紫の魚10選！飼育できる淡水・海水で鮮やかなパープルを持つ魚たち

魚の体色は多種多様で、赤や青、黄、メタリックなど数えきれないほどのバリエーションがあります。

その中でも一際珍しいのが紫色の魚達です。

紫は気品、神秘的、エキゾチックなどのイメージを連想させる色で、パープルの魚を一匹入れるだけでも水槽の印象がガラッと変わるほどの存在感を放ちます。
一言で紫といっても、赤に近い紫から深く濃い紫、バイカラーなど色合いは魚によって様々。お好みの魚種を探してみるのも楽しいでしょう。

また、珍しい熱帯魚は飼育難易度が高いと思われるかもしれませんが、体色と飼いやすさはイコールではありませんので、初心者でも飼いやすい紫色の魚も多いです。

今回は鮮やかな紫色の淡水魚・海水魚を合わせて10種ご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに紫色をもつ淡水魚・海水魚10選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

色とりどりの魚たちの中でも、特に珍しいのがパープルです。
紫といっても、赤に近い明るい紫から、ダークな深い紫色まで個性豊かですので、ぜひ、お好みの紫色の魚を見つけてみてください。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、紫色をもつ淡水魚・海水魚10選を解説します。

紫の魚10選！東京アクアガーデンおすすめの飼育しやすい魚たち

さっそく、紫の魚10選をご紹介します。

色彩豊かな魚は海水魚に多いイメージですが、淡水魚にも紫を持つ魚種がいます。
紫色の淡水魚は、主張しすぎない控えめな色合いのものが多く、水草水槽に入れると緑とのコントラストがとても美しいです。
一方海水魚は、ビビットなパープルで存在感抜群、サンゴとの相性も良く水槽のメインにおすすめです。

ここでは、小型魚を中心に飼育しやすい魚種をご紹介しますので、ちょっと変わった色合いの熱帯魚をお探しの際は、ぜひ参考にしてみてください。

プラチナロシアンパープルグッピー

背びれから尾びれにかけて、青みがかった深い紫色に染まる美しいグッピーです。
体には黄色や白、シルバーなどの色が入りますが、色の混ざり方には個体差があって、お気に入りの一匹を見つける楽しさがあります。

国産グッピーのなかでも繊細な体色の品種で、ブルーグラスとは違いしっとりと落ち着いた印象です。

飼育方法は一般的なグッピーと同じで繁殖も容易。初心者でも飼いやすい熱帯魚です。

ベタ ラベンダー

体色のバリエーションが豊富なベタのなかでもレアカラーなのが、ラベンダーです。

赤からブルーにかけてのグラデーションが美しい個体や、やや白を混ぜたような優しい紫が印象的な個体など、同じ紫でもみんな違った良さがあるのがベタの魅力です。
そこにヒレの形状がプラスされるので、組み合わせは無限大。ぜひお気に入りの一匹を見つけてみてください。

ベタは気性が荒い魚ですので複数での飼育はできませんが、1匹でも十分楽しめる存在感があります。

ロイヤルテトラ（インパイクティスケリー）

ロイヤルテトラは4cm前後の小型カラシンの仲間で、別名”インパイクティスケリー”とも呼ばれます。
頭から尾びれにかけて入る黒いラインと夕暮れを思わせるブル～パープルの体色がとても印象的な品種です。

他の小型カラシンと同様、水草水槽にもおすすめで、飼育は難しくありませんし、繁殖に挑戦することもできます。

メダカ

品種改良が盛んなメダカの体色は彩り豊か。

紫を持つ品種はかなり希少ですが、例えばブラック系の代表種『魔王メダカ』の中には、ラメや光の加減で体色が紫に見える個体が存在します。
深いブラックの体色にラメがのる、非常に人気が高いメダカです。

また、最近では『紫桔梗（むらさきききょう）メダカ』など、パープルの光沢鱗を持つ改良品種も登場してきています。

ラスボラ・ヘテロモルファ パープル

ラスボラ・ヘテロモルファ パープルは、ラスボラ・ヘテロモルファの改良品種で、頭から尾にかけて現れる、オレンジ、紺、紫のグラデーションがとても美しい品種です。
通常のヘテロモルファに比べると少しシックな印象で、しっとりとした雰囲気の水草水槽に良く合います。

ノーマルの丈夫で飼育しやすい面はヘテロモルファ パープルでも変わりません。同種での群泳も他種との混泳も楽しめる、水槽に取り入れやすい熱帯魚です。

パープルパロットファイヤー

パープルパロットファイヤーは赤紫のシクリッドです。
ずんぐりとした丸っこい体型とフワフワとした泳ぎ方が可愛らしく、また人になつきやすい面を合わせ持つことから、ペットのような魚として人気があります。

丈夫で飼いやすい魚で人工飼料や冷凍赤虫などを選り好みせず食べるため、初心者の方にもおすすめです。

ただ20cm前後に成長する中型魚ですので、飼育する際は60～90cm程度の大きさがある水槽を用意してあげましょう。

バイカラードティーバック

海水魚からまずご紹介するのは、バイカラードティーバックです。

バイカラーの名の通り、体の中心を境にパープルと黄色にはっきり分かれる体色が目を引きます。
この個性的な配色は水槽をカラフルに彩るのに最適。丈夫で飼育も簡単なので、初めての海水魚飼育に挑戦する方にもおすすめです。

ただしやや気性が荒いため、同種や近縁種と混泳が難しい点には注意してください。

クレナイニセスズメ

全身が赤紫一色の小型海水魚です。
明るい光の中では蛍光ピンクに近いド派手な印象を受けますが、暗めの青い照明を当てた水槽の中ではやや色合いが落ち着き、きれいな紫色を見せてくれます。

丈夫で飼いやすいことで有名ですが気性が荒いため、同種や近縁種との混泳には不向きです。

アケボノハゼ

乳白色の体にヒレの縁のピンクレッドと体の青紫が映える、美しいハゼです。

8cm程度のほど良いサイズで30cmキューブ水槽から飼育することができるため、初心者でも飼育しやすい海水魚として知られています。
ただし、混泳を考えるならば、水槽はもう少し大きなサイズを用意しましょう。

近縁種とは縄張り争いを起こしやすいため、混泳は避けたほうが無難です。海水魚水槽では一般的なハタタテハゼとも相性は良くないでしょう。

パープルタン

パープルタンは、細かい縞模様が入った青紫の体と黄色い尾びれが鮮やかなハギの仲間です。
1匹いるだけで水槽が華やかになりますので、マリンアクアリウムのポイント生体として人気があります。

比較的混泳させやすい魚ですが、同種同士はケンカしやすいため一緒に飼うのは控えましょう。

ただ、病気に弱い面があり、高価で入手がしにくいことから、飼育難易度はやや高めです。
海水魚飼育に慣れてきた方におすすめしたい魚となります。

番外編：紫が美しいエビ・カニ

ここからは番外編ということで、紫が際立つエビとカニをご紹介します。

魚との混泳は難しい品種ですが、単独飼育でも十分に見応えがあるエビ・カニです。ちょっと変わった水槽を作りたい方は、ぜひご覧になってみてください。

パープルゼブラシュリンプ

深紫色のバンド模様が美しい、 1.5cmほどの小型のエビです。
他のシュリンプに比べると両目の距離が近く、可愛らしい印象を受けます。

物陰に集まる習性があるので、水槽に水草や流木を入れて隠れられるスペースを用意してあげてください。

エビ類はどの種類も水質に敏感ですが、パープルゼブラシュリンプはその中でも特に繊細で、水質の悪化と高水温にと弱いです。また、淡水と汽水どちらでも飼育可能ですが、汽水のほうが長生きする傾向があります。

総じて飼育難易度は高めですが、水槽の掃除、水質の管理、水温の維持に気を配ることが上手に飼育するポイントです。

バンパイアクラブ

バンパイアクラブは、甲羅の大きさが1.5cm程度の小型の淡水ガニです。
紫色の体と黄色い目が特徴的で、甲羅の背の部分には白い模様が入ります。

水辺の陸上部分に生息し、物陰を好むため、水槽内に植物が豊富で水中と陸上部分があるアクアテラリウムに最適です。

カニ類の中では攻撃性が低い方で、広い水槽であれば混泳も可能ではありますが、動きの遅い小型魚を攻撃してしまうことがありますので、危険を避けるために単独飼育が推奨されています。

実は2015年に新種であることが判明しました。

まとめ：紫の魚10選！飼育できる淡水・海水で鮮やかなパープルを持つ魚たち

今回は、鮮やかな紫色の淡水魚・海水魚を10種、ご紹介しました。

紫色の魚は魚類の中でも希少性が高く、だからこそ個性的で人目を引く美しさがあります。

珍しい品種が多いですが、飼育難易度が高いわけではありませんし、ラスボラ・ヘテロモルファ パープルのようにノーマル種の飼育しやすさをそのまま引き継いでいる改良品種も多いです。

珍しい色合いは混泳水槽でも単独飼育でも十分な存在感を発揮します。

色鮮やかな紫色の魚をぜひ、水槽にお迎えしてみてはいかがでしょうか。