メダカをポンプ無しで飼育する方法!水質維持の考え方と水草について
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メダカは水質にうるさくないうえに酸欠にも強い魚ですので、ポンプ無しで飼育することができます。
ろ過フィルターを使用しないメダカ飼育は、普通の水槽に比べて電気代がかかりませんし、フィルターが無い分掃除の手間が省けるなど、意外とメリットが豊富です。
ただ、飼育容器の形状によっては水中に酸素が取り込みづらくて酸欠が起こったり、水換えや掃除で水質をしっかり管理しないとメダカが弱ってしまったり、といったことがありますので、ポンプを設置しないのならば無くてもメダカを飼育できる環境を整えることが大切です。
ここでは、メダカをポンプ無しで飼育する方法をご紹介しますので、ぜひ、ご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにメダカをポンプ無しで飼育する方法と水質維持の考え方を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
メダカは丈夫で水をあまり汚さないため、ろ過フィルターを設置していない水槽でも飼育することができます。
ただ、ろ過フィルターを設置しない飼育方法は、使用する飼育容器や飼育場所によって難易度や注意点が変わりますので、適切な場所、容器を選んでメダカを飼育しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカをポンプ無しで飼育する方法と水質維持の考え方を解説します。
容器別!メダカをポンプ無しで飼育する方法
メダカをポンプ無しで飼育する場合、飼育場所や使用している飼育容器によって、酸素の溶け込みやすさや水が汚れるペースなどが異なるため、ご自分のスタイルに合った飼育方法を取り入れることが大切です。
そこで、ここでは屋外飼育と室内飼育の場合に分けて、容器別にろ過フィルター無しでメダカを飼育する方法やコツをご紹介します。
屋外飼育でおすすめの容器
メダカをポンプ無しで飼育するならば、室内よりも屋外飼育の方が環境が維持しやすいです。
屋外飼育では、太陽の光を十分に当てることができるため、バクテリアや水草が繁殖しやすく水質浄化効果が高いこと、室内よりも大きな飼育容器を使いやすいことなどが理由として挙げられます。
そのため、ポンプ無しでの飼育を考えているのならば、まずは屋外での飼育を検討してみてください。
そんな屋外飼育でおすすめの飼育容器は以下の3つです。
- メダカ鉢や睡蓮鉢
- トロ舟やメダカ飼育ケース
- 発泡スチロール箱
それぞれの容器の特徴やおすすめの飼育方法を解説します。
メダカ鉢・睡蓮鉢
メダカ鉢や睡蓮鉢は開口部が広く酸素が溶け込みやすいため、ポンプを使わない飼育環境と相性が良いです。
そしてこのタイプの飼育容器に特におすすめなのが、底砂を敷いて水草や水生植物を配置し、ビオトープとして運用する方法。
底砂に定着する汚れを分解してくれるバクテリアの働きと、水草が持つ水質浄化効果や酸素供給の力により、ろ過フィルターが無くても水質を維持しやすくなります。
このバクテリアや植物の力はかなり偉大で、メダカの飼育数にもよりますが、ビオトープの浄化能力が安定して機能していれば、水換えすらもあまり必要ありません。
ただ、バクテリアが定着したり、水草が根付いたりするまでに期間が必要ですので、容器に水を張ってから7~10日間は生き物を入れず飼育水が落ち着くのを待ちましょう。
ビオトープ形式での飼育スタイルは屋外飼育の定番で、トロ舟や発泡スチロール箱を使った飼育でもよく採用されています。
トロ舟
大容量が売りのトロ舟におすすめなのが、底砂を敷かずに運用するベアタンク式です。
トロ舟は開口部が広いため外から酸素を取り込みやすく、水草を入れなくても酸欠になる心配があまりありません。
底砂を敷かないため汚れが溜まりにくく、水をきれいに維持しやすいのもベアタンクの利点です。フンや汚れが目につくようになったら水換えや掃除をして、環境を維持しましょう。
また、屋外飼育のベアタンクでは、グリーンウォーター(青水)が発生しやすいのも特徴です。
グリーンウォーターはメダカの餌となる植物プランクトンが豊富に含まれた水で、成魚だけでなく生まれたばかりの稚魚の餌にもなる、メダカ飼育にとても有用な飼育水です。
濃度が濃くなりすぎると酸欠などを起こす可能性がありますので、容器の底が見えないほど緑が濃い時には水換えをして薄めてください。
ベアタンクは見た目がかなりシンプルですので、寂しく感じたらホテイソウやアマゾンフロッグビットなどの浮き草を入れるのがおすすめです。これらの浮き草はメダカの隠れ家や日よけにもなります。
発泡スチロール箱
屋外飼育でおすすめの容器3つめが発泡スチロール箱です。
先にご紹介したビオトープ式、ベアタンク式のどちらでも使用できますし、開口部が広いので、酸欠などの心配はありません。
そして、屋外飼育に発泡スチロール箱をおすすめする一番の理由が保温性です。発泡スチロール箱は保温性が高いことから、夏や冬に水温を安定させたい場合に重宝します。
また、軽くて扱いやすく安価なのも利点と言えるでしょう。
とはいえ、鑑賞性ではメダカ鉢や睡蓮鉢が人気ですし、強度ではトロ舟などのプラスチック容器の方が高いため、夏場の高水温や、低水温による凍結を防ぎたい場合など、季節に応じて一時的に使用するのに向いています。
室内飼育でおすすめの容器
続いて室内飼育の場合です。室内飼育では太陽光を取り込みづらく、植物やバクテリアといった自然にの摂理に基づく水質浄化効果を得づらいため、ポンプ無しで飼育する難易度は、屋外飼育よりも高くなります。
しかし、水換えや掃除といったろ過フィルター以外の方法で水をきれいに保てれば、メダカの飼育が可能です。
ここでは、室内飼育でよく使われる、
- ボトルアクアリウム
- 水槽
について解説します。
ボトルアクアリウム
ガラスやプラスチック製の小さな容器で魚を飼うボトルアクアリウムの場合は、そもそも適合する機材が少ないため、ポンプやろ過フィルターを使用しないのが一般的です。
ボトルは開口部が狭くて水量が少ないので、メダカを飼育するならば数匹程度の少数飼育に留めましょう。
水の汚れや酸欠に気を配りながら、週に一度は水換えをして、環境を維持するのがおすすめです。また、ボトルアクアリウムはインテリアとしての側面が強いので、コケが生えるなどして鑑賞性が下がってきたら掃除をしましょう。
ボトルアクアリウムについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
水槽
室内飼育ではポピュラーな水槽ですが、ポンプやろ過フィルターを使わずにメダカを飼育するとなると一番難易度が高くなります。
開口部が狭いうえに水深がありますので、他の容器と比べて酸素が溶け込みにくいためです。水草を大量に植え付ければ酸素を供給することはできますが、それには水草用の照明が必須です。
また、水槽という閉じられた空間の中でポンプ無しだと、水が淀みやすく汚れも蓄積されていきます。これを改善するためには、ほぼ毎日のように底床から汚れや水を吸い出す必要が出てくるでしょう。
以上のことから、通常の室内水槽で、あえてポンプ無しでメダカを飼育するメリットはあまりありません。
ただし、水換えをあまり必要とせず水流を当てないほうが良い、稚魚~幼魚期についてはポンプ無しでも飼育することができます。
メダカをポンプ無しで飼育するメリットと維持方法
ここからは、メダカ飼育でポンプを使わずに飼育するメリットと水質を維持する方法を解説します。
飼育環境やスタイルによってはポンプを使わない方が良い場合がありますし、酸素の供給や水質浄化能力が不足しがちな欠点を補えればポンプを使うよりも管理がしやすくなることもあります。飼育スタイルを検討中の方は、候補の一つとしてご覧になってみてください。
運用コストがかからない
ポンプ無しでメダカを飼育する最大のメリットは、電気代がかからないことです。
電気消費量が大きいものではありませんが、常に稼働しなければならないため、水槽を維持していればずっと電気代がかかり続けます。
メダカ飼育の維持費を少しでも削減したい場合には、ポンプ無しの飼育方法がおすすめです。
掃除が楽、稼働音がしない
ろ過フィルターやポンプを設置していると、当然これらの機材の掃除をする必要が出てきますが、細かいパーツやろ過槽を掃除するのは大変です。
単純ですが、使用していなければこれらの掃除をしなくてすみ、メンテナンスは格段に楽になります。
また、ポンプを設置していると随時稼働音がしますので、音がしないのも利点です。ポンプのモーター音は意外と響きますので、静かな空間を作りたい場合はポンプを使用しないのも一つの手でしょう。
水質を安定させるには水草がおすすめ
ポンプやろ過フィルターを使わずに水質を維持するためには、水草の働きが欠かせません。
植物には、光合成をして酸素を生み出したり、バクテリアが有機物を分解した後に残る硝酸塩を吸収したりといった、水を浄化する能力が備わっています。
水槽という限られた空間では、放っておくとメダカが出すフンや餌の食べ残しなどで水が汚れていきますので、この植物がもつ能力を最大限に活かすのが、水質を維持するコツです。
底砂を敷いたビオトープならば水草を植え付ければ良いですし、ベアタンクならばポットに植えた水草を入れるか浮き草を浮かせておくだけでも効果があります。
- マツモ
- アナカリス
- ホテイソウ
- アマゾンフロッグビット
などは、植え込まなくても育つ水草・浮き草ですので、どのような飼育スタイルにもおすすめです。
飼育水づくりにはパイロットフィッシュを導入しよう
水を張ったばかりの飼育容器には、まずパイロットフィッシュを導入すると、立ち上げ直後の失敗を減らすことが可能です。
パイロットフィッシュは立ち上げたばかりの水槽に入れる丈夫な魚のことで、
- 汚れを分解するバクテリアの増殖に必要なフンなどの有機物を供給する
- 魚の飼育に適した環境になっているかチェックするチェッカー
などの役割があります。
パイロットフィッシュを入れることで、水を綺麗にする浄化サイクルが早く整いますし、実際に魚を飼育していれば環境が整ったかどうかの判断もしやすいです。
メダカ飼育の場合は、メダカもパイロットフィッシュを担うことができますので、最初は数匹程度から飼育を始めましょう。この時入れる品種は丈夫な黒メダカなどがおすすめです。
1ヶ月程度様子を見て、問題がなければ徐々にメダカの数や品種を増やしていきます。
お掃除生体も活用しよう
水をきれいに保つためには、お掃除生体も積極的に導入していきましょう。餌の食べ残しや水草の切れ端、コケなどの汚れの原因を食べて処理してくれます。
ここでは、適応できる水温の幅が広くどんな飼育スタイルでも導入しやすい、
- ミナミヌマエビ
- ヒメタニシ
の2種をご紹介します。
ミナミヌマエビ
2~3cm程度の小さなエビで、餌の食べ残しやコケを食べてくれることで有名なお掃除生体です。
日本の河川や湖沼にも生息していて野生のメダカと同じ場所にいることも珍しくないため、相性がとても良いです。水草を食べてしまう心配がありませんし繁殖も楽しめますので、累代しながら飼育を続けることができます。
ヒメタニシ
ヒメタニシは餌の食べ残しやコケを食べるだけでなく、濾過摂餌(ろかせつじ)によって水中の有機物などを吸収します。
水質悪化やグリーンウォーター対策になりますので、飼育水が淀みやすいポンプ無しの飼育環境に最適です。ただ、繁殖しやすいため、1~3匹程度の少数から導入してコケの食べ具合や水が汚れるペースを観察しつつ、必要に応じて数を増やしましょう。
まとめ:メダカをポンプ無しで飼育する方法!水質維持の考え方と水草について
今回は、メダカをポンプ無しで飼育する方法をご紹介しました。
メダカは丈夫で水を汚しにくい魚なので、ろ過フィルターを使わずに飼育することができます。
ポンプを使わない飼育方法ならば電気代が削減できますし、稼働音がしなくて静かだったり、より自然に近い環境でメダカ飼育を楽しむことができたり、など意外にもメリットが豊富です。
一方で酸素が供給されにくく、水が汚れやすいという注意点がありますので、使用する飼育容器や飼育場所選ぶ、水を綺麗に保つ工夫をするなどの対策をして水質を維持してみてください。
メダカ飼育の一つのスタイルとして、ポンプ無しの飼育も検討してみてはいかがでしょうか。
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