水槽の設計とは!プロが教えるアクアリウム水槽の設計と機器選定方法
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水槽と必要な機材がセットになった水槽セットは、アクアリウム初心者にはとても心強いアイテムです。
しかし、水槽セットに付属している水槽や機材は、あくまで基本のセットなので、これだけでは飼育できない熱帯魚は意外と多いもの。また本格的な水草水槽や、サンゴの育成などのより難しいアクアリウムだと、水槽セットでは物足りなくなってくることがあります。
そんな皆さんは、水槽セットに頼らずに、一つ一つ水槽機材を選定していく水槽の設計に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ここでは初めて水槽の設計を行う方に向けて、実際に水槽の設計を行う手順と要所のポイント、そして一番気をつけたい機器類の選定方法をご紹介していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにアクアリウム水槽の設計と機器選定方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽の管理に慣れてきて、一歩進んだアクアリウムに挑戦してみたいときは、まず水槽の設備から選定し直してみるのがおすすめです。
理想とするアクアリウムに合わせて一から水槽を設計することで、難しい生き物の飼育や水草の育成も失敗しにくくなります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アクアリウム水槽の設計と機器選定方法を解説します。
【動画で知る!】水槽設計のYouTubeチャンネル
東京アクアガーデンでは、YouTubeチャンネル「ぶっちーの水槽設計事務所」を公開しています。
オーダーメイド水槽を数多く販売しているオンラインショップの店長・ぶっちーが、水槽の設計や素材、パーツの効果などを細かく動画で解説するチャンネルです。
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水槽の設計とは
水槽の設計とは理想のアクアリウムを実現するために、一つ一つ水槽の設備を選定して、オリジナルの水槽セットを作ることです。
各メーカーからは様々な組み合わせの水槽セットが販売されていますが、これらは基本的に初心者向けのものが多く、少し踏み込んだアクアリウムに挑戦するにはパワー不足になってしまうことがあります。
例えば、飼育の難しい熱帯魚を飼育したい時やサンゴを育成したい時など、目的が決まっているときはそれに合わせた機材を選定する必要があるのです。
このような水槽機材を選定しながら理想の水槽を作り上げていく作業を、水槽の設計と呼びます。
選定する機材は、市販されている水槽やろ過フィルター、照明などですので、知識があれば誰でも水槽の設計をすることが可能ですが、場合によってはオーダーメイドも視野に入れていきましょう。
オーダーメイドでは、プロ目線のアドバイスをもらえることもあるので、より理想に近い水槽を作ることができます。
水槽を設計する前の準備
水槽を設計する前に、まずは大まかな完成形を固めておくことが大切です。
このイメージが曖昧だと、以降の作業に支障が出てきますので、しっかりポイントを押さえながら理想の水槽をイメージしていきましょう。
目的を決めて情報を集める
最初に水槽を設計する上で一番重要な、水槽を作る目的を決めます。
- 憧れの熱帯魚を飼育してみたい
- 本格的な水草水槽を作りたい
- サンゴを育成しながら海水魚を飼育したい
など、目的を明確にしましょう。
次に、その目的を実現するために必要な水槽の情報を集めながらイメージを膨らませていきます。
例えば飼育したい熱帯魚がいるという場合、
- その魚を何匹ぐらい飼育したいのか
- どのくらいの大きさの水槽が必要なのか
- 水槽を置くスペースは確保できるのか
- 飼育するためにはどんな機器が必要か、また必要なスペックは?
など具体的に水槽をイメージしてみましょう。
水槽本体の大きさを決める
水槽のイメージが固まったら、次に水槽本体の大きさを決めていきます。
水槽本体の大きさは全ての基準です。水槽の大きさが少し変わるだけでも、水槽台に置けなくなってしまう可能性がありますし、総水量が変わると、ろ過装置やヒーター、クーラーのスペックにも影響が出ます。
後から変更できないので、この段階でしっかり熟考しておくことが大切です。
水槽本体の大きさは、飼育予定の生体に合わせるのと同時に、設置スペースや予算との兼ね合いも考えなければなりません。
市販されている規格水槽以外にも、オーダーメイドで特殊なサイズの水槽を作ることもできますので、納得のいくものを探してみましょう。
ろ過方式を決める
水槽本体の大きさがきまったら、次はろ過方式を決めます。
一般的なろ過方式は以下の8種類です。
■ろ過方式の種類
- 外部式フィルター
- 上部式フィルター
- 投げ込み式フィルター
- 外掛け式フィルター
- スポンジフィルター
- 底面式フィルター
- 流動式フィルター
- オーバーフロー式
ろ過方式は、飼育する生体や育成したい水草、サンゴの有無などに合わせて、適切なろ過能力を備えたものを選定していきます。
淡水水槽では外部式フィルターや上部式フィルター、海水水槽ではオーバーフロー式を採用する水槽が多いです。
ろ過方式を決める上で注意したいのがオーバーフロー式について。オーバーフロー式では水槽や水槽台に配管を通すための加工が必要なため、この段階で決めておかないと、以降の水槽の設計に影響が出てしまいます。
また、他のろ過方式に比べ、オーバーフロー式が一番選定する機器が多く、高額になりやすいことも覚えておきましょう。
水槽本体の設計方法
理想とする水槽のイメージが具体的に固まったら、いよいよ水槽の設計をしていきましょう。
最初は水槽本体の設計についてです。
水槽本体には大きさ以外に決めなければいけない点が2つあります。
- ガラス製かアクリル製か
- ろ過方式に合わせた加工は必要か
ガラス製かアクリル製か
水槽にはガラス製とアクリル製の2種類があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
■ガラス水槽の特徴
- 傷がつきにくく、透明度が高い
- 直射日光の当たる場所でも変形しにくい
- 重くて加工がしにくい
■アクリル水槽の特徴
- 衝撃に強く割れにくい
- 軽くて加工がしやすい
- 傷がつきやすく、透明度が下がりやすい
水槽の素材は飼育する生き物や水槽の大きさ、後述する水槽本体への加工の有無でどちらかを選ぶことになります。
例えば、~60cm程度の比較的小さな水槽で小型魚を飼育するならば透明度の高いガラス水槽がおすすめですし、アロワナなどの力が強い大型魚の飼育ならば、衝撃に強いアクリル水槽が安全です。
また、水槽に配管用の穴を開けるなどの加工が必要な場合は、加工がしやすいアクリル水槽で製作することになるでしょう。
水槽の加工や安全性に問題がないのであれば、予算やお好みに合わせて選んでみてください。
ろ過方式に合わせた加工は必要か
オーバーフロー式や外部式フィルターを使用する場合、水槽本体に穴を空けたり配管を通す加工が必要になります。
まず、オーバーフロー式について。オーバーフロー式では水槽に穴を開けて、水槽の水を下のろ過槽に落とす為のオーバーフロー管、ろ過された水がポンプの力で水槽に戻るための吐出し管、そして穴から魚や餌がろ過槽に落下するのを防ぐカバーを取り付けます。
配管のサイズは、下記の大きさを参考に考えてみてください。
■水槽サイズに合わせた配管サイズの目安
- 60~90cm・・・40A/13A
- 90~150cm・・・50A/16A
- 150cm~・・・65A/16A
次に外部式フィルターについてです。
アクリル水槽で外部式フィルターを使用する場合、フランジ(リブ)と呼ばれる水槽の補強が邪魔して、配管が水槽にかけられないことがあります。このようなときは、フランジに配管やコードを通す穴あけ加工を施します。
こちらがフランジに穴あけ加工を施したイメージです。
フランジで穴を開けられるのは下の図の赤い部分のみです。
これらの加工はDIYが得意で自ら行う方もいますが、難易度は高いですし、失敗すると水漏れや水槽の破損などの致命的なトラブルにつながります。
そのため、後から加工するのではなく最初からオーダーメイドで穴開け位置を指定して、水槽を製作してもらうのがおすすめです。
水槽サイズとろ過方式から適切な加工をしてもらえますし、配管加工以外にも蓋を取り付けたり、仕切りを取り付けたりなどの加工を施すことも可能です。水槽の設計についてプロに相談することもできます。
加工が必要な場合は、オーダーメイドをご検討ください。
東京アクアガーデンのオーダーメイドアクリル水槽製作のご案内です。特殊なサイズ、形の水槽や、配管用の穴あけ加工、フタの加工まで様々なニーズに対応いたします。
水槽台の設計
水槽台は、市販のものを購入してきて適宜加工する方法と、オーダーメイドで一から作り上げる方法の2つが選択肢になります。
水槽台は、有効内寸に気をつけよう
水槽台を選ぶときの基準は以下の3つです。
- 水槽本体の大きさに合ったものを選ぶ
- 好みのデザインのものを選ぶ
- 収納力を確認する
この中で特に重要なのが、収納力について。
どうしてもデザインに目が行ってしまいますが、水槽台の本来の役割は水槽を置くことと機器を収納することにあります。横幅や奥行きは水槽本体の大きさに合わせるため、ほぼ決まってしまいますが、収納部分についてはメーカーによって差がありますので、棚の中の有効内寸を必ず確認しましょう。
特にオーバーフロー式では、水槽台の中にろ過槽を納めなければならないため、有効内寸がとても重要です。
ろ過槽の設計
オーバフロー式で必須となるろ過槽の設計は、水槽台と合わせて行います。
水槽の水を循環させる関係上、ろ過槽は必ず水槽の真下に設置する必要があり、水槽台の中に納めなければならないからです。
ろ過槽を設計する上で注意しなければならないのが、
- 水槽台の有効内寸を調べ、余裕をもったサイズにする
- 水槽台に収めるその他の機材の大きさも加味する
- 水槽本体の水量の1/4~1/3程度の容量になるよう設計する
の3点。
ろ過槽が大きければそれだけろ過能力が上がるので、できるだけ大きくしたいところではありますが、有効内寸ギリギリだと水槽台に収まらない可能性があります。また、水槽台の中にはろ過槽以外にも水槽用クーラーや殺菌灯などを収納する必要があるため、それらの大きさも考慮しながら余裕を持った大きさに設計しましょう。
しかし、小さすぎても問題ですので、ろ過槽の大きさは水槽本体の水量の1/4~1/3程度の容量を下回らないように注意してください。
理想のスペースを確保できる水槽台が見つからない、ろ過槽が上手く収まるか心配、という時は、オーダーメイドがおすすめです。
水槽台とろ過槽を合わせてオーダーすれば、サイズぴったりに製作してもらえます。他の機器との兼ね合いやデザインも指定できるので、理想の水槽台を手に入れることができるでしょう。
東京アクアガーデンのオーバーフロー用ろ過槽のご案内です。ろ過槽のオーターメイドでご質問いただくことの多い内容や、ろ過槽の仕様を余すことなく解説します。
既製品の水槽台を購入する場合
市販の水槽台を使用する場合は、水槽の本体に合わせたものを選びます。
この時、オーバーフロー式では配管用の穴がある水槽台を選ぶのがおすすめですが、木製であれば自分で穴あけ加工することも可能です。
ただし、加工を失敗してしまう心配がある場合は、もともと穴が開いている水槽台をご用意することをおすすめします。
穴を空けるときは配管の大きさや穴の位置をしっかり確認して、少し大きめに穴をあけましょう。
穴あけ加工は、電動ドリルがあると比較的簡単に行うことができます。
水槽台をオーダーメイドする場合
オーバーフロー式で穴あけ加工やろ過槽に合わせて設計する必要がある場合や、デザインにこだわりがあるときは、オーダーメイド水槽台がおすすめです。
オーダーメイドでは、穴あけ加工だけでなく、軽微な地震などで水槽がずれ落ちてしまうことを防ぐ落とし込み加工や、キャビネットの扉の形状(蝶番、ボールキャッチ式など)など様々なオプションを指定することができます。
水槽の仕様に合わせてお好みのデザインで、世界に一つだけの水槽台を作り上げることができるのは、オーダーメイドならではの魅力といえるでしょう。
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水槽機器の選定方法
続いては、水槽を運用するための機材の選定についてです。
ここでは、どのような仕様の水槽にも取り付けることの多い、
- 照明
- ろ過装置
- 水槽用ヒーター
- 水槽用クーラー
の4つの機器の選定方法をご紹介します。
ただし、水槽の仕様によって機器は増減しますので、必要なものを確認してから選定を始めてください。
照明の選定方法
水槽の雰囲気づくりや、水草の育成、魚のバイオリズムを整えるのにも活躍する照明は、以下の3点に気をつけながら選定していきます。
- 照明サイズ
- 照明の色
- 育成に合わせた波長
照明サイズ
照明のサイズは大きければ良いというものではありません。強すぎるとコケの繁茂や水の富栄養化などの不具合が出ることがありますので、必ず水槽サイズに合わせたものを選んでください。
水草水槽で強い光が必要なときは照明の大きさではなく、後述する光量や波長が水草用育成用に調整された照明を選ぶのがおすすめです。
照明の色
照明の色には、魚をより綺麗に見せたり、サンゴの育成に合わせていたり、とそれぞれに意味があります。もちろんお好みで選んでも構いませんが、目的がある場合は、それに合わせた照明の色を選びましょう。
最近では一本で様々な色味を再現できるマルチカラー照明が増えているので、このタイプを購入すると様々な仕様の水槽で活用できます。
ここでは参考までに、東京アクアガーデンで採用することの多い照明の色をご紹介します。
淡水・水草水槽:白系
淡水魚や水草を育成する淡水水槽には白系の照明がおすすめです。
白は淡水魚や水草の本来の色をより美しく見せてくれます。また他の色に比べ、比較的水草の成長を促進させやすい色というのも、おすすめするポイントです。
海水・シクリッド水槽:青、青白系
色鮮やかな海水魚やシクリッドが泳ぐ水槽では、青系の照明が活躍します。
白い底砂に青白い光が反射する様子は、深い海の中をイメージしやすいです。また、青は原色系が多い海水魚の体色を鮮やかに見せます。
種類にもよりますが、サンゴの育成に青系の光が良いとされているのも、青を選択する要因の一つです。
照明の波長
水草やサンゴの育成に挑戦するときには、照明の波長に注意してください。
水草育成用やサンゴ育成用とうたわれた照明ならば、これらの育成に必要な波長の光を発する照明ですので、購入するときによく確認しましょう。
波長の合わない照明を使っていると、いくら光を当てても上手く育ちません。
美しく水草やサンゴを育成するには、照明の波長が何より重要です。
ろ過装置の選定
事前に決めていたろ過方式に合わせて、ろ過フィルターやポンプを選びます。
ろ過フィルターは、魚の種類や数、水槽の大きさを見て決めていきますが、いずれの場合でも少し余裕を持ったスペックのものを選ぶようにしましょう。能力ギリギリだと、水が汚れやすくなり、水質が悪化して病気が発生するなどのトラブルに見舞われる可能性があります。
また、フィルターが起こす水流の強さにも気を配りましょう。水流が苦手な魚には、スポンジフィルターや底面フィルターなどの、静かなフィルターを選ぶのがおすすめです。
ここでは、特に選ばれることの多い、外部式フィルター、上部式フィルター、オーバーフロー式の機器の選定についてご紹介します。
外部式フィルター
外部式フィルターは、高いろ過能力と大抵の水槽に使用できる汎用性が魅力で、様々な場面で活躍します。
特に水草水槽や淡水魚水槽では、外部式フィルターを選択しておけばほぼ間違いはないでしょう。水流が強いので、水流が得意ではない魚を飼育している場合は、フローパイプなどを使って水流を和らげてあげると良いです。
外部式フィルターは、水槽本体のサイズを参考に選定します。仮に、エーハイム製のフィルターの場合、
- ~60cm水槽:エーハイム2213
- 60~90cm水槽:エーハイム2215
- 90~120cm水槽:エーハイム2217
の辺りが目安です。
ただし、強力なろ過能力を必要とする海水魚水槽で外部式フィルターを運用する場合は、通常通りの選定だとろ過能力が足りなくなってしまう可能性がありますので、あえてワンランク上の機種を選定したり、複数台設置したり、などの対策をしておくことをおすすめします。
上部フィルター
上部フィルターは、水槽上部に設置するろ過装置で、ウールマット面が広く物理ろ過能力に特化しています。
そのため、フンが多く水を汚しやすい大型魚の飼育におすすめです。
上部フィルターはまず、水槽の幅に合ったものを選ぶのが基本です。そのうえで、物理ろ過がメインなことを考えて掃除がしやすいもの選ぶと、後々の管理がしやすくなります。
オーバーフロー式
オーバーフロー式は、水槽からろ過槽に落ちた水をろ過してポンプでくみ上げ、水槽に戻すろ過方式で、高いろ過能力が特徴です。また、水槽用クーラーなどの他の機器を接続することができるため、繊細な水質や温度管理が求められる、海水魚やサンゴ、大型魚の飼育におすすめです。
そんなオーバーフロー式では、特に揚水ポンプの選択が重要となります。
揚水ポンプで水を循環させるため、ポンプのパワー=ろ過能力といっても過言ではありません。
最低でも1時間に5回総水量を循環させるパワーがあるポンプを選ぶようにしましょう。
ポンプの流量計算
オーバーフロー式で使うポンプは、1時間に水槽水量が何回転するかをきちんと計算して選ぶようにしてください。
ポンプの回転数は以下の数式で求めることができます。
例えば、水量が70Lの60cm水槽に、最大吐出水量が1,000Lのポンプを使用する場合、
で、1時間に最大で約14回転できる計算です。
ただし、この計算で算出される回転数は、あくまで最大であり、実際はこれより下回ると考えて間違いありません。
下から上へ水を汲み上げるのにはパワーがいりますし、水槽用クーラーや殺菌灯などの機器を接続すると、更に負荷が増えて回転数が落ちるからです。
これらの負荷を加味したうえで、十分なろ過能力を得るためには、理想の回転数よりも倍近いパワーを持ったポンプを選定しておくことをおすすめします。
水槽用ヒーターの選定
水槽用ヒーターは、水槽の温度を一定に保つための重要なアイテムで、特に熱帯魚や海水魚の飼育には欠かせません。
水槽の総水量によって推奨のワット数が決まっていますので、下記一覧を参考に選定してみましょう。
- 水量40~60L/150W
- 水量60~100L/200W
- 水量100~150L/300W
- 水量150~200L/500W
水量に適したワット数の水槽用ヒーターを使わないと劣化が早まり、誤作動を起こしたり、故障してしまったりと思わぬトラブルの原因となりますので、注意してください。
また、水槽用ヒーターと合わせて必ず取り付けたいのがサーモスタットです。
サーモスタットは水温が設定の温度になったら、自動的にヒーターの電源をOFFにしてくれる装置で、これが無いと際限なく加温され続けてしまいます。
サーモスタットには、水槽用ヒーターに付属しているタイプのものと、個別に販売されているものがあります。
水槽用ヒーターに付属しているタイプは、そのまま接続するだけで水温が管理できるので手軽ですが、ヒーター部分が壊れてしまうとサーモスタットまで一緒に買い替えなければなりません。
一方サーモスタット単体の場合、水槽用ヒーターとサーモスタットを別々に用意しなければならないため手間がかかります。しかし、ヒーターが壊れてもサーモスタットは買い替えなくて済みますし、水槽用ヒーター複数台を一つのサーモスタットにつなげて、一括で管理することができるなどの応用ができるのが魅力です。
水槽の管理スタイルに合わせてお好みの物を選んでみてください。
水槽用クーラーの選定
外部式フィルターかオーバーフロー式の場合、水槽用クーラーを設置することができます。
全ての水槽に必須と言うわけではありませんが、あると水温を管理しやすくなりますし、暑い季節に高水温を心配する必要がなくなるため、高水温に弱く繊細な水温管理が求められる生体や水草を育成している場合には、取り付けておくと安心です。
そんな水槽用クーラーの選定は、以下の基準で行います。
- 冷却方式と価格から選ぶ
- 冷却能力に余裕のある物を選ぶ
- アフターフォローがあるか確認する
冷却方式と価格
水槽用クーラーにはペルチェ式とチラー式という2種類の冷却方式があります。
ペルチェ式は、1万円台~購入できる低価格が魅力で、稼働音が静かなのが特徴です。
ただ、チラー式と比べると冷却能力は劣る傾向にあり、どちらかといえば~60cmサイズの小型水槽向けのクーラーと言えるでしょう。
対してチラー式は、冷却能力が高くしっかり水を冷やして水温を管理したい水槽に向いています。大量の水も問題なく冷やせるので大型水槽にはチラー式がおすすめです。
しかし、ペルチェ式に比べると稼働音が大きく高価で、本体も大型になりやすい傾向にあります。
どちらの方式でも水を冷やすことができますので、水槽サイズや設置場所、予算に合わせて選定してください。
冷却能力に余裕のあるものを選ぶ
水槽用クーラーで確実に水を冷やすためには、総水量と損失熱量に合った機種を選定する必要があります。
ここでいう総水量とは、水槽本体だけでなくろ過槽やろ過装置に入るすべての水の量のことです。
次に、損失熱量について。損失熱量とは照明やポンプ、フィルターなどを稼働した際に発生する熱のことです。
損失熱量は1W=1Lに変換して総水量と合わせて計算します。
この場合、総水量と損失熱量の合計が210Lになるため、選定するクーラーの容量は210L以上のものが望ましいということです。
また、水槽用クーラーは吸い込んだ空気を水に当てて冷やすという構造をしているため、冷却能力は外気温に左右されます。
そのため、外気温が上がりやすい環境ではその点を考慮して、余裕のあるスペックの機種を選ぶと良いでしょう
アフターフォローがあるか確認する
水槽用クーラーは水槽機材の中でも高価なため、気軽に買い替えはできません。
そこで、購入前にメーカーによるアフタフォローがあるかどうかを確認しておきましょう。
もし故障したときにも、アフターフォローで修理が依頼できれば買い替えをせずにすみますし、その他のトラブルやメンテナンスの相談をすることも可能です。安心して運用を続けていくためにも、アフターフォローは重要な選定基準となります。
アフターフォローのサポート範囲は各メーカーを確認してください。
水槽設置時の注意点
水槽の設計をおこなったら、最後はいよいよ水槽の設置についてです。
水槽の設置場所を決めるときには、以下の3点は必ず確認しましょう。
- 水槽一式の総重量
- 壁からの距離
- 直射日光を避けて設置する
水槽一式の総重量
小型水槽ならばあまり問題になることはありませんが、100cmを超えるような大型水槽の場合は、総重量と床の耐荷重を確認しましょう。
水を入れた水槽は想像以上に重くなります。
60cm水槽で70kg以上、120cmでは300kgを超えることも珍しくありません。
建築基準法では、一般的な住宅の床は180kgに耐えられるよう定められているのですが、それ以上の重さでは床が傷んでしまうことも考えられますので、必ず設置場所の耐荷重を確認してください。
壁からの距離
水槽を壁にぴったりとくっつけて設置するのは避けましょう。
水槽から発生する湿気が直接壁に当たり、壁紙がふやけてしまったり、カビが生えてしまったりすることがあります。
また、壁に密着させて配置するとクーラーなどの機材の排熱が抜けずに溜まってしまい、故障の原因になってしまうこともあります。
最低でも壁から7cm程度離して設置するようにしてください。
直射日光を避けて設置する
直射日光を避けて設置することも大切です。
程よい光は水槽に必要ですが、強すぎると水温が急激に変化して魚達が体調を崩してしまったり、コケが繁茂してしまったりといったトラブルに見舞われる可能性があります。
また、紫外線が水槽の劣化を早めることもあるため、注意が必要です。
時間の経過や季節の変化によって日光の入り具合が変わりますので、通年を通して直射日光の当たらない場所を見極めるか、カーテン閉めて光をやわらげた場所に水槽を設置するようにしてください。
まとめ:水槽の設計とは!プロが教えるアクアリウム水槽の設計と機器選定方法
今回は実際に水槽の設計を行う手順と要所のポイント、機器類の選定方法を解説しました。
水槽の設計と聞くと難しく感じますが、選定方法にはどれも明確な基準があるため、水槽に合わせた機材を一つ一つ確実に選んでいくのが、うまく設計するコツです。
また、理想とする水槽をしっかりイメージしておくと、スムーズに進みやすくなります。
水槽やろ過槽、水槽台などはオーダーメイドも視野に入れながら設計していくと、思い通りの水槽を作ることができるでしょう。
オーダーメイドでは、プロのアドバイスを貰うこともできますので、迷ったら一度相談してみるのもおすすめです。
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