水草は空気を出すって本当?美しい気泡を出す条件と照明の関係
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水草水槽の醍醐味とも言えるのが、一面に沸き立つ酸素の気泡。
葉にたくさんの気泡をつけた姿に魅了され、水草水槽の運用を始めたという方も多いと思います。
水草は他の植物と同様に光合成によって酸素を生み出すのですが、水中で成長する水草の場合、それが気泡・泡となって葉につきます。
しかし、水草であればどのような環境で育てていても気泡がつくというわけではありません。
実は水草が気泡をつけるのには、
- 底面まで強く照射できる水草育成用照明を選ぶ
- CO2を添加する
- 水草の量を調整する
といった、いくつかの条件をクリアする必要があるのです。
そこでこのコラムでは、水草が気泡を出しやすくするための条件・水槽環境の作り方について解説をしていきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにご紹介
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンには、5000件を超す水槽設置・管理実績があり、水草水槽を手掛けた経験も豊富です。
水草の気泡を出すためにはまず十分に光合成させる必要があり、光合成を促すには照明の強さや水草の量などを調整してやることがポイントとなってきます。
このコラムでは実務経験から得た知識をもとに、水草の光合成に必要な条件やおすすめの対策方法、気泡をつけやすい水草の種類などを解説していますので、ぜひお役立てください。
水草が出す気泡の正体
水草が出す気泡の正体は、ずばり酸素です。
そしてこの酸素を葉から出すメカニズムには、光合成が深く関わっています。
光合成とは植物が光のエネルギーを利用し、二酸化炭素と水から栄養分(有機物)を作り出す生化学反応のことを指します。
その際、化学反応が終わったあとの残りカスとして排出されるのが酸素というわけです。
光合成をしてたくさんの気泡をつけた水草は『勢いよく成長している』という証拠にもなります。
つまり、気泡は人の目を楽しませてくれるだけでなく、水草の調子を確認するバロメーターとして見ることもできるのです。
水草が気泡を出す3つの条件
水草から美しい気泡を出すためには、十分な光合成が必要です。
そして、光合成を促すには以下のような条件を整えることがポイントとなってきます。
- 底面まで強く照射できる水草育成用照明を選ぶ
- CO2を添加する
- 水草の量を調整する
ここからは光合成を促すための条件について詳しく解説していきます。
1:底面まで強く照射できる水草育成用照明を選ぶ
水草の気泡を出すために、まずは水槽の底の方まで強く照射できる水草専用のライトを設置しましょう。
各社さまざまな水槽用照明を販売していますが、『水草専用』もしくは『水草育成用』と記載された商品であれば問題ありません。
水槽のサイズに合わせて、適切なものを設置しましょう。
光量は強ければ強いほど光合成が活発になるので、通常の倍量の明るさのライトを設置するのが理想です。
水草水槽の照明はワット数(W)よりも明るさ(ルーメン/lm)を重視して選定します。例えば60cm規格サイズでCO2を添加している水槽であれば、気泡を出すには3000lm程度の明るさのある照明を用意すると良いでしょう。もし複数のライトを設置する場合は、安全性を考慮して軽量なものを選ぶようにしてください。
ただし光が強いとその分コケの発生も多くなりますので、こまめに水換えをしたり肥料の量を調節するなどの対策をしましょう。
2:CO2を添加する
続いて2つめの条件は、強制的にCO2添加をすることです。
水草は細胞内に二酸化炭素を取り込むことで、葉から酸素の気泡を発生させます。
一定濃度の二酸化炭素は水中に存在しているのですが、気泡を発生させるにはどうしても足りません。
そこで、ボンベなどを活用し、二酸化炭素を強制的に添加してやる必要があるのです。
ただし、二酸化炭素は水面のちょっとした揺れで空気中に逃げてしまうという性質をもちます。
添加した二酸化炭素がなるべく無駄にならないよう、ろ過装置は水面を揺らしにくい外部式フィルターを使うようにしましょう。
3:水草の量を調整する
気泡は水中に多くの酸素が存在してる状況でつき始めるため、酸素が飽和状態になっていることが望ましいです。
光合成した水草が酸素を最大限に放っている状況を作り出すことで、気泡を楽しみやすくなります。
そのために、まずは水草の量を増やして密度を高めましょう。この時、全体に照明の光が行き届いていることが必須となります。影になって光の届かない水草が出ないよう、レイアウトには注意してください。
また、酸素を消費する生体の数は、なるべく少ない方が良いでしょう。
CO2添加をしている水草水槽には小型魚がおすすめされる場合が多いのですが、これは酸素の消費量をなるべく抑えたり、水草がかじられてしまうリスクを軽減させるためでもあるのです。
ただし水草は照明を落とした夜間には酸素を吸って二酸化炭素を放出するという性質をもちます。
水草が多ければその分酸欠になりやすいので、夜間は必ずエアレーションを行ないましょう。
番外編:水草を活性化するならば肥料を添加して育成環境を見直そう
水草が気泡を出す3つの条件を整えても思うように気泡を付けない、もっと気泡を出したいという時には、以下のような対策を講じて水草の活性を高めるのがおすすめです。
- 微量元素などの液肥を添加する
- 水温を最適に保つ
- 水流(ろ過能力)と水質を適切に保つ
水草を活性化するには、まず肥料を与えます。肥料には固形肥料と液体肥料がありますが、この場合は水草全体に満遍なく追肥できる液体肥料がおすすめです。
水草にもそれぞれ得意な水温、水質がありますので、元気に育てるならば、育成環境を見直してみましょう。
また、水流についても水草によって得意不得意があります。とはいえ、水に動きがなく淀んでしまう環境は水草にはあまり良くありません。適度な流れをつけながら、強い水流を苦手とする水草には直接水が当たらないよう位置を調整しましょう。
光合成を促す(気泡を生み出す)条件と活性を高める条件を整えてやると、水草はより健康的に状態良く保つことができるようになります。
気泡を出しやすい水草4選
極論を言えばどのような水草でも気泡を出すことは可能なのですが、その中でも特に気泡を出しやすいおすすめの水草がいくつか存在します。
ここからは『美しい気泡を出す水草』というテーマのもと、
- パールグラス
- グロッソスティグマ
- ロタラ
- リシア
これら4種類の水草についてご紹介していきます。
以下の記事でも気泡を出しやすい水草について解説していますので、あわせてご覧になってみてください。
パールグラス
まずご紹介するのはパールグラス。
『パールグラス』と名のつく水草にはいくつか種類がありますが、どれも見事な気泡をつけてくれます。
水草水槽では前景草として存在感を発揮することで有名な水草で、真珠のような気泡がついたパールグラスが絨毯のように底床を覆う姿は、まさに圧巻の一言です。
グロッソスティグマ
続いてご紹介するのはグロッソスティグマ。
この水草は高光量で育てると匍匐(ほふく)して増えるという性質をもっているため、植栽してから数ヶ月経つと絨毯状に広がった美しい姿を見せてくれます。
パールグラス類より葉が大きく有茎草であることから、よりボリューミーな絨毯を作るのにもってこいの水草です。
ロタラ
続いてご紹介するのはロタラ。
前景草のように真珠のような気泡が付着するというよりは、とても小さな気泡が一条の筋となって立ち上る姿が美しい水草です。
後景草として使用することで、水草水槽をよりダイナミックに彩ってくれます。
前景草類と比べて育成も容易なので、初心者でも安心して育てることができるでしょう。
リシア
最後にご紹介するのは、細い葉と目に鮮やかな緑が特徴のリシア。
もともとは浮草のため水面に浮いてしまいやすいので、リシアネット(またはリシアベース)と呼ばれる商品の中に詰めてレイアウトをします。
リシアはとても簡単に気泡をつける水草なうえに、かなりの量の酸素をだすため、うまく育てれば気泡にまみれてリシアが埋もれてしまうくらいになることもあります。
リシアが浮いてこないよう固定した状態で販売されている商品もありますので、ぜひ育成に挑戦してみてください。
まとめ:水草は空気を出すって本当?美しい気泡を出す条件と照明の関係
今回は水草が気泡を出す条件について詳しく解説してきました。
水草の気泡を生み出すにはまず光合成を促す必要があり、その条件としては
-
- 底面まで強く照射できる水草育成用照明を選ぶ
- CO2を添加する
- 水草の量を調整する
といった対策が必要となります。
また、液肥を与えたり、水草が得意な水温や水質に保つことで水草が活性化し、より気泡をつけやすい状態となるでしょう。
気泡を出しやすい水草を選定するのも重要です。
気泡がたくさんついている水草は、元気いっぱいに成長している証拠でもあります。この記事を参考に、ぜひ皆さんも素敵な水草水槽作りに挑戦してみてください。
水草の気泡について良くある質問
水草につく気泡とは?
水草の葉先から発生する酸素が集まったものです。
- パールグラス
- リシア
- グロッソスティグマ など
これらの種類が気泡を付ける水草として有名です。気泡は美しく観賞面でも好まれます。
発生させるためには、水草が光合成を最大限に行える環境・設備が必要です。
水草が気泡を付ける条件とは?
気泡を楽しむのに必要な機材とは?
水草の気泡を鑑賞するポイントとは?
もともと強い照明を使用しますが、光に照らされている気泡は鑑賞性が非常に高いです。
導入する生体は小型魚がおすすめですが、ビーシュリンプやチェリーシュリンプなどの色鮮やかな小型エビでも、美しい水景に仕上がります。
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