しておくと間違いないでしょう。
オーバーフローシステムの場合、ろ過能力が不足していると感じたら後付けで外部フィルターを付け足すことで、ろ過能力の増強を簡単に行えるという点も、大きなメリットと言えます。
大型海水魚水槽
海水魚をメインとした水槽の場合も、オーバーフローシステムがおすすめです。
海水魚やサンゴ飼育の場合、水槽内の溶存酸素量の確保が大切なのですが、外部フィルターだと構造上どうしても水槽内の酸素濃度が低下してしまいます。
だからといって酸素濃度をキープするためにエアレーションを施すと、海水魚水槽では塩ダレが発生する原因となるため、メンテナンスの手間が増えてしまいます。
それに対してオーバーフローシステムは溶存酸素量を自然とキープすることができますし、水位が常に一定で、ろ過槽の中ににプロテインスキマーを設置することも可能です。
外部フィルターでも一体型のプロテインスキマーを設置できないことはないですが、見た目と能力から言うと、やはりオーバーフローにしておくのが間違いないと言えます。
大型水槽用ろ過フィルターとおすすめの設備
ここからは大型水槽におすすめのろ過フィルターと、おすすめの設備について解説していきます。
150cm以上の大型水槽におすすめのろ過フィルター
まずは150cm以上の大型水槽におすすめのろ過フィルターについて。
ここではエーハイムプロフェッショナル4 2275についてご紹介していきます。
エーハイムプロフェッショナル4 2275
エーハイムプロフェッショナル4は、エーハイムのプロフェッショナルシリーズの中では最新の外部式フィルターで、2271・2273・2275の3種類が販売されています。
中でも2275は150cm水槽(345L)まで対応しており、なおかつ価格は比較的安価に設定されているため、金銭的な問題でどのフィルターを選ぶべきか迷っている場合は、エーハイムプロフェッショナル4 2275がおすすめです。
プロフェッショナル4ではろ材が目詰まりしたときに一時的に流量を回復させる、『エクステンダーノブ』というシステムが搭載されています。
呼び水はレバー式なので簡単に操作できますし、粗いゴミをこし取る『プレフィルターコンテナ』が採用されているため、メンテナンス頻度を軽減できるというメリットもあります。
エーハイムプロフェッショナルシリーズについては以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧になってみてください。
大型水槽におすすめの設備
続いては大型水槽におすすめの設備について解説していきます。
ご紹介するのは以下の3つの設備です。
- 大型エアーポンプ:ブロアー
- 大型水槽用クーラー
- 大型水槽用ヒーター
大型エアーポンプ:ブロアー
大型水槽でエアレーションをする場合、ブロアーを使用するのがおすすめです。
能力が非常に高く、多少の高低差なら問題なくエアーを排出できます。
活魚水槽や、複数の水槽をエアレーションしたい場合にもおすすめです。
水槽用ブロアーについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。
大型水槽用クーラー
大型水槽用のクーラーとしておすすめなのが、ゼンスイ ZC-1300αです。
「大型水槽であればこの機種で決まり」と言われるほどの定番商品で、外気温と設定水温によっては1300Lまで対応できるため、大型のオーバーフロー水槽でも余裕を持って冷やすことができます。
大型水槽用ヒーター
大型水槽用のヒーターとしておすすめなのが、ニッソー プロテクトヒーター R-500と、ニッソー プロテクトヒーターストロングセーフ1000です。
ここで2つの商品を挙げた理由は、大型水槽の水温管理をひとつの水槽用ヒータで完結させるリスクにあります。
大型水槽ではヒーターを1箇所に設置すると水槽内で温度差が出てしまいますし、万が一ヒーターが故障した場合は生体の命に関わるため危険です。
これらのリスクを軽減させるためにも、大型水槽には2台の水槽用ヒーターを設置しましょう。
大型水槽におすすめのヒーターについては以下の記事でも解説していますので、ご覧になってみてください。
オーバーフロー式海水魚水槽の場合におすすめろ過設備
続いてはオーバーフロー水槽におすすめの設備について解説します。
オーバーフロー式で海水魚やサンゴを飼育する場合は、水槽用クーラーや水槽用ヒーターの他に、プロテインスキマーを導入するのがおすすめです。
大型プロテインスキマー
大型プロテインスキマーは、大型水槽で海水魚やサンゴを飼育する際に重宝される、マリンアクアリウム専用の設備です。
溶存酸素量を向上させたり、サンゴにとって有害な硝酸塩を除去するなどの効果が期待できます。
今回選定したプロテインスキマー(ゼンスイ プロテインスキマー Genesis DC900)は原則オーバーフローシステム内でしか活躍できませんが、ゼンスイ社のジェネシスDCシリーズは性能が高く、メンテナンス性も簡単なので非常におすすめです。
まとめ: 150cm以上!大型水槽のろ過フィルターとおすすめ設備をプロ目線で解説
今回は大型水槽に適したろ過フィルターや、おすすめの設備について解説してきました。
大型水槽では複数のフィルターや設備で管理をすることが、安全な運用のコツです。
予算や設置場所に余裕があれば、サブのろ過フィルターや水槽用ヒーターを用意しましょう。
大型水槽の設置、管理を個人で行うのはとても大変なことですので、必要に応じてプロの手を借りながら管理していくことも視野に入れましょう。 飼育する生き物に合わせた機材を特注で制作したり、メンテナンスをお願いしたいするなど、最適な管理の仕方を見つけていくことが大切です。
水槽や生体にとってベストなろ過フィルターや設備を設置し、安全で快適なアクアリウムライフを楽しみましょう。
大型水槽の運用について良くあるご質問
大型水槽におすすめのろ過フィルターとは?
ろ過能力を増強するために、併用や複数使用をすると水質を維持しやすいです。水質に敏感な大型魚や海水魚・サンゴを飼育する場合は、オーバーフロー式が最もおすすめです。
大型水槽の管理で注意すべき点は?
- 機材の故障に備えて予備をストックしておく
- 酸素不足に注意する
- プロテインスキマーなど水質維持に役立つ機材を使用する
大型水槽は水量が大変多いため、対応する機材も大型で、すぐに用意できないことがあります。
大型水槽で飼育する生体は水質管理が大切な種類が多いため不調にならないように設備はストックしておきましょう。
また、酸素不足にも注意しブロアーなどでの管理することもおすすめです。
大型水槽用ヒーターの設置方法とは?
水槽用ヒーターは基本的に消耗品です。2本あればどちらか1本が故障しても急激な水温低下を防ぐことができます。
大型水槽用クーラーはどの機種が良い?
オーバーフロー式の場合は、水槽用クーラーのサイズに合わせて使用するろ過槽のサイズが変動しますので、飼育生体の適水温にするために必要な冷却能力と、希望のろ過能力(ろ材量)を考慮して選びましょう。
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