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30cm小型水槽でネイチャーアクアリウム!作り方・維持の基本を解説!
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自然にある水景をそのまま切り取ったような、ネイチャーアクアリウム。
オーナメントなどの人工物を使用しないのがネイチャーアクアリウムの特徴ですが、単に水草や流木などを散りばめればそれで良いというわけではありません。
水槽の中で見栄えのする水景を維持するには、レイアウト構図や植栽する水草の選定に、ちょっとしたコツが必要です。
そこでこのコラムでは、30cm小型水槽でネイチャーアクアリウムを作るための方法や、維持をするためのポイントなどを紹介していきます。
ワンランク上の水草水槽を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アクアリウムのプロが監修、ネイチャーアクアリウム水槽の作り方
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
5000件を超える水槽を設置管理してきた東京アクアガーデンでは、水草水槽を手掛けることも多く、特に自然の情景をそのまま再現したようなネイチャーアクアリウムは癒し効果が高いと好評をいただいております。
実務で得た経験を元に、小型水槽でネイチャーアクアリウムを作るための方法や維持の仕方について、アクアリウム初心者の方にもわかりやすく解説していきますので、ぜひご覧になってみてください。
ネイチャーアクアリウムとは
まずは『ネイチャーアクアリウムとは何なのか』という部分について解説をしていきます。
ネイチャーアクアリウムとは水草水槽(水草を使ったレイアウト方法)の一種で、もともとは写真家の天野尚氏によって確立されました。
水草だけでなく流木や石、水際に生える草花なども用いて自然の景観を再現し、なるべく人の手を加えず、水草と生き物が調和し自然のまま成長していく姿を楽しむことがコンセプトとされています。
自然発生する微生物が水を浄化し、その中で水草や熱帯魚が泳ぐ…そんな自然に近い絶妙なバランスの生態系を水槽の中に再現するネイチャーアクアリウムは、見る人に高い癒し効果をもたらすことでも注目されており、その人気はとどまることを知りません。
また、使用する水草は、トリミングの頻度が少なくても美しさを保てるようなものを選ぶことも特徴のひとつです。難易度が高く感じるネイチャーアクアリウムですが、初心者でも機材を揃えれてポイントを掴めば、自宅で再現することが可能なレイアウト方法でもあります。
30cmネイチャーアクアリウム水槽の作り方
それでは、初心者にも扱いやすい30cm小型水槽を使った、ネイチャーアクアリウムの作り方についてご紹介をしていきます。
作業手順は以下の通りです。
■30cmネイチャーアクアリウム水槽の作り方
- 水槽・水槽台を準備する
- 底床を準備する
- 水槽機器をセッティングする
- レイアウト構図を考える
- 水草を植栽する
- 完成
ネイチャーアクアリウムを始めるには、一般的な水槽セット(水槽、フィルター、エアーレーション、底砂など)のほかに、水草用の照明やCO2添加器、肥料などを揃える必要があります。
使用する機材についても手順と合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.水槽・水槽台を準備する
まずは水槽と水槽台を用意しましょう。
ネイチャーアクアリウムを楽しむ場合は、フレームレスのガラス水槽を選ぶのがおすすめです。
ガラスの透明度を重視するのであればADA(アクアデザインアマノ)のものがおすすめですが、通販で購入することができないため、今回は他メーカーのものを使用しました。
ADAとはネイチャーアクアリウムを確立した天野尚氏が創設した水槽用品メーカーで、品質と洗練されたデザインが高く評価されています。
そして水槽台は今回、アクアシステムのものを採用しました。水槽台は水槽サイズや設置する部屋の雰囲気とマッチしたものを選びましょう。
以下の記事では水槽の選び方やおすすめの水槽台について解説していますので、参考になさってみてください。
2.底床を準備する
水槽の底にはソイルという土を敷きます。
今回はJUNというメーカーのプラチナソイルという土を計6L(3L×2袋)使用しました。
一般的なネイチャーアクアリウムでは水草を元気に育てるために、栄養が添加されたソイル(栄養系ソイル)を使用することが大半です。
しかし今回は30cm水槽という比較的小型な水槽での制作となりますので、水質安定を目的とした吸着系のソイルを採用しました。
吸着系ソイルは水草を育てるための栄養源が少ないため、ソイルの中に栄養剤(肥料)を混ぜます。
今回ははじめに3Lのソイルを敷き、栄養剤であるテトラのイニシャルスティックを入れたあと、栄養剤を覆うように残りのソイル3Lを敷きました。
ソイルや肥料の種類については以下の記事でご紹介しています。
3.水槽機器をセッティングする
ソイルを敷き終えたら機器をセッティングしていきます。
今回用意した機材は以下の通りです。
- ろ過フィルター
- 水槽用ヒーター
- 照明
- CO2添加機器
- 酸素添加機器(エアレーション)
それぞれの取り扱い方について詳しく解説していきます。
ろ過フィルター
まずは水質を維持するのに欠かせないろ過フィルターを設置します。今回はエーハイム クラシック2213という外部式フィルターを採用しました。
外部フィルターは各メーカーから発売されていますが、エーハイムのものは分解のしやすさやろ過効率、各パーツの供給量などが特に優秀で非常におすすめです。
さらにここで、プロならではの工夫を施しました。ろ過フィルターから排水された水の出口ですが、シャワーパイプを加工して、水槽の下から上へ排水させるようにします。
こうすることで、水槽背面に植栽予定の有茎草を非常に美しく育てることができますので、ぜひお試しください。
水槽用ヒーター
次に水温を維持する水槽用ヒーターです。水槽用ヒーターは、GEX NEW セーフカバー ヒートナビ 80という商品を使用しました。
小型水槽はヒーターのサーモが水面から露出することで異常加熱されてしまう危険があるのですが、こちらの商品はサーモスタットとヒーターが一体型となっているため安全です。
難しい操作は必要なく取り扱いも簡単ですので、初心者の方でも安心して使用することができます。
照明
水草を植えこむネイチャーアクアリウムでは照明が大きな役割を担います。水草に光合成を促し美し育てるために、普通の水槽用照明ではなく光の強い水草育成用のライトを選定しましょう。
今回はADAのアクアスカイGという商品を選びました。決め手はデザインと光質です。
ADAの製品はどれもスタイリッシュなデザインが特徴ですが、こちらの照明も例にもれず、水槽を圧迫しないシンプルかつ洗練されたデザインが魅力です。
また、光の質も素晴らしく、光合成を促すのはもちろんのこと、水草の緑色を鮮やかに発色させてより美しく見せてくれます。
CO2添加機器
水草を美しく育てるのには、CO2(二酸化炭素)の添加が必要となります。
CO2添加の際に必要となる備品が、
- CO2ボンベ
- CO2レギュレーター
- 電磁弁
- 耐圧チューブ
- 逆流防止弁
- バブルカウンター
- エアストーン
これら7点です。
CO2添加器を選ぶ上で重要になるのがメーカーの選定ですが、使い方が簡単で信頼度も高いのは、やはりADAの製品です。
今回は心臓部のレギュレーターと電磁弁はADAのものを、他はすべてスドーの製品を採用しました。
酸素添加機器
CO2添加をする水槽では真逆に思われるかもしれませんが、実はネイチャーアクアリウムでもエアレーションは必要です。
というのも、水草は日中は光合成をして酸素を放出しますが、光の当たらない夜間は酸素を消費して呼吸をします。たくさんの水草を植えこむネイチャーアクアリウムでは、夜間に水草が酸素を消費してしまい生き物が酸欠を起こす恐れがあるのです。
そこで、日中はCO2を添加し、夜間は酸欠を防ぐためにエアレーションを行う、というように時間帯によって機器を使い分けることが推奨されています。
酸素を添加する上で必要なのが下記の4点です。
- エアーポンプ
- エアーストーン
- エアーチューブ
- 逆流防止弁
夜間のエアレーションは水槽表面の油膜解消にも役立つのでおすすめです。
4.レイアウトの構図を考える
水槽のセッティングが完了したら、今度はレイアウトを考えていきましょう。
ネイチャーアクアリウムのレイアウトでは人工的なオブジェは使用せず、
- 流木
- 石、岩
- 水草、植物
などの自然物で構成していきます。
次に構図について。水槽レイアウトには基本構図というものが存在し、それを意識して水草や流木などを配置することで、魚の遊泳スペースを確保しつつ水景を際立たせることができます。
水槽の基本構図は以下の3種類です。
■水槽レイアウトの基本構図
- 三角構図
- 凹型構図
- 凸型構図
今回は中でも人気が高く初心者でも取り入れやすい『三角構図』を基本としながら、流木と石を使ってレイアウトを組んでみました。
流木は2本を組み合わせてひとつに見えるよう配置し、根本を取り囲んで固定するように石を3個配置します。
なお、流木と石は水槽の前面寄りに配置をするのがおすすめです。そうすることで水槽背面に多くの有茎草を植栽することができます。
5.水草を植栽する
構図を決めて流木や石を配置し終えたら、ゆっくりと水を注ぎましょう。
そしていよいよ、ネイチャーアクアリウム水槽の見せ所とも言える水草を植栽していきます。
水草は、ネイチャーアクアリウムの『あまり人の手を入れずに育てる』というコンセプトを活かすため、頻繁にトリミングや手入れをしなくても育つものを選定すると良いでしょう。出来上がった後も長期的にレイアウト維持しやすくなります。
それでは、一例になりますが今回使用した水草を前景、中景、後景に分けてご紹介していきますので、水草選定の参考にしてみてください。
水槽前面(前景草)
前面にはキューバパールグラスを植栽しました。キューバパールグラスは成長すると横に広がっていき、美しい水草の絨毯のような姿を楽しむことができます。
水槽中央(中景草)
中景には、ブリクサ ショートリーフ、パールグラスを配置しました。
前景で使用したキューバパルグラスは絨毯のように広がっていくイメージですが、こちらのパークグラスは少し高さがあり、こんもりとした茂みを作るのに向いています。
水槽背面(後景草)
後景には、ロタラ・インディカ、ロタラ・ナンセアン、ニードルリーフ ルドウィジア、ハイグロフィラ・ピンナティフィダを使用しました。
中でもロタラ種はネイチャーアクアリウムの代表格ともいえる有茎草ですので、どこかに一種類は入れておきたいところです。今回は後景に2種類配置しました。
6.30cm水槽で作るネイチャーアクアリウムが完成!
水面に浮いた水草の切れ端などを取り除いたら、ネイチャーアクアリウムの立ち上げが完了です。
水草は数カ月間かけて日に日に成長していきますので、状態を見ながらトリミングして形を整えつつ、理想の完成形に近づけていきましょう。
立ち上げまでが完璧にできていても、ここからの管理を怠っては失敗してしまいます。
日々水槽を観察し、コケが生えていないかどうかや、水温は適切かどうかなどを細かく観察していきましょう。
ネイチャーアクアリウム維持の基本
最後に、ネイチャーアクアリウムを維持する上でのポイントについて解説をしていきます。
美しい状態を維持するために、まずは以下の4点を意識しましょう。
- 水草の定期的なトリミング
- 照明・CO2添加装置・エアレーションの維持
- お掃除生体の導入・管理
- ソイルの交換
いくら『人の手を加えない自然のままの姿』をコンセプトとするネイチャーアクアリウムでも、水槽内で伸びすぎた水草を放置してしまっては下草が日陰になってしまいますし、水流も妨げてしまいます。
なるべくトリミングの頻度が少なくて済む水草を選定しつつ、必要に応じて長さやボリュームを整えてやりましょう。
また、照明やCO2の添加装置などはタイマーを使って管理をすると、光量不足やCO2不足を予防することができます。
水槽立ち上げ後に生えてくるコケに関しては、コケを食べてくれるヌマエビやオトシンクルスを導入することである程度対策することができます。
ネイチャーアクアリウムの美しさを保つには、お掃除生体の導入は必須と言えるでしょう。
そして最後に、底床で使用したソイルは1~2年で崩れてきますので、水草や生体を別の水槽に移して交換する必要があります。
ソイルを崩れにくくする方法やお掃除生体については以下の記事で解説していますので、お役立てください。
まとめ:30cm小型水槽でネイチャーアクアリウム!作り方・維持の基本を解説!
自然の一部を切り取ったような水景を室内でも楽しめる、ネイチャーアクアリウム。
水草が光に向かって青々と成長していく様や、魚たちとの調和など、ネイチャーアクアリウムはまさに生命の息吹を感じ取れる魅力的な趣味のひとつです。
今回は30cm小型水槽でネイチャーアクアリウムを作るための方法や、維持をするためのポイントなどを紹介してきました。
しかし、ここでご紹介したのはあくまでも一例。見栄えのする水景の作り方にはいくつかコツがありますが、アクアリウムに正解はありません。
ぜひ、皆さんの思うありのまま・自然のままの水景を、水槽に投影してみてください。
小型ネイチャーアクアリウムについて良くある質問
ネイチャーアクアリウムとは?
小型ネイチャーアクアリウムに向いた水草とは?
成長が早すぎず、頻繁なトリミングを行わない水草の種類が向いています。
- キューバパールグラス
- ブリクサ
- ロタラインディカ
- ハイグロフィラ・ピンナティフィダ など
ネイチャーアクアリウムでは多様な水草を育成しますが、トリミング回数を抑えることで管理しやすくなります。
小型ネイチャーアクアリウムに向いている生体とは?
小型ネイチャーアクアリウムに外部フィルターを配置するポイントとは?
ネイチャーアクアリウムでは排水パイプを底面付近に配置し、上向きに水流を起こすのがおすすめです。
上から下へ水を流すのではなく、下から吹き上げるようにすることで有茎層の成長をサポートします。
そばに水槽用ヒーターを配置することで水温のムラも無くしやすくなります。
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