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秋のビオトープ!季節ごとの魅力と秋におすすめの水草、冬支度をご紹介

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ビオトープ淡水

投稿日:2023.09.30|

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植物も生き物も活性が高まる春~夏にかけての暖かい季節は、ビオトープのベストシーズン。水温も安定しているため、新たにビオトープを立ち上げるのにもぴったりの季節と言われています。

しかし、だからと暖かい季節にしか楽しめないというわけではありません。ある程度気温が保たれている秋先からでもビオトープを十分に楽しめます。

暑さのピークを過ぎてからビオトープを立ち上げるときは、冬に備えて寒さに強い生き物や植物を選んだり、保温できる環境を整えたりなど、暖かい時期とはまた違ったポイントを意識する必要とよいでしょう。
上手に冬を越せれば、翌年の春には緑豊かな植物と立派に成長した魚達を観賞することができます。

ここでは、水温が下がりやすい時期におすすめの水草や、秋のビオトープの管理方法、冬支度について解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに秋のビオトープにおすすめの水草と冬支度を解説

オフィスで水槽のメンテナンスを行う青い服のスタッフの背中
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

少しずつ気温が下がって過ごしやすくなってくる秋にビオトープを始めるときは、冬の寒さに耐えられる水草や生き物を選定することが大切です。
また、以前から管理しているビオトープでも、保温の準備や冬場の管理方法を確認して冬に備えましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、秋のビオトープにおすすめの水草と冬支度を解説します。

ビオトープは秋も楽しめる!季節ごとの魅力

屋外の黒い睡蓮鉢に浮かぶ水草とホテイアオイの仲間
ビオトープは夏が過ぎたら終わりだと思われがちですが、実は秋から冬の管理の仕方次第では、越冬することが可能です。
うまく管理すれば、翌年の春には再び立派に成長した植物や生き物を鑑賞することができるでしょう。

ここでは、季節ごとのビオトープの楽しみ方や管理方法、注意点をご紹介します。

暖かい春から夏はビオトープの最盛期

すだれを掛けた屋外飼育容器で泳ぐメダカと水草
気温が高い春から夏にかけては、ビオトープのベストシーズンです。

生き物の活動が活発になり、水草や水生植物もぐんぐん成長していきます。水温も温かく安定するので寒い時期と比べて管理が簡単ですし、新たなビオトープの立ち上げもスムーズに進むでしょう。
適度な水温と日差しは魚や植物の色艶を良くしてくれるので、観賞面でもビオトープが一番きれいに見える季節です。

また、ビオトープで飼育ができるメダカや金魚などの魚達が、盛んに繁殖するのもこの時期。
産卵や稚魚の誕生が楽しめるのも春夏ならではのメリットです。

ただし、外気温の上昇に伴い水温も上がりやすくなるため、高水温対策はしっかり行うようにしてください。
水温30度を超えるような環境では、魚も水草も消耗して弱ってしまいますので、すだれなどを使って日よけを作ったり日陰に移動したりして、水温の上昇を抑えるのが、夏場のビオトープ管理のポイントです。

落ち着いた水景を楽しめる秋・来年に向けて下地を作る冬

雪の積もった屋外で水面が凍ったプラ舟とすだれ
暑さのピークを過ぎて秋に差し掛かると、生き物の活動も少しずつ落ち着き始めます。
餌を食べる量が減り繁殖のペースも落ちるため、夏場の忙しないお世話から解放されて、ゆったりと水景を楽しめるようになるでしょう。

しかしそれも束の間、10月以降は気温がガクッと下がる日が増えて水温の変化が激しくなります。
水温が下がりだすと魚や水草が環境に慣れるのに負担がかかるため、新しい生き物を導入するならば、できるだけ9月中旬までにすませておくと良いです。
また、先住の魚たちも気温が激しく変化する季節は体調を崩しやすいので、しっかり様子を観察してあげてください。

冬はビオトープを管理する上で一年で一番動きが少なく管理が難しい季節です。
水温が10℃を下回るようになると、生き物の活性が落ちて底の方でじっとして冬眠の準備に入ります。
メダカなどは低水温でも水が完全凍結してしまわない限り生きていられますので、屋外で越冬するときは、9~10月のうちに凍結予防や保温の対策をしておくのがおすすめです。

デメリットが目立つ冬ですが、低水温で越冬した生体は丈夫に育ちます。翌年の春に繁殖しやすくなったり、体色がよくなったりなどのメリットが豊富なので、秋の間にしっかり冬に備えた対策を進めておきましょう。

秋におすすめの水草・水生植物5選

赤玉土を敷いた水槽で泳ぐ水草とメダカの俯瞰画像
夏を過ぎてからビオトープに植物を植える場合は、翌年の春を見越して越冬ができる水草を選ぶと良いでしょう。

ここからは、秋からビオトープを始める際におすすめの水草・水生植物を5種類ご紹介します。
耐寒性があり水温が下がりやすい秋でも十分育成できて、屋外で越冬が可能な種類を厳選しましたので、ご覧になってみてください。

ミズユキノシタ(ルドウィジア オバリス)

ミズユキノシタは葉の淵から裏側と茎が淡い赤色に染まる、美しい水草です。

水底に根付き、横に広がるようにして増えていきます。水上にも葉を出しますが水中葉の方が赤の色が濃くなりやすいです。
日本にも自生している植物で、寒さに強く水位を保てば屋外で越冬させることも難しくありません。

光量が必要な水草ですので、ビオトープにレイアウトする場合は日光が当たる場所に配置しましょう。

ナガバオモダカ

繁殖力が高く育成も簡単なナガバオモダカは、北米原産の寒さに強い水生植物です。

水上葉は気温が下がると枯れてしまいますが、水中葉ならば緑色の葉を付けたままで越冬が可能。冬場は水位をしっかり保って水中に沈めておくのが良いでしょう。
上手に越冬できれば、春先から9月頃まで白い花を咲かせます。

なお、ナガバオモダカは背丈が高い植物なので、他の植物の妨げにならないようレイアウトの配置に注意してください。

グリーンロタラ

アクアリウムでは定番のグリーンロタラも、日本に自生している水草で屋外で越冬ができます。

美しい鮮やかな緑色の葉は、水上でも水中でも育てることができるのでビオトープでも扱いやすいです。耐寒性があるので、秋から育成を始めても十分楽しめるでしょう。

寒い季節には成長が止まり一旦枯れてしまいますが、春にはまた芽吹きますので、捨てずにそのままお世話を続けてみてください。

ミズトクサ

細竹に似た細くまっすぐに伸びる節だった茎が印象的なミズトクサは、北海道などの寒い地域に自生する水棲植物です。

上へ上へとどんどん伸びていくため、育てるときは必ず根元が水に浸かるように水位を調整してください。定期的に間引いてボリュームを整えると美しさを保ちやすいです。
耐寒性があるので、飼育水が完全に凍らない限り屋外で越冬が可能で、秋からビオトープを始める場合にも向いています。

冬場は枯れたようになりますが、暖かくなるとまた緑の茎をしっかり伸ばしだすでしょう。

アルテルナンテラ オキプス

アルテルナンテラ オキプスは、水中葉が赤く染まることから、アクアリムでもアクセントとして取り入れられることの多い水草です。
赤い葉を持つ水草の中では育成が容易な部類で、照明や二酸化炭素添加などの機材がないビオトープでも育てられます。

また、寒さにもある程度耐性があり、水中に完全に沈めれば冬場でも緑の葉を付けたまま越冬が可能です。
水上葉、水中葉どちらでも楽しめる水草ですが、秋から導入する場合は冬を見据えて水に沈めて、水草として育成するのが良いでしょう。

秋でも育つ水草の注意点

水草に止まる小さなアマガエルの姿
越冬ができる秋からでも育てられる植物の共通点は、どれも低水温に強く丈夫だということです。そして、このような強さのある水草は総じて繁殖力が高く、環境が合うとどんどん増えていく傾向があります。

中でもナガバオモダカやミズトクサは地下茎で横に広がるため、量の調整に苦労することも。
このような場合は、鉢やポットに植えたものをそのまま水中に沈めると、増殖の範囲を限定できます。株分けやレイアウト変更などもやりやすくなりますが、植え替えをするときは気温が上がる春を待ってから行うのがおすすめです。

また、もし植物が増え過ぎてしまったとしても、自宅の側溝や河川、池などに放流するようなことは絶対にやめてください。
処分するときは天日でしっかり枯らしてから、お住まいの自治体の区分に従って正しく廃棄します。

一度飼育した生き物や植物を外へ出さないのが飼育者の最低限の責任です。

秋に行いたいビオトープの冬支度

睡蓮鉢で泳ぐ赤い金魚と浮き草の俯瞰写真
冬の寒さに向けて環境を整えていきたい秋のビオトープでは、水位と保温対策の2つを意識して管理するのがポイントです。
この2点に気を付けるだけで、魚や水草が無事に冬越しできる確率がかなり高まります。

秋は水温が不安定になりがちですし、冬の低水温の中で環境を変えると生体に負担をかけてしまうため、早めに冬支度を進めましょう。

足し水で水位を保つ

冬に向けて意識したいポイント一つ目が、水位です。
魚が冬眠するビオトープでは以下のような理由から、足し水をして水位をしっかり保つ必要があります。

  • 凍結を防ぐ
  • 水質の変化を和らげる
  • 水温の急変を抑える

ビオトープに入れることが多いメダカや金魚などの低水温に強い生き物は、水面が凍る程度であれば底の方で泳がずジッとして越冬することが可能ですが、底まで凍ってしまうと生きていくことができません。水草や水棲植物も同様です。

そのため、足し水をして水位を高く保ち完全凍結を防ぐことが、上手に越冬させるための重要なポイントとなります。
また冬眠中は、水質や水温の変化を避けるために餌やりや水換えなどの掃除を控えますが、水位を保つことでより安定した環境を維持しやすくなるのも利点です。

このように水位を意識した管理は、冬のビオトープに様々なメリットをもたらします。
本格的に気温が下がる前から、足し水をして水位を保つ習慣をつけましょう。

保温対策をする

冷え込みが厳しいときや寒冷地でビオトープを越冬させる場合、足し水だけでは凍結対策として不十分なことがあります。
この場合は、保温対策をして凍結を予防しましょう。

具体的には飼育容器を発泡スチロール製などの保温性の高い素材に変える、簡易的なビニールハウスを設置するなどです。

発泡スチロール箱は一般的な梱包用のもので問題ありません。新たに用意するならばメダカ用の飼育箱を購入するのも良いでしょう。
飼育容器自体を取り換えるのはもちろん、既存の飼育容器こと発泡スチロール箱に入れても、保温効果が期待できます。

ビニールハウスは少しハードルが高く感じるかもしれませんが、小型であれば設置もそこまで難しくはありません。
もしくは、冬の間だけ玄関やガレージなど屋根のある場所に移動させるのも良い方法です。

保温対策が必要な場合は、まだ魚達が活動している9~10月の間に対策をすませて、環境に馴染ませておきましょう。

日よけは外しておこう

夏の強い日差しをよけるためにすだれや屋根を設置している場合は、状況に合わせて設置の向きを変えるか外しておくことをおすすめします。

夏を過ぎると日照時間や日の当たり方が変わり、一時的にビオトープが日照不足になることがあるからです。

日に日に寒さが厳しくなっていく秋のビオトープは、少しでも長く日光を当てて水温を保ち魚や水草の活性を保つのが理想的。
日よけを外すタイミングは、最高気温が30℃を下回りだした頃、関東では9月下旬から10月上旬あたりが目安です。

もちろん地域やその年の気候によって変動しますので、気温を確認しながら時期を見極めてください。

ちなみに、外したすだれは冬の間、飼育容器に巻き付けたり風よけとして上部を覆ったりといった保温対策に流用できます。

落ち葉は沈む前に取り除く

秋になると、ビオトープに落ち葉が入り込むようになります。
枯れ葉や水中で傷んだ水草などを放置しておくと、水質の悪化や酸欠を引き起こす原因になるため、水底に沈む前に網でこまめに取り除くようにしましょう。

特に、水温が下がりだす冬支度を進める時期は、生き物の活性が落ちてきて水質変化が負担となるため、このようなちょっとした工夫が調子を維持する秘訣となります。

また越冬中も同様です。魚が冬眠したら大掛かりな水換えは避けるのが基本ですが、水面に浮いた落ち葉やゴミを取り除く程度の簡単なメンテナンスは続けるようにしてください。

園芸用ネットをかけて枯れ葉の混入を防ぐのも効果的です。

水草や水生植物のトリミングも秋までにすましておきますが、夏のように大掛かりに刈り込む必要はありません。冬は植物の活性も落ちるため、傷んだ葉を取り除く程度で十分です。
水上まで茎をのばしている植物は冬場の凍結防止に役立つため、枯れていたとしても切り取らずに茎はそのままにしておくのがおすすめです。

ヤゴなどの外敵がいないか確認する

トンボのヤゴと枯葉の水中景観
本格的な冬を迎える前に、ビオトープ内にヤゴなどの外敵が混入していないか確認しておきましょう。

トンボの幼虫であるヤゴは、種類にもよりますが6~10月あたりまでに水中で孵化して、ビオトープ内のメダカやエビ類などを捕食します。
冬の間は底にたまった砂や枯れ葉の中でじっとして過ごすため一時的に被害はなくなりますが、春先になると活動を再開して冬越しで体力の落ちたメダカを襲うため、冬眠を始める前に取り除いておくのが安全です。

遅くとも10月中までの比較的暖かい日を選んで、底にたまった落ち葉や水草の根本あたりを網でさらって外敵が混入していないか確認します。
冬越しのために飼育容器を入れ替えるときは、そのタイミングに合わせて中を確認すると効率的です。
ヤゴの以外ににも魚を刺すマツモムシやヒルが見つかることもあるので、丁寧に作業を行ってください。

水を抜いて作業する場合は暖かい日の日中に短時間で行い、抜いた飼育水はそのまま戻すか汲み置きの水を使うと、水温・水質の急変を抑えられます。

水温に合わせて餌を切り替える

水面に浮かぶメダカと水草の群れ
冬眠中のメダカや金魚は餌をほとんど食べないため、秋のうちにたくさん餌を食べさせて、冬を乗り越える体力を付けさせておくのが理想です。

しかし、水温が下がりだす頃に無理に高たんぱくの餌を食べさせると消化不良を起こし、かえって体調を崩してしまうリスクがあるため、水温に応じて上手に餌の種類や与え方を切り替えながら食べさせていきましょう。

水温が20℃前後までは、まだ食欲・活性共に十分に保たれているため、増体用の高たんぱくな餌を一日2〜3回、少量ずつ与えながらしっかり体力を付けさせます。

活性が下がりだす水温が15℃あたりになってきたら、消化に良い餌に切り替え、一日1回数分で食べきれる量まで餌を減らしてください。

冬眠に入る10℃以下まで水温が低下したら、給餌を中止して様子を見守ります。

また、餌を与える時間は水温が最も高い10~15時ごろに集中して与えると、より効率良く栄養を摂取させることができます。
一方夕方以降は、日が落ちて水温が下がるあいだ食べた餌を消化しきれず、体調を崩す原因になるため注意してください。

食べ残しが出ると水質に影響が出るため、少し足りないくらいで止めておくのが秋の給餌のコツです。

まとめ:秋のビオトープ!季節ごとの魅力と秋におすすめの水草、冬支度をご紹介

水草が茂る屋外水槽を泳ぐ複数のメダカ
今回は、秋からビオトープを始める際におすすめの水草と冬支度について解説しました。

冬に向けて気温が下がってくる秋は、ビオトープを始めるのは不向きと考える人も少なくありません。
しかし、低水温に強い水草・植物を選んだり、足し水や保温対策したりすることで、秋からでも十分にビオトープを楽しむことができます。

すでに稼働しているビオトープでは、夏が終わったら冬越しに向けて計画的に準備を進めていきましょう。

秋は、来年のシーズンに向けてビオトープを整える準備期間でもあります。
無事に冬を越して春を迎えられるよう、しっかり管理していきましょう。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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