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メダカは適応できる水質や水温の幅が広い丈夫な魚です。
とはいえ生き物ですので、世話の仕方を間違えると体調を崩してしまうことがあります。
- 水換えの仕方
- 餌の与え方
- 飼育容器の大きさとメダカの飼育数
といった日頃の世話の仕方や飼育環境を少し改善するだけで、失敗を防ぎ、長く健康にメダカを飼育することができます。
今回は初心者の方がやってしまいがちな、メダカ飼育の失敗例を9個ご紹介します。
『初心者が失敗しやすいポイント』を押さえておくことで対策がしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストによるメダカ飼育の失敗例の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンでは水槽レンタル事業を通して、メダカ飼育も行ってきました。また、本サイトの他にもアクアリウム情報サイト・トロピカを運営しておりますので、メダカ飼育のお悩みやご相談をいただくことも少なくありません。
今回は実務経験と実際に届いたメダカ飼育のご相談をもとに、初心者の方が失敗しやすいポイントをまとめました。
失敗の対策もふまえて解説しますので、ご参考になさってください。
メダカ飼育のよくある失敗9個を動画で知る
メダカの飼育でよくある失敗9個については、動画でもご覧いただけます。
また、東京アクアガーデンでは人気の記事やレイアウト法などを随時まとめ、YouTubeチャンネル「トロピカチャンネル」でご紹介しています。
水草水槽のレイアウト方法や熱帯魚飼育の疑問まで、続々アップしていきますので、ぜひご覧ください。
メダカ飼育のよくある失敗9個
メダカ飼育でよくある9つの失敗例をご紹介します。
どれも初心者の方がやってしまいがちな失敗例ですが、原因は専門的な難しいものというわけではなく、ちょっとしたミスが失敗につながってしまったものばかりです。目を通して覚えておくだけで防げる失敗も少なくありませんので、参考にしてみてください。
失敗1:はじめからたくさんのメダカを入れる
水槽を設置してすぐに多くのメダカを入れると、体調を崩してしまうことがあります。
これは、硝化サイクルの整っていない水の中に大量のメダカを入れたことにより、水が汚れて中毒を起こしてしまったことが原因と考えられます。
立ち上げたばかりの水槽には水を綺麗にしてくれるバクテリアがおらず、水が汚れやすい状態です。
■バクテリアとは
バクテリアは水や底砂などにいる良い細菌です。フンや餌の食べ残しから発生するアンモニアや亜硝酸塩といった有害な物質を分解し、ほぼ無害な硝酸塩に変える働きをしてくれます。水槽内の水を綺麗に保つのに欠かせない、重要な存在です。
バクテリアは、魚から排出されるアンモニアによって増えていきます。
魚が水槽内にいれば自然に増えていきますので、まずは、数匹のメダカを入れて1週間程度様子を見てください。水が酷く汚れたり、メダカに異変が起こったりなどの問題がなければ、徐々に数を増やしていくと良いでしょう。
また、1度に追加するメダカの数は少な目にしておくと失敗しづらいです。
しかし、バクテリアが増えてきてもまだ完全とは言えません。
水をきれいにするバクテリアは2週間で増え始めますが、水をきれいに保てるぐらいの量になるには4週間ほどかかります。
バクテリア増えてろ過が十分に機能するようになった状態を『水槽が立ち上がった』と言います。
メダカを入れてよいタイミングをより正確に知りたい場合は、水質検査薬を使用してみることをおすすめします。
アンモニアや亜硝酸塩が検出され無くなれば、『バクテリアが増えて硝化サイクルが正しく働き出している=メダカを複数匹入れてよいタイミング』と考えられます。
焦らずゆっくりと水槽を立ち上げていくことが、失敗しない秘訣です。
中毒やバクテリアについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
失敗2:メダカの数を増やしすぎる
水槽には、サイズによって飼育できる生体の数の目安があります。
多く入れ過ぎている状態は『過密飼育』といって、
- ストレスがかかる
- 水が汚れやすくなる
- メダカ同士でのいじめやケンカが起こる
といったトラブルが発生しやすくなるため、メダカの入れ過ぎには注意しましょう。
例えば幅30×奥行18×高さ24cmの30cm規格水槽ならば、水量は約13Lですので13~18匹程度のメダカを飼育することができ、20匹以上入れると過密飼育となります。
また、メダカは特に繁殖しやすい魚ですので、「気付けばメダカの数が倍になっていた」ということも少なくありません。
最初から繁殖することを考えて、少なめの数からスタートすると過密飼育を避けることができます。
水槽に余裕がないときは、卵を見つけても隔離せずに親と同じ水槽で飼育することで自然と淘汰されます。
食べられてしまう卵や稚魚のことを考えるとかわいそうに感じるかもしれませんが、過密飼育は水槽全体のメダカによくありませんので、適切な飼育数で管理するようにしましょう。
水槽サイズにあった生体の飼育数は、こちらの記事で詳しく解説しています。
失敗3:水道水をそのまま入れる
水換えの際に水道水をそのまま入れてしまうと、メダカが弱ったり、体調を崩したりしやすいです。
水道水には魚に有害な塩素(カルキ)が含まれているため、そのままでは使うことができません。水道水をカルキ抜きすることで安全に使えるようになりますので、水換えの際には必ずカルキ抜き剤を用意しておきましょう。
カルキ抜きには液体と固形がありますが、水量に応じて添加量を調節しやすい液体タイプがおすすめです。
また、塩素はメダカだけでなく、水槽内のバクテリアにも悪影響を与えます。バクテリアが減少すればアンモニアや亜硝酸塩を分解するサイクルが悪くなり水質悪化につながりますので、水道水にはカルキ抜きを添加することを忘れないようにしましょう。
カルキ抜きやメダカに適した水については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
失敗4:水流を強くし過ぎる
メダカは流れの弱い場所に生息する魚ですので、水流が強すぎると体力を消耗してしまいます。
体力が落ちると病気にかかりやすくなることもあるため、水流は弱めに調節しましょう。
メダカ水槽にろ過フィルターを設置する場合は、吐出量(ろ過フィルターから流れ出る水量)を調節できるものがおすすめです。製品にもよりますが、吐出量は最弱~弱で問題ありません。
その他にも、ろ過フィルターの吐出口の向きを変えたり、水草や流木を入れたりすることで水流が緩やかな場所を作ることができます。
メダカ水槽におすすめのろ過フィルターや水流の調節方法については、こちらの記事をご覧ください。
失敗5:エアーポンプが強力過ぎる
エアーポンプが強すぎると想定以上の水流が発生してしまうことがあるため、メダカが体力を消耗してしまう原因になります。
メダカ飼育には空気の量を調節できるエアーポンプが最適です。例えば、水作 水心sspp-3sは、空気の量を調節できるうえに消音設計でモーター音も抑えられているので、おすすめです。
空気の量は、最弱~弱に調節しましょう。水槽が大きければ中でも問題ありませんが、メダカが流され気味だったり、餌を食べづらそうにしたりしている場合は弱めてください。
失敗6:餌を与えすぎる
メダカに餌を与えすぎると、消化不良を起こして体調を崩してしまうことがあります。
メダカには胃がありませんので、たくさん餌を与えても食いだめすることはできません。また、水温の変化によって消化能力が落ちるなど排泄機能が高くないため、過剰に食べすぎると消化不良を起こしやすくなります。
その他にも、餌が多すぎることでフンや食べ残しが増え水質が悪化するペースが早まります。
メダカの餌は、1日2~3回、2~3分で食べ切れる量を目安に与えるようにしましょう。
メダカが餌を食べないときには、以下の記事も参考になります。
失敗7:水草が多すぎる
水草が多すぎると余裕をもって泳ぐスペースがなくなり、メダカが強いストレスを感じて体調を崩してしまうことがあります。
また、水草は昼間には光合成で酸素を供給してくれますが、夜間は酸素を消費して二酸化炭素を排出するため、水草が多すぎると夜間の酸欠の原因になることも。
メダカにおすすめの水草としては、
- マツモ
- アナカリス
- ホテイアオイ
といった種類が有名ですが、どれも丈夫で成長が早く繁茂するのが特徴です。あっという間に増えて水槽に広がってしまうこともありますので、最初は少なめに入れるようにしましょう。
入手する際は、マツモやアナカリスであれば3~5本が1束になったもの、ホテイアオイなどの浮き草の場合は1~2個で十分です。環境が整っていれば、すぐに見映えするぐらいまで増えてくれます。
もしあまり増えないようなときは、環境が整っていないことが考えられます。たくさん入れても枯れてしまうため、まずは水草が育ちやすい環境を整えることを意識しましょう。水草が十分に育ってきたら、多くとも水槽の1/4~1/3程度の範囲になるよう間引きをします。
水草は産卵床になったり、隠れ家になったりなどメダカと相性がよいですが、泳ぐスペースや酸素のことを考慮して数を調節することが大切です。
失敗8:親魚と同じ餌を稚魚に与える
ここからは、メダカが繁殖して稚魚が産まれた場合に起こりやすい失敗例です。
まずは稚魚の餌について。孵化したてのメダカの稚魚は、『針子(はりこ)』と呼ばれるほど細く小さな体をしています。
体だけでなく口も小さいため、親と同じ餌は大きすぎて上手く食べることができません。口の大きさに合った稚魚専用の餌を与えることで、順調に育てることができます。
人工飼料の他にも、
- インフゾリア(ゾウリムシ)
- ミジンコ
- ブラインシュリンプ
といった生き餌を併用することで、より丈夫に早く成長しますのでおすすめです。
また、植物プランクトンが豊富なグリーンウォーター(青水)で飼育すると常に栄養を摂取できるため生存率が上がります。
メダカ稚魚の飼育と餌の与え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
失敗9:ろ過フィルターに稚魚が吸い込まれる
これはメダカ以外の魚でもよくありますが、吸い込み口が広いろ過フィルターを使うと小さな稚魚が吸い込まれてしまうことがあります。
稚魚がいる水槽にはスポンジフィルターがおすすめです。
スポンジフィルターのスポンジは目が細かいため、稚魚が吸い込まれる確率を下げることができます。エアーポンプがあれば設置できますので、扱いも簡単です。
その他にもフィルターの吸い込み口に、
- スポンジストレーナー
- ウールマット
- ストッキングのような目の細かいネット
といったもので覆うことで吸い込み防止対策できます。
通水性の点から、アクアリウム用のスポンジストレーナーが最もおすすめです。
まとめ:メダカ飼育の失敗9個!水合わせ・稚魚飼育などで初心者が陥りがちなミス
今回は初心者の方がやってしまいがちな、メダカ飼育の失敗例を9個ご紹介しました。
失敗しないためのポイントをまとめます。
■メダカ飼育で失敗しないためのポイント
- メダカ1匹に対して水は約700ml~1L必要
- 水道水にはカルキ抜きを添加する
- 吐出量を調節できるろ過フィルターとエアーポンプを使う
- 餌は2~3分で食べ切れる量を1日2~3回与える
- 稚魚には専用の餌を与える
- 稚魚が吸い込まれないようスポンジフィルターを使う
- 水草は適度に間引いて泳げるスペースを確保する
どれもメダカ飼育では重要なことですので、これから飼育を始める方は参考にしてみてください。また、メダカの飼育が上手くいっていない場合は、今回の失敗例に当てはまっていないか確認することで改善できる可能性があります。
失敗を未然に防ぎ適切な飼育方法で飼うことができれば、メダカの体調が安定しやすいだけでなく長生きしやすくなりますので、ぜひ、実践してみてください。
メダカ飼育の失敗について良くあるご質問
メダカ飼育の失敗とは?
- 水槽にメダカを入れすぎる
- 餌を与えすぎる
- ろ過フィルターを強くしすぎる など
水槽や飼育容器を設置して間もなく、メダカを入れすぎてしまうことがあります。水をきれいにするろ過バクテリアは約4週間かけて増えますので、その間はメダカの数を控えましょう。
メダカの適正な飼育数は、どれくらいの匹数ですか?
メダカは繁殖しやすい魚なので、余裕を持った水量で飼育を行ったほうがトラブルを起こしにくいです。
その点からも、少なめな匹数での飼育開始がおすすめです。
メダカが弱ってしまう原因とは?
- 過密な飼育
- 水温の変化が多い環境
- 餌の与えすぎ
- 日光浴不足 など
このような要因でメダカは体調不良を起こします。朝晩で気温が大きく変わるような場合は要注意です。
屋外飼育の場合は、すだれを飼育容器にかけ1/3程度日陰を作るなど、水温が大きく変わらない工夫をすると良いです。
メダカの稚魚は隔離すべきですか?
メダカの稚魚は成魚よりも口が小さく遊泳力がないため、同じ環境では餌を食べることが難しいです。
稚魚自体が他の生き物に食べられてしまうこともあります。
繁殖を検討している場合は、稚魚がある程度大きく育つまで、別の飼育容器で稚魚用の餌を与えながら育てましょう。
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