金魚の飼い方
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意外な外来魚・生き物・水草10種!身近だけど実は外来生物な種類

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川遊びや釣りなどで水辺に出かけると、自然に暮らす生き物や植物に出会えます。
昔から日本で親しまれてきたこれらの生き物は、当然在来種だと思われる方も多いでしょう。
しかしそんな馴染み深い生き物の中にも、実ははるか昔に海を渡って日本にやってきた外来種だった、ということが確認されるケースも。

温泉地でグッピーが繁殖しているといったニュースが時折話題に上がるように、外国産の生き物も、環境が合えば日本の河川に定着してしまうことがあります。
一人のアクアリストとして自然を守るためにも、様々な外来種の知識を付けておきましょう。

今回のコラムでは、日本で身近でお馴染みながら、実は外来生物という意外な生き物や水草10種をご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに意外な外来魚・生き物・水草10種を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

日本で昔から親しまれている生き物の中にも、実は外国からやってきた外来種がいます。
近年は河川に定着してしまう外来種が問題になるケースが増えていますので、魚好きとして日本に住む外来種を知っておくことが大切です。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、意外な外来魚・生き物・水草10種を解説します。

意外な外来魚・水辺の生き物・水草10種!+1


生き物の立ち位置は、人間の都合で大きく変化してしまうことがあります。

しっかり管理された水槽で飼育されている間は”きれいなアクアリウム”として受け入れられる熱帯魚も、ひとたび河川に放流されれば日本の生体系に影響を及ぼす”危険な外来種”として、駆除や規制の対象になってしまうことも。

規制が広がればアクアリウムの幅もどんどん狭まってしまうことも考えられますので、外来種について良く学び、自然を守る大切さについて理解を深めましょう

ここでは、身近ながら意外にも外来種である生き物や水草を10種類と、番外編1種をご紹介します。

金魚

(国産金魚)和金ミックス 色指定無し(5匹)

鮮やかな紅色の体に可愛らしいヒレや体型が特徴の金魚。日本では古くから飼育が続けられてきたお馴染みの観賞魚で、最近は世界的にも人気が高まっています。

そんな金魚は、もともと中国で生まれた突然変異の赤いフナを固定化し改良したもので、日本には約500年前の室町時代頃に輸入されました。
江戸時代に入ると庶民の間でも金魚の飼育技術が確立していき、文化として根付いていったと考えられています。

ちなみに、本家の中国では文化大革命の際に一度金魚が断絶してしまっており、現在流通しているものは日本で養殖されていた金魚を親として再生産されたものです。

【めだか街道】カラフルセット!錦鯉 10cm~15cm 5匹

日本の河川や湖、神社などで見かける鯉は、元々は日本で作出されたれっきとした在来種です。

しかし、最近は純粋な在来種といえる個体が減少しており、各地で問題となっています。
美しい鯉は外国でも盛んに養殖されており、逆輸入の形で日本に入ってきた個体が各地で放流されて、在来種と交雑、結果として身近で見られる鯉のほとんどは外来系統の血統が混ざった鯉となってしまいました。

ミナミヌマエビ(販売個体)

(エビ)ミナミヌマエビ(10匹)+(1匹おまけつき) 北海道・九州・沖縄航空便要保温

ミナミヌマエビは日本に元々生息している在来種ですが、アクアリウム用のお掃除生体や餌として広く流通している固体の多くは、姿がよく似た中国産のシナヌマエビです。

シナヌマエビはレッドチェリーシュリンプの原種でもあり、色彩や地域変異の多いエビとして知られています。
近年では日本の河川にもしっかり定着しており、日本で採集できるミナミヌマエビはほぼシナヌマエビ系統と言われるほど。

純粋な日本在来のミナミヌマエビは絶滅危惧種に指定されているため、これ以上数を減らさないためにも、販売固体のミナミヌマエビの放流は絶対に止めましょう。

ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)


日本のいたるところに定着しているミドリガメ。緑色の亀という和風のイメージからなんとなく在来種と思われることがありますが、”ミシシッピアカミミガメ”の別称と言われれば、外来種であることがピンとくるのではないでしょうか。

あまりに日本の自然に適応し増え過ぎてしまったことから、2023年6月1日からは 条件付特定外来生物に指定されています
今までと変わらず河川で捕まえたりペットとして飼育したりするのは問題ありませんが、持ち帰ったミドリガメを再び川や池に放つことは禁止されていますので注意しましょう。

ゼニガメ(クサガメ)


ゼニガメ(クサガメ)も日本でよく見かける亀です。
あまりに馴染んでいることからこちらも在来種と勘違いされやすいのですが、クサガメは朝鮮半島や中国本土から日本にやってきた外来種ゼニガメはクサガメの幼体の呼称です。

以前は日本の在来種であるイシガメの別称にゼニガメが使われていましたが、クサガメの流通を促すにあたってゼニガメの名が用いられたことで、現在はゼニガメといえばクサガメの幼体を指すことが一般的となっています。

このような名称の経緯からもクサガメは在来種と混同されやすく、自然に放流されたクサガメとニホンイシガメが交雑が進むなど取り扱いの問題が多い外来種です。

ニジマス


釣り堀やつかみ取りなど、夏のレジャーでも人気の渓流魚です。

全国各地で養殖されていることやニジマス(虹鱒)という名前から在来種と思われがちですが、実は北米原産の外来種で、自然では日本在来のヤマメなどとの交雑が問題になっています

日本の渓流で見られるマスは、ニジマス以外にもブラウントラウトやカワマスなどが知られていますがこれらはすべて外来種。日本在来のマスはヒメマスやサクラマスなどごくわずかな種類だけです。

タイリクバラタナゴ

(日淡)タイリクバラタナゴ (約2-3cm)<5匹>[生体]

タイリクバラタナゴは大陸=中国原産のタナゴです。日本在来のニッポンバラタナゴと非常によく似ており、よく混同されています。

食用として中国から輸入されたハクレンなどに混ざって国内に導入された経緯があり、今では全国各地に定着しました
美しい体色から観賞魚としての価値が高く、アクアリウムショップでも販売されている人気の淡水魚です。

しかしその一方で、放流されたタイリクバラタナゴと日本固有のタナゴの交雑が進んでおり、生態系の破壊つながる危険が示されています。

ウシガエル


田んぼやあぜ道で野太い鳴き声を上げるウシガエル。緑豊かな公園や水場があればどこでも見かけることがある認知度の高いカエルですが、もともとは北米原産の外来種で、食用として輸入されてきた物が日本に定着したという経緯があります。

水質悪化に強く何でもよく食べるという適応力の広さから、現在では北海道や奄美諸島を含めた日本全国で見かけるようになりました

ちなみに、ウシガエルの餌として同時にアメリカから輸入されたアメリカザリガニも日本全国に広がり、ミドリガメと同じく2023年6月1日より条件付特定外来生物に指定されています

ホテイアオイ

(浮草)ホテイ草 国産(ホテイアオイ)(10株)金魚 メダカ

アクアリウムではメダカや金魚の日よけや産卵床として、主にビオトープで活躍するホテイアオイですが、純日本風の名前のイメージとは異なり原産国は南米の外来種です。明治時代に鑑賞用として日本に持ち込まれました。

水場に群生して夏には紫色の花を咲かせる風情が日本の情景に良くマッチすることから、様々な公園や池で栽培されています。

一方で、大きく成長したホテイアオイが水面を覆いつくしてしまうことが問題となっており、水中の光不足を招いて生態系を崩したり、船の航行を困難にしたりといった支障を招くことから厄介者として扱われることも。

わずかな欠片や枯れかけた株からも再生する強い生命力を持つ浮き草なので、不用意に河川に捨てたりしないよう取扱いには注意しましょう

ハゴロモモ(カボンバ)

【めだか街道】カボンバ 鉛巻き 1つ (カボンバ10本分) (水草)

日本では古くから金魚水槽のお供として、マツモやアナカリスと共に”金魚藻”の名で知られるカボンバは、元々は南米から北米にかけて分布する外来種です。
ハゴロモモという和名もありますが、アクアリウムでは学名のカボンバで流通しています。

ボリュームのある細かな葉をつける姿がとても美し水草で、鮮やかな緑が金魚と良く合いますが、一方で高水温に弱く柔らかい葉は金魚に食害されやすいので、その姿を金魚水槽で維持するのは意外と難しいです。

繊細な面はありますが、日本の河川にしっかり定着しているため、余った葉をむやみに野外に捨てるようなことは止めましょう。

番外編:ホンビノス貝

活ホンビノス貝 大サイズ 6~8個入り 約1kg[貝類]

食材として知られるホンビノス貝は外来種として日本に定着していますが、その生態からうまく在来種の貝と住み分けをしていることで知られています。

日本の在来であるアサリやハマグリは砂地を好みますが、ホンビノス貝は泥地に生息するため、交雑などの心配がなくお互い干渉せずに共存が可能です。
ホンビノス貝は味が良く、本場のアメリカではクラムチャウダーの具として親しまれています。日本では価格の安さからハマグリの代替品として使用されることが多いようです。

外来生物の立場は人間次第で変わる


外来生物と聞くと、在来種を食い荒らす危険な生き物というイメージ抱かれるかと思いますが、その生態や立場によっては違和感を抱かれず日本に受け入れられていることも多いです。

今回ご紹介した中でも野生で生きていくことが困難な金魚は、観賞用として養殖されて日本で独自のポジションを築いていますし、ホンビノス貝は在来種に干渉しないことから、食用貝として定着し流通しています。
一方、在来種と交雑してしまう、絶滅に追いやる危険があるといった理由から、特定外来生物に指定され嫌われてしまう外来種も後を絶ちません。

人間の都合次第で外来種の立場が変わることが良くわかる事例と言えるでしょう。

しかしこうした危険とされる外来種も、元々は良かれと思った人間が日本に持ち込んで、定着させてしまったものであることを忘れてはいけません。
外来生物を目撃したらただ単に「悪い生き物だ!」と思うのではなく、なぜ日本にいるのか・なぜいけないのかを考えると環境問題や、解決しなければいけない課題などへの理解を深めることができます。

まとめ:意外な外来魚・生き物・水草10種!身近だけど実は外来生物な種類


今回のコラムでは、なじみが深いものの日本国外から導入された外来魚・生き物・水草を10種ご紹介しました。

外来生物は害があると思われがちですが、日本にやってきた経緯を見てみると、人間が何らかの理由で日本国内に導入してきたケースがほとんどです。
外来種であれ在来種であれ、生き物の命には変わりありませんので、アクアリウムで飼育している生き物は、最後までしっかり飼育することが最低限のマナーと考えましょう。

また、外来生物がなぜ悪い生き物とされるのか、その理由を深堀してみるとより理解が深まります。
生き物に触れる機会を大切にして、どんな生き物も大切に扱う気持ちを持つように意識しましょう。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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