

金魚の春対策5個!水温が不安定な季節を乗り越えるための対策を解説
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季節が冬から春に移り変わり温かくなってくると、少しずつ金魚が活発になります。
動き出した金魚を見て、さっそく餌やりやお世話を再開しようと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は、冬からあけたばかりの金魚はとてもデリケート。初春は水温が安定しづらく、金魚もまだ本調子ではないことから体調を崩しやすい時期として知られており、お世話の仕方には気を付けなければなりません。
屋外飼育で冬眠していた金魚はもちろん、室内飼育の金魚でも水槽用ヒーターで保温をしていない場合は、冬は活性が下がるので、しっかりケアをしてあげましょう。
今回は、水温が不安定な春の金魚にできる対策を5つご紹介します。
春になりやすい病気や飼育管理などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水温が不安定な金魚の春対策を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
暖かくなってくると金魚が少しずつ活動的になりますが、この時期は気温の変化が激しく水温も安定しません。
金魚に負担を掛けやすい季節なので、適切なケアをして生活リズムを取り戻してあげましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水温が不安定な金魚の春対策を解説します。
金魚は春に死にやすいと言われる理由
「金魚は春に死にやすい」と言われることもあるほど、金魚に負担がかかりやすい季節です。
これには以下の複数の要因が絡んでいると考えられます。
- 冬眠明けで本調子ではない
- まだ水温が低い・水温変化が激しい
- 冬の間に溜まった水槽の汚れや雑菌の繁殖
冬眠明けで本調子ではない
冬眠から目覚めたばかりの金魚は、まだ本調子ではなく活性や免疫機能も低い状態です。また、冬眠中餌を食べていないことから痩せて体力も落ちています。
これは病み上がりに近いような状態なので、水質の変化や元気ならば感染しないような病気にも耐えられず、急変してしまうことも少なくありません。
ちなみに、室内水槽で冬眠をしていない金魚でも、無加温の場合は冬眠中と同じように活性が落ちているため、十分に注意が必要です。
まだ水温が低い・水温変化が激しい
金魚は水温が10℃を越えたあたりから少しずつ動き出しますが、本格的に調子が上がるのは15℃以上になってからです。
3月中旬辺りはまだ水温が低いので、消化不良などには十分に気を付ける必要があります。
また、春は気温が安定しづらいのも金魚の大きなストレスです。
暖かくなったと思ったら次の日には真冬のような気温に下がる、といったことも多いので、活動を始めた後も、いつでも保温ができるような準備を整えておきましょう。
冬の間に溜まった水槽の汚れや雑菌の繁殖
冬眠中や無加温飼育の場合、余計な刺激を与えないように水槽掃除や水換えを控えますが、この間に溜まった汚れが金魚に悪さをすることがあります。
水温が上がると金魚だけでなく、水槽内に潜んでいた雑菌や病原菌も活動的になり、水質の急変や病気を引き起こすのです。
先述した通り春の金魚は免疫力も低下しているため、体調を崩して病気にかかると、容易に回復できない可能性があります。
金魚の春対策5個!
気温の変化に伴い金魚も不安定な春は、金魚の様子を見ながらしっかりケアをしてあげることが大切です。
ここでは、金魚の春対策ということで、春先の飼育で気を付けたいポイントを5つご紹介します。
ちょっとしたことを意識するだけで、春の飼育がぐっと楽になって生存率も上がりますので、ご覧になってみてください。
対策1:餌は控えめにする
金魚が活動的になってきたら、餌やりを再開します。大体、水温が10~12℃以上になった頃が目安です。
ただ、この辺りの水温ではまだ金魚の消化機能が十分ではないため、餌は1~2分程度で食べ終えられるごく少量から始めて様子を見ましょう。
水温が15℃~18℃程度まで上がってきたら消化不良の心配はかなり減るので、食べ具合を見ながら少しずつ元の量に戻していきます。
「冬眠明けでお腹が空いているだろう」と、いきなりたくさんの餌を与えるのは絶対にやめてください。消化不良を起こして、かえって調子を崩してしまいますし、大量の餌は水質の悪化にもつながります。
また、早く太らせようとしてこってりした餌を与えるのも消化不良の原因になりますので、最初は消化に良い餌を中心に与えていくのがおすすめです。
対策2:水温変化で病気に注意
春は金魚の病気が悪化しやすいです。
水温の上昇に伴い水槽内に潜んでいた病原菌や寄生虫が活発になるため、水温変化などで体力が落ちた金魚が病気にかかると、なかなか回復できず命を落としてしまう危険もあります。
このことから春先の金魚飼育では、いつも以上に異変が起きていないか注意深く観察することが大切です。
また、病気の初期症状がみられたら、速やかに治療を開始できるよう準備をしておくのも良いでしょう。
ここからは、春に特にかかりやすい白点病、エラ病、尾ぐされ病の症状と対処法をご紹介します。
白点病は18度以上で罹りやすくなる
白点病は、白点虫(ウオノカイセンチュウ)という寄生虫に感染して発症する病気です。
初期症状では、
- 体を底砂やレイアウトにこすりつけるような泳ぎ方
- 体表に粒状の白点がつく
の2つの異変が見られます。その後、病気の進行に伴い体表の白点が増えていくのが特徴です。
白点病の原因である白点虫は水温18度以上で活発になるので、水槽内に白点虫が混入していると、春ごろに罹患する金魚が急増します。
ただ、白点虫は自然発生するものではなく、基本的には外部から持ち込まれて蔓延するので、冬の間に新しい金魚を追加した場合や、過去に白点病が発生したことがある水槽では特に警戒するようにしましょう。
白点病に罹患した金魚を見つけたら、水槽全体を薬浴します。
また、白点虫は高水温に弱いので、水槽用ヒーターを使って28℃程度まで水温を上げると、より効果的です。白点虫が金魚の体から離れるので、治療の効果が出やすくなります。
エラ病・尾ぐされ病にも注意
エラ病はエラに寄生虫やカラムナリス菌にが感染することで起こる病気です。
主な症状としては、
- 頻繁な鼻上げ(酸欠症状)
- エラの動きが以上に早い、または遅い
- 泳ぎ方や動きが弱弱しい
などが挙げられます。
一方尾ぐされ病は、エラ病と同じくカラムナリス菌が原因で起こる病気ですが、主な症状はヒレに現れます。
- ヒレの白濁、充血
- 病気が進行すると、ヒレが溶けるようにボロボロになる
どちらも水温の変化によって免疫力が低下した金魚がかかりやすい病気で、カラムナリス菌は20度以上、繊毛虫は5~20度で活性化するため、気温が高くなる春~夏にかけてが発症のピークになります。
治療方法は、初期段階であれば塩水浴が有効ですが、改善が見られないようならば薬浴に切り替えましょう。
エラ病の場合は、カラムナリス菌か寄生虫かによって有効な薬が異なりますので、原因を見極めながら治療を進めてください。
対策3:底砂掃除を徹底しよう
汚れが溜まった底砂は、病原菌の温床になります。特に金魚は底砂利をつつく習性があるため、底砂の汚れから病気をもらってしまうことが多いです。
そのため、金魚の動きが活発になってきたら、冬の間掃除できなかった底砂掃除をしましょう。
クリーナーポンプを使って汚れを吸い出すのでも良いですが、あまりに汚れが酷いときは一度水槽の外に取り出して、飼育水でしっかりこすり洗いすることをおすすめします。
水質の変化は金魚の負担になりますので、掃除の後は金魚に異変が無いか注意深く観察しましょう。
対策4:心配ならトリートメント薬浴をしよう
問題なく冬を超えた金魚は、水温が上がるにつれて徐々に活性を取り戻し、活発になっていきます。
しかし、中には冬越しのダメージからなかなか回復できず、フラフラしていたり餌の食べが悪かったりといった個体がみられることも。
このような個体は、そのまま水槽に入れておくと更に弱っていってしまう可能性が高いため、一度隔離して塩水浴でしっかり養生させてあげることをおすすします。
塩水浴は塩水の浸透圧を利用して金魚の体力回復を図る治療法で、何となく調子が悪そうな金魚の治癒に最適です。
病気の初期治療に用いられることもありますが、はっきり病気と分かる症状が出ている場合は、塩水浴ではなく魚病薬を使った薬浴の方が効果的なので、臨機応変に対応してください。
病気の見極めが困難なときは、幅広い病気に効果が期待できる『グリーンFゴールド』が使いやすいです。
単なる不調も放っておくと病気に発展する可能性があります。異変を見逃さないようこまめに観察をして、早め早めの対処を心がけましょう。
対策5:冬眠が終わったら掃除をしよう
屋外飼育で金魚を冬眠させた場合は、冬眠から目覚めたら”床直し”と呼ばれる大掃除をします。
床直しは、冬の間に溜まった汚れを掃除して清潔にして、金魚が新しい一年を過ごす環境を整える作業です。金魚の繁殖や健康に影響するほか、気温の上昇に伴い湧いてくる雑菌の増殖を防ぎ、病気を予防する目的もありますので、必ず行いましょう。
床直しの手順は簡単です。
- 飼育水の1/2程の量と金魚を別容器に移す
- 底砂やレイアウトを取り出して洗浄する
- 飼育容器を洗い、残った飼育水は排水する
- 取り置いた飼育水とカルキ抜きした新しい水を注水する
- 底砂やレイアウトを戻す
- 水合わせをしてから金魚を戻す
普段の水換えよりも多めに換水するので、金魚を戻すときは必ず水合わせをしてください。
春に金魚を病気にしないために
デリケートな春先の金魚を守るためには、ろ過フィルターの掃除や水換えなどをして、水槽内を清潔に保つことが重要です。
最後に、春に金魚を病気にかからないようにするためにできることをご紹介します。
金魚が安定したらろ過フィルターを掃除しよう
ろ過フィルターを設置している場合は、こちらも掃除をしましょう。
ただ、ろ過フィルターを掃除すると少なからず水質に影響が出るため、掃除は気温が安定してきて、金魚の調子が上がってきてから行うことをおすすめします。
水温が15~18度以上の日が続くようになった頃が目安です。金魚たちの様子を確認し問題なければ、ろ過フィルターやろ材、配管などの掃除に着手してみてください。
特にろ材の汚れは病気の発生率を高める傾向にありますので、暑くなる前に汚れを落としておくと、金魚を健康に飼育しやすくなります。
こまめな水換えで健康管理
春頃の水換えは、少ない水量をこまめに行うのがポイントです。
水温が不安定で金魚の体調も万全でないときに大量に水換えをしてしまうと、水質が変わって金魚に負担を掛けてしまいます。また、水槽の中に手を入れたり水がかき回されたりすること自体が、金魚にとっては大きなストレスです。
しかし、免疫力が落ちているからこそ、水換えをして水槽内をきれいに保ちたいのも事実。
そこで、水質にできるだけ影響を与えない範囲で少しずつ水換えをして、汚れを排出していきます。
目安としては5日に1回1/5程度から7日に1回1/4程度です。
少量の水換えは、金魚の交感神経を刺激して活性を上げるといった効果も期待できるため、無理のない範囲で行いましょう。
まとめ:金魚の春対策5個!水温が不安定な季節を乗り越えるための対策を解説
金魚が体調を崩しやすい、春の対策をご紹介しました。
暖かくなる春は少しずつ金魚が活気づく、飼育が楽しい季節です。しかし春先はまだまだ本調子ではありません。
特に「やっと餌やりができる!」と張り切ってしまうと、消化不良や水質の悪化を招く可能性があるので注意してください。
また、春の金魚は免疫力や体力も落ちているため、不調や病気になりやすいです。無理のない範囲で適切なメンテナンスをして、飼育環境を清潔に保ちましょう。
塩水浴や薬浴トリートメントで、冬のダメージをケアするのもおすすめです。
飼育が難しい春を乗り越えて、本格的な金魚シーズンに備えてみてください。
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