メダカの成長を解説!卵から稚魚・成魚まで過程や飼育ポイントを紹介
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メダカは簡単に飼育できる魚とよくいわれますが、成長段階によって飼育の難易度が変わります。
卵や稚魚の時期は繊細な面がありますので、水温や餌を与える頻度が適切でないと生存率が下がってしまうことも少なくありません。
成魚になると丈夫な体に成長しているため格段に飼育しやすくなりますが、繁殖させたい場合は産卵場所を用意したり、栄養価の高い餌を与えたりする必要があります。
今回は、卵からかえったメダカが稚魚から成魚になるまでのメダカの成長について、それぞれの成長段階に合わせた飼育ポイントとともにご紹介します。
メダカの成長過程に合わせて飼育することで、飼育が難しい稚魚の生存率や、繁殖の成功率をグッと上げることができますので、ぜひ、ご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにメダカの成長過程と段階に合わせた飼育ポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
メダカは育てやすく繁殖も楽しめる魚です。
しかし、そんなメダカでも卵や稚魚は弱く、成魚と同じように管理しているのではうまくいかないことも少なくありません。
各世代のメダカを上手に飼育するには、現在の成長具合を見極めながら段階に合ったお世話をしてあげることが重要です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカの成長過程と段階に合わせた飼育ポイントを解説します。
メダカの成長1:卵~稚魚
メダカは、卵の中で10日間ほど成長した後、孵化し稚魚が産まれます。
目立った動きはないものの、稚魚~成魚に成長するための重要な時期ですので、成長を静かに見守りましょう。
ここでは、卵から孵化するまでの飼育ポイントや管理のコツをご紹介します。
飼育・成長の最初期!
卵から孵化して稚魚になるまでの期間は、メダカ飼育の最初期です。
産み付けられた卵を見つけたら、そこからメダカの命が始まります。
卵は稚魚や成魚とは飼育方法が大きく異なりますので、戸惑ってしまう人も少なくありませんが、
- 隔離して飼育する
- 水温を管理する
この2点を守ることができれば、孵化させられる可能性が高いです。
産み付けられている卵を回収しよう
水草や産卵床などに産み付けられた卵を確認したら、小さな容器に隔離して孵化させましょう。
そのままでは、卵が親メダカや他のメダカに食べられてしまいます。見つからずに孵化できたとしても、稚魚は泳ぎ回って目立つため卵以上に食べられやすいので、隔離して成魚の手の届かない空間で育てましょう。
卵が産み付けられた水草や産卵床ごと隔離すると作業がスムーズです。マツモなどの繁殖力の高い水草ならば、卵が付いた部分だけを切り取って隔離することができます。産卵床を隔離した場合は、必要に応じて新しいものを水槽に補充するか、少し手間ですが卵だけを摘み取って隔離容器に移してください。
手で触ると潰れそうで心配かもしれませんが、受精卵は硬いため問題ありません。そっと取っても潰れてしまうものは、大半が孵化しない未受精卵や死卵です。
卵は水温で孵化にかかる時間が変わる!
メダカの卵は、水温によって孵化にかかる時間が変わります。
具体的に言うと、積算水温が250度を超えるのが目安です。
積算水温は1日の平均水温と日数をかけて算出します。例えば平均水温が25度の場合、積算水温250度は、25×10=250となり、約10日で孵化する計算です。
ただし、単純に積算水温に達すればいいというわけでもありません。水温が高ければそれだけ早く積算水温に達しますが、水温が高すぎると孵化率は下がってしまいます。
卵の孵化率が高いのは25度から28度の間ですので、この水温を目安に大切に卵を管理してください。
カビに注意しよう!
卵を管理していて気を付けたいのがカビの発生です。
カビは
- 水温が低すぎて孵化までに時間がかかっているとき
- 無精卵が混ざっているとき
などに卵に生えることがあります。
無精卵は複数の卵を管理していればいくつかは混ざっているものですが、いくら適切に管理していても孵化することはなく、またカビが生えてしまいやすいです。
無精卵に生えたカビが有精卵にも移ってしまうと、有精卵にも悪影響を及ぼしますので、カビる前に無精卵だと気づいた時点で取り除きましょう。
無精卵は産卵から数日で白く濁ったようになるので、見分けることができます。
また、カビの発生を予防するには魚病薬の『メチレンブルー』が効果的です。薬の殺菌効果によってカビの発生を抑えることができます。
この時メチレンブルーの濃度は、飼育水が薄く色付く程度で問題ありません。
ただ、薬の入った環境で卵が孵化してしまうと稚魚に良くないため、積算水温から孵化する日を予想して、卵がかえる前に通常の飼育水に戻してください。
メダカの卵の管理方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
メダカの成長2:稚魚~幼魚
卵から孵化した稚魚は、少しずつ成長して幼魚になります。
生まれたばかりの稚魚は繊細ですので、この期間はメダカ飼育で一番難しい時期といえます。
丈夫さが決まる大切な成長期
稚魚~幼魚は、健康で丈夫に成長するか決まる大切な時期です。
水流が強すぎないか、餌は足りているかなど十分に確認しながら育てましょう。稚魚は水流が苦手なため、ろ過フィルターやエアレーションは必要ありません。
稚魚は餌をこまめに与えよう
産まれたばかりの稚魚はヨークサックと呼ばれる栄養が詰まった袋を持っていて、ここから養分を得ていますので、餌は必要ありません。
餌やりは孵化から2日ほど経った辺りから開始します。
口が小さい稚魚でも食べることができる、
- 稚魚用の人工飼料
- ゾウリムシやミジンコなどの微生物
- グリーンウォーター
などの餌がおすすめです。
稚魚用の人工飼料をベースに、栄養満点なゾウリムシやミジンコを与えると丈夫な成魚に育ちやすくなります。もし、やむ負えず成魚用の餌を与えるときは細かく砕いてから与えましょう。
稚魚の餌やりのポイントは、 複数回に分けてこまめに給餌することです。
食いだめができず、すぐにお腹をすかせてしまう稚魚には、1日3~4回、数分で食べきれる量を目安に与えます。餌の食べ残しは水の汚れの原因になりますので、食べきれなかった分は網ですくって取り除いてください。
屋外飼育の場合は、稚魚の餌となる植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターで飼育するのも良いでしょう。
グリーンウォーターなら、良質な餌が稚魚の周りに常時浮いているような状態なので、稚魚のペースで好きな時に口にすることができて餓死の予防になります。
ただ、グリーンウォーターは植物プランクトンが水中の酸素を消費してしまうことがあるので、植物プランクトンの濃度と酸欠には注意してください。
メンテナンスは飼育環境にあわせよう
水換えや掃除といったメンテナンスの頻度は、飼育容器の大きさに合わせて調節します。
稚魚は水質に敏感ですので、頻繁に水換えすると体調をくずしてしまうことがあります。とはいえ、水が汚れても体調不良につながるため、水量の多い広い容器で飼育して、メンテナンス頻度を減らす方法がおすすめです。
水量が多いほど水が汚れにくくなりますので、水換えや掃除など、稚魚の負担になりやすいメンテナンスの頻度を下げることができます。
設置スペースの問題などで、小さな容器で飼育する場合は、スポイトなどで底にたまったゴミをこまめに吸い出して、減った水量だけ足し水して水質を管理します。一度に多量の水換えをすると、水質が急変して稚魚に負担をかけてしまうため、少しずつメンテナンスすることがポイントです。
メダカの成長3:成魚・繁殖期
成魚になったメダカはとても丈夫で、多少の水温や水質の変化にも耐えられる安定期です。繊細な稚魚と比べれば格段に飼育しやすくなります。
一方で体が成熟して繁殖を始めるため、今度は育てる飼育環境から、繁殖に備えた環境にステージを変えていく必要が出てきます。
繁殖を考えているのであれば、少しずつ卵を産める環境を整えていきましょう。
産卵・繁殖を行う充実期
メダカはオスとメスがそろっていることに加え、次の条件がそろうと繁殖を始めます。
- 水温が20度以上ある
- 日照・照明時間が13時間以上ある
屋外では水温と日照時間が季節に左右されるため、4~9月が繁殖期にあたります。室内飼育も基本的には同じ期間ですが、水槽用ヒーターで加温すると寒い時期でも繁殖させることが可能です。
また、メダカを繁殖させる場合にはオスとメスの割合も重要で、オス1匹に対してメス2~3匹といったように基本的にメスの割合を多くして管理します。
メダカの繁殖条件とオス・メスを判断する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
産卵には水草が大切!
メダカが産卵するためには、卵を産み付ける水草が欠かせません。
葉が硬い種類には産卵できませんので、
- ホテイソウ
- マツモ
- アナカリス
- ウィローモス
といった水草がおすすめです。これらの種類は繁殖力も高いため、卵が産み付けられた部分を切って隔離することもできます。
また、水草の他に人工産卵床を使うことも多いです。水草のように繁殖させて複数の容器に使い回すことはできませんが、枯れることもなく分解して掃除もできますので扱いやすいです。
メダカの産卵床については、こちらの記事をご覧ください。
餌は栄養価の高いものを与えよう
繁殖できる環境が整っていると、メダカは毎日産卵します。
卵を産むことはもちろん、交尾やオス同士の縄張り争いなどで体力を消耗するため、餌は栄養価が高いものを与えましょう。繁殖・産卵用の人工飼料を中心に、タマミジンコやブラインシュリンプを給餌するのがおすすめです。
また、屋外飼育の場合は、繁殖期が終わっても冬眠が控えていますので、引き続き体力と増体を意識した餌を与えると越冬しやすくなります。
メダカの成長4:老年期
飼育を始めて数年が経過して繁殖ペースも落ちてくると、老年期に入ります。
体色がくすんだり、少しやせてきたりなど、見た目に変化が現れることも多いです。
体力も低下してくるので、変化が少なく穏やかに過ごせる環境を整えてあげましょう。
ゆるやかな飼育で長生き!熟年期
老年期は成魚の最盛期と比べて体力も低下傾向ですので、
- 水流を強くしない
- 餌を少なめに与える
- 過密飼育は控える
- 昼夜を感じさせる
など、無理をさせないよう飼育しましょう。
成魚と一緒に飼うと、遊泳力で負けて餌を食べにくかったり、ストレスを感じたりすることもあるため、別の飼育容器に移動させるとより負担がかかりません。
飼育環境で寿命は変わる
老年期のメダカに長生きしてもらうためには、飼育方法だけでなく飼育環境にも配慮することが大切です。
- 水温差が大きい
- 水質変化が激しい
- 大きな音や振動が多い
といった消耗が激しい飼育環境では寿命が短くなる傾向にあります。飼育方法と飼育環境が整っているほど長生きできる可能性が高いです。
メダカの寿命
メダカの寿命は1年半~4年ほどと言われています。期間に幅があるのは、飼育環境や生まれつき持っている要因が寿命を大きく左右するからです。
長生きの秘訣は、ずばり、毎日の観察を怠らず大切に育てることにあります。
こまめに様子を見ることで、メダカや飼育環境の小さな変化に気づくことができ、異変があった時に速やかに対処することができるのです。
特にメダカの寿命に大きくかかわる病気は、早期発見、早期治療ができればそれだけ完治できる見込みが高くなります。病気の発現は、体表にぽつんと現れる点だったり、微妙な泳ぎ方の違和感であったりといった些細なことがほとんどですので、早期発見できるよう、日々の観察を怠らないようにしましょう。
そして、もし病気にかかってしまったとしても、薬浴や塩水浴などの適切な治療を施すことで回復できる可能性がありますので、最後の時まで大切に飼育してあげてください。
まとめ:メダカの成長を解説!卵から稚魚・成魚まで過程や飼育ポイントを紹介
今回は、卵からかえったメダカが稚魚から成魚になるまでのメダカの成長について、それぞれの成長段階に合わせた飼育ポイントとともにご紹介しました。
メダカは成長段階によって飼育のポイントが変わります。
- 卵~稚魚:産み付けられた卵は隔離する、水温25度前後で管理する
- 稚魚~幼魚:餌を1日2~3回与える、飼育環境に合わせて掃除する
- 成魚・繁殖期:繁殖向きの水草を用意する、栄養価が高い餌を与える
- 老年期:餌を少なめに与える、水流を控えて水質や水温変化が少ない環境で飼育する
成長に合わせて飼育できれば、卵や稚魚の生存率や成魚の繁殖効率の向上、長生きにもつながりますので、ぜひ、実践してみてください。
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