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金魚は基本的に単種での飼育が推奨されている観賞魚です。理由としては
- 泳ぎの苦手な品種が多い
- フンが多く水質を悪化させやすい
- ヒレが長く、他の魚につつかれやすい
などが挙げられます。
そもそも金魚はフナの突然変異を固定化した改良品種の魚で、野生下で生まれた魚ではないため、自然界に生息する魚たちとは性質が合わないことも多いのです。
しかしそんな金魚も、温和で体型が似たような魚とであれば混泳させることも不可能ではありません。
今回は金魚と他の魚を混泳させるための条件や、おすすめの混泳相手について解説をしていきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚の混泳を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
金魚は様々な理由から単種飼育が推奨される観賞魚です。しかし、条件を満たせば温和な種類の熱帯魚や、フナ、ドジョウなどの生き物と混泳できる可能性があります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚が単種飼育を推奨される理由や、混泳の条件、一緒に飼育できる生き物についてを解説します。
金魚は単種飼育が多い理由
まずは金魚が基本的には単独飼育を推奨されている理由について、
- 体型によっては泳ぎが苦手
- 水を汚しやすい
- ヒレが長い
という3つの視点から解説していきます。
体型によっては泳ぎが苦手
金魚は野生下に生息するフナが突然変異したものを、人工的に改良した結果生まれた観賞魚です。
つまり金魚そのものは本来、野生には生息していないため、魚なのにも関わらず、泳ぎが苦手な種が多く存在します。
原種に近い和金ならともかく、丸い体型の琉金やランチュウなどは、早く泳ぐことができません。
動きの遅い金魚は俊敏な熱帯魚たちに餌を先取りされてしまいますし、ろ過フィルターからの水流で泳ぎ疲れてしまうこともしばしば。
しかし、金魚に適した飼育環境にしようとすると、今度は動きの素早い熱帯魚にストレスを与えてしまいます。
泳ぎの遅い金魚と素早い熱帯魚を混泳させると、お互いにストレスを感じてしまうのが、単種での飼育が推奨されている1つ目の理由です。
水を汚しやすい
金魚はとても大食感なお魚で、フンもよく出します。
つまり水質を悪化させやすいため、水質変化に敏感な魚とはどうしても混泳が難しくなってしまうのです。
水を汚しやすく、混泳相手を慎重に選ぶ必要があるというのが、他種と金魚の混泳が行われない2つ目の理由です。
ヒレが長い
金魚のなかには土佐錦やオランダ獅子頭など、長く大きなヒレをもつ品種が多く存在します。
好奇心旺盛な熱帯魚と混泳させると、この自慢のヒレをかじられてしまうことがあるのです。
先述したように金魚は泳ぎが苦手なため、素早く逃げてヒレへの攻撃をかわすことも難しいです。
せっかくの美しく長いヒレを他の魚に突かれやすいというのも、金魚だけでの飼育が推奨されている理由として挙げられます。
金魚との混泳条件3つ
ここまで金魚が単独飼育を推奨されている理由についてお話してきました。
これは逆に言うと、金魚と似たような性質(泳ぎがゆっくりで水質悪化にも強い)をもち、温和な性格の魚とであれば、混泳ができる可能性があるということになります。
ここからは金魚と他の魚を混泳させるポイントとして、
- 体長・体型が似ている
- 人工飼料を食べる
- 温和な性質
以上3つの条件について解説をしていきます。
条件1:体長・体型が似ている
金魚の混泳相手の条件としてまず挙げられるのが、体長や体型が金魚と似ているという点です。
混泳させたい金魚よりも大型の魚だとまずスピードで負けてしまいますので、対象の金魚と同等、もしくは小さめの魚を選びましょう。
その中でも特に、丸々としたバルーン型のお魚との相性が良いと言えます。
条件2:人工飼料を食べる
金魚の混泳相手の条件2つ目は、人工飼料をメインで食べるという点です。
金魚は水を汚しやすいということを先程お伝えしましたが、混泳相手が活餌を主食とする魚だと、水質が急速に悪化してしまいます。
必ず、人工飼料に餌付いている魚を混泳相手に選びましょう。
条件3:温和な性質
金魚の混泳相手の条件3つ目は、温和な性質という点です。
ヒレをかじるようないたずらをしたり、金魚を追いかけ回したりなどしないような、大人しい性格の魚を選びましょう。
ただし、この条件には1点注意すべきポイントがあります。
もし水槽内のパワーバランスが金魚優勢となった場合、金魚は食いしん坊なため、なりふり構わず餌を独占しがちです。
控えめな性格の熱帯魚にもきちんと餌が行き渡っているかどうか、給餌の度に毎回必ず確認をしましょう。
おすすめの混泳相手
上記でご紹介してきた条件を踏まえ、ここからは金魚におすすめの混泳相手をご紹介していきます。
体長が近い温和な生き物:ドジョウ、熱帯魚など
金魚との混泳がうまくいきやすい魚としては、
- ドジョウ
- コリドラス
- プラティ
- グラミー
- ネオンテトラ
- カージナルテトラ
などが挙げられます。
ドジョウやコリドラスなどをはじめとする底物の魚や、熱帯魚のなかでは丸々とした体型のプラティやグラミーなどは、金魚との混泳がうまくいくことが多いです。
意外に感じるかもしれませんが、ネオンテトラやカージナルテトラも、素早く泳ぎはするものの小型で温和な性格をしているため、金魚との相性は良いと言えます。
熱帯魚と混泳するときはヒーターを設置する
金魚だけを飼育している場合、水槽用ヒーターを設置していない水槽もあるかと思いますが、熱帯魚と混泳をするならばヒーターを設置して水温を常に一定に保つようにしましょう。
金魚はある程度の水温の変化にも対応することができますが、熱帯魚はその名の通り、もともと熱帯の温かい地域に生息している魚。水温の変化はあまり得意ではないため、水槽用ヒーターを使っての保温が必須です。
また混泳を始める際には、ろ過フィルターや照明、餌などその他の設備も混泳相手に合わせて見直しを行うと混泳がうまくいきやすくなります。
フナとは交配できる可能性がある
フナは金魚の原種ということもあり、特に和金や朱文金など、金魚の中でも比較的早く泳げる品種との混泳に向いています。
しかもフナと金魚は交配することがあり、うまくいけば繁殖も楽しむことができます。近年ではフナと金魚を組み合わせた『杭全鮒金(くいたふなきん)』という魚が登場したことでも話題になりました。
単独飼育が向いている金魚もいる
金魚は、同じ品種同士なら問題なく混泳できることが多いのですが、なかには1匹で飼育したほうが健康状態を保ちやすい種類もいます。
一般的に、下記のような特徴のある金魚は単独飼育が望ましいです。
- 体が大きい(15cm以上)
- 肉瘤が大きい
- 水泡眼やピンポンパールなど、体型が特徴的な品種
まず、体長15cmを超えるような丸手(リュウキン、ランチュウなど)の金魚は、体が大きくなるにつれて泳ぐ速度が緩慢になっていくので、一匹でゆったりと飼育した方がストレスになりにくいです。
オランダ獅子頭のような肉瘤が大きい品種は視界が悪いため、単独飼育でしっかり手をかけてあげると良いでしょう。
水泡眼やピンポンパールのような見た目に特徴のある種類は、金魚の中でも繊細な側面があるため、大きくなってきたら単独飼育に切り替えた方が十分なケアが行き届きやすいです。
1匹で泳ぐ金魚は寂しそうと感じる方もいますが、病気の確率を下げられる、餌を独占できて自分のペースで食べられるなどのメリットがあります。
珍しい品種を飼育する場合は、単独飼育も視野に入れながら適切な飼育環境を整えてみてください。
水槽内に隠れ場所は必ず作ろう
金魚と他の魚を混泳する場合は、お互いになにかトラブルがあった際にすぐ逃げ込めるよう、隠れ家になるようなアクセサリーや土管などを設置しておきましょう。
先端の尖った流木は金魚のヒレが引っかかりやすいので、なるべく金魚の体を傷つけにくそうな形状のものを選定してください。
水草は食べられてしまうので注意
隠れ場所といえば水草が頭に浮かびますが、水草は金魚の大好物で、食べられたり掘り返される可能性があるため、金魚飼育においてはあまり隠れ場所にはなりません。
金魚のおやつとしてではなく隠れ場所、観賞用として水草を入れたい場合は、活着で育てられて、葉が硬くかじられにくいアヌビアス・ナナなどの種類を選びましょう。
また、絶対に食べられることのない、人工水草を使用するのもおすすめです。
底砂には大磯砂がおすすめ
水草を植え付けたり、アイテムを固定したりと何かと便利な底砂ですが、金魚飼育で水槽に底砂を敷きたい場合は、ソイルの使用は控えておくのが無難です。
金魚は底砂を掘り返す習性があるため、せっかくのソイルを崩してしまうことがあります。
金魚を飼育する際は大磯砂や田砂など、ソイル以外の底砂を使用するように心がけましょう。
また、このことから金魚と混泳できる魚も、おのずと大磯素や田砂で飼育できるものに限られます。
まとめ:金魚と生き物を一緒に飼育するには!単種飼育が多い理由とおすすめ混泳相手
今回は金魚と他の魚を混泳させるための条件や、おすすめの混泳相手について解説をしてきました。
うまく混泳させる条件としては、以下のようなポイントが挙げられます。
- 体長・体型が似ている
- 人工飼料を食べる
- 温和な性質
コリドラスやプラティなど、温和な性格の小型淡水熱帯魚とであれば、金魚と一緒に飼育してもトラブルにはなりにくいです。
お互いの魚にとってちょうどいい飼育環境を整えつつ、ぜひ皆さんも、金魚と他種の混泳にチャレンジしてみてください!
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