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魚の食べ残しやコケを食べてくれるなど、水槽のお掃除役として大変重宝されるエビ類。
しかしエビの仲間は魚と比べて水質の変化に弱く、すぐに死んでしまったりうまく繁殖できないといったトラブルに見舞われることも少なくありません。
このコラムではそんなエビ飼育によくある悩みとその対処法について、10個の項目に分けてわかりやすく解説していきます。
これからエビ水槽を始めようと考えている方やエビの飼育で悩んでいるという方は、ぜひこのページをお役立てください。
目次
プロのアクアリストたちの意見をもとに解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍しているプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽の掃除をしてくれるエビ類は、5,000件を超す水槽設置実績のある東京アクアガーデンでも取り扱うことの多い生体です。
エビは熱帯魚と比べて繊細な一面を持っているため、飼育中の悩みが尽きません。
このコラムではエビ飼育にありがちな悩みとその対処法について解説していきますので、お掃除生体としてエビを導入している方や、エビ水槽を管理している方は、ぜひ参考にしてください。
エビ水槽のトラブル10個を動画で見る!
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エビ飼育で起こりがちなトラブルと対策を音声付きでわかりやすく解説しています!
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エビ水槽のトラブル10個
今回はエビ水槽にありがちなトラブル10選ということで、
- エビが死んでしまう
- エビが繁殖しない
- 水温が上がりすぎてしまう
- 水温が下がる、安定しない
- 脱皮不全がおきた
- 稚エビが育たない
- エビが増えすぎた
- アオコが発生した
- 水換えをしたら暴れている
- 稚エビがいるので掃除できない
これらの項目についてその解決策をわかりやすくご紹介していきます。
思い当たるトラブルがあるという方やこれからエビの飼育を始めたいと考えている方は、これから解説する対処法をしっかりと確認しておきましょう。
トラブル1:エビが死んでしまう
まずはエビか死んでしまうというトラブルについて。
エビは酸欠や水質の急変によって命を落としてしまうケースが多いので、特に水槽導入時の水合わせは慎重に行ないましょう。
エビのような繊細な生き物には点滴法での水合わせがおすすめです。
エアレーションを効かせた容器にエビを移し、エアチューブや水合わせキットを用いて点滴のように一滴ずつ飼育水を混ぜながら徐々に水質に慣らしていきます。
道具が用意できない場合、手間はかかりますがスポイトやカップで少しずつ水合わせする方法でも代用可能です。
また、根本的な解決法ですが、購入時に状態の良い個体を選ぶことが何よりも大切です。
お店でエビの状態を見てから購入する場合は、じっと固まって動かない個体やせわしなく動いていて落ち着きがない個体は避けておいたほうが無難です。
餌にすぐ寄ってきたり、手を動かしてコケを食べているような元気な個体を選びましょう。
そして、エビは農薬に非常に弱いです。農薬を使用して育成された水草を水槽に入れると、耐えることができません。
エビ水槽に導入する水草は、必ず無農薬栽培のものを使用しましょう。
トラブル2:エビが繁殖しない
次にエビが繁殖しないというトラブルですが、雄雌で入っているかをまず確認しましょう。
鼻先から伸びる第一触覚が長くシャープな体型をしているのがオス、触覚が短く腹部に丸みがあるのがメスです。
また、エビは適正な水温でないと繁殖活動を始めない傾向にあります。
水温は20~25℃、pHは6.0~7.5を目安に、水質を安定させておきましょう。
そして、ヤマトヌマエビに関しては繁殖に汽水が必要です。
淡水でも抱卵はするのですが、孵化した幼生が成長するには汽水環境が必要になりますので、淡水で繁殖させることはできないということを覚えておきましょう。
トラブル3:水温が上がりすぎてしまう
続いて、エビ水槽の水温が上がりすぎてしまうというトラブルについて。
エビに限ったことではありませんが、水温が生き物の適水温よりも上昇してしまうと、体力を奪われ死に至る場合があります。
水温が上がりすぎてしまうときは水槽を置いている部屋全体をエアコンで管理したり、水槽用のクーラーを導入するなどして対処しましょう。
水槽用クーラーは冷却方法によってペルチェ式とチラー式の2種類に分けることができますが、水槽の大きさが60cm以下であれば比較的安価で静かなペルチェ式のものがおすすめです。
トラブル4:水温が下がる、安定しない
水温が下がったり安定しないというトラブルも、エビ水槽によくあります。
水温の低下に関しては、水槽用のヒーターを取り付けるのが得策です。
エビは1日の水温変化が2~3℃前後するとかなりの体力を消耗してしまうので、クーラーやヒーターを活用して水温を安定させましょう。
水槽用ヒーターの正しい使い方やおすすめの商品については、以下の記事で詳しく解説しています。
トラブル5:脱皮不全がおきた
続いては、エビの脱皮不全に関するトラブルについて。
エビは甲殻類の仲間ですので脱皮を繰り返して成長しますが、水中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが不足すると脱皮不全を起こしてしまうことがあります。
添加剤を使用して、飼育水の硬度を調節しましょう。
ただしミネラルを添加しすぎると軟水を好む水草が溶けてしまいますので、少量ずつ様子を見ながら添加するのがコツです。
トラブル6:稚エビが育たない
飼育したエビが産卵したものの、稚エビがうまく育たないというトラブル。
こちらも結構多い悩みです。
孵化したばかりの稚エビはとても小さいため、他の魚や親エビに食べられてしまうことがあります。
他の生き物に餌を取られてしまい稚エビが餌を食べられないなど、水槽の中は稚エビにとって過酷な環境ですので、まずはメスの抱卵を確認したら産卵用の水槽に移してやりましょう。
卵を放出したらメスを元の水槽に戻し、卵だけ隔離して育てるのがおすすめです。
ただしヤマトヌマエビを育てるには塩分2.5%程度の濃度の汽水(海水70%+淡水30%)が必要になりますので、繁殖に挑戦する場合は汽水の環境を用意しておきましょう。
トラブル7:エビが増えすぎた
エビの繁殖を目指している方にとっては羨ましい限りですが、エビが増えすぎるといったトラブルも多くあります。
この場合は、近くのアクアリウムショップで引き取ってもらうのがおすすめです。
ショップに持ち寄る際は、引き取ってもらえるかどうか事前に確認しておきましょう。
もし生体の引取サービスを行なっているショップが近くにない場合は、SNSで里親や引き取り手を探したり、ネットオークションで販売するという手段もあります。
以下の記事ではオークションで生体を販売する際のポイントなどを解説していますので、ご覧になってみてください。
トラブル8:アオコが発生した
飼育水の富栄養化が進むと気になってくるのが、アオコの発生です。
アオコの原因は植物プランクトンのためエビには害がありませんが、緑色に染まった水槽は見栄えが良くありません。
気になる場合は水槽の照明時間を短くしたり、殺菌灯を設置して対策をしましょう。
殺菌灯には汚れやコケの胞子、微生物を分解・殺菌する効果があるので、飼育水をより美しく保つことができます。
トラブル9:水換えをしたら暴れている
水換えをした直後にエビが暴れるような場合は、水質の急変に耐えきれず苦しんでいる可能性が考えられます。
エビはpHの変化にも弱いので、飼育水と交換する水のpHは調整剤などを使用して一致させておきましょう。
また、飼育水は生体の排泄物や残った餌などの影響で水質が変動してしまうため、吸着系ソイルを使用して水質を維持することも有効です。
トラブル10:稚エビがいるので掃除できない
稚エビがいる水槽は網で稚エビをすくい出したり、プロホースやソイルの目詰まりクリーナーなどを使って掃除をしましょう。
万が一ホースで稚エビを吸い込んでしまった場合は、排出先のバケツから速やかに救出します。
まとめ:エビ水槽のトラブル10選!エビ飼育でよくある悩みの解決策をまとめました
泳いでいる姿や見た目が可愛らしく、水槽のお掃除役としても優秀なことから人気のエビ類。
しかしエビの仲間は水質の変化にかなり弱く、飼育にはトラブルがつきものです。
今回はそんなエビの飼育について、ありがちなトラブルと解決方法をご紹介してきました。
エビは水槽導入時や水換えのときなどに、飼育水のpHを慎重に合わせる必要があります。普段飼育しているときも排泄物などの影響で水質が変わりやすいので、吸着性のソイルを使用したり添加剤を投入するなど、水質を維持するための対策を怠らないようにしましょう。
エビ飼育のトラブルで良くあるご質問
エビがすぐに死んでしまいます
エビが繁殖しません
25度程度に管理するのもおすすめです。
また、栄養が不足していてもあまり繁殖が進まないです。高栄養なエビタブレットや、養分豊富なソイルなどを使用することで解決できることがあります。
稚エビがいて、うまく掃除できません
吸い込んでしまったら排出先のバケツから網で掬いましょう。
稚エビはろ過フィルターにも吸い込まれがちです。スポンジストレーナーを付けるなどの工夫で吸い込みを防止できます。
エビのための水草が枯れてしまいます
エビ水槽でも小型の水草育成用照明を使用するのがおすすめです。
エビの脱皮を助けるカルシウム剤などをあまりに添加しすぎると、水質が変化して水草が弱ることがあります。
適宜、様子を見つつ添加しましょう。
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